ようこそ知の海へ!


 みなさんは現在、毎日のように学校へ行き学問(がくもん)を学んだり、知識(ちしき)を深めたりしています。昔はたくさんの知識を好き嫌いに関係(かんけい)なくつめこむようなことが行われていましたが、現在では、みなさんの興味(きょうみ)におうじて色々(いろいろ)なことを学校で学べるようになりました。
 さて、今回は知識(ちしき)というもの、知識をえるために必要(ひつよう)な最低限(さいていげん)のマナーのようなものを考えてみましょう。


知識(ちしき)とは

 みなさん、知識というものにどのようなイメーヂをお持ちでしょうか? 
「先生が教えて下さるもの」と考えた人もいるかもしれません。しかし、残念(ざんねん)ながら知識を先生が教えることはできません。
「先ほど、学校で知識を深めていると言っておいて先生が教えて下さらないのになぜ深まるのか?」とみなさん、考えたでしょう。しかし、実は知識を深めているのはみなさんで、先生ではないことにお気づきでしょうか? つまり、知識は教えていただくものではなく、自分で深めていくものなのです。
 このことは知識(ちしき)という言葉がしめしているものとかかわります。とりあえず、知識を「知」と「識」にわけてみましょう。「知」はわかりますね、知恵(ちえ)のことです。むつかしい言葉では、情報(じょうほう)といってもさしつかえないでしょう。
 では「識」は? 洋服(ようふく)のような繊維(せんい)をおる時の「織(お)る」という字によくにていますね。ごんべんですので「言葉をおりあげる」と解釈(かいしゃく)してもいいでしょうか、むつかしい言葉(ことば)には認識(にんしき)という言葉もありますね。つまり、知識とは「知恵(情報)をおりあげていく(認識する)」ことにほかなりません。
 知識の深いみなさんなら、もうおわかりでしょう。情報(知恵)を先生はみなさんにお伝えすることはできても、認識する(おりあげてゆく)のはみなさんです。知識は自分で深めていく他(ほか)は手段(しゅだん)がないのです。
 また、情報(じょうほう)と認識(にんしき)は自転車(じてんしゃ)の両輪(りょうりん)のようなもので、どちらを欠(か)いても上手(じょうず)に前に進むことはできません。
(私たちは時に一輪車(いちりんしゃ)の器用(きよう)さにおどろかされますが、知識の面で一輪車にのれるのはごくまれな人です)
 大人と言うだけで子供の意見より正しいとされはがゆい経験(けいけん)をされた人も多いのではないでしょうか? それは大人は情報(じょうほう)と認識(にんしき)のつりあいがとれていると考えられているからで、また、大人になっても知識があさいというのは、はずかしいことなのです。

 これからはとくに情報(じょうほう)をえるための技術(ぎじゅつ)やマナーについて私(わたくし)にまとめたものです。認識(にんしき)についてはお教えすることはできませんが、話をお聞きすること、本を読むことは話し手など相手の認識(にんしき)をさぐる絶好(ぜっこう)のチャンスです。どの情報がどの情報の後の話題となるのか? 情報と情報をつなげておりあげることが認識なのですから。


情報(じょうほう)をえるための
技術(ぎじゅつ)やマナーについて

話の聞き方

 お話をおうかがいする場合、聞き手のマナーや技術(ぎじゅつ)によって、えられる情報(じょうほう)は格段(かくだん)にちがいます。
 好きな人を大切にしたいと思うように、話し手は聞き上手(じょうず)な人に対して、多くの情報をあげたくなるむきがあります。とても簡単(かんたん)なことですが、話を真剣(しんけん)に聞(き)くというのが、お話をおうかがいするためのマナーであり技術(ぎじゅつ)です。
 わかっているのか、わからないのか、あいづちをうつことや、
 話したことをメモにすぐとれるように鉛筆(えんぴつ)を持ち字を書く姿勢(しせい)で相手(あいて)の目を見て話を聞くことにより、簡単にこちらの真剣さは伝わります。
 また、メモの取り方ですが、話し手の文章をそのまま書きうつすのが、もっとも理想(りそう)とされますが、最初(さいしょ)から話を聞きながら文章(ぶんしょう)を書きうす事には無理(むり)があるかも知れません。

「山田君は華子さんが好きです」のような文章では「ヤマダ→ハナコ○」

のようなメモで記憶(きおく)がはっきりしているときは大丈夫(だいじょうぶ)でしょう。
 もう一つつけ加えれば、おとなが行くような講演会(こうえんかい = お話の会)では、ほぼ間違(まちが)いなく聞き手が話し手に質問(しつもん)する時間が用意(ようい)されます。話し手は聞き手がどの程度(ていど)理解(りかい)したか知りたいものです。また、聞き手はわからないことをその場で解決(かいけつ)しておくことが気持(きも)ちいいですし、話し手が真剣(しんけん)に話したことに対しては(自分なりでかまいませんが)理解(りかい)することがマナーです。
 質問(しつもん)をしようと思って聞くのと、ただ何となく聞くのでは認識(にんしき)のどあいもことなります。質問はするものだと思っておいた方がいいでしょう。


黒板のうつし方

 現在、色つきのチョークも安くなり、カラフルな文字や絵で理解(りかい)を深めることも多く行われています。カラフルな黒板をかきうつすには、カラーのペンをおすすめします。
 ミリペンと呼ばれる「0.3」など太さの示されたカラーペンもありますし、色つきのボールペンも多くなりました。その他、さまざまなカラーペンがありますが、細身の水性マジック(ミリペンの類)を私はおすすめします。力のいれ方によってすぐにペン先がいたんでしまうという人は無理せず色鉛筆を使いましょう。
 色の対応としては、
 白チョークが黒鉛筆なのは当たり前ですが、
 黒板では黄色が遠くからもよく見えるので多く使われるので赤色のペンや色鉛筆を、
 赤チョークは逆に黄色になりますが、ノートでは黄色が見えにくい場合があるのでダイダイなど黄色を連想(れんそう)させる濃(こ)い色を使ってはどうでしょう? 
 青と緑はさほど使わないので一色(青か緑)で代用できるかもしれませんが、複雑(ふくざつ)な図では使い分けが必要になるでしょう。鉛筆(えんぴつ)書きした後を色でなぞる(逆も可能(かのう)でしょう)ことによって、単色ではない雰囲気(ふんいき)をだすこともできるかもしれません。
 また、カラーペンに関連(かんれん)してドリルや問題集などを行う場合に、
 しらべずに答えた問題は黒、
 調べてわかった問題は青、
 正解を赤丸や赤字で書き直すことによって、自分の不得意なところを見つけだすこともできるかもしれません。


コピーのとり方

 印刷技術(いんさつぎじゅつ)の進歩(しんぽ)で、現在(げんざい)では比較的(ひかくてき)安く、白黒コピー(ほぼ10円)やカラーコピー(A3はさまざまですが、それより小さければ50円程度(ていど)でコピーでき今後さらに安くなるでしょう)をとることができます。
 学校にもコピー機(き)のない学校はまれです。経済的(けいざいてき)な理由(りゆう)などからみなさんが使うことはむつかしいかもしれませんが、先生方(せんせいがた)と相談(そうだん)してどうしても必要(ひつよう)なときはかしていただくことを考えてもいいのかもしれません。
 基本(きほん)的には必要(ひつよう)な部分(ぶぶん)をコピーすればいいのですが、いったいそのコピーしたものがどの本にのっいたのかということを後でわからなくなることが多いので、本の後ろを開くと本の名前・書いた人・出版(しゅっぱん)された日付など書かれたページ(奥付(おくづけ)とよぶ)をコピーしておくといいでしょう。(後にその本を探しやすいように表紙をコピーする人もいます)奥付をコピーすることがもったいないと思う人は、奥付の内容をメモしておくといいでしょう。資料(しりょう)をまとめて発表(はっぴょう)する場合、どの本をしらべたかというのが大切になります。(本を書いた人に対する礼儀(れいぎ)でもあります)奥付のメモの例(れい)としては、

書いた人の名前著(編者(へんじゃ)なら「編」) 『本の名前』 出版された年 出版社の名前

というのが大筋(おおすじ)ですが、どのように引用(いんよう)しているかしらべてみましょう。


 かけあしで知識(ちしき)の深め方を考えてきました。
 しかし、これは私なりの知識のふやし方であり、あなたのそれは別の所にあるのかもしれません。
 これを機会(きかい)に、もう一度みなさんが知の海へこぎだしていくことを見直(みなお)してみて下さい。
 現在(げんざい)、みなさんは知(情報)の海にいます。どの情報を選択(せんたく)しどの情報とむすびつけて行くかはあなたしだいです。


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