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2011年09月25日

5題

高浜市やきものの里 かわら美術館
長崎歴史文化博物館 収蔵品展
【終了しました】
 せっかく紹介するんだから、始まって早い内に見に行かないとな。
 ようは出島時代の長崎にまつわる文物の展示。
 外国から入ってくるもの、外国に輸出するもの、朝鮮出兵から長崎に連れてこられた工人による陶磁器。
 普段は3階は常設展示だが、3階まで企画展に使われていて、けっこう豪華。

春日井市中央公民館 森浩一文庫展示
寺社境内図の版画展
 版画の境内図と地誌の関係はなんか気になる。
 比較的、早い段階の地誌でも、境内図に付随するような略縁起、境内の建物、什物を列記する仕様は似通っている気がする。
 参詣曼荼羅と境内図の関係、地誌と境内図の前後関係など、考え出すと意外に結論が見えない。
 一応の現段階でのアウトラインは、絵解きの付随する参詣曼荼羅が高僧伝絵の系譜からつくられ、より簡便に境内図が作成される。境内図に付随する略縁起を集成する目的ももって地誌が編纂されていく。境内図を集成するような名所図会は最後になるのか?
 善光寺の大勧進、大本願の位置も気になるな。。。

名古屋ボストン美術館(金山)
恋する静物−静物画の世界 りんごの想い。レモンのこころ。
呼びとめられたものの光
 表題から軽い収蔵品展なのかと考えていたが、ガッツリと芯の通った静物画のクロニクルだ。
 始まりはオランダ絵画。静物画が市民権を得るのがこの時代であるのは以前に見た。静物画と言えばセザンヌ。セザンヌへどのようにたどり着くのか?
 立体物との関係も展示されている。セザンヌ以後、近代・現代の思想的な絵画運動の中で静物画という技法がどのように享受され解釈されていくのか?
 音声ガイドが展示順になっていないので、今回ばかりはiPodではなく音声ガイド端末をオススメ。

名古屋都市センター(金山南ビル)
歴史の里(志段味古墳群)
古代歴史ロマンを感じて
パネル展
 最初からけんか腰だが、なんで研究史を無視する?
 自分の頭で考えて手で触れて、自分なりの考えを出すのは、大切なことで、逆に、この部分が欠けている研究者はゴマンといるから、いい傾向ではあるのだが、以前に誰が何を感じ、どう空想したのか? を説明できないのは、なぜ?
 ウチだって、認識の異なることは両論併記してるのに?
 まあ保育社のアレに依存していない研究者というのは、実は貴重で応援したいのは当たり前にあるのだが。
 と、展示とは全く関係ないな。
 ゆとりーとラインの終点が東谷山(とうごくさん)で、周辺に前期〜終末期? までの古墳が点在している。
 その志段味(しだみ)古墳群の整備事業が進んでいて、その中間発表的な意味合いのパネル展示。
 なるほど時期的に東之宮と青塚茶臼山の中間で規模も115mと「普通の盟主」程度と白鳥塚は考えてもいいのか。
 ただ、大須二子山の築造年代は懐疑的。尾張草香の子供といった所か? 草香から大隅まで、尾張氏で突出した人物は少なくとも『日本書紀』には見えない。
『旧事記・天孫本紀』には応神の代から皇室と蜜月の尾張氏というのも描かれている。順番はさておき、鶴舞・八幡山、断夫山、大須二子山の3代は応神から継体の間で収めるのが文献学的に適切なように感じる。
 大須二子山の馬具、甲冑についても門外漢だが、6世紀まで下げる必要性を感じない。国産系のはしり的なもので5世紀の中頃(440年代〜450年代)くらいには考えられないのか?
 まあ沖の島の、あの杏葉を5世紀末と言ってる人の言うことだから・・・

松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
松坂屋創業400周年・松坂屋美術館開館20周年記念
川合玉堂展−描かれた日本の原風景−
 なんていうの、ザ・玉堂という作品は牧歌的な風景の中に、なんかピンと琴線が張られているような感じ。
 まあ、その作風が好きか嫌いかになるのではないか?
 しかし、どうも初期の作品と晩年の作品に、その作風に入らないものが何点かあるらしい。
 若い頃の作品は、松をうわっと勢いよく描いたり、詩人の透徹としたまなざしを描き出したり、青さとは異なる若々しさがみなぎるような作品があった。
 晩年の作品は、今流に言うと、ヘタウマの妙。琴線のカケラもないような感じ。
「ああ玉堂でしょ」と思う向きにも再発見できる作品があるかも、オススメ。

高浜市やきものの里 かわら美術館
特別展
長崎歴史文化博物館 収蔵品展
2011.0806~0925

春日井市中央公民館 森浩一文庫展示
寺社境内図の版画展
2011.0618~0717
2011.0917~1030

名古屋ボストン美術館(金山)
恋する静物−静物画の世界 りんごの想い。レモンのこころ。
呼びとめられたものの光
2011.0917~2012.0212

名古屋都市センター(金山南ビル)
歴史の里(志段味古墳群)
古代歴史ロマンを感じて
パネル展
2011.0921〜1006

松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
松坂屋創業400周年・松坂屋美術館開館20周年記念
川合玉堂展−描かれた日本の原風景−
2011.0903〜1010

2011年09月19日

4題

滋賀県立近代美術館
神仏います近江 祈りの国・近江の仏像
-古代から中世へ-
 今年の秋、滋賀県で開催される、信楽・瀬田・大津の3館連係の展示。瀬田の会場は滋賀県立近代美術館。ちなみに安土、栗東でも仏教美術に関連した展覧会が開催されるもよう。3館だけでなく周辺も要チェック! 彦根城は12月に阿弥陀信仰のテーマ展。
 平安〜鎌倉時代の仏像に焦点を当てた展示。石山寺の快慶作・大日如来は洗練された美しさがある。
 平安仏は意識的に地方仏風の作例を集めている感じ。
 平安から戦国時代くらいまでの仏像を、ざっと見られる。仏像好きには必見の展示。

栗東歴史民俗博物館
栗東の歴史風土をさぐる
−金勝寺文化圏の諸像−
 瀬田会場の仏像群に比べると洗練された都会性を持った仏像群。金勝寺という現象を周辺の塔頭寺院? の仏像を展示することで浮かび上がらせている。
 どうしても、愛知から滋賀県を眺めると地の利がない分、仏像群が記号化するというか、地域のクロニクルの中で、ある特殊な儀軌を選択することによって、仏像が形づくられていることを忘れてしまって、そのカタチだけを眺めるようになってしまう。自戒を込めて。
 次回展も仏教美術。

大府市歴史民俗資料館
【終了しました】
命の水を求めて~愛知用水通水50年
 愛知用水の通水50周年と言うことでの展示。
 パネルを中心にした展示だが、自然科学的な水に関する知識も含められている。
 愛知用水概要圖は壮観。精密な水系図も探せば買うこともできそうだが、見慣れていないので興味深く思う。

知多市歴史民俗博物館 ふゅうとりぃ・ちた
知多の農業とかんがい
 愛知用水の通水50周年と言うことで、各地で企画展がおこなわれている。パネル展示が中心で、なんかパンフの抜き刷りのようなのだが現物のパンフに巡り会えてない。
http://www.water.go.jp/chubu/aityosui/d%28contents%29/02%2850syunen%29/d_02b/03takasaki/d_02b_03.html
 が1番近い気も。図録が作成されていないので、上のサイトか、関連本を、深く学ぶためには探す必要がある。
 用水と農業に関わる民具の2本柱。唐鋤は、発掘のあの鋤跡と言われる痕跡をもたらすものなんだよね、多分。

滋賀県立近代美術館
神仏います近江 祈りの国・近江の仏像
-古代から中世へ-
2011.0917~1120

栗東歴史民俗博物館
栗東の歴史風土をさぐる
−金勝寺文化圏の諸像−
2011.0917〜1023

大府市歴史民俗資料館
【終了しました】特別展
命の水を求めて~愛知用水通水50年
2011.0716~0918

知多市歴史民俗博物館 ふゅうとりぃ・ちた
企画展
知多の農業とかんがい
2011.0917〜1010

2011年09月12日

2題

MIHO MUSEUM ミホミュージアム
神仏坐(いま)す近江 天台仏教への道−永遠の釈迦を求めて−
 今年の秋、滋賀県で開催される、信楽・瀬田・大津の3館連係の展示。信楽の会場はミホミュージアム。ちなみに安土、栗東でも仏教美術に関連した展覧会が開催されるもよう。3館だけでなく周辺も要チェック!
 近江ゆかりの最澄にちなんで登場までの仏教の発展史をフィーチャーした展示。釈迦伝、西方浄土、蓮華蔵世界、雑密、純密といった流れ。
 音声ガイドが、読みクセが多少あるが、細やかに絵解きされててオススメ。帰りのバスの時間もあるので、気をつけて利用したい。
 仏教美術について、まっさらな状態から、感覚的に内容がつかめていく。実際の釈迦、神格化された釈迦、インドの周辺の神々も取り込まれて、薬師、阿弥陀のような釈迦以外の如来。その如来を束ねていくような仏教的世界観。煩悩即菩提的な欲望の肯定という教義の変化。秘密化されたイコノグラフの世界。
 まさにエバーグリーンな〈釈迦〉を求める運動の軌跡。
 会場出た所に根来の瓶子が1点。室町時代くらいで、そんなに古いものではないが、根来、好きなので、お気に入り。

豊橋市美術博物館
黄金の世紀
 古墳の内部施設・副葬品、外部施設の概観から馬越長火塚古墳の出土遺物。棘葉形杏葉を広く集めているのは壮観! 棘葉形杏葉は東海から東国を中心にするアイテム。古墳後期の政治史が立ち現れてきそうな遺物。
 まあ、棘葉形の杏葉は尾張草香にまつわる威信財だと考えるから制作年代が50年づつあがる。沖ノ島が一等古くて5世紀後半~6世紀初頭。それにつづいて、馬越長火塚。並べてみると、熱田神宮のは新しい。と言って6世紀中をくだらない。6世紀第2四半期の中では?
 藤ノ木の杏葉と見瀬丸山(言い方よくないんだよね)の築造の前後関係、案外、藤ノ木の方が後なのでは? 7世紀までくだらないけど聖徳太子の親代わりの愛用品という年代観。570年代くらいになるか?
 杏葉の制作年代に、そのくらいの時間幅を設定しないと形式差が工房の優劣の差だけにならない?それはそれで形式学なのか?
 馬越長火塚の被葬者の親が尾張草香の親代わりか右腕のような関係で、被葬者の親に草香から下賜されたものが被葬者に伝世している。案外、被葬者の親は目子媛の乳母なのかも。学者の思考回路ではないな( ̄ー ̄)

MIHO MUSEUM ミホミュージアム
秋のオープン
神仏坐(いま)す近江
2011.0903~1211

豊橋市美術博物館
三遠南信文化交流展
黄金の世紀
2011.0903~1016