2題
タルイピアセンター(垂井町)
郷土の武将 竹中半兵衛
およそ史実編と創作編に分かれる。まあ、史実編と言いつつ、相当に創作的な脚色のある資料もちらほら。
1番の注目は鐙。全体に巴文を配して、バックルの下に九曜のすかし。確かに腐食は著しいものの、優品と判る姿。
常設展にも竹中半兵衛関係の展示があり。参考にしたい。
岐阜県図書館
復刻・拡大版 御江戸大絵図(『ブラタモリ』)
http://www.library.pref.gifu.lg.jp/event/kyodaikotizu.htm
『ブラタモリ』の「御江戸大絵図」が展示されていると言うことで、時間が少し経っているので、半信半疑で行く。
まあ、地図自体は、江戸時代の庶民の観光目的の絵地図なのでは? 江戸の年中行事の記載があったり、武家屋敷の囲いが持ち主の名前だけだったり。
イラレなのかな? キレイにトレースされていて、拡大されていても遜色のない仕上がり。
近隣にいるのなら、見ない手はない!
タルイピアセンター(垂井町)
企画展
郷土の武将 竹中半兵衛
2011.1022〜1211
岐阜県図書館
復刻・拡大版 御江戸大絵図(『ブラタモリ』)
http://www.library.pref.gifu.lg.jp/event/kyodaikotizu.htm
2011年11月13日
名古屋3題
名古屋市博物館
狂言でござる-狂言共同社と尾張の狂言
狂言でござる見てきました狂言でござる、いや本当!
和泉流というとワイドショー的に宗家が取り上げられるが名古屋の狂言共同社は注目したい。芸所としてのナゴヤが歴史と文化財から、きちんと描かれている。
能狂言というと、どうしても取っつきにくいというイメーヂがあるが、野村萬斎さんの影響で、狂言もだいぶ市民権を得てきている。
衣装はもちろんだが、狂言ではあまり使わないとされるお面が結構な数、展示されており、能面との比較もあり、狂言面特有の親しみやすさがある。
音声ガイドはカセットミュージアム。展示位置と解説の時間がねられていて、ストレスなく音声ガイドが入ってくる。多少気になったのは、音声ガイド出だしの「これは」。丁寧に作品名を再びあげるか、トッた方が聞きやすいのでは?
愛知県美術館(栄)
ジャクソン・ポロック展
http://pollock100.com/
震災の影響も有りなぜこの時期に関係各所に迷惑をかけながら日本での回顧展を行わなければならないかは意味不明。
きちんと仕切り直して関係各所が納得がいくカタチでの借用の雰囲気ができあがるまで待つべきでは? それができないネームバリューなり日本での信奉があったと見るべきか?
展覧会に行く前に作風を確認しておきたい。ポロックをみるには教養と盲目が必要。
それまでのアカデミズムを解体したのが印象派で、その次がピカソ。鏡に映したような肖像画を好んでいたのが、あの色彩の洪水の印象派をどう受け取ったのか? そこには現在のアートの氾濫からはみたら考えられない衝撃があったのが理解できるだろう。
その印象派を過去のモノにしたのがピカソで、あのゲルニカに代表されるキュビスムにも破壊力があったのが判るだろう。
そのピカソを過去のモノにしたのがポロックと言えば、ポロックの作風の衝撃を説明できるだろうか?
ただ美術的作品というより歴史的資料。
常設にも関連展示というか、愛知県美術館は現代アートのメッカでもあるので、ある程度、ポロック展に対峙できるだけの常設展はできる。
常設展は制作年代に注目して欲しい。ポロック以後の70年にどういう芸術運動がおこったのか、現代の日本のアートを牽引する奈良美智氏や森村泰昌氏がどう新しいかも感覚的につかめると思う。
まあ「恋する静物画」や「狂言展」をみて余裕がある方や、作風がとてつもなく好きという人にはオススメ。
音声ガイドはアートアンドバーン。石井竜也氏は芸術家としても有名で、ぴったりの人選。端末が、海外仕様なので、端末本体にスピーカーが。それにイヤホンをつける必要性はあるのか? デジタルの液晶でいいので何番を再生中かが視覚化できると、よりいいのに。
名古屋市美術館(伏見)
中村正義展
ふらふらと常設展示めぐりをしていると、時々出会う作家、というと失礼か。
写生的な風景画と、前衛的な抽象画に近い人物画を年代を見ると、交互に描いているようで、大変、興味深い。
常設展、第2室の平家物語関連の作品は、本当にスゴい。
おしむべきは、作品一覧・目録がないこと。作ったら作ったで大量にあまるのかもしれないし、日に何枚出て、だいたい何枚はけるか判りそうなものだが、それ以上に台所がひっ迫しているというところか。
名古屋市博物館
狂言共同社結成120周年記念 特別展
狂言でござる-狂言共同社と尾張の狂言
2011.1022~1204
愛知県美術館(栄)
生誕100年
ジャクソン・ポロック展
2011.1111~2012.0122
名古屋市美術館(伏見)
中村正義展
2011.1101~1225
2011年11月06日
近江3題
安土城考古博物館
武将が縋(すが)った神仏たち
勝軍地蔵、妙見菩薩、宇賀弁財天など異神とカテゴライズされそうな武運長久を祈る尊像を全国から広く集めている。
よみうりランドの妙見菩薩、誰の押し仏だったっけ? 尊星王を生で見れるのは貴重。最近の論考なので注目を集めている四天王像も展示されている。
図録は参考図版がてんこ盛り! カラー図版16ページと豊富でリーズナブルな作り。
同時に神像の発展史、武将像の神格化を概説。
おしむらくは「僧形八幡神影向図」を中心にすえるようなカタチで近江の平安時代の神像がメインの展示や山王曼荼羅と豊国大明神像を並べて、その荘厳の相似を提示するような展示を単独でやって欲しい。
そうか秀吉は日吉丸で豊国大明神像の成立に山王曼荼羅というのが、なんか関係しているのかもしれない。あとは、日蓮系の肖像画だよね。
大津市歴史博物館
神仏います近江 日吉の神と祭
今年の秋、滋賀県で開催される、信楽・瀬田・大津の3館連係の展示。大津の会場は大津市歴史博物館。ちなみに安土、栗東でも仏教美術に関連した展覧会が開催されるもよう。3館だけでなく周辺も要チェック!
3館の中では一番オススメ!
およそ3部構成で、前編で平安時代の神像を広く集め、中編で山王曼荼羅と典籍としての資料、後編で日吉の祭を大まかには展示している。
軽く山王曼荼羅を展示種別に列記しておくと、まずは宮曼荼羅、日吉山王の地形を鳥瞰的に表して境内のたてものの様子を示したり、本地仏を地形に沿って示している。次に本地曼荼羅、段に几帳の中に神の化身としての仏を整然と配置する。曼荼羅によって配置する尊像の数も異なる。最後に垂迹神曼荼羅、本地曼荼羅の仏が男女、聖俗、猿などの神に変換したと考えればよい。
種子曼荼羅もあるが比較的、有名な簡単な種子が多いので解読に挑戦しては?
栗東歴史民俗博物館
仏教美術の名品
1点あげれば「聖徳太子和朝先徳高僧連坐像」。画幅下段に聖徳太子を配置し、上段に真向きの源信(恵心)、右向きの源空(法然)、左向きの親鸞を描き、縁者を連続して描く「釈明□」という明の係字の人が多い。
連坐像は蓮如以前に親鸞直系の以外の信者の間でおこなわれていたと考えられており、蓮如、実如の関連する図像が多く展示されているが、それ以前の真宗の存在をにおわせる。
安土城考古博物館
秋季特別展・311東日本大震災復興祈念
武将が縋(すが)った神仏たち
2011.1015~1120
大津市歴史博物館
近江発!三館合同展覧会 大津会場
神仏います近江 日吉の神と祭
2011.1008~1123
栗東歴史民俗博物館
収蔵品展
仏教美術の名品
2011.1029〜1204