マリー・ローランサンとその時代
一宮市三岸節子記念美術館(旧・尾西)
マリー・ローランサンとその時代
-巴里に魅せられた画家たち-
巡回展なので、この時期にしては出色の展示。
1階にマリー・ローランサン、2階1室にその時代の他の作家、2階2室に常設の三岸節子の桜関連。
まずはマリー・ローランサンの画風が好きなのか。好きなら絶対にオススメ。作風の変遷も判るようになっているが、作風が固定化した時期の作品が多く集められている。
その時代は、お気に入りの作家を見つけるいい機会。小磯良平、押し。佐伯祐三の「扉」。荻須は作風の判る数点が展示されている。三岸節子は常設展示の方に「さいたさいた桜がさいた」
一宮市三岸節子記念美術館(旧・尾西)
特別展
マリー・ローランサンとその時代
-巴里に魅せられた画家たち-
2012.0128~0311
一宮市三岸節子記念美術館(旧・尾西)
三岸節子
桜に至る道程(みち)
2012.0128~0401
2012年02月18日
碧南をほっつき歩く
碧南市藤井達吉現代美術館
遙かなる衣ヶ浦のみなと
-海運と産業の歴史-
衣浦港というのか? 碧南・高浜・知多半田の周辺の港を衣浦港と呼ぶらしい。その歴史に関する展示。
歴史的には衣ヶ浦(ころもがうら)と呼ぶらしい。
海上交通に関する基礎知識、弁天船や海図などから、流通させる産物。
近代以降の衣ヶ浦の発展と地形の改変など。
2階が、この企画展示で、1階が藤井達吉の愛知県美術館所蔵になる『梅百題』を何回かに分けて展示している。この季節に丁度いい展示。
地下が落雁の木型の展示。慶事・仏事の引き物に以前は木型でかたどられた落雁を出すことが多かった。
と言っても、20年ほど前に形式的に形になった袋に砂糖が入ったモノを見たのが最後なのかな?
落雁の木型が使われたのは、その以前の話。
民藝というか芸術品的な側面からも展示がねられている。
清沢満之記念館
http://www.manshi.com/
たまたま、現代美術館を出たところで看板を見つけて立ち寄る。
清沢満之は近代の真宗の中興の祖的な存在であるのは知っていたが、碧南の西方寺との関係は無知識だった。
清沢満之は名古屋の生まれで、西方寺の清沢家に養子に入った人、終焉の地が碧南になる。
記念館は清沢満之の蔵書・著作の文庫的な側面が強い。西方寺の書院で清沢満之が生活していたようで、お願いすると案内までしてくれる。
碧南海浜水族館
僕の博物館体験の原点であるにもかかわらず、久しく来てなかったのが、この水族館。
なんか感覚的に車で行ったところには電車では行けないような感覚があるんだよね。
こぢんまりとした水族館と科学館がセットになった施設。冬場なので、みんなじっとしていた。
碧南市ものづくりセンター
瓦の型 展
近現代の桟瓦を作るための型の展示。
巴瓦(軒先瓦の丸の部分)の型が何種類か展示されてるのが見どころかな?
藤文は上下逆だった。
あと、碧南で行ってみたい、行っておきたいところは、
へきなんたんトピア
http://www.chuden.co.jp/hekinan-pr/
かな? 少し駅からは遠いのかな?
碧南市藤井達吉現代美術館
歴史系企画展
遙かなる衣ヶ浦のみなと-海運と産業の歴史-
2012.0124~0304
碧南市藤井達吉現代美術館
碧南の古文書6
文書でみる近代の碧南
2012.0204~0422
清沢満之記念館
http://www.manshi.com/
碧南海浜水族館
碧南市ものづくりセンター
瓦の型 展
2011.1206〜2012.0229
2012年02月12日
うつし、うつくし
愛知県美術館(栄)
うつし、うつくし (所蔵作品展)
まあ、所蔵作品展なので「うつし、うつくし」というテーマに関係なく「そうそう、これこれ!」的な再会の場としても楽しめる。
〈うつし〉ということが表現とか美術に関連すると言うことは、例えば、ツイッターのRT(リツイート)という行為が、複製(コピー)であるのと同時に、自己表現という側面が存在すめことに気づかされるだろう。
つまり、〈うつす〉という行為そのものが〈編集〉的な知的営為の産物であることを示す。
まあ、観念的には、そういうことになるが、そう難しく考える事なのかな?
個人的には川瀬巴水の作品群、片岡珠子の面構、杉本健吉の『新・平家物語』がオススメ。
おしむらくは、ネットに「うつし、うつくし」展の展示一覧がない、来て見てびっくりという趣向なのだろうが、作家や作品にはファンがいるから、公開して欲しい派だな。
愛知県美術館(栄)
うつし、うつくし (所蔵作品展)
2012.0203~0325
2012年02月05日
暮らしの中の民具~竹細工
一宮市博物館
暮らしの中の民具~竹細工
この時期の民具に関する教育展示の一環と考えたらヤケドします!
竹細工の編み方、考古学的な出土例から縄文、弥生、古墳早期、中世の遺物をひろく集めている、近世は文字資料も含めて一宮市瀬部の事例を説明。
もちろん、民俗学的な伝統工芸や民藝としての竹細工を作り方、地域による形式、用途、材質の違いを展示。
豊田の木製品と双璧をなす竹細工の見本市。
おしむらくは性海寺の華籠だな。図録に参考資料程度でいいから紹介して欲しかった。
http://www.city.inazawa.aichi.jp/ka_annai/syougai/bunkazai/data/050.html
図録も充実していて、ありがたい。
図録は「くらしの道具」編も必見。農家の間取りは民俗学的な調査から、類型ができているのだが、これの概説書で、なかなかいいのが見つからないが、それにぴったりの本。
まあ、毎年の蓄積から、このような優れた展示が生まれるのだろうが、せっかく見るのであれば、一宮市博物館はオススメ。
一宮市博物館
企画展
暮らしの中の民具~竹細工
2012.0107~0226
3題
☆奈良県立美術館
やまとの地宝
中国でおこなわれた「日本考古展」の帰国記念展。
注目は黒塚の鏡と藤ノ木の復元品、新沢千塚の品々と言ったところか?
展示は第1部で日本考古学の通史、第2部が中国など海外との文物の流通、第3部が入江泰吉の写真を中心にした展示。図録は第3部、割愛。
橿原考古学研究所附属博物館の常設展示はストーリー的にも展示品的にも1等の奈良県の考古学の資料だが、そこに収まりきらない、アナザ・ストーリーといった所ではないだろうか?
より深く学びたい人向け。
音声ガイドも、鏡の背面の文様の細説など、展示品の1つ1つを、より細かく見るのに役に立つ情報が充実している。もちろんストーリーも追えるのでオススメ。展示位置の関係で多少内容が前後するが、、、
大阪歴史博物館
特集展示
摂河泉の古瓦
常設展示内、なにわ考古学研究所の隣にある特集展示室での展示。特集展示としながら結構な点数の瓦が並べられている。
展示の中心は平安時代から中世の瓦。どうしても古瓦というと、創建期の瓦が注目され飛鳥から奈良時代の瓦が注目されるが、平安から中世の瓦も当然存在するわけで、これからさらに注目されていくであろう分野。
和泉国では熊野詣での流行に応じて平安後期の造寺・改修がさかんになるという法勝寺の瓦を彷彿とさせる宝塔文の鐙瓦の使われる寺院もある。
あと、展示で注目されるのは場所は大和の生駒になるのだが、忍性を中心とした西大寺派の活躍の中で使用された五輪塔の刻印のある瓦。
見方を変えれば、非常にエキサイティングな展示。
おしむらくは、キャプションや目録の年代観が、少しおおざっぱに過ぎるきらいがある。そこは、鑑賞者の知識を多少必要とするかもしれない。まあ、もの見て判断した数値の方が実年代に近いのではって感じ。
大阪歴史博物館
柳宗悦展
-暮らしへの眼差し-
柳宗悦と、その息子の柳宗理の展示。宗悦と言えば民藝だが、宗理は一言で言えばモダンなデザイン。まあ、中心は宗悦の活動にあるのだが。
棟方志功や芹沢銈介を下調べしておくと、なお楽しいのかもしれない。
余談だが、旧・大阪市立博物館の図録がミュージアムショップにあった。
最近、再開発というか新名物構想でニュースになっていたが、大阪歴史博物館の前身が存在していたのは、恥ずかしながら、ニュースで報道されるまで知らなかった。
☆奈良県立美術館
奈良県立橿原考古学研究所付属博物館
特別企画展
やまとの地宝
2012.0204~0318
大阪歴史博物館
特集展示
摂河泉の古瓦
2011.1207~2012.0213
大阪歴史博物館
柳宗悦展
-暮らしへの眼差し-
2012.0107~0229
2012年02月01日
ケヤキが語る2000年
豊田市郷土資料館
ケヤキが語る2000年−弥生・古墳時代の木の文化−
豊田市にはえていたケヤキの精霊「ケヤじい」のモノローグ。
木製品の加工と加工具、農耕具、建材、機織、ハレ、保存。
木製品だけでなく、制作過程の解る未製品も多く展示されている。
おしむらくは弥生中期までと弥生後期からに線を引いて「じいさんの時代」「おやじの時代」を年表に書き込んで欲しかった。
木製品の時代区分と言う意味で、文化史的な区分として一石を投じれるのでは? 「弥生時代」「古墳時代」というのは弁別の1パターンにすぎない。
豊田市郷土資料館
企画展 愛知県埋蔵文化財センター埋文展
ケヤキが語る2000年−弥生・古墳時代の木の文化−
2012.0128〜0304