いきなり合成字
字と命点
という字は
何と読むのでしょう?
実は「ア」と読みます。
今回は梵字の読み方を少し考えてみましょう。
は、漢字では「阿」、ローマ字では「a」で表します。
通摩多というものの1番目に位置します。
摩多は母音にあたります。
は
字の摩多点画です。
を命点といいます。
摩多と体文
摩多は母音にあたります。
体文は子音にあたります。
はローマ字では「ha」ですが、慣用的に「カ」と読まれます。漢字では「賀」です。
は体文遍口声に属し通摩多から順番に数字をふってゆくと49番目の文字です。
の書き出しは
(命点)で始まり、
(h)と
(a)の組み合わせで「ha」となります。
の下に文字をつなぐとき、
や
のように書き足してゆきます。
このように書き足し方を表したものを切継半体と呼びます。
一般に
の切継半体は
の方が多い気がします。
これからは、
についてつなぎ方を少しみてゆきましょう。
の分割
を分割してみましょう。
(h)
(a3)
(m5)
これがそのまま書き順で「ha3m5」慣用的に「カーン」と読みます。漢字表記は「哏(口艮)」です。
(「a3」や「m5」の数字の意味は凡例参照)
は
(a3)の摩多点画、
は
(am5)の摩多点画です。
には異体字があり
と書きます。
つまり
は
の異体字で「カーン」と読みます。
同様に
の分割
では次に
を分割してみましょう。
(h)
(u3)
(m5)
これがそのまま書き順で「hu3m5」慣用的に「h」を発音しないで「ウーン」と読みます。漢字表記は「吽」です。
(「u3」や「m5」の数字の意味は凡例参照)
は
(u3)の摩多点画、
は
(am5)の摩多点画です。
には異体字があり
と書きます。
つまり
は
の異体字で「ウーン」と読みます。
の分割
ここまで、だいたい理解できているでしょうか?
摩多点画と体文の切継半体の組み合わせで梵字は出来ており、その組み合わせを理解することでローマ字表記を作ることができます。
についてみてゆきます。
(h)
(r)
(i3)
(h5)
これがそのまま書き順で「hri3h5」慣用的に「キリーク」と読みます。漢字表記は「紇(糸乞)哩似」で、三文字で1つの梵字を示します。
(「i3」や「h5」の数字の意味は凡例参照)
は
(ra)の上に梵字を継ぐときの切継半体。
は
(i3)の摩多点画。
は
(ah5)の摩多点画です
このように多くの切継で出来た梵字のことを合成字と呼びます。
と
いよいよ、最後の章です。
少し慣用的な部分が多いかもしれませんが、これまでの理解を利用できる合成字をみてゆきましょう。
をみてゆきましょう。
上半分は
(カーン)ですね。下は
(ma)の少し崩れた文字に見えますか? 一画目が二度かかれています。
ここまで理解できれば大丈夫です。
実は
(カーン)と
(m)
(a3)
(m5)「ma3m5」を合体させて出来た梵字です。
「ha3m5+ma3m5」、「カーンマーン」俗に「流れカンマン」と呼びます。(長母音の表記については必ずしも一定のものはありません)
「ma3m5」の
(a3)
が脱落しているのが判りますか? 誤表記です。
はどうでしょう?
(h)
(h)
(u3)
(m5)
ですね。つまり「hhu3m5」、「ウーン」と読みます。
は不動明王、
は愛染明王の種子として使われます。
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