いきなり合成字


mojikyo_font_101901字と命点

mojikyo_font_101901という字は 何と読むのでしょう?
実は「ア」と読みます。
今回は梵字の読み方を少し考えてみましょう。
mojikyo_font_101901は、漢字では「阿」、ローマ字では「a」で表します。
通摩多(つうまた)というものの1番目に位置します。
摩多(また)は母音にあたります。
mojikyo_font_101610mojikyo_font_101901字の摩多点画(またてんかく)です。
mojikyo_font_101610命点(みょうてん)といいます。

摩多と体文

摩多(また)は母音にあたります。
体文(たいもん)は子音にあたります。
mojikyo_font_102642はローマ字では「ha」ですが、慣用的に「カ」と読まれます。漢字では「賀」です。
mojikyo_font_102642は体文遍口声に属し通摩多(つうまた)から順番に数字をふってゆくと49番目の文字です。
mojikyo_font_102642の書き出しはmojikyo_font_101610命点(みょうてん))で始まり、 mojikyo_font_102642(h)とmojikyo_font_101610(a)の組み合わせで「ha」となります。
mojikyo_font_102642の下に文字をつなぐとき、mojikyo_font_101847mojikyo_font_101848のように書き足してゆきます。
このように書き足し方を表したものを切継半体(きりつぎはんたい)と呼びます。
一般にmojikyo_font_102642の切継半体はmojikyo_font_101847の方が多い気がします。
これからは、mojikyo_font_102642についてつなぎ方を少しみてゆきましょう。

mojikyo_font_101878の分割

mojikyo_font_101878を分割してみましょう。
mojikyo_font_102642(h) mojikyo_font_101611(a3) mojikyo_font_101671(m5)
これがそのまま書き順で「ha3m5」慣用的に「カーン」と読みます。漢字表記は「哏(口艮)」です。
(「a3」や「m5」の数字の意味は凡例参照)
mojikyo_font_101611mojikyo_font_101902(a3)の摩多点画、mojikyo_font_101671mojikyo_font_101911(am5)の摩多点画です。
mojikyo_font_101671には異体字がありmojikyo_font_101672と書きます。
つまりmojikyo_font_101872mojikyo_font_101878の異体字で「カーン」と読みます。

同様にmojikyo_font_101879の分割

では次にmojikyo_font_101879を分割してみましょう。
mojikyo_font_101847(h) mojikyo_font_101630(u3) mojikyo_font_101671(m5)
これがそのまま書き順で「hu3m5」慣用的に「h」を発音しないで「ウーン」と読みます。漢字表記は「吽」です。
(「u3」や「m5」の数字の意味は凡例参照)
mojikyo_font_101630mojikyo_font_101906(u3)の摩多点画、mojikyo_font_101671mojikyo_font_101911(am5)の摩多点画です。
mojikyo_font_101671には異体字がありmojikyo_font_101672と書きます。
つまりmojikyo_font_101875mojikyo_font_101879の異体字で「ウーン」と読みます。

mojikyo_font_101874の分割

ここまで、だいたい理解できているでしょうか?
摩多点画(またてんかく)体文(たいもん)切継半体(きりつぎはんたい)の組み合わせで梵字は出来ており、その組み合わせを理解することでローマ字表記を作ることができます。

mojikyo_font_101874についてみてゆきます。
mojikyo_font_101847(h) mojikyo_font_101824(r) mojikyo_font_101615(i3) mojikyo_font_101673(h5)
これがそのまま書き順で「hri3h5」慣用的に「キリーク」と読みます。漢字表記は「紇(糸乞)哩似」で、三文字で1つの梵字を示します。
(「i3」や「h5」の数字の意味は凡例参照)
mojikyo_font_101824mojikyo_font_102485(ra)の上に梵字を継ぐときの切継半体。mojikyo_font_101615mojikyo_font_101904(i3)の摩多点画。mojikyo_font_101673mojikyo_font_101912(ah5)の摩多点画です
このように多くの切継で出来た梵字のことを合成字(ごうじょうじ)と呼びます。

mojikyo_font_101882mojikyo_font_101887

いよいよ、最後の章です。
少し慣用的な部分が多いかもしれませんが、これまでの理解を利用できる合成字をみてゆきましょう。
mojikyo_font_101882をみてゆきましょう。
上半分はmojikyo_font_101872(カーン)ですね。下はmojikyo_font_102483(ma)の少し崩れた文字に見えますか? 一画目が二度かかれています。
ここまで理解できれば大丈夫です。
実はmojikyo_font_101872(カーン)とmojikyo_font_102483(m) mojikyo_font_101611(a3) mojikyo_font_101672(m5)「ma3m5」を合体させて出来た梵字です。
「ha3m5+ma3m5」、「カーンマーン」俗に「流れカンマン」と呼びます。(長母音の表記については必ずしも一定のものはありません)
「ma3m5」のmojikyo_font_101611(a3) が脱落しているのが判りますか? 誤表記です。

mojikyo_font_101887はどうでしょう?
mojikyo_font_101847(h) mojikyo_font_101847(h) mojikyo_font_101633(u3) mojikyo_font_101671(m5)
ですね。つまり「hhu3m5」、「ウーン」と読みます。

mojikyo_font_101882は不動明王、mojikyo_font_101887は愛染明王の種子(しゅじ)として使われます。
mail: 問合せ