学術文庫


 文庫の中でも、学術系のラインナップだけを収めるのが学術文庫とよばれる文庫のシリーズです。新潮文庫や文春文庫のような普通の文庫にも学術系の本が収められている場合がありますが、学術文庫は探すのに便利です。
 学術文庫は廉価で簡便ですが、時には、その本の単行本が、まだ発売されているうちに学術文庫になることもあります。単行本に収められていた古文書の活字化が学術文庫では省略されている場合もあり、注意が必要です。
 また逆に、学術文庫のための「あとがき」、「はじめに」が書きくわえられたり、単行本から学術文庫になるまでのタイムラグで、補遺や補論、補註など学術文庫でしか読めない内容が付け加えられていることもあります。
 まあ、学術文庫には出版業界の、少しドロッとした事情が、かいま見えたりするのですが、今回は、中学生・高校生が簡便に学術書に、ふれられるメディアとして学術文庫をとりあげます。
 学術文庫で1番にあげられるのは講談社学術文庫でしょう。

兵藤裕己氏『太平記〈よみ〉の可能性』講談社学術文庫 amzn.to/1Q1yNED

『「太平記読み」の時代:近世政治思想史の構想』平凡社ライブラリーというタイトルの本も。

小倉紀蔵氏『韓国は一個の哲学である 〈理〉と〈気〉の社会システム』講談社学術文庫 amzn.to/1OmY4XT

 以前は、講談社現代新書の1冊だった本です。嫌韓本など、韓国に対して特定のイメーヂを押しつける本は最近、多いですが、
 韓国に留学経験のある著者が、韓国の国民性というか、国民を巻き込んだダイナミズムについて、儒教を糸口にまとめています。韓国の民意の一貫性のようなものが見えてきます。

             
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