選書より論文集


 一般的な定義というか、出版社によって、選書に対するイメーヂが違うのか、現実は、個人的な定義とは違うのですが、個人的には、選書は四六判(しろくばん)という大きさのソフトカバー(並製本)の本のことを指して、
 同じ判型でハードカバー(上製本)のシリーズは、なんとなく叢書(そうしょ)とよびたくなります。
 20年程前は大きな書店には、選書のアーカイブの棚がもうけられていましたが、今は、人文書の一角においやられて、せまくなっていたり、それぞれ専門書の棚に収められていたり、必ずしも、選書を選ぶメリットは少なくなっていると思います。
 なにより、最近は1万円前後(中には、それ以上の価格帯のものもあります)の専門書の論文集が多く編まれているので、自分の興味が専門的になれば、選書よりも、論文集を選んだ方がメリットが多くなっています。
 具体的には、選書にくらべ、論文集の方が原資料の引用が、ていねいであること、物事が具体的に書かれているのです。また、註や参考文献も、論文集の方がしっかりしています。
 逆に、論文集では、ちょっと、こみ入ったことや、専門から、ちょっとでも外れたことには、先行研究が、まったくないということもあります。それが不便なのか、宝の山なのかは、読む人によって違うのでしょう? 
 また、研究者の中には雑誌に初出(しょしゅつ)のある論文の論文集について、懐疑的な意見のある人もいます。まあ、研究者は、専門の雑誌を常にチェックして、自分に必要な情報を集めているので、当たり前といえば当たり前です。
 中高生の中で、自分の興味のある専門雑誌を常にチェックしている人は皆無とはいいませんが、希少性のある人となるのではないでしょうか?論文集は、専門分野のことが、ある程度まとまって読める、はじめて読む論文の集まりなので、中高生には、お得な気がします。
(なんか話が散らかっている感じもしますが…)最近、ソフトカバーの選書についても、オンデマンド出版に近い、3千円に近い価格帯のものも、めずらしくありません。個人的には出版不況が、つづけば5千円に近くなるように感じます。
 逆に、論文集に、一般や中高生の読者がついて、5万部とか10万部のヒット商品が、もし、うまれたとしたら、論文集の価格は一気に下がり、1万円を切って、5千円に近い価格帯になるような気もします。もう、こう書いてしまったら、論文集、いつ買うの?
「今でしょ!」です!!

             
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