胎蔵曼荼羅
2009/06/12 (Fri) 14:09:07
話が大きく脱線したが、もとに戻そう。
これからは、仏画編。仏画の中で大きな位置を占めるのが仏教的な思想図である曼荼羅であろう。
曼荼羅の雄と言えば両部曼荼羅(りょうぶまんだら)(両界曼荼羅(りょうかいまんだら)とも)である。
両部曼荼羅は、胎蔵曼荼羅(たいぞうまんだら)と金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)の一対の曼荼羅で構成される。
道場では向かって右(東)に胎蔵曼荼羅、左(西)に金剛界曼荼羅がかかげられる。
ここでは両部曼荼羅の細部までをみてゆくことはおこなわず、これまでの知識を利用して曼荼羅の鑑賞の糸口をつかみだしたい。
さっそく、胎蔵曼荼羅についてみてゆこう。胎蔵曼荼羅は正確には「大悲胎蔵生曼荼羅(だいひたいぞうしょうまんだら)」という。大いなる慈悲から生まれたマンダラの意味。
画像
画像は胎蔵曼荼羅の中央部分「中台八葉院(ちゅうだいはちよういん)」の模式図である。
大日如来を中央に配し蓮華(ハス)の花びらが8枚、八方に広がっている。東を上方にし宝幢如来(ほうとうにょらい)、南に開敷華王如来(かいふけおうにょらい)、西に無量寿如来(むりょうじゅにょらい)(阿弥陀如来の異名)、北に天鼓雷音如来(てんくらいおんにょらい)を配置する。胎蔵の五仏である。
蓮弁の四仏の脇に四菩薩が配置される。
五仏には、それぞれ意味合いがあり、東が発心(ほっしん = 出発)、南が修行(しゅぎょう = 努力)、西が菩提(ぼだい = 知識)、北が涅槃(ねはん = 体得)、中央が方便具足(ほうべんぐそく = 応用)を意味している。
曼荼羅は密教的な諸尊の名前などから複雑に思えるが、今回は、ハスの花に諸尊が配置され、その諸尊は1+8あるいは、5+4のような組み合わせで配置されていることが判ればよい。
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