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仏教文学

しかし、殊更に言挙げするまでもないが、仏教は、その運動において自ら創出した経典に拠る教義と学問、それを法儀として実践し唱導教化する営みの全てが、悉く言葉をテクストを介して生みだすものである以上、紛れもなく文学そのものである。文学上の問題として仏教の営為と現象を捉えることは、文学観と文学史の向き合うべき大きな課題である。逆の方向から言えば、あらゆる文学の所産について「仏教文学」としての問い−解釈学的試みが設定できる可能性があるのではないか。

 阿部泰郎氏「中世 仏教文学」『國語と國文學 千号記念 国語国文学界の展望』平成19年5月号 p112
 とりもなおさず、仏教と文学の関係。仏教は文語、口語はあるものの言語によって伝達・表現される。
 言語によって伝達・表現されるものは、ひとくくりに文学と呼べるのかもしれない。
 逆に、仏教思想に深く根ざした文化体系があったとして、その文化から表現される文学は少なからず仏教的色彩を持つことになる。
(なんか、ただ言い換えただけ、、、)