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読書記録2007年7

 いよいよ! 怒濤の中世思想史篇って2冊。
(14)丸山静氏『熊野考』せりか書房
(15)黒田俊雄氏『王法と仏法  中世史の構図』法蔵館
『熊野考』は「馬頭観音」は、言いにくいんですがビビッと来ない。
 それよりは「小栗判官」の餓鬼阿弥の道行き。
 怪力雄剛な小栗判官ではなく、自分だけでは何も出来ない餓鬼阿弥。
 その餓鬼阿弥が、東海道を通りあの山中の熊野の湯へいく。
 もちろん、餓鬼阿弥は荷車で引かれてゆくだけなのだが、、、
 熊野という場所の力の庶民への浸透。
 それにもまして、ストーリー展開として餓鬼阿弥の道行きの場面がメインとなる「小栗判官」という物語。
「小栗判官」という物語と「熊野」という位相。
「馬頭観音」は先に『悪党的思考』を読んだからなのだろうか? 「馬頭観音」の背後に存在する先師口伝があるのだとすれば、その背景も含めて「馬頭観音」なのかもしれないが、、、