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『天上の虹(21)』

 里中満智子氏『天上の虹(21)』講談社コミックスKiss 777巻
 待望の21巻。時代は氷高、藤原宮子(聖武の母)、文武、多安麻呂の時代に、、、
 多安麻呂には、僕も思うところがあるから、それは『白瑠璃の碗』を読んでくれ、、、って、まだ書き出してもいないよ、、、『白瑠璃の碗』の取材で、また、最初から読み込まないといけないなぁ、、、いや、先入観なく『日本書紀』や『続日本紀』を読むのも1つの手だが、当たりをつける資料として参考にするのは便利(と、ダメな研究者だ、、、)『女帝の手記』の多治比氏の記事なんかは、藤原氏に対するニュートラルな貴族として描かれているので、逆に利用しやすい。(普通に作品として楽しもうよ)
『氷輪』の最初の方を読むと、

 天皇家の妻の家系をたどっていくと、持統、阿閇、氷高なんかは、蘇我の家系でみたいな言われ方をするが、やはり、天智・天武の天皇親政の中で育った純血種のように思えてならない。あとは草壁・文武という皇統をゆるがなくする、という使命感による対立? 時代はそれだけでは済まされない大きな曲がり角を曲がろうとしている。
 だから、宮子に男子誕生という出来事は、彼らにとっては厳密な意味で喜ばしいことであったのか? 逆に紀皇女に対する嫌悪からの無策を描きたかったとすれば、それは成功しているのかもしれないが、もう少し政治的なギリギリ感が、あってもいいのかも?(って、ネタバレになっていないよな、、、忘れて、忘れて)
 ちなみに『天上の虹』のキャラで、今、1番のお気に入りが紀皇女。なんで、ああいう、自分では手に負えないモノを好きになってしまうんだろう?