クリスマス
「ただいま」
「おかえり、テツジ。ねぇ、ギュッとして♡」
「どうしたの? 鮎(なまず)恐い夢でも見た?」
「うん。ちょっとね」
「鮎、ゴメンね」
「えっ? どうして? うたた寝してる間に私の寝顔がカワイくて、チュッとしちゃった?」
「(自分で「カワイイ」とか言うか?)ああ、それも、そうだけど、、、」
「ダメ! 私に断りなくそんなコトしちゃ、、、雑誌みたいにカピカピになっちゃうんだから」
「えっ? そうぢゃなくて、恐い夢見てるときに、そばにいてあげられなくて、ゴメンね」
「ふふふ、そんなの、いつ恐い夢見るか分かんないぢゃん!」
「でも、、、」
「で、テツジ、どこ行ってきたの?」
「ああケーキ買ってきたんだ」
「私、ケーキ苦手だよ」
「いや、クリスマスだから、冬至に南瓜、食べるのと一緒だから、、、」
「なに? そのくくり、なんかロマンチックぢゃないねー」
「そうか? だからいいよ、1口、2口、食べれば、アレルギーがあるなら食べなくていい。あとは、僕とわんちゃんで食べるから、、、」
「で、何ケーキ?」
「イチゴショート、何号だったかな?」
「私、イチゴもダメ、、、」
「見た目がいやなんでしょ。咀嚼してあげるから」
「バカ! そんなクチャクチャもイヤ」
「モンブランのホールケーキもあったんだけど、クリスマスにモンブランというステレオタイプがなくてさ。。。ああ、「くり」」
「バカ! テツジ! 似てない!」
「ぢゃあ、食べようか? ローソクとか何本立てるんだろ?」
「私たちが出会ってからの年数で、いいんぢゃない?」
「そうか、、、」
「えっ、あの、、、テツジにプレゼントがあります」
「わぁ~~っ、な、なに?」
「ちょっと目つむって」
「うわ~~っ、ワクワクするな、、、」
「いいよ」
「えっ? なに? 首にリボンなんてつけて」
「えっ、プレゼントだよ。恥ずかしいから、私に言わせないで!!」
「えっ? 本当にいいの?」
「そう、今日だけは、あなただけのオルゴールだから、、、」