まず、読むところ
とりあえず、読むというほどのことではないのですが、見返しや、裏表紙、帯や、奥付(おくづけ)にある内容のダイジェストや、著者の略歴、推薦文などに目を通しておきます。また、奥付の近くに、初出一覧、単行本を文庫化したというような文言があるかもしれません。
次にというか、ますば「あとがき」から読み始めます。あとがきはエモーショナル(情緒的)に本の内容や、本を書いた動機などが書いてあることが多く、先に読むことをすすめます。中には「あとがきから読むな!」と、あとがきに書いてあることがあるくらいです。
逆に「はじめに」にはロジカル(論理的)に執筆意図が書かれているはずですが、はっきり言って、あとがきに比べ、はじめにで名文というのは見たことがありません。あとがきの後に、はじめにを読みます。
解説や解題(かいだい)が付録されていることもあります。解説は本全体の内容や、著者の生き様について、解題は、1本1本の論文や物語などに、解説をつけたものです。あと、目次をパラパラと眺めて、そこで、やっと、その本について語ることができます。
「まだ、本文を読んでいないのに、その本について語れるの?」と思うかもしれませんが、世の中には「ネタバレ」という言葉もあるように、本文の内容を不用意に発言するのはタブーとされます。「あの本がよかった」という時に、みだりに本文の内容を語るのはタブーでもあるのです。
まあ、あとがきや解説を読んで「本文を読んでみよう」と思わない新書は、とりあえず積読(つんどく)とかでもいいのかもしれません。読書感想文やレポートなどで読まなければならないなら別ですが、読みたいというポテンシャルがないままに「読んでみれば、おもしろくなるかも」というのも違うのかも?
本を読まずに、本棚に置いておくことを、積読といいます。逆に、積読をしておくにしても「読んでない」というのは、本文の内容だけで、見開きや裏表紙、奥付や帯を、読まずに、積読をしておく人は、まずはいないのではないでしょうか?
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