須弥山世界

2009/06/04 (Thu) 21:31:29
 ここまでは「何を今さら、、、」な内容である。
 お作法では、諸仏の各論に入るか、仏像の製作技法(金銅仏、塑像、乾漆像、一木造、寄木造)の説明にはいるのだが、そこは雑誌か新書でご確認をということで、ここからは、仏教的世界観へ、、、
 仏教はインドでおこっているので、少なからずインドの地理や思想・宗教の影響を受けて存在する。その端的なモノが「須弥山(しゅみせん)」という概念だ。
 インドの北方にそびえるヒマラヤ。それが須弥山という概念の源泉だ。須弥山世界とは須弥山という山を中央にすえ、世界が存在するという考え方だ。
 仏像をまつる基壇のことを須弥壇と呼ぶのは、この須弥山から来ている。仏の世界も須弥山世界の上になりたっていると言っても過言ではない。
 須弥山世界を守護する、いくつかの神々(天)をみてゆきたい。
 まず、大黒柱ともゆうべき、梵天(ぼんてん)・帝釈天(たいしゃくてん)。2尊でワンセットとなることが多い。梵天が知恵(文官)、帝釈天が守護(武官)の意味合いがある。
 須弥山の四方には守護神が存在する。いわゆる四天王だ。東を持国天(じこくてん)、南を増長天(ぞうちょうてん)、西を広目天(こうもくてん)、北を多聞天(たもんてん)が司っている。多聞天は毘沙門天(びしゃもんてん)の異名で同じ仏を示す。
 四天王の各尊名、方位を暗記するのに「持増広多(じぞうこうた) = 地蔵、買(こ)うた」という暗記方法がある。
 人々が須弥山に向かおうとする時、最初に出会うのが金剛力士(こんごうりきし)、つまり、仁王(におう)である。

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