東寺講堂

2009/06/07 (Sun) 09:23:03
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 教王護国寺(東寺)・講堂の場合。
 周囲に梵天・帝釈天、四天王を配置するのは、須弥山世界の荘厳。梵天はガチョウに、帝釈天はゾウに乗る。梵天・帝釈天ともに密教的な仏像とされる。唐招提寺の梵天・帝釈天と比較するとよい。
 本尊は、5体をワンセットにした仏像群からなり、中央に五智如来(金剛界)、むかって右(東)に五菩薩、左(西)に五大明王(五大尊とも)を配置する。
 如来、菩薩、明王というヒエラルキーによって配置されている事に注目したい。また、5体をワンセットにすることは、中央と四方(東西南北)を意味している。
 五智如来は大日如来を中央に、五菩薩は金剛波羅密多菩薩(こんごうはらみたぼさつ)を中央に、五大明王は不動明王を中央に配置している。
 そうそう、大日如来は摩訶毘盧舎那(Maha3vairocana = マカビルシャナ)の意訳。摩訶は「大きい」の意味。
 密教では諸尊の群像を宗教的思想図としてとらえ曼荼羅(まんだら)とよびならわしている。東寺・講堂は弘法大師が密教の思想世界を判りやすく表現したモノとしてとらえられ立体曼荼羅とよばれる。

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