出現
「さあ、行きましょう」という声がする。ビックリして首をあげると、××、××両君が補陀落山寺の中へスタスタ入ってゆく。どうやら私は、ここにこうして腰をおろしたまま、よほど長い間考えこんでいたらしい。とりとめのない思案を切り捨てるように、破れた築地をくぐって、観音堂へ上ってゆく。……ふりかえると、海はたしかに目の高さに拡がっている。……庫裡へあがって寺に伝わる物など見せてもらっていると、うす暗い部屋の、いろいろな仏たちのたちならんでいるなかに、、、
「馬頭観音」p69
写真を見るかぎり、典型的な馬頭観音ではない。おだやかな顔、唐風?の衣装。あるいは観音菩薩の眷属、二十八部衆などに由来するモノではないだろうか?
論は広く、半人半獣の神々へと広がってゆく。「馬頭観音」も半人半獣の神の日本的展開というような意味なのだろう。
乾闥婆 = カンダルヴァ(Gandharva)への言及もある。