伊勢神道
中世の伊勢神宮が、仏教全盛時代のただなかにあって古代以来の伝統儀礼−−−それが文字通り日本固有の習俗か、それとも道教的なものであったかなどは、さしずめ問わないとして−−−を伝え、仏教の用語・作法・服装などを忌避する禁忌を守っていたことは、よく知られている。けれども、中世の伊勢神宮が真に全面的に仏教を忌避し排斥していたのではなく、他方で僧侶の参宮が行われたり伊勢の神官たちが仏教にかなりの造詣をもっていたりしたことも、それに劣らず重要な事実である。
「日本宗教史上の「神道」」『王法と仏法』p81
いわゆる忌み言葉のようなものが伊勢神宮で使われ、それを何故か僧侶が見聞きする。「第六天魔王譚」とともに、、、(『沙石集』)
伊勢神道と呼ばれるカテゴリーの典籍は、いかにも古代を引き継ぐようなレパートリーに満ちている。
しかし、その周辺には〈中世日本紀〉も両部神道も存在していた。
伊勢神宮に存在した智の体系を復元するといかなる事になるだろうか?
(神宮文庫だな、、、)