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或人物語云

『渓嵐拾葉集』にはしばしば「物語」る人が不明の場合がある。不明とは「或人物語云」などと記される場合を指すが、こうして「物語」った人の素性をぼかすのは実際に語った人がわからないというのではなく、浮遊する伝承を談義の「場」に取り込むための一方法に過ぎない。

『『渓嵐拾葉集』の世界』p150
「或人物語云」という位相。
 巷説のような「浮遊する伝承」をアカデミックな「場」へ引き入れる手法。