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〈魔〉

仏教では、第六天に見られるような思想を妄見(もうけん)として(しりぞ)け、妄見を心に吹き込む邪神を「魔(マーラ)」と呼んで調伏(ちょうぶく)の対象とした。釈迦が悟りを開くために菩提樹の下で瞑想に入ったとき、彼の前に現れ、執拗に誘惑したのが、このマーラだった。けれども、釈迦はマーラの誘惑をことごとくはねのけ、「無上の悟り」(ボーディ・菩提)を開いた。
マーラとは、すでにお気付きのように、特定の神ではない。それは、われわれの生理そのものに宿り、無意識の底にうごめいている盲目的な力そのものを意味している。

『第六天魔王信長』p176p177
「魔(マーラ)」に対する言及。〈魔〉をしりぞけるために「菩提」が必要であるという所に注目したい。