門前町の発生
聖。上人の場合、「高声」が認められていたのであるが、これと同様に、イエと外界を境する場である門前は、河原や中洲に立つ市庭などと同様に、聖なる場として「高声」が許されたのではなかろうか。それ故にそこでは尋問・対決が行われ、高声の訴えがなされ、さらに鼓を打つ芸能民や商人、乞食・非人が蝟集したのであろう。門前町が生まれるのは、こうした背景があったからに相違ない。
『異形の王権』p83
境界的な人・場は〈聖なるもの〉と認識され「高声」のようなことが許された。
そこから門前町の発生がなされるという。