「扇の骨の間から見る」
とすれば、扇で顔をかくし、骨の間から見るのも、まさしく一時的な覆面と考えることができる。「公界」の場で、突発的におこった出来事、突如としてその場の状況を一変させるような事件を見なくてはならない状況に遭遇したとき、あるいはすでに予想されるそうした事態に自ら加わるさい、手に持った扇で面をかくし、人ならぬ存在に自分をかえる意味を、こりしぐさは持っていたのではなかろうか。
『異形の王権』p112
現代的に「覆面をする」という事を考えれば、それは匿名性を出すことでは無かろうか?
自宅なり、まわりの人間に知られない所で覆面をしなければ匿名性は発生しない。
つまり、「扇の骨の間から見る」事が「覆面」の変わりとなるのであれば、覆面そのものも匿名性以外の意味を持つのかも知れない。
現場で起きることの呪力から自分を守るような、あるいは、その逆なのか、、、