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佐伯祐三展

没後80年 佐伯祐三展
 暑さも一段落して、蝉の声も少し涼しげだ。
 ぐったりしてしまう時もあるけど、夏という季節、嫌いではない。
 佐伯祐三というと一番に思い出すのは「荻須とカンバスを並べた人」ということ。
 つまり、佐伯祐三と言えども僕の中では「稲沢の歴史」の範疇を越えない事なのだ。
 と、ここまでは展示を観なくても書ける。
 今、佐伯と荻須の絵画的な差異を考える気にはならない。
 差異よりも共通のモチーフ、筆致の中に「エコール・ド・パリ」のような、日本人(異邦人、使い方正しいか?)とフランスの出会いのカタチを抽出したい。
 佐伯の下落合の絵画群も「気にいらない」と評されるような悪いものではない。当たり前といえば当たり前なのだが。

三重県立美術館
没後80年 佐伯祐三展
080629〜0817