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2014年05月23日

業務連絡

『あづまぢリンク』別館「おすすめ展覧会(東海圏)」を、
白瑠璃の碗』に移行します。
 ブクマ等、変更 願います<(_ _)>

2014年03月03日

印象派を超えて−点描の画家たち

愛知県美術館(栄)
印象派を超えて−点描の画家たち
ゴッホ、スーラからモンドリアンまで

https://twitter.com/forimalist/status/439385139588505600
「中日新聞の文化部記者のE氏は、愛知県美術館で現在開催されている「印象派を超えてー点描の画家たち」展について、あいちトリエンナーレ2013に関する座談会のときのように、「よそから持ってきた(現代)アートなるものを集中的に縦覧させて、地元を疲弊させるだけだろう。」と言うのだろうか。」

 なんていうの? 開催そうそうに、こういう本旨と関係ない、なにを擁護しているのか判らない、出鱈目な言説が出ると、みんな萎えてしまうし、興が醒めてしまうのでは?
 ホントに本旨とは関係ないので、反論は後段に譲ることにする。

 気持ち切り替えていくよ! まず、日本画では、そうたいしてでもないんだけど、西洋画というか油絵には顕著に表れるんだけど、描点と絵画点の話をしないといけないんだけど、例えば荻須高徳の絵画(別に、どんな油絵の風景画でもいいんだろうと思うけど)を見た時に、仮に樹の表現をみてみよう。遠目で見るとしっかりした樹木(絵画点)なんだけど、枝の1本1本を、じっくり見た時に、結局は1本の茶色の線(描点)なわけ、それは木の枝なら筆の繊維の1本1本まで確認できるし、壁ならコテで引き延ばした感じが、左官職人の、まさに手仕事な訳。
 油絵を見るときに、描点と絵画点は注目して見るべきなんだと、とくに点描画をテーマにした今回の展示のような展示では。
 内容いく前に、展示の様子を説明しておくと、絵画に近づけないようにするための柵が、点描という展示の性格上、ほとんど機能していない。「ココの表現がさ!」と指をさそうものなら、作品に手が触れてしまうくらいの勢い。「私はそんなバカぢゃないから、指さしても作品にぶつけることはない」と思うかもしれないが、隣で見てる人は非常にひやひやしてストレスがたまる。監視員も明らかにアウト以外は見て見ぬふりだから、作品を指さすことは自重した方がいい。身を乗り出してのぞき込むのも、そうなんだろうな。
 そのくらい近くで見れるのでメガネをかけて不自由のない生活をしている人には、ストレスなく描点を体感できると思う。
(初期の)印象派の逆に描点を意識させない作風から、ポスト印象派(展覧会中では新印象派という語を使用していた後期印象派とも言うんだけど、あまり厳密な意味を持たせずに描点の意識的な加工をしているのをポスト印象派と呼ぶことにする)スーラ・シニャックの意識的に描点をドットにした表現、ゴッホの、あの独特の色使いと長めの描点、スーラ・シニャックの血脈をうけるベルギー・オランダの分割主義(描点を補色の効果を利用して色鮮やかに見せる絵画方法になるのか?)も十分に楽しめる。
 まあ、老眼とか、人がいささか多いので、作品の正面で長く見ていられないと言うときに、人垣より向こうから単眼鏡を使って長く眺めるのもいいのかもしれない。まあ近くまで寄れるから、そんなに必要ないかもだが、単眼鏡持ってるなら、持っていって、迷惑にならない程度に恥ずかしがらずに使ってみたい展示内容。
 展示内容に入ると、目玉はスーラの「ポール=アン=ベッサンの日曜日」これは、教科書に載るほどの名作。あとゴッホの「種まく人」、モンドリアンの「赤と黄と青のあるコンポジション」くらいかな? スーラが早世と言うことで、スーラの後を受けるシニャックの作品が、ある程度まとめてみられるのもいいのかも? そんな「これぞポスト印象派でござい」という「アートなるものを集中的に縦覧させ」ような暴力的な展示ではないので、安心して楽しく絵画鑑賞ができると思う。
 軽く「よそから」でもないと指摘しておくか。なんていうの? 地域でおこなわれる展覧会というのは地域の歴史というか、足を運んだ人の意識とか認識も左右するんだと思う。そういう意味で、愛知県美術館で開催した『ジャクソン・ポロック』展は記憶に新しいところだろう。(こうかくとネタバレが先になるか?)
 印象派が、それまでのアカデミックな絵画と一線を画したように、ポスト印象派も印象派という前提を受けながらも、色彩理論という新しい考え方で、新たな絵画運動して点描とか分割主義を展開していく。それはフランスからベルギーやオランダにも伝播して、「《7月の朝》あるいは《果樹園》あるいは《庭園に集う家族》」のようなスーラの完コピのような作品から、ヘステルの「モントフォール近くの風景」のような、ゴッホの絵画を独自に解釈し直すような試みに結実する。
 なんとなく工業的なインダストリアル・デザインに画集などでは思われるモンドリアンも、本物を見ると、経年的な痛みもあるかもしれないが、非常に人の血の通った、生々しい作品であることに気付く。
 それを受けて登場したのがポーリングのポロックで、ポロック展を見た地域の多くの人間がスーラの点描にポーリングの源泉を見たのではないだろうか?
 それは「よそ」で体感されることなのだろうか?

 まあ、あまり芸術に対して「かくかくしかじかで、あるべき!」とワン・イシューにしてしまうことには反対で、玉石混淆というか自分の知識や経験に合わせて、多様な発言がされることの方が、文化的に豊かな地域だと考えているが、最初の発言のように、ツイッターの他人の発言に酔って、いかにも自分以外(E記者)はバカという態度には、きちんと抗議しないと、今回の展覧会も低く見られてしまうし、こういうテロ的な行為がおこなわれることで、多様な発言が奪われてしまう、まさに「文化不毛の土地」になりかねないのではないだろうか?
 逆に言ってしまえば今回の『点描の画家たち』が「よそから持ってきた(現代)アートなるものを集中的に縦覧させ」た展示だと考える(この認識は見当違いだと思う)なら、あいちトリエンナーレも、この規模を凌駕する必要がないのでは? だって、『点描画の画家たち』で満腹感とか、ともすれば胃もたれもしたんでしょ? いくら、あいちトリエンナーレが全部見る必要のないアートの祭典だとしても、愛知県美術館で展示を工夫すれば胃もたれするくらい、こってりした展示(当たり前だけど、胃もたれするような展示はオーバーキャパシティーだよね)を開催できるなら、それ以上の規模はオーバーキャパシティーだよ。

 以前にツイッター上で言及したのがコレ。
https://twitter.com/kagachi_ecm/status/439585595262640128

 まあ、そろそろ総監督も舞台監督も自分たちの主張が小我ではなく大我であることを説明するべき時期がきているのではないか?
 あいちトリエンナーレには多くのボランティアが参加していて、僕の心の痛みは、ボランティアも共有しているハズだから大我だと言うかもしれないが、それは、言いかえれば、みんな楽しんで番組作ったのにBPOのあのジャッジは何? という内輪のウケの話でしょ?
 中日新聞には、言論の自由もあるし、あいちトリエンナーレが客観的な批評に耐えうる規模でない(人間個人の認知領域を凌駕する)展示だと思うし、自分以外の認識は認めないというなら、そういう手続きで、中日新聞の総評の前にパブリックにコメントを出してしまえば良かったのでは?
 もう、それ以上に、地域の文化として、アート界隈と新聞、そして一般市民の間に、ガラスのかい離が、総監督・舞台監督の発言でできてしまった訳でしょ?「私は、よそ者だから」と放棄せずに、ちゃんと発言で一石を投じれば、地域の文化が豊かになるというスキームを提示して欲しい。
 こぶしは挙げたけど、下ろし方は考えていない、あるいは、間違っているのは中日新聞(間違った発言でも言論の自由はあるのでは? もっと別のプレゼンテーションは考えられなかったの?)だから、新聞という権力に対する聖戦だから、私たちは負けないとでも思っているのだろうか?
 こういう小我による独りよがりをして「地元を疲弊させるだけ」の言説だと思うのだが、ちゃんと、これまで以上に豊かな芸術批評の空間を返して欲しい所。

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2013年12月04日

2題(1)

清須市はるひ美術館
企画展
変身 歌舞伎展
【終了しました】
 国立劇場の歌舞伎関連の浮世絵群、三越伊勢丹(もともと、どっちの資料なんだ?)の歌舞伎衣裳、御園座の押隈(おしくま:歌舞伎のデーモン小暮閣下のような化粧を落とす時に布に押しつけたもの)、舞台装置などをを軸に、高浜市かわら美術館、岩瀬文庫など近隣の資料で補強した展示。
 けして広いとは言えない展示室だが、浮世絵のボリュームは壮観、衣裳も柵もガラスもなくまぢかで見られた。
 個人的に興味深かった展示品をあげれば、「四条河原遊楽図屏風」は若衆歌舞伎になるのか? 歌舞伎の見世物小屋的なムシロで区切られた場所をメインに、四条河原での人の往来が描かれている。右から2曲目に物乞いが描かれていて、現代の感覚で言ったら、興行に際して、そのような「見苦しい」とされるモノは排除されがちだが、平気で描かれてしまう。絵画は、さらに虚構であるにもかかわらず、それがなされるのは興味深い。
 あと「香箱と鬘付」香箱と呼ばれる箱と鬘付と呼ばれるブロマイドと着せ替えが一緒になったようなモノを切り抜いて作れるようになった浮世絵。こういうモノが、切り抜かれずに残っているのもスゴいが、技術革新はあるものの、ファンの心理は今も昔も変わらないことを思わせる。歌舞伎と言えども、現代の感覚で言ったらAKBやジャニーズのようなものなのだ。

古川美術館 特別展
特別展 藤森兼明
−祈りの美 イコン・彩飾写本とともに
分館 爲三郎記念館 特別展
「唐長の世界〜京唐紙のこころ〜」展
 ブシコー派の時祈書が4年ぶりの公開と言うことで、見にいく。僕が見た時は「キリストの誕生」の場面だった。時祈書に関連してロシアイコン、零葉(時祈書のような彩飾写本が鑑賞のために製本がとかれて1ページだけになったもの)も展示されている。
 藤森兼明展は、まずは作風が好きかどうか? また、モデルさんが好きと言ってしまうと、ややこしいことになるのかも? おしむらくは2階の照明とカンバスのはく落防止剤の相性があんまり良くないのか、視点をしぼられるのが、残念というかおしい。
 爲三郎記念館は古川美術館の創業者・古川爲三郎の私邸だった建物を展示施設と喫茶スペースとして公開しているもの。唐長(からちょう)は京都にある唐紙屋さん。唐紙は和紙に木版で模様を印刷した装飾性の高いもの。ちょっと高級目の単色刷の千代紙というと雰囲気がつかめるだろうか?
 個人的には葵の間の「大渦」の風炉先屏風と玄関の「菊市松」屏風が好き。風炉先屏風というか枕屛風が欲しいなと思うんだけど、いくらぐらいするんだろうね? まあ置き場所考えないと、あっても邪魔なだけなんだけど。

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2013年05月19日

3題+1題(4)

【終了しました】
清洲貝殻山貝塚資料館
国重要文化財指定記念展
「朝日遺跡、よみがえる弥生の技」
【終了しました】
清須市立図書館1階 歴史資料展示室 
サテライト展示
「朝日遺跡のはじまり」
 朝日遺跡は清須市から一部、名古屋市にまでまたがる弥生時代を中心にした遺跡。
 銅鐸や青銅製品や低湿地の遺跡と言うことで多くの木製品など、全国的に見ても貴重な資料が出土し、遺跡の規模から考えても東海とか中部圏を代表する遺跡。で、出土品が、このたび重要文化財に指定された。
 でも、一般に弥生時代というと記紀の語る以前の、いわゆる先史(プレヒストリック)の時代で、イメーヂも牧歌的で稲作の始まった頃という、ぼんやりというか教科書程度の記述にしてしまうと、どうしてもこんな話になる。
 しかし、日本語とか日本の社会制度にとって大きな変革の時代で、実際には長さも教科書的に言っても6百年、実際には7百年くらいになるのか? 近代と比べたら長大な時間だし、織豊期からこっちを考えても、それよりも長い。それが、単一の社会構造や一定の社会構造のままで、存続していたとは考えにくい。
 ある意味で、その複雑な社会構造を知るための鑑になりそうなのは『様式と編年』とよばれる土器の形式変化の過程を見ていくこと。
 朝日遺跡というか尾張地域の弥生時代の始まりは、縄紋的な土器を使い、西からの土器の移入には一呼吸あるとか、細頸壺と呼ばれる壺には口の所に横に何本かの線を引くことが西から伝わると、三河地域は、その流入を一旦拒否して黒色の大きな壺を作るようになるとか、東海地域に独特の赤彩の土器が使われるようになるとか、そういうのが一目で判るように展示されたら、牧歌的とか稲作だけの弥生像ではなく、多様な部族同士の協調や反発の歴史としての弥生時代が感じ取れるのではないだろうか?
 ただ闇雲におこっているだけではないことを、ここに記しておく。
 ああ貝殻山貝塚資料館は5月28日まで展示替え休館。

清須市はるひ美術館(旧・春日村)
企画展 清須ゆかりの作家
加藤正音展
 ノーマークだったので、いい人を見つけた感じ。
 歴史に取材した日本画になるのか?
 道成寺(安珍と清姫)、壬申の乱、三英傑、徳川宗春と言った感じ。
 食わず嫌いではるひ美術館は行ってなかったのだが、図書館・美術館・歴史展示室の複合施設として優れた場所。市町村合併の後で展示が「清須の」になってて痛々しかったり、図書館で中学生や高校生が勉強しているのが、ちょっと疑問だったりする、以前の使用状況と言うが分からないので軽率なことは言えないが。たけお問題もあり、中高生が図書館で勉強するのはデフォルトという感覚は、生活環境の問題もあって賛否両論の極端に別れる所なんだろうが、個人的には「図書館で宿題をやる人は図書館の1次的な利用者ではない」という立場。
 県立図書館では、座席を利用するには申請が必要だし、大学の図書館でも高校生がテスト期間に勉強に来て本来業務に差し障りが出てくる(今は大学内は身分証がないと建物に入れないんだけどね)とか、本来的には図書を探す場所、借りるところというのが図書館で、元来、図書館が勉強部屋になることは反対だし、勉強するところがない人を(家庭の事情などを加味して)判断して許可証を出すとか、公民館や市民センターの空き時間を利用して「宿題用学割」みたいな制度で「宿題部屋」を作った方がいいのではという立場。ちょっと「たけお問題」の専門家が、そのことに対して、根本的な、そもそも論をしないのはおかしいのでは?という立場。「ネットで真実を知った」的な話が昨今、聞かれるが普通に一般市民が一般の生活をしていても「ネット上の、この論点はおかしい」的な現象にあってしまうのでね。

名古屋パルコ パルコギャラリー(西館8F 矢場町)
きゃりーぱみゅぱみゅーじあむ
2013.0516〜0610
 展示品撮影可でパンフレットはないのかな? 音声ガイドでストーリーが展開するので音声ガイドは必須、恥ずかしくても借りた方がいい。
 内容はきゃりーぱみゅぱみゅさんがミュージック・クリップなどで着た衣裳の展示なのだが、ストーリーが凝っているので、その辺は会場で。
 第一印象は、当たり前の話なんだけど「きゃりーちゃんって、こんなに小っちゃかったんだ」という、当たり前かつ忘れがちな感想。
 いい意味で見世物小屋感があって、すごくいい感じ。グロテスクとカワイイとか独特の世界観のある衣裳や小物が、ハレの空間のドロッとした猥雑さと相まっている感じ。これは、けして私がオジサンだからではない。
 あとは世界観を維持するためのマヌカンさんの努力がハンパない! ここは注目ポイントかもしれない。
 ただ、やっぱ、おしむらくはパンフレットがあるとな・・・どっちかって言うと制作時間を長くすると凝り過ぎで、とんでもないことになるという体で、きゃりーぱみゅぱみゅというプロジェクトは動いている感じがして、その中でも衣裳や小道具の記録写真的なモノは必要なんだと思うんだよね。ひるがえって僕は自分の撮影能力やスマホやケータイの性能(まあコンデジとか用意すればいいのカモだが)は信用してなくて、その辺での撮影可で、やっぱパンフレットが欲しいな。逆にシンプルなA4横長の16ページくらいのがいい。

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2013年04月27日

3題(3)

愛知県美術館(栄)
プーシキン美術館展
−フランス絵画300年−
 音声ガイドが杉下右京こと水谷豊氏と言うことで、早速、見にいく。
 キュレーションの全体に言えることなんだけどギリシアとかキュピドとか、ギリシアの神々の読みクセが独特(ロシア訛りなのか?フランス?)
 作品は手堅いと言っていいのではないだろうか?
 17世紀のギリシア神話、キリスト教のような古典を題材にした作品や肖像画、モネ、ドガ、ルノアール、ゴッホ、ゴーギャンなどの印象派、ポスト印象派の作風のひな形的な作品、マティス、ルソー、シャガール、レジェの「建設労働者たち」など印象派以後のフォーヴィスムの作品と、日本で言うならポーラ美術館やヤマザキマザック美術館的と言っていいのではないだろうか。
 人出も有名作家の回顧展に比べれば比較的落ち着いた人出なので、17世紀〜20世紀の西洋絵画、とくにフランスに焦点を当てて、概観したい向きにはうってつけ。
 杉下警部は芸術や音楽にも造詣が深いので、ナレーションのあとに、その絵画にまつわる新たな視点を教えてくれる。

松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
アニメ化40周年
ルパン三世展
『ルパン三世』という物語を現代批評の文脈に落とし込もうとすると・・・なんてことは、別に僕がやらなくても、誰かがやればいい話であって、そもそも、文脈というかモードやトレンドで内容が変わるような話には興味がない。もっと、そういうモノを、そぎ落としていって不変なモノが、存在するとすれば、そのことの話をしたい。
 昔、平日の夕方は子供たちに解放されていた!今のようにニュース一辺倒ではなく、アニメの再放送が主流だった。『ルパン三世』にしろ『ガンダム』にしろ、リアルタイムで本放送を観た人は少数で、夕方の再放送の視聴者がほとんどなのではないだろうか?
『ガンダム』を語る人に『ルパン三世』が語れないのは、『ルパン三世』が『ガンダム』の裏番組だからで、しかも、この指摘にうなずけるのは、70年代産まれ30代までの比較的、若くない人たちだろう。
 年に数回、日テレの金曜ロードショーで2時間のアニメを観るが、逆に20代以下で展覧会を見に来る向きは、深夜アニメの『峰不二子という女』を観て感動した、アニメの再放送組から考えたら、貴重な人たちなのではないだろうか?(ここまで展示の説明してないな。そうだ! 展示の説明なしで終わろう)
 まあ、個人的に僕は『一休さん』の人で、『ガンダム』なんか「燃えあがれ〜♪」とかいいつつ、なんかくすぶったアニメとしか思わないし、『ルパン三世』も、お兄さんが観るアニメという感覚が強い。(なんで『一休さん』の回顧展ってないんだろう? アニソンでもフル尺のモノを今、購入できないでしょ?個人的な当てずっぽうだけど『一休さん』を好きな人はメインカルチャーに進んでいるんだと思うゾ)
 まあ、結局、冷戦構造を前提とした、アメリカの軍事力の傘の中でエコノミックアニマルとして自由を謳歌した日本の象徴として、ルパン一味というのが存在して、銭形という日本のサラリーマンを象徴する「仕事に摩滅する」と「仕事しか充実することがない」を兼ね備えた人物が登場して、その細部の変相の歴史でもあったり。

名古屋市博物館
中国 王朝の至宝
 音声ガイドが、通常版と『キングダム』版があって、『キングダム』版を借りたんだけど、結構あなどれない出来。役名で言うと信(シン)と貂(テン)のかけ合いなんだけど、シンが驚きながら、結構ガッツリした絵解きが出来ていて、役柄と脚本が、うまくシンクロしている。
 展示は、おおよそ統一王朝の誕生以前(1章・2章)、統一王朝の漢と秦(3章)、仏教流入後の王朝(4〜6章)といった感じか。
 以前NHKスペシャルで特集された、殷以外の長江流域の文明の青銅器や、仏像も数体展示されているが、1番は阿育王塔と呼ばれる宝篋印塔型の塔。
 ショップでは2013年のカレンダーがオススメ。絵はがき6枚と考えればすごくお値打ちだと。

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2013年04月21日

伏見2題(2)

名古屋市美術館(伏見)
上村松園展
 やっと、わかった! 上村松園の個展が、なぜピンと来ないか。
 描かれた美人達が食いあうというか、誰が1番かを、絵同士が張り合っているのではないだろうか?
 例えば常設展に1点(例えば鼓の音72)とか、ホテルのロビーに1点(例えば花嫁80)とか、そんなに大きな絵でなくても、松園の絵であれば、その場の雰囲気を喰ってしまう。そのくらい迫力があるはずなのに、個展になると、どうしてもお互いにライバル関係になってしまって、惜しい感じがする。
 でも2010年?に巡回した展覧会の次の個展で、名古屋で、あれだけ、まとまった数の上村松園を見れるのは非常に貴重な機会。美人画が好きな人は、もう必ず行くレベル。
 目玉は、やはり「花がたみ42」なんだろう。楊貴妃33、静御前6もいい。まあ、お気に入りの1枚を見つけるのが美術館の楽しみなので、目玉だけでなく、「あいつフシアナ!」的に、自分の好きな1点を探してください。
 あと展示で目に付いたのは「冬雨63と雪62」とか「初雪59と春雪61」のような同一人物と思われる連作が、アンディーウォーホールてきな、すごくポップな視覚効果が出ていて、個展も悪くないなと思わせる工夫に見える。
「美人観書85、桃の節供82、娘83」だったかな?別人で年齢も24、16、18くらい?かなと思わせるんだけど、額装がよく似ていて、連作的に見れて楽しかった。
 ああ音声ガイドは羽田美智子さん(ゴメン、かりなかった)。
 常設の第3室に上村松園の下絵が展示されている。下絵があれだけ丁寧に保存されているのにはビックリする。「花がたみ」の足下に、なぜ扇が落ちているのか? という疑問が、下絵を見ると解決する?
 常設に草間弥生氏の展示が数点、ボートとケイタイのデザインが、やはり目を引く。エコールドパリはモジリアーニの「おさげの女」。郷土の展示に川合玉堂が1点。ピンとした画風からヘタウマの境地に至る過渡的な作品になるのか? 静けさの中に、おおらかな状景にみえた。あんまピンとした感じは好きぢゃないんだよね。

名古屋市科学館(伏見)
ドラえもんの科学みらい展
 映像展示が多くて少し残念。展示室の大きさと入っている観客と展示の数がミスマッチしていて、非常に疲れる。音声ガイド借りたんだけど35分くらい、あの場所にいたら、もうクタクタW
 いくら子供に受けても、大人が納得しないと、なかなか次に続かない。
 体験型の展示を体験しようとすると、どれも15〜30分程度の時間が必要で、そのように用意して時間をみた方がいい。
(ちゃんと褒めれてないけど疲れた)

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2013年04月04日

【EotY】2013年第1四半ベスト(1)

【ベスト】
 まあ、このクールは出あるかなかったので、ベストだけを、その順番で。

土岐市美濃陶磁歴史館
織部−ソノ器、ヘウケモノ也−
 別に「応挙展」を首席に持ってくるのであれば、そういう所が、そういう方法でやればいいのであって、まあ展示されるモノの価値というのは前提的にあるが、展示や着想に関しても綜合的というか、相加平均ではなく相乗平均的な数値を比較したいと思う。
 まあ、それを時に「主観的」と言うのであるが・・・
 やはり黒織部は、最近の僕のモードというか、世間的にもアニメやマンガの『へうげもの』の影響もあり再評価の機運があるのではないだろうか?
 そういう伸びシロとして首席。

大垣市スイトピアセンター アートギャラリー
日本のアニメーション美術の創造者
山本二三展
~天空の城ラピュタ、火垂るの墓、時をかける少女~
 もうアニメの世界もデジタル化してしまって、なんとなく無機質な(ポスターカラーで描いていた時は逆に求められたことなんだろうが、それが)画面が多いように感じるが、やはり人が描いたものの技術性や芸術性は、再評価すべき時期なのかも?

愛知県美術館(栄)
「応挙」展
 もう、言わずもがなで、寺院のふすま絵の展示方法と言っても非の打ち所がない的な評価なんだろうな。
 逆説的に「国宝」「重要文化財」という言葉が、作品の評価を転倒させているのではないかとも考えられる。
 国宝や重要文化財でないから、発掘品は評価できないとか、現代の職人的な作業に芸術性の萌芽があるのか? という見る側に対する挑戦でもあるのかもしれない。

豊田市郷土資料館
特別展
明治の傑人 岸田吟香
〜日本で初めてがいっぱい! 目薬・新聞・和英辞書〜
 もう吟香という人物を見つけてきた時点で勝ちな感じ。

高浜市やきものの里 かわら美術館
−東日本大震災復興祈念−
みちのくの瓦 東北と三州をつなぐもの
 震災の影響もあって、再び歴史的にとか、文化財的な価値を再評価・再定義したい「東北」という地域。
「津波の一面のグレーから彩りを見せたかった」
 やっぱ、東北の人が自分たちの文化としての彩りに目を向けられるようになったらいいな。

2013年03月02日

2題(5)

土岐市美濃陶磁歴史館
織部−ソノ器、ヘウケモノ也−
 織部という焼き物というと、たぶん緑の釉薬に白い地肌の焼き物というイメーヂが強いだろう。
 ホントに「織部展」にふさわしい、現代の感覚で「織部」と呼ばれる焼き物の総ぞろえと(古田織部が創作・意匠に大いに関与したであろう)志野と美濃伊賀の全国の優品と元屋敷窯を中心にしたタイプ別の分類と非常に密度の濃い展示。
 図録は他館よりは割高感があるものの入館料と相殺してしまうくらいのレベル。展示品のカラー写真と小さいものの底部のモノクロ写真がついている。
 展示でも工夫されているが、図録は織部入門者には必携なくらい、織部の釉薬や地肌による色彩と「織部好み」と呼ばれるカタチの妙を、技法の側面から丁寧に書いているのでオススメ。
 個人的には、黒織部の幾何学文が大好きなので、元屋敷窯の物を特集でまとめた所が一番好き。
 時間があれば隣の織部の里公園の窯跡の見学もオススメ。丁度、豊臣秀吉の朝鮮出兵と前後して、それまで使われていた大窯(おおがま)から、連房式の登窯(のぼりがま)に技術革新していくのだが、その両方の窯跡を見ることができる。古田織部は大窯も登窯も見てるんだよな多分。
 織部の里とは反対方向になるが乙塚古墳というのもある。丁度、壬申の乱の功臣の墓になるのではないだろうか? 保存状態もよく整備もある程度なされていて、壬申の乱前後の墓制というのを、確認できるひな形的古墳。

愛知県美術館(栄)
「応挙」展
「応挙って(伊藤)若冲や(長谷川)等伯みたいな華がない感じしない?」と言う話をしたら、一般の人から言ったら「応挙の方がネームバリューは高い」らしい。
 音声ガイドが、少しまどろっこしい説明だけど、少し表面的すぎるのかな? 呉春や蘆雪など円山四条派の門人達の逸話もあるといいんだろうけど、「写生、写生」って、確かに出世作は眼鏡絵と呼ばれる、いまでいう3Dに近い作品なんだけど(やばい! ほめてないぞ……)シグマの狭い中級者向きなんだろうな。。。
 まあ、聞くと聞かないでは、大きくちがうだろうし、途中で放棄しちゃうのはもったいないけど、1度通して聞けば、それなりに応挙について詳しくなれちゃう、音声ガイド。
 個人的には風景画? が好き「雨竹風竹図」「雪松図」山元春挙の「雪松図」もよかった。と当たり前のことしか書けないな。「波上白骨坐禅図」もよかった、ちゃんと指を定印に組めばいいのに、ああいう、こまかいイコノグラフを重視しないところが上田秋成とかに嫌われるところなんだろうな、なんとなく。
 常設はいつもの感じ(応挙展は4室まで)で、5室の1/4で東松照明の記録写真と6室? とエントランスで、佐藤香菜氏(佐藤かよ様以来の衝撃的な名前)の作品。個人的な意見だが、いい意味で頭でっかちな絵、もっと単純に美しいとか描きたいを求めていけばいいのに、レゾンデートルとか既存の価値観の破壊的な表現手法が、1種の空々しさになってしまっていて残念。刺繍という表現技法を手に入れて、ルーティンワーク的に制作を続けていく中で、何かをつかめるのではないだろうか?(と、無責任に偉そうなことを書いておこう)
 7室と8室で新聞報道にもなった木村定三コレクションの修復展示。不動明王の胎内から、京都・清水寺の仏像であったことなどが書いてあるのが発見された。8室の金剛法具類は見がいがある、興味のある向きは是非。

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2013年02月17日

山本二三(にぞう)展(4)

大垣市スイトピアセンター アートギャラリー
日本のアニメーション美術の創造者
山本二三展
~天空の城ラピュタ、火垂るの墓、時をかける少女~
『未来少年コナン』(名探偵でない方)、『じゃりン子ちえ』『天空の城ラピュタ』『火垂るの墓』『もののけ姫』『時をかける少女(細田守氏監督)』など、宮崎駿氏、高畑勲氏の作品を中心に美術監督(とくに背景画)をつとめた山本二三氏の作品を集めた展示。
 アニメーションの作画は分業作業で、背景画を描いた上にセルやデジタルの合成で人物を乗せていくことになる。その背景画と、イメーヂボードといって映画の構想を練るのに描かれる少しラフ目の絵が展示されている。
 人物がいないので、子供には少し物足りないかもしれないが、風景画的に楽しめば、子供でも大人でも楽しめる。
 音声ガイドが用意されていて、声優の・・・(名前が出てこない! こういう時に音声ガイドリストがないと不便!!)方で二三氏のインタビューも含まれており、観覧料も破格に安く設定(ネットで割引券を探すとワンコイン)されているので、時間に余裕があり苦痛にならなければ音声ガイドを借りる事をオススメ。描写のちょっとしたコツとか、どこで使われた背景なのかの詳しい説明、二三雲と評される雲の描写の秘話など、一歩踏み込んだ絵画鑑賞になると思う。
 もしお財布に余裕があればグッズを買うことをオススメ。暑中見舞用に一筆箋もいいし、ミラーやマグネットも、お気に入りのモノを使えば毎日が楽しくなる。
 やはり一番のオススメは画集なり図録! 目録を拾うと160点ほどの展示作品が図録なら1冊に収められている。絵はがきや複製画の値段と比べれば図録がどのくらい値打ちに作品を所蔵できる方法か判るだろう。
 ジブリ作品はフイルムブックや絵コンテ集なども充実していることで有名だが、背景画は職人的な芸術作品の一部と見る向きもあるかもしれないが、そのもの単独でも十分、鑑賞・展示に向いた作品なんだと思う。まあ、図録は少しお高めなんだけど観覧料との相殺とも考え合わせれば、けして高くないのかも。

 お気に入りの1点を上げるとすれば『時をかける少女』の「夕暮れ2」。
 絵はがきにも、なっているんだけど、原画とはコントラストとか色合いが微妙に違う。普通に夕暮れの写真でもフォトショップで、その辺をなぶれば、さまざまな雰囲気の写真になると思うけど、二三氏の原画は、もう最高。まさにマジックアワー。

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2013年02月10日

3題(3)

高浜市やきものの里 かわら美術館
−東日本大震災復興祈念−
みちのくの瓦 東北と三州をつなぐもの
 チケットの販売は奥のミュージアムショップになるのだが、ひとまず入り口のパネル展示を1番に見るのをオススメ。
 最近では情報を探して見ないといけないが、311で何があったのか? その規模からの復興の困難など考えさせられる。
 展示は3階と2階を使った大規模な展示。福島の白鳳〜平安時代の瓦、多賀城系の瓦群(以上3階、常設展は瓦曼荼羅と3階エントランスに少し)、平泉の藤原3代の都ぶりの瓦、仙台城の瓦、会津の近世瓦、江戸の東北関連の屋敷の瓦、パネルと映像展示で岡倉天心の六角堂の復元事業と、駆け足と思えるほど盛りだくさんだが、瓦をテーマに〈東北〉という現象をかっちりととえられている。
 学術的に問題に思うのは、多賀城系の瓦と福島の飛雲文〜宝相華文の瓦の時間軸的な関係。あるいは、藤原仲麻呂の時代に比較的ダイレクトに流入していて時間的な差異が、それほどないのではないだろうか?
 まあ、軒平瓦が有顎のものに鋸歯文を配置して、それが、だんだんと無顎化していくのが多賀城系に対して、宝相華文を描くモノは無顎と言うより、平瓦に近い扁平な瓦なので、前後関係は決まる(多賀城系の方が古い)のだろうが、それほど時間的距離がなかったのではないだろうか?
(ちょうどアテルイの前夜からアテルイの時期に当たるのか?)
 あと注目すべきは福島の瓦に新羅系になるのか? 有蕊弁(ゆうずいべん)というのか? 複弁の子葉というのか? 花弁の中の2つの膨らみをオタマジャクシ状に表現する瓦群は、東北の造瓦技術が大和政権からの単層的な流入ではなく、亡命やお雇い外国人的な技術者集団によってもなされていたことをうかがわせる。(この傾向は東国の全体的に広がっていて素弁の多用や鎬をもつ素弁を指向するなど、通奏低音的に広がっている)
 311の被災地という観点だけでなく、文化財のある土地であること、観光地であることも今一度、見なおしたい。プライスコレクションが巡回するのは喜ばしいが、打ちひしがれることなく地元の文化財を再発見するような〈運動〉につながるといいな。

豊田市郷土資料館
特別展
明治の傑人 岸田吟香
〜日本で初めてがいっぱい! 目薬・新聞・和英辞書〜
 一番カンタンに言ってしまうと、岸田劉生の父親になるのか? 麗子像の「麗子」の祖父と言った方が、とおりがいいのか?
 僕が岸田吟香に興味を持ったのは『高橋由一展』で由一が岸田吟香のサロンの中で活躍したとされるパネルがあったことによる。
 吟香は美作(岡山県?)の出身だが、挙母藩(現・豊田市)の飛地であったことから、藩校の崇化館(あのギリシャ彫刻の会館の前身)で講義をしたこともあるという。
 業績は、まさにマルチというか、多用で業績や交友関係は、是非、展覧会を見て欲しい。
 豊田市郷土資料館は、こういう、ちょっと勉強すると興味がわいてくる近代の人物を発掘してくるのが上手! 豊田にゆかりの偉人が多いだけなのか?

名古屋市博物館
特別展
驚きの博物館コレクション
−時を超え世界を駆ける好奇心−
 明治大学博物館、南山大学人類学博物館と名古屋市博物館の館蔵品を展示している。展示室は1階の1室のみ。
 明治大学博物館といえば刑法関係の資料と岩宿遺跡の資料と言えば1級というか、全国的にも、よく知られた資料だろう。刑法関係の資料は、まあ展示室が限られているのでダイジェストだが、名古屋で見られるのは貴重。
 南山大学人類学博物館は創設期の民族調査資料からフランスを中心としてヨーロッパの旧石器、関東や東海地域の調査資料。
 まあ、名古屋市博物は2つの博物館の資料を補強するような資料と『猿猴庵』関連の本と復元品の展示。
 毎週末くらいにギャラリートークが用意されているので、それを目当てに時間を宛てていくといいのかもしれない。

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2013年01月06日

2題(2)

徳川美術館
日本の神様大集合 徳川美術館へ初詣
 東照大権現(徳川家康)、八幡大菩薩、伊勢、熱田、春日大社、菅原道真、柿本人麻呂、七福神、名古屋の祭礼、三番叟に代表される能の神様、雅楽と大項目を追うとこんな感じ。
 常設展の能のセクションにお正月ということもあって「慈童」の能面(個人的には童子面特有の色気というか、こちらを奮いたたせるような何かが感じられなくて少し残念)も展示されており、映画『大奥』とのコラボ企画で蒔絵の調度類の展示もあり、当然ながら茶道具もあり、内容も盛りだくさん。
 確かに神体とされる八幡大菩薩の画幅が展示されているのだが、こういうモノは神体とは考えたくない。
 そもそも神体は記紀神話で語られる貴人の身の回り品に、その人の人格が宿ると考えるモノ。いわゆる三種の神器だが、三種の神器には近代の国家神道での脚色が色濃く残る。
 もう1つの神体が「天上から神が降りてくる時の目印」山であったり(神体山)、白木の柱(御柱)であったり、神木も、この類なんだろうけど、よく判らない。(山や森の中で、とくに1本を特別視した形跡はないし選択できないモノを目印にするのも考えにくい)
 神体の本義は、その辺にあって題字や画像、偶像が、どの程度、その機能を担えたか疑問があるし、題字や画像、偶像を本尊として、すえてしまったところで〈神道〉の本義が転倒してしまうのではないかと考える。
 例えば、家の神棚や台所にあるお札は、そこに神様が宿っているのかもしれないが、その神はあくまで氏神や伊勢神宮の、その場にいる神であって、遥拝(ようはい)という「遠くから拝む行為」の補助として、お札が存在しているにすぎないのではないか?(ハイパーリンク理論)
 まあ、こんなこと実証論的に、どうのこうのできる話ではないので、どっちでもいいんだけどね。

松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
生誕110周年記念
ウォルト・ディズニー展
 なんかフライヤーに偽りありだな。
 展示は、ほとんど映像展示とパネルによる解説。ところどころにノベルティーのようなグッズが展示されているがキャプションも少なく、時代もバラバラなモノが詰められている風に見える。
 時間を十二分(じゅうにぶん)にとって、キャプションや映像を、しっかりと読みこまないと、よくわからないまま。

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2013年01月04日

【EotY】2012年第4四半ベスト3(1)

【ベスト3】

名古屋市博物館
大須観音展
 まあ聖教・古文書という展示の性格上、少し上級向きというか、鑑賞者を選ぶという向きもあろうが、基本的なことを少し頭に入れるだけで、鑑賞は十分楽しめるし、それ以上に、展示やキャプションが充実している。
 まあ、くずし字ということでは芭蕉展ともかぶる感じもあるが、個人的な意見になるかもしれないが、大須観音展が首席。

滋賀県立近代美術館
石山寺縁起絵巻の全貌
~重要文化財七巻一挙大公開~
 石山寺縁起がスゴいのは当然として、釈文が充実しており、初心者にもすんなりと入っていける展示と言っていいのでは?
 やはり、こういうカチッとした展示・企画方針が好きなので2席。

名古屋ボストン美術館(金山)
ボストン美術館 日本美術の至宝
 前期・後期まとめて評価するつもりだったのか? 第3四半期に言及がない。
 仏像の展示がないのは惜しまれるが、海外にある日本美術にふれられる機会は貴重。名古屋に展示室があるといっても、日本美術がやって来るのは、かえって他館への巡回の方が多いくらい。入選。


【総評:4件】(順番は鑑賞順)
京都国立近代美術館
高橋由一展
 美術の教科書の鮭の絵の人と言う方が、通りがいいかも。
 あのなが細い画角に日本の洋画の可能性を考えた人。正月に文化住宅の床の間に、あの鮭の複製をかざりたいね。

祖父江町郷土資料館
「尾張の書画家たち」展
 展示室と展示内容に問題はあるものの、企画者の意欲にあふれる展示。
 5年とかに1度でいいので調査成果展を期待したい。

奈良国立博物館
正倉院展
 いわずもがな。青いワイングラスを代表にガラス群が印象的。

斎宮歴史博物館
暦と怪異 〜不安な日々の平安貴族〜
 もう少しストーリーを示して欲しかったような(なんでベストにケチつけてるんだ?)一級資料が集まっているだけにもったいない。
 個人的には、伊奈冨神社の男神坐像(崇神)と神宮寺の神像は2軀1倶、あるいは3軀1倶(もう1体は群像の可能性も)のもので、神宮寺像に数珠など仏教的要素のものが含まれていたために伊奈冨神社にあったものが神宮寺へ、神宮寺をはじめに塔頭寺院が伊奈冨神社の周辺にはいくつかあるので、その天台寺院の山王立体曼荼羅が神像ということで伊奈冨神社へ移動したものと考えたい。
 四日市市立博物館でも伊奈冨神社の1体をフィーチャーするから、みんなが「神仏習合のカタチの見本」みたいに見るのであって、2軀1倶だったら、もっと別の鑑賞も可能なはずが・・・

2012年12月06日

大須観音展(8)

大須観音展を見るうえで事前に押さえておきたい用語集

・音声ガイドは非常にコンパクトに要点だけを伝えている。もっと内容を足すこともできるが、複数の人物名・書名などが登場して、煩雑になるのかもしれない。
・子供むけのキャプションが、かわいいイラスト入りで、簡潔に要点がまとめられている。まとめて、子供むけ(簡易版)の図録になっている。図録とのセット販売もあるので注目!

【聖教(しょうぎょう)】
 聖教は寺院に所蔵される典籍類をいう。おおまかには仏教関連の内典(ないてん)と呼ばれる典籍と、それ以外の外典(げてん)にわけられる。

【血脈(けちみゃく)】
 ある僧が誰から〈法〉を授かったかの系譜。大日如来あるいは釈迦如来を頂点として系図としてまとめられる。中世には真言宗といっても、さまざまな系譜があり、血脈を追うことで、僧同士のネットワークが垣間見える。
 キャプションの「大須観音真福寺法系図」を参照のこと。有名どころの僧と地域で活躍した僧の名前が頭に入ってくると、ぞくぞくする。

【印信(いんじん)】
〈法〉を受け継ぐ時に、現代のように勉強しただけでは完全に伝えられたと考えず、灌頂(かんじょう)と呼ばれるイニシエーションを必要とした。その時の契約書類が印信である。
 印信にある祐禅(ゆうぜん:人名)・信瑜(しんゆ:人名)の花押(かおう)と呼ばれるサインは、いわゆる明朝体と呼ばれる花押のひながたのよう。上下に横に2本線を引き、その間を埋めるような感じ。
『愛知県史 中世1』一五二一では信瑜、祐禅の花押は、紹介されている能信の花押に近い。

【東大寺衆徒参詣伊勢大神宮記(とうだいじ・しゅうと・さんけい・いせ・だいじんぐう・き)】
 源平の争乱の中で東大寺が焼け落ちる(いわゆる「かまくらクライシス」)。東大寺の僧たちは再建を祈願しに伊勢神宮へ向かう。その時の記録。重源(ちょうげん:人名)や貞慶(じょうけい:人名)に関する記録(伝説が記載されているという説もある)もある。当時、なぜ仏教の僧が神道の神社に参詣したかは「かまくらクライシス」に詳しい。

【麗気記(れいきき)】
 中世の神道では『日本書紀』とならんで重んじられた典籍。
 一般に両部神道(りょうぶしんとう)と呼ばれる、神道の事がらを仏教とくに密教の教義を使って説明したものに分類される。
 なぜ神道の書物が仏教の寺院に残されたかというと、神道も灌頂の対象になっていたから。伊勢神宮などの神道の施設で、どのような知的体系で神道書が伝えられたかは疑問が多い。春瑜(しゅんゆ:人名)など伊勢神宮系の僧の名前も登場する。

【類聚神祇本源(るいじゅう・じんぎ・ほんげん)】
 度会家行の著作。抄出(しょうしゅつ)と呼ばれる以前に著された典籍からの抜き書きを中心に、記紀・伊勢神道・両部神道・漢籍・仏典を綜合的にとりあつかっている。
 まあ、書物なので博物館の限られた展示室での見開きだけでは全体像はつかめないが、絵入りの典籍については意識的に絵の部分がクローズアップされているので、初心者には、とっつきやすいつくりになっているのかも?

【遊仙窟(ゆうせんくつ)】
 桃源郷に遊ぶ男の物語。中国で作られたが、中国では失われ現存していない。大須文庫の貴重さとともに、日本人の物持ちの良さという視点でも注目を集めている。
 奈良時代の『萬葉集』に『遊仙窟』に取材した和歌が残されている。

【尾張国郡司百姓等解文(おわりこく・ぐんじ・ひゃくしょう・ら・の・げぶみ)】
 文末には「尾張国解文」とある。解文は下から上へあげる公文書のこと。当時の国司・藤原元命の悪政を尾張国内の郡司・百姓たちが訴えた体をとるが、作者には諸説ある。まあ、日本史の教科書にも詳しいよね。

【空也誄(こうやるい)】
 空也(くうや:人名)の伝記。尾張国分寺での剃髪の記事があるが、個人的には「尾張国〻□寺(カ)」くらいにしか読めない。

【紙背文書(しはいもんじょ)】
 裏紙に文章を書いて製本した場合、以前に書いた文章は本の内面に隠れてしまう。また、文書の修理の折に文字の書かれた紙を補強のための当て紙にする場合もある。
 後の時代の修理の時に、そのような裏側に書かれた文書が発見される場合がある。

【覚禅鈔(かくぜんしょう)】
 密教の修法(しゅほう)とよばれる儀式別に図像を集めた図像集。稲沢市長野・萬徳寺に禅海の書写した『覚禅鈔』が残る。一説には覚禅に仮託され著されたものと見る向きもあるが自筆本が展示されていた。別名、百巻鈔(ひゃっかんしょう)と呼ばれるが、実際、何巻あるのかは不明なところが多い。

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2012年11月12日

2題(7)

一宮市博物館(妙興寺)
一宮の歴史と文化
 文書がどうのとか展示のストーリーがどうのと言うより、個人的な目玉は尾西・浄観寺の観心曼荼羅! パネルで絵解きがされているので、前知識がなくても展示室でどのような画題かを確認できる。
 現在確認されている観心曼荼羅は愛知県内では2点でしかも、岡崎のものは先日、焼失してしまうと言う悲劇に見舞われ、現在、愛知県内で観心曼荼羅の現存が確認できるのは浄観寺だけという状態である。
 画幅全体には、縦に折り皺と思われる3本の線が走り、軸装される以前に折りたたんで運ばれたことが考えられる。横の線は軸由来のデコボコか折り皺か判然としない。
 全体のタッチは頭身数の少ない「かわいい」系の人々が書かれているので、江戸時代でも極初期、あるいは戦国時代に遡る作品なのでないだろうか?
 あとは『尾張名所図会』の一宮市域の名所の図会を拡大しパネル展示している。例えば、真清田神社は4ページからなり、版画ながら、当時の境内の様子をうかがうためには優れた資料。現在の真清田神社の境内からは仏教色を排除しているが、神仏習合の様子がうかがわれる。(個人的には参詣曼荼羅の発展した姿が名所図会になるのだと考えている)
 地蔵寺と真清田神社の一の鳥居との関係や名所の取り合わせなど、当時の世界認識というか、位置認識と関連性の着想は思想史的な資料としても十分利用可能なのである。
 と、あまり展示のストーリーと関係のない話をしつつ。

妙興寺公民館
尾張平野を語る17
 まあ、後進に譲るつもりで、2日続きの1日だけの出席にしたが、自分よりも倍ぐらい生きている方がほとんどで、その遠慮はなんだったんだろう? といぶかしくなる。
『一宮市史』の刊行、一宮市博物館の開館、博物館の運営というのが一続きの活動として、最新の研究成果と市史編さんの秘話になるのか?
 例えば、10年前と比べて地域の地付きの研究者が増えているわけでもなく、市井の歴史愛好家の顔ぶれが新陳代謝しているかと言えば、疑問符が残る。
 市史編さんや博物館の開館をファーストインパクトと考えれば、発掘バブルがセカンドインパクトで、サードがこないまま現在に到っているのかもしれない。先頃からの「武将隊ブーム」も博物館や研究会に人々を集める吸引力には必ずしもなっていないのではないだろうか?
 博物館としてサードインパクトを真剣に考えるべき時期なのかもしれない。

斎宮歴史博物館
特別展
暦と怪異 〜不安な日々の平安貴族〜
【終了しました】
 展示そのものより、ストリーを明示した『図録』の方が選択したテーマはより明確になるのかもしれないというような展示。
 日記類のようなガッツリした資料の読み込みと暦、軽妙な安倍晴明像と現代の復元像など硬軟おり混ぜての展示で、ライトファンにも専門家にも飽きさせない内容だったのでは?
 京都・大将軍八神社から神像が3点(前期展)、伊勢の神像を後期展にすえている。
 第五十二号像がお目見えなのに、対が指摘されている像ではなく、ひな形的な将軍像と童子像とコアファンには少し物足りない?
 伊勢の神像群は必ずしも陰陽道とは関係がないのでは? 神宮寺の神像は、いわゆる神身離脱からくる「苦悩の神像」の系譜につらなるものなのだろう、時代も平安時代の前半に置いていいのでは?
 伊奈冨神社の神像群は、個人的には、もう少し新しいように感じる。多くの神像があって、その中から限定的に残されたものの可能性を考えなくてはいけないが、現在残されている主要な5体の神像を見る限り、日吉・山王の上7社内と考えたくなる。図録の写真から上段、右から1(24p)、2(25p右)、3(25p中央)。下段、右から4(24p右)、5(24p左)とすると、大宮が3。二宮が2。十禅師が4。2と対になるのか? 5が三宮。1が客人の白山姫に当たるのではないだろうか?(中尊に3、向かって右の脇侍に2、左の脇侍が5、左奥が4、右奥に1といった感じか?)
 制作年代は図録を見ると4、5に古色を感じ、1、2、3より1形式ぐらい時期差があるのかもしれないが、展示室で見た感じは、5軀1具とみて差し支えないと思われる。残り4軀の立像の随神も一体のもので山王の立体曼荼羅を形成していたのだろう。年代は山王神道の成立と伝播を考える必要があり、室町時代(鎌倉時代以前に遡るとは考えにくい)なのではないだろうか?
 ああ、あと音声ガイド試してみた! 常設展のみの解説と、日記などかいつまんだ説明が欲しい特別展に音声ガイドがないのが淋しいが、初めて訪れる場合、改めてガッツリ斎宮について知りたい場合にピッタリ! 小学高学年くらいから大丈夫なのではないだろうか?
 音声ガイドの端末は1ボタンで再生・停止がコントロールでき、ICタグになるのか? 解説番号の近くで端末をゆらすと番号を読みこむようなカタチになっている。
 結局、音声端末の要は、特別展などに対して拡張できるかとか、掘りたての遺物に対して迅速に解説できるか? など、音声ガイドの、番号や音声内容を外注に出さずに改変が可能かの拡張性に注目が集まるようになるのではないだろうか?
 せっかく館に学芸員がいるのだから、学芸員の録音された生解説で、注目の展示(絵巻物の巻き返しなどで場面ごととか)を見れたら、利用者が増える(まあ利用者が何人と言うことより、展示がどれだけユビキタスというかシームレスというか感覚的に内容が入ってくることが重要なのだろうが、、、)ような気がする。

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2012年11月05日

ルオー展(6)

荻須記念美術館
ジョルジュ・ルオー展
 まずは前提として作風が好きか? 年に1度の地域の美術館の特別展だから、、、で見に行くのは、少し危険かも。
 作風というか、主要なモチーフをあげれば、キリストとキリスト教的世界観によるアガペー(〈愛〉)と当時の庶民の生活の象徴としてのピエロと、アガペーにより昇華される〈ピエロ〉という存在。
 ルオーの生きた時代的には、ポスト印象派に後続するフォービスム(野獣派)の作家とされる。
 ポスト印象派というとゴッホやゴーギャンなど、耳なじみがあるかもしれないが、フォービスムは、耳なじみないかもしれない。ようは時代の雰囲気みたいなもので、ポスト印象派が〈印象〉を色彩論的な観点から深めたのに対して、フォービスムはポスト印象派を発展させ、暴力的(野獣的)な色彩の洪水で画面を構成している。例えば青い空に補色的に赤い雲を配置するなど。(もう少し、かみ砕いて説明しないと意味不だな)
 有料の図録以外に、A5判のリーフレット(入館者の人数把握の意味もあるのか?)が用意されていて、主要な作品と、作風の主題・変遷が解りやすく解説されている。
 目玉は、『ミセレーレ』と呼ばれる白黒の版画による作品群。全58点の内、42点と作品の構成と主要な画題が見て取れるだけの数、展示されている。
 関連して、ミセレーレの版画の上に油彩で、さかに書き込みを加えた作品など、作品に対するスタンスも垣間見える。

 関連して、今回の展示品の多くを収蔵している、パナソニック汐留ミュージアムでは、

パナソニック汐留ミュージアム
パリ・ルオー財団特別企画展
I ♥ CIRCUS(アイ ラブ サーカス)
2012.1006〜1216
http://panasonic.co.jp/es/museum/

 と題して、世界的なルオー作品の展示がおこなわれているので、荻須美術館を見てルオーに興味を持ったなら、汐留に行くのもいいのかもしれない。

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2012年10月28日

3題(5)

奈良国立博物館
正倉院展
 いわずもがなに、当たり前にスゴい展示なので、ウチごときがレコメンドする必要もないのだが。。。
 中吊りやポスターにあるように18年ぶりに瑠璃杯(青いワイングラス)が目玉展示になるのか? 間近で見るためには数十分ならぶ必要がある。個人的には青ガラスもさることながら、受座と名付けられた当初の杯の脚に注目したい。解説では7世紀につくられ受座は東アジアで接合されたという説を紹介しているが、やはり5世紀末〜6世紀初頭に白瑠璃碗と同様に西域で作られたものが、時期を経ずにダイレクトに伝来しているのではないだろうか? と考えたい。
 パルメットというかパーム状の意匠は現在でもドバイのような日本から見た〈西域〉で使われている。
 あとは双六盤などの遊興具が特集されている。ガラスや玉を使用した双六石は小さい物ながら風格を兼ね備えている。サイコロと双六筒も興味深い(どうしても平清盛と後白河院の競争をイメーヂしてしまうのだが・・・)
 東館の後半が双六、西館の1室が瑠璃杯、西館の後半部分(北側)は例年通り、正倉院文書と聖語蔵の展示だが、関連して書見台や献物箱、球状の香炉など、例年より文書や経巻が少ない感じがした。
「称徳天皇勅願経」は、いわゆる「中聖武」というのか、奈良時代のカッチリした書体に太めの筆致と、まさに達筆で経文の意味とは関係なしに、古筆的な鑑賞には、うってつけのもの。
 行政文書としては、なんと言っても目玉は美濃国の戸籍。こっちは古文書が読めないと、いかんともしがたい。だが、多くの人が食い入るように見つめ、解読しているようだった。
 正倉院文書の類には、いくらか釈文のキャプションがついているので、時間と体力に合わせて、少しでもチャレンジしてみることをオススメしたい。釈文があれば意外に読めたりするもの。
 いかん、西館の南側が後になってしまった! 二彩の瓶は、たぶん大きい部類に入るんだと思う。なかなか、このサイズの瓶は、どんな窯業の生産地でもなかなか見れないのでは?(水甕なんかは、もっと大きい物があるんだけど・・・)
 ガラス類が壮観! どうなんだろう? 飛鳥池のような遺跡で天武朝に大量生産された物が伝世しているのか? 天平時代にも使うぶんだけが生産されているのか? 原料か? とされる破片もあるので、いろいろ検討しないといけないな。
 ガラスのモノサシ・ストラップは超カワイい。これはグッズになるよね。と思ったが、下で見てみると、見落としたのかもしれないが、なかった気が、、、
(名称は、あえて正倉院っぽい正式名称は避けて、イメーヂしやすい(図録にも、そういう系の表記があり)名称に、ほぼしてます)

葛城市歴史博物館
特別展
忍海と葛城
−渡来人の歩んだ道−
 大谷古墳の杏葉って、ホントに5世紀後半なの? 個人的には、ぱっと見、6世紀の第4四半期くらいみたいに見えるんだけど、埋葬施設と齟齬があるのかな? 馬冑にしても、騎馬文化が流入して半世紀くらいの時期に存在するものなのだろうか?
 大谷古墳の遺物と初期須恵器を並べられると、もう、思考停止で芝塚2号墳の馬具が5世紀の中頃のものなのでは?
 芝塚と大谷古墳を比べると、もう似て非なるモノで材質も芝塚では鏡板や杏葉のような強度の必要のないところまで鉄のような腐食性の高い材質で、大谷古墳はハミのような強度の必要なところは鉄材だが、鏡板や杏葉に腐食の痕跡がない。これは保存処理上の時代差による戦略の違いだけに起因するのだろうか?
 まあ、形式差は時期幅や前後関係を示さないので、芝塚のような馬具も大谷古墳のような杏葉・鏡板も共存していたといわれれば、それまでだが、個人的に、そこのところが消化不良で、ストーリーに入っていけなかった。
 まあ、葛城はじめてなので、そのことでストーリーが入らなかっただけなのかもしれないけど。

祖父江町郷土資料館
企画展
「尾張の書画家たち」展
 美人図なんか県立博物館で展示されててもおかしくないような作品。
 個人的には祖父江町郷土資料館の企画展としては必ずしもふさわしくない展示内容だと思う。個人的にはハコにはハコごとの向き不向きがあって、こういう展示は荻須美術館の特別展示室で十分なのではないだろうか?
 現在は複製技術も進歩して、というかカラーコピーでも(作品には相当な負担になるのだが)発色の色味だけ合わせれば十分に鑑賞に堪えうるのでは?
 釈文やキャプション、図録を充実させ、そのようなモノを展示した方が、祖父江町郷土資料館のハコの性質に合っている気がする。目録がペラ1で、図録(解説書)なしなのは残念。
 レコメンドしようにも、それを躊躇させるような因子のはたらく展示は個人的に好きではない。

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2012年10月21日

3題(4)

名古屋市博物館
開館35周年記念
芭蕉−広がる世界、深まる心−
 やはり、古文書が読めるかどうかがカギになるのでは?(まあ、より深く楽しめるという程度か?)必ずしも読みやすい、くずし字とは言いにくい感じ。
 音声ガイドが、総時間、約40分と長大で、ある意味、金字塔! 展示のストーリーが、ほぼすべて網羅されている感じ。個人的には、俳句や和歌など作品の朗読を、もう少し増やして、説明を、もう少し簡潔にできないものかとも思うが・・・
 展示についても、芭蕉の生涯と〈芭蕉像〉の再生産という壮大なものになっているが、生涯については逆に名古屋や東海地域に於ける発句に重点をしぼって、歌枕の地誌的な解説や遺跡の遺物などで、芭蕉の生きた時代を立体的に展示できなかったのだろうか?
 普段の名古屋市博物館の展示と比べて異色というか、お宝的な目玉展示をポンポンポンと配置して概説的なストーリー構成は、必ずしも学芸活動が成功しているとは言いがたいと思われてしまうのは残念。
 まあ、西行・宗祇などの芭蕉前史、芭蕉の生涯、〈芭蕉像〉の展開なので、俳句・短歌、好きにはいい展示なのかな? ちょっと鑑賞者を選ぶよね。。。

名古屋市博物館 常設展示
森川コレクション
重要文化財「黒楽茶碗銘 時雨」や「稲之図」など、
 如春庵時代(昭和期)の作品が中心な雰囲気。
 茶入が3点、桃山〜江戸時代のものが。

愛知県美術館(栄)
コレクション企画
美しき日本の自然
朝日遺跡出土品 重要文化財指定 記念
「弥生時代の造形」
 まあ、特別展前のコレクションの企画展なので、そういう位置づけで見にいかないといけない感じか。
 今回は愛知県陶磁資料館の作品を一緒に展示する企画。渥美の芦鷺文壺が来ていた。モリカズが4点。
 常設展示内にゴーギャンの裏表。まあ、時代的な筆致というのもあるのかもしれないが、いい意味で、ゴッホのバッタモンのような作品。ゴッホが時代と、全く無関係で誕生したのではなく、1種、ゴッホに対するゴーギャンの嫉妬も感じられて、ああいう嫉妬の仕方をするとタヒチに行かざるを得ないという、ポスト印象派の、1番有名なドラマチックな部分が、ドロッとキャンバスからあふれてくるという、垂ぜんの作品。
 朝日遺跡の展示は第7室のみの残念な展示。黒色系というか沈線文系?(大地式土器)が1点と、丸窓、パレス。あと巴形と破鏡などの一級品がずらっと。と、まあ貝殻山貝塚資料館の展示のプレ展示なのか、陶磁資料館の展示とともに消化不良な感じ。
 どうせコレクション展の期間なのだから、特別展示室を使って「朝日遺跡資料による『様式と編年』」的な一括資料を総鑑できるような展示を、現代アートと対峙するトラディショナルなアート作品としてトリエンナーレ関連で展示して欲しい。こんなものを期待していくのだから、たちが悪いW

徳川美術館・名古屋市蓬左文庫
徳川将軍の御成
 去年、震災の関連(だったか?)で、展示が、あちこちした時に延期になっていた展示。
 御成とは、将軍などの天下人が臣下の屋敷を訪れること。
〈御成〉という行為・作法を屋敷の間取り図(蓬左文庫)や茶道具や調度品(徳川美術館)を駆使して立ちあらわせる展示。
 どうしても『へうげもの』的な高揚感が下火になって茶道具に対して、いまいち、むくっと来ない感じがしてダメだな。(個人的なモチベーションの問題なのだが・・・)
 名物・大名物のオンパレードで、泪の茶杓や千鳥の香炉などが、これ見よがしに展示されているので、垂ぜんの展示。

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2012年10月15日

近代美術館2題(3)

京都国立近代美術館
高橋由一展
 高橋由一というとピンと来ない人もいるのかもしれないが、美術の教科書の鮭の絵の人というと、大体の人が知っているのではないだろうか?
 幕末〜近代の洋画家というか、美術史的な立ち位置を説明しようとすると、いささか難しい。(音声ガイドが、解りやすく詳しい説明がされている。あと入り口の人物相関関係、由一自身にも政治的、経済的に野心的な活動をしていたこともあるのか、当時の各界の名士がポンポンと出てくる)
 近代の画家の回顧展というと美術史的な関心のある人が見るべきものと考える向きもあるかもしれないが、『美の巨人たち』で多くの作品が紹介されているし、キャプションや音声ガイドで十分説明されているので予備知識なしで、ふいっと入っても十分楽しめるのではないだろうか?
 まあ、説明以上に、作品そのものが、由一の実験と着眼性によって完成されているのが、すばらしい。
 絵はがきになっていない(?完売したのか?)ので、それほど人気ではないかもしれないが、個人的には「不忍池」が好き。(あれもこれもあげて説明しても展示の説明にならないので割愛)
 グッズが充実しているので、それもライトファンには嬉しいところ。由一が苦心して2Dに落とした鮭を、わざわざ3Dにしてるの。
 4階の常設展に田村宗立の回顧展、中央の前半1室だけの、こぢんまりしたものだが、由一とも関連して楽しめる。あと片岡球子の「面構シリーズ」が2点。稲垣仲静の「太夫」は明らかに由一に対するオマージュだよね。芹沢銈介の「法然上人御影」が個人的には好き。絵はがきにして飾っておきたい感じ。
「太夫」と「法然上人御影」の絵はがきが1階のショップにないのは残念のかぎり。

滋賀県立近代美術館
石山寺縁起絵巻の全貌
~重要文化財七巻一挙大公開~
 全巻展示の前期展は終了して、これからは前半部分、後半部分の巻き替えがおこなわれる。江戸時代の写本を、この期間に交互に展示。
 後期の全巻展示は11月13日から。
『源氏物語』とか紫式部の話になるとマスメディアで取り上げられて、一部研究者から「また?」的な疑義があげられるので有名な?(って展示のレコメンドになってるのか?)石山寺縁起。
『石山寺縁起絵巻』は全7巻の絵巻だが、1〜3巻がまとめてつくられた以外は、各巻が5巻、4巻、6〜7巻と順番につくられている。かといって時代時代に詞書きが創作されたかと言えば、1〜3巻の時期に詞書きが先に、まとめられて、その詞書き(詞書きの清書は時代時代につくられている)によって筋書きがなされている。
 絵巻物なので、比較的読みやすい、くずし字で書かれていて、キャプションに(読みやすいように現代的な、かな交じり文に直されているが)翻刻がなされている。
 つかれない程度に、つまみながら読んでいくと、読み進めていくウチに、だんだん目が慣れてくるのが解る。
 某インターネットサイトで、くずし字の巻物の展示風景を撮影していたのがだ、絵の部分をゆっくり撮影して、詞書きの所を、すっ飛ばして、次の絵の所に飛ぶのは閉口した。たとえ建前としても、詞書きが展示されていれば、詞書きを読むべきで、それは展覧会に割ける時間と体力、能力に応じて、ある程度を読んだり、読み飛ばしたりするのを否定しないが、あくまで、建前は読むべきものということを、ちゃんと示していかないとな。
 あと半月くらい先に『正倉院展』が始まるが、正倉院展の観覧者は、非常に、そのことを心得ていて、経典や行政文書のような、必ずしも読みやすくない古文書にも長蛇の列をなして天平時代の筆致や、時に光明皇后の真筆のようなものを、ありがたがって鑑賞している。
 いずれ、「古文書解読QS」もやりたいんだけどね。いかんせん自分が読めないから、なかなかすすまない(T_T)
 あと、石山寺一切経から悉曇(梵字)関係の資料が何点か来てた。美術の展示でも、とりあえず石山寺一切経からと言うのは琵琶湖文化館クオリティーなので、ちゃんとDNAが滋賀県立近代美術館(近代美術館なんだけどね。モダンアートについてもヒットやホームランを打てる美術館)にも流れているんだと嬉しくなる。
 仏像が3点、出ていたが個人的には、もう少し古ものなのかな? とも思う。胎内の如来像が新羅製、観音が飛鳥時代(ほぼ7世紀第2四半)、頭部の欠けたトルソーが7世紀の中頃なのかな?(たぶん、こんなに古く見るのは僕だけなんだろうけど・・・)

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2012年10月08日

名古屋ボストン美術館(2)

名古屋ボストン美術館(金山)
ボストン美術館 日本美術の至宝
 後期展。
 主要な作品は残りつつも感覚的には全展示替えに近い。若冲のオウムは間近で見れて、裏彩色の様子まで見れた。

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2012年10月02日

【EotY】2012年第3四半ベスト3(1)

【ベスト3】

高浜市やきものの里 かわら美術館
愛と正義と勇気をうたう
やなせたかしの世界展
 ユーモアと感動、人気と専門性を兼ね備えた希有な人格。
『アンパンマン』がなくても、やなせたかし氏だが、『アンパンマン』あっての、やなせたかし氏。
 総評も含め粒ぞろいなだけに、逆説的な首席。

愛知県陶磁資料館
戦国のあいち
−信長の見た城館・陶磁・世界−
 まあ愛知県の取り組みとして、入選。
 大規模発掘の成果と歴史地理的な整理手法の成果。
 ただ、岩倉城と国衙(岩倉城の南)の関係や、下津の下津城部分と下津宿遺跡、さらに南の国府などとの関係の説明が不足など、大枠での地域認識の問題に、いささかの疑問が残る。
 愛知埋文の到達点として次席。

岐阜県博物館
飛騨・美濃の信仰と造形
−古代・中世の遺産−
 他の展示より優位であるというより、下呂の森水無八幡の神像群にビビビっと来たことにより入選。
 ストーリーで見せる展示もあるが、モノをズバリ見せて完成させる展示、後者のひながた。


【総評:5件】(順番は鑑賞順)

京都国立博物館
古事記1300年
出雲大社大遷宮 大出雲展
 宇豆柱や鰹木は、やはり壮観。古事記から短絡的に出雲を選択したのは疑問だが、京都で見る出雲の文化財もよい。

奈良国立博物館
頼朝と重源
−東大寺再興を支えた鎌倉と奈良の絆−
 1点をあげれば、甲府善光寺の頼朝像。神像や建築史的にも興味深い作例なのでは?

安城市民ギャラリー展示室C
知りたい! 姫小川古墳
 個人的には、やっぱ姫小川古墳のような古墳は古墳とは言いたくない。「在来型墳丘墓」とか「続弥生的墳丘墓」とか「非畿内型古墳」というのが適切なのではないだろうか? 東之宮古墳や青塚古墳の1次埋葬まで在来型墳丘墓なのでは?
 外部施設としては葺石と畿内に準じた埴輪の使用に画期を求めたい。古墳時代のお墓だから「古墳」というのは事態を、ややこしくする。

PARAMITA museum パラミタミュージアム
南都大安寺と観音さま展
 観音菩薩にしぼって、彫刻史として作例が追っていける優れた展示。

岐阜市歴史博物館(岐阜公園)
共催特別展
織田信長と美濃・尾張
 古文書が読めるともっと楽しめる展示なんだろうな。
 茶道具や絵画資料も、それなりに楽しめるが、古文書が読めないともったいない。

2012年09月24日

2題(12)

岐阜県博物館
飛騨・美濃の信仰と造形
−古代・中世の遺産−
 人文第2室の展示。そもそも建前上は仏像や刀剣などを常設展示する展示室での特別展。(最近、行ってなかったので実施として、どうなっていたかは、よく知らない)
 図録があるらしいが、手違いで遅れているらしく、ミュージアムショップで着払いで送ってくれるらしい。
 仏像は、あえての円空外しで平安〜鎌倉くらいの都ぶりの珠玉尊像が集められている感じ。個人蔵とされる鰐口が2口(文和5年1356・応永25年1418)展示されている。
 愛知県との関連では、奥田・安楽寺が施入した、いわゆる正和の壺(あの永仁の壺に対しての呼称だから適切なのか疑問もあるが…)が2口一対の展示ではないのが惜しまれるが、安楽寺の方が来ている。
 注目は第5章の飛騨地域の神像群だろう。(ほかに長滝白山神社の狛犬が一対)
 阿多由太(あたゆた)神社の随身は束帯?のカッチリした表現が甲府善光寺の源頼朝像や古い形式の束帯天神と共通で、12世紀を下らない作例で、どうしても「飛騨の匠」というと地域色の強い作風を考えるが、近畿の埴輪や、そのような他地域との作風とも共通する興味深い作品。
 森水無八幡神社の神像は、10体の神像の形式分類から年代観を導き出しいているが、ほぼそのような年代なのだろう。しかし、群像論の立場に立つと、(図録が手元にないので目録から拾うと)「その五(1類型)」を中尊に「その三(3類型)」を向かって右の脇侍、「その六(2類型)」を左の脇侍にすえるような三尊形式が復元できるのではないだろうか? 年代は平安時代を下らないと考えたい。
 4類型では左手に笏を持つ「その四」「その八」は、あるいは「その九」「その十」のような像と対になっていたのかもしれない。作風の共通性から「その四」と「その九」が対になるのでは? 2軀一対で随身のように完結しているのか「その一」のような立像の神像を中尊にすえるのかは熟考を要する。まあ、でも作風的に「その一」がズバリ「その四」と「その九」の中尊であるとは考えにくい。「その八」と「その十」は積極的に対であると考えるだけの要素に乏しい。(4類型は、いずれも鎌倉時代の前半に位置づけられるのでは?)
 また、目を見開くような作例と、普通の面持ちの作例があり、尊格の違いとして、今後、注目していくべきだろう。
「その一」「その二」「その七」(いずれも、5類型)については時代が下ってから、独立に奉納されたものか、それ以前の群像を補う目的でつくられた神像であろう。

岐阜県博物館
岐阜、染と織の匠たち 人間国宝三人展
 特別展示室の展示。山田貢氏、宗廣力三氏、土屋順紀氏の3人展。
 こういう展示を、どう説明していいのか言葉につまる。
 注目は染めと織り、着物の文様が、染められているのか織られているのか?
 伝統の継承と新たな創造。

岐阜県博物館
マイミュージアムギャラリー
パッチワークキルト夫婦(めおと)展
 牧歌的なキルトの展示。タイトルからすると夫婦の作品で、微妙に作風が違うので、注目して見てゆきたい。多様な色彩と民藝的風合い。

岐阜市歴史博物館(岐阜公園)
共催特別展
織田信長と美濃・尾張
 信長展の後の『浮世絵展』が共催になるという意味なのか?
『へうげもの』にも登場した「初花肩衝」が展示されるということで、早速、見に行く。展示位置もあるのだが、人が多くてなかなか見れない。たぶん「横田」と「初花」の展示位置が違うだけで、そうとう見やすくなるのだが、格があるのでそういうわけにもいかないんだろう。
 初花は当然だが、注目として郡上市白山町の阿名院の漆器群。長滝白山神社には根来塗りの瓶子があり、それと比べては見劣りするのかもしれないが、形式的に大ぶりな法量とガッツリとして絢爛な意匠は、まさに信長時代の作例で、状態は必ずしもよくないが、注目すべき作品。
 郡上市大師講の鰐口(元亀2年1571「平信長」銘)が1口。
 展示の中心は信長文書。麒麟の花押から「天下布武」のだ円の印から馬蹄形の印への変遷。
 織田信長の肖像や蒐集した茶道具類を類聚した『図録信長』がオススメ。

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2012年09月17日

4題(11)

三重県立美術館
KATAGAMI Style(カタガミ スタイル)
世界が恋した日本のデザイン
 型紙というとつい、安物の千代紙のようなモノを想像してしまうが、染色に使う柿渋紙の型紙はもっと繊細かつオートクチュールな豪華さを秘めている。
 日本の型紙を糸口に、とくに西洋で流行した「ジャポニズム」に対して深く考察している。
 日本の型紙も、展示品の多くが海外で保管されているモノ、19世紀にジャポニズムの色見本として、多くが輸出されたのだろう。
 個人的にオススメの逸品をあげれば、05-006(だったか?)の飾りカンマンの型紙、キャプションには「飾りカンマン」と表記されていないのだけれど、飾りカンマンではないだろうか? という代物。
 ミュシャやアール・ヌーボーは当たり前にスゴいので、そういうことにしておく。
 おしむらくは、1粒で2度おいしい的なコンセプトは評価したいが、どうしても限られた展示室ではどっちつかずな感が否めない。県民ギャラリーや映像資料で型紙の製作技法や行程の補足説明はあるが、、、まあ「西洋で保管されていた型紙の調査成果」なので、このようなスタイルで見せるのが1番適切なのだろうが。せっかくの貴重な調査成果が、うわついた展示効果になってしまっていて惜しい。

PARAMITA museum パラミタミュージアム
南都大安寺と観音さま展
 大安寺の仏像というと、どうしても特殊なモノがあるという前評判(あったよね?)を思い出してしまう。
 途中で展示替えがあり大安寺からは都合3体の観音様がお出ましになる。
『パラミタミュージアム』自体が「般若心経」をテーマにした博物館で、「般若心経」の始まりが観音様なので、観音様の展示なのだろうが、今回が好評なら、他の菩薩や如来、武神、天女とか続けて欲しい。
 展示は古い金銅仏が入って右の展示ケースに並べられているので、そこから見るのがオススメ。どうしても、大きい仏像に興味がいってしまうのだが、、、
 どの仏像がどうとかは、あまり詳しくないので、よく知っている人に聞いてください。

PARAMITA museum パラミタミュージアム
熊谷守一展
 回顧展なので、到達点である「ダサウマ」的な境地は、もちろんのこと、若い頃の自画像や、作風を確立していく過程が提示されていて、「モリカズを、さらに深く知りたい人」向けの展示になるのではないだろうか?
 モリカズは岐阜・中津川の名士の子供というとこで岐阜県美術館に総括的な収蔵品があるのとともに愛知県美術館の木村定三コレクションに代表作が多く収められている。
 あのダサウマもモリカズにとっては芸術運動の一環なのだが、そのことは画風の確立期の作品を見るとよく判る。ダサウマ以前の作風の特徴を一言でいうと、補色の多様にある。補色とは赤には緑、青に黄など1番反対にある色のこと。松林でもアカマツの林なので当たり前に思うかもしれないが、葉の緑に幹の赤を足している、畦の絵でもウネを大胆に緑色と茶色を交互に配置して挑戦的なほどに補色で埋めている。裸婦像でも暖色の女体に寒色の影を書きこんでいる。
 んで、ダサウマがどういう芸術運動なのか? そのことは、代表作が目白押しの展示室で考えて欲しい。

 ああ、2階へ上がるスロープに館蔵の萬古焼きの優品展があります。あがっていくごとに新しくなるのかな? たまにはスロープからあがってみるのも。

PARAMITA museum パラミタミュージアム
雅楽楽器と装束展
 こぢんまりとした展示。23日(日)に演奏会もある。

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2012年09月08日

シャガールとイヴェット・コキール展(10)

松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
マルク・シャガール展
~油彩・版画・タピスリー~
 鞍ヶ池(終了)、岐阜県美(2012.0905〜1028)、京都文化博物館(2012.1003〜1125)とシャガールを見たいなら、いくつかの展覧会が見つかる。
 松坂屋美術館の展覧会は、タピスリー(タペストリー)を中心に下絵というか、同図のリトグラフを展示している。
 タピスリー作家がイヴェット・コキール=プランスという方で、その方との2人展の色合いが強い。
 あえてなのだろうが、チケットやポスターでは、必ずしもシャガールぽくないものが使われているが、チラシを見れば、ニワトリや男女などシャガール的なモノもあり、展示内容もシャガール的な作品がメインだと思う。(どうしてもシャガールといとうと美術の教科書の、そのものズバリを考えてしまうが、モチーフとしては今回の展示でも共通の作風のハズ)
 タペストリーは、そんなに多くの展示を見たことがないので、あれだけ大判のモノを、あの数見られるのは壮観。

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2012年09月04日

安城2題(9)

安城市民ギャラリー展示室C
知りたい! 姫小川古墳
 愛知県内の古墳の外部施設・副葬品を集めて、中期までの古墳文化を概観できる展示。
 あわせて土器づくり教室で制作された土器の復元品の展示。器種としての形式の踏襲性もさることながら、焼き加減にも注目、黒色土器、白色系土器の違いなど焼きにもこだわりがうかがわれる。
 個人的には鹿乗川流域の遺跡群、古井遺跡群の資料、豊田市での調査成果などをあわせて展示すれば十分に市政記念の特別展になる内容だったのではないかと思う。
 まあ古井遺跡群の資料なんかは速報展的に、結構登場しているので、今回の規模での展示なのかなとも思う。
 埋文センターの方にも速報展が展示してあるので、あわせて見ておきたい。

安城市歴史博物館
市制60周年記念 特別展
からくり人形の世界
〜その歴史とメカニズム〜
 安城市内の旧家から文字を書くカラクリ人形が発見されて、それを記念してのカラクリ人形の概観の展示。
 まあ、展示室に並べられてしまうと動かすことができないのだが、映像資料を使って動く様子も展示されている。カラクリ人形の実演もおこなわれているので、日時を調べてから訪れるのもよい。
 愛知県内には祭に使われる山車とともに、山車に組み込まれるカラクリ人形や単立のカラクリ人形も、技術的にも成熟して多く作られたのかもしれない。今後の調査で新たに発見されることもあるのかもしれない。

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2012年08月11日

豊橋3題(8)

豊橋市自然史博物館(のんほいパーク内)
見て くらべて 学べる 大型哺乳類化石
でっかい動物化石
 ほ乳類を中心に、動物の分類と特徴となる部分の化石から、とくに動物の大きさに焦点を当てた展示。
 夏休みと言うこともあって、歯の化石・現生のオオカミの歯のレプリカづくりやスタンプラリーなど子供むけの企画も充実している。
 展示は図録ありなので、バックナンバーも含めて自由研究のアイディアになるのではないだろうか?
 おしむらくは脊椎動物としての骨格の要件、背骨があって骨盤、頭蓋骨・アゴ、あばらがあって腕・脚から指という概説があった方が比較が容易にできたのかもしれない。
 自然史博物館の常設もカンブリアから恐竜、猿人・原人・新人の展示が充実しており、地域の自然環境も概観できるのでオススメ。
 動植物公園部分も、行動展示が充実しておりエサやりの時間なども確認しておくと楽しめるのかも。植物園では食虫植物の企画展も。

豊橋市地下資源館・豊橋市視聴覚教育センター(プラネタリウム)
プラネタリウム
秘密結社鷹の爪 THE PLANETARIUM
~ブラブラ!ブラックホールのナゾ~
 Eテレ『ビットワールド』で絶賛放送中ということもあって、子供づれの方が多かった。満員ではないにしても、オススメの座席がある程度うまる、あのぐらいの人数がプラネタリウムの適正(もう少し増えてもいいのかもしれないが…)なのではないだろうか?
 ブラックホールは極端に大きい質量による相対性理論的な時空のひずみの話で、難しくすればいくらでも難しくなるのだが、うらしま効果を筆頭に非常にわかりやすい感覚的なたとえ話で、うまく説明している。
 投影機がデジタルの最新鋭のものなので、これまでなじんできた投影機との性能の違いが、どうしても違和感として残る。どちらにも、いい点があり金銭的に全てのプラネタリウムが即座にデジタルに変わることはないだろう。ただ、デジタルとアナログ、両方のコンテンツをコンテンツ企業が用意しないといけないのは、それはそれで負担なのかもしれない。

豊橋市美術博物館
夏休み企画展
自然と幻想の博物誌
 そもそも博物館は博物学といって、標本などをあつかう学問の展示施設として発展してきた。
 美術館は美術に特化した博物館ともいえ、〈美しい〉とか創作性の高いモノが展示される場合が多い。
 今回、「自然と幻想の博物誌」と銘打っての展示なのだが、美しいスケルトンの標本から、標本を美術的にアレンジした作品、幻想生物の標本と美術と博物学の接点を模索した作品群で展示は構成されている。(こう書くと、こ難しいか?)
 んっっっと、なんていったらいいんだ? ようはドラゴンの標本とか、美しい動植物の標本の展示である。美術館デビューとかには楽しい展示なのかもしれない。
 別に悪く書くつもりはないんだけど、愛知トリエンナーレで長者町アート活動の一翼を担っていたからではないと思うんだけど、渡辺英司氏の作品ってピンと来ない。ピンと来ないというか、渡辺氏の作品制作に対するスタンス(というか芸術に対する理論的な背景)とか、展示する為のスキルに疑問を感じる。
 ある意味「作為的なアール・ブリュット」と言ってもいいのではないかと思う。1度構築された『図鑑』を切り抜く行為自体は、知の再編集というか、編集からの解放として、みうらじゅん氏のスクラップ芸術を引き合いに出すまでもなく、ポストモダンの知的営為として評価というか、前提的に存在する手法であろう。
 しかし、それを針金に貼り付けて、床に置いてしまった時点で、作品に対して所有権を放棄したというか、『図鑑』として秘蔵されていた〈宝〉を加工してさらに〈個人的〉な〈宝〉となったものを、その感情の昇華が伝わらないまま床に置かれるのは、『図鑑』や書籍から多くの情報を得て、再編集している僕には、『図鑑』や〈編集的営為〉の冒涜にしか思えない。
 確かに展示ケースや標本箱に収めれば、冒涜感に近い違和感はなくなるだろうが、たぶん、渡辺氏の制作欲求とは調和しないのではないだろうか? 床にマットや草原のプリントをひいてはいけないのだろうか?
 アール・ブリュットが〈芸術〉である要件は、一旦作者から切り離されて、展示され、しかも、その展示方法が〈美術〉としての違和感がない場合だけなのではないだろうか? 不謹慎な言い方だが、作者の押し入れの天袋や、ゴミ捨て場に作品が存在しては、そのものが〈美術〉であることは発見されず、逆に〈美術〉と認識した人間に、そのコピーライトが移るぐらいの〈現象〉がおこるのではないだろうか?
 これはアール・ブリュットが特殊な〈芸術〉だからではなく、〈美術〉の前提としての「制作に関わる理論」と「展示の要件」が歴史的に決定づけられているのではないだろうか?
 当然、ポストモダンは、その〈歴史的背景〉を疑うことから始まるのであって、作品から愛着的所有権を放棄して、展示室の無造作な床に並べることに、存在理由が必要なはずで、それが伝わってこないのが違和感なのである。
 もう中学生氏の段ボールの小道具の裏に何も書いていないことは、〈笑い〉的な存在理由があるのではないだろうか?
 展示ケースに作品を貼り付けて、あえて裏側を見せる〈真意〉とはなんだったのだろう? 例えば仮に反転カラーコピーした像を貼ることは渡辺氏の芸術的センスには適わないのだろうか?
 そもそも切り抜くことに芸術性があるのであれば、切り抜く様子を展示すべきなのではないだろうか?

 まあ、かように〈すぐれた芸術作品〉というのは、時にわだかまり的な不信感として、見る側に多くのことを考えさせるモノなのである。

豊橋市美術博物館
F氏の絵画コレクション
~福沢一郎から奈良美智世代~
 なんか、書いてたらつかれちゃった。
 まあ「F氏」という個人コレクターのコレクション展。
 パトロンという存在がいなくなって久しいが、これからは多色刷りの版画や0号の絵画など、個人が購入できる芸術というジャンルも注目されてくるのではないだろうか?
 その中で、また別視点で注目されるのが、トレカやガチャガチャ・フィギア。こうゆうモノが美術品のカウンタになったり、美術品に手を伸ばす架け橋になったりするだろう。そういう意味で注目。

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2012年08月05日

2題(7)

松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
魔法の美術館
ようこそ。ここは光のワンダーランド
 コンテンポラリー・アートは観客に常に躁状態の対応を求め、その意味で、その存在は欺まんに満ちている。と訳のわからない文章を書こうとしてもどうしても言いたいことが表面に出るな。。。
 なんていうの、もう科学技術とも言わないんだろうな、センサーなどを利用して〈光〉をテーマにインタラクティブ(相互方向的)なアート活動の見本市。
 動ける格好で、家族かカップルでの来場をオススメ。対戦ゲーム感覚の展示や下をのぞき込んだり、床に寝転んだり。
 個人的には、ヘタに人出の多いトリック・アート展を見に行くより、家族づれなら、こっちの方が楽しめるのではないだろうか?(あんま、こういうこと書いても観客の出入りって変わらないんだよね)
 まあ、親が率先して楽しんで、キャッキャやらないと子供って(意外に?)シャイだから、、、
 風の原理を使うものもあるんだけど、センサー系はどこに影が落ちればどう反応するか? フェイントで1回休み的なセンサーもあるので気をつけないとね。
 キャッキャすることが苦手でないならオススメ!

名古屋市美術館(伏見)
大エルミタージュ美術館展
~世紀の顔 西欧絵画の400年
『ぶらぶら美術・博物館』などで、とりあげられていたエルミタージュ美術館展の名古屋会場。このあと京都市美術館(2012.1010〜1206)へ巡回か?
 エルミタージュ美術館はロシアの美術館で、展示はルネサンスから、バロック、ロココと新古典派、ロマン派からポスト印象派、アバンギャルドの世紀と作品を見ていくだけで、西洋のルネサンス以後の絵画史を概観でき、中野京子氏の『怖い絵』?などを参照すれば、その絵画がなぜエルミタージュ・コレクションなのかがよく判る。ちなみに音声ガイドはモデルの杏さんを中心に中野京子氏も執筆、及び声の出演をされている。杏さんの声も聞けるし(デート感覚をぶちこわしなのだが)男の人のカチッとした解説もあり、しめるところを中野先生がしめてる優れた音声ガイド。もっと『ぶらぶら』のスピンオフみたいな感じも聞いてみたいが、杏ちゃんの歌もワンコーラス?聞けるし、西洋絵画好き、杏ちゃん好きにはオススメ。もちろん入門にも。
 個人的に、すきな作品を何点かあげておこう。ダ・ビンチ派の「裸婦(9)音ガ(3)」、ゲランの「モルフェウスとイリス(57)音ガ(16)」、ヴェルネの「死の天使(58)音ガ(15)」、オザンファン「食器のある静物(88)」とかかな?(番組で紹介された有名作品は除く?)
 1番は死の天使。まず女の子がカワイイ。そして〈死〉というネガティブな題材にも関わらず、死の恐怖を感じさせない。なにか崇高な儀式のように〈死〉があつかわれている。夏のけだるさに、そんなタナトス(死への希求)がマッチしている。

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2012年08月04日

挑戦状な2題(6)

京都国立博物館
古事記1300年
出雲大社大遷宮 大出雲展
 古事記1300年の冠に違わず、古事記と古事記の享受資料から風土記、風土記に対する研究と文献資料に富んでいる。熱心な解読家が多く訪れているようでなかなか本文にたどりつけなかったので、目録などを確認してお目当ての文献があればどうぞ。
 考古遺物も気をつけて見ないと関連資料も多く、東之宮の合子、大場磐雄の『まつり』に出てくる奈良・三輪山の祭祀遺物など、俺得な、それこそ〈まつり〉現象がおこる空間。
 出雲の文化財では宇豆柱や鰹木はもちろん、摩多羅神や牛頭天王など神像も注目。アシナヅチぢゃないや、老翁神が出雲タイプとして注目できそう。

 んで、帰りのバスなんだけど、混んでるのに修学旅行生がゆずりゃしない! 10年前くらいの感覚で「あと2人くらい入れるな」と思って乗り込んでも、うんともすんとも言わない。それでも、先頭付近で座席の間に身を乗り出してプレステやってるヤツはいるし、涼しい顔してスマホいぢってるヤツもいるし(激怒!)
 なんていとう公共の場におけるプライベート・スペースの問題は文化的基盤の相違に起因するんだけど、超満員のバスの中でスマホできるって、どんな田舎モンなんだよ! って、1本待てば多分、がら空きのバスだし、1台の中に修学旅行生が5組かそれ以上いたんだから、イレギュラーな状態なんだろうな。
 もっと清水とか平安神宮でなく、東福寺や醍醐寺へ行け!

奈良国立博物館
頼朝と重源
−東大寺再興を支えた鎌倉と奈良の絆−
 すげー! まさに「かまくらクライシス」をテーマにした展示。東館と西館の1室。今年は西館・平常展押しなんだな。
 なんていうの国立博物館で、この内容で展示をされてしまうとデジタル・ミュージアムの限界を、まざまざと提示されてしまう。しかし、デジタル・ミュージアム限界に挑戦していないのも確かだ。
 個人的に『吾妻鏡』の西行が好き。なんか『カリオストロの城』のルパン三世みたいに、どこか紳士的で、紳士的であるが故にデカダンが強調されてしまう、はたして奥州の金を東大寺に持っていったのは頼朝か? 西行か? みたいな?
 展示は、南都や重源関連の遺宝はもちろん、頼朝の肖像画が3つ。個人的に神護寺に「文覚上人像」と「僧形八幡神像」があるのに、なんで「源頼朝像」でないのかよく判らない。肖像は礼拝対象であると同時に、寺院の縁起を語るためのツールでもあり、足利時代に有力な壇越がついたとしても、中興を語る縁起としての肖像画として「源頼朝像」がないのは不可思議で仕方がない。近代に焼失したとかなら別だが、前近代に、その補強もなく別の壇越像は存在しないのではないだろうか?
 あと、八幡神のコーナーが充実。有名な鶴岡の「八幡宮」の扁額が「八幡宮寺」の扁額だったとは、見落としていた。

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2012年07月30日

戦国のあいち(5)

愛知県陶磁資料館
戦国のあいち
−信長の見た城館・陶磁・世界−
 展示はおよそ3部構成で、1部は愛知県埋蔵文化財センターが主体になる「城館」というか、当時の地域支配の中心になる守護所の変遷を、歴史地理学的な復元と考古学的な発掘成果による展示。
 第2部は愛知県陶磁資料館が主体になる「陶磁」の展示。窯業の現場である窯跡の説明とグローバルに東アジアの窯業の概観。
 第3部は愛知県立大学が主体になる「世界」観の提示。寺院の什物による仏教的世界観と、宣教師の見た日本像の復元。
 まあ第1部の守護所総覧をメインにして2部・3部で補強する感じと捉えればいいのだろう。ただ、寺院の什物に対するライティングが少々痛々しい。
 リニモ沿線の研究機関や、沿線の展示施設、愛知県の教育系組織が連携して、展示活動・啓発活動をおこなう事は、もっと活用されてもいいように思う。
 陶磁器に関係なくても、中世の仏教儀礼や天皇の即位儀礼に関する展示・シンポジウムなども今後、可能性があるのではないだろうか?
 愛知県史を語る会なんかも、もっとやって欲しい。

愛知県陶磁資料館
愛知県の遺跡発掘調査の成果
 特別展示室を半分に分けて、朝日遺跡の遺物を中心にした展示と愛知県埋文センターのクロニクル的なパネル展示。
 南館の2階にも埋文センターによる展示があるので関連して見ておきたい。

「愛知県陶磁資料館」の新名称【募集】
http://www.pref.aichi.jp/0000053033.html

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2012年07月21日

難ありな3題(4)

トヨタテクノミュージアム 産業技術記念館(栄生)
巡回展
ノーベル賞を受賞した日本の科学者
 国立科博によるパネル巡回展。貴重な資料も多い事から複製品が多いが、日本のノーベル賞受賞者の研究内容、人となり、後進の子供たちに対するメッセージが簡潔にまとめられている。
 企画展示室での展示かと思ったら、自動車館のワンフロアーのこぢんまりした展示。夏休み期間は子供の入館が無料になるので、電力のピークカットやノーベル賞の展示のみの見学はすすめないが、産業館としての雄であり、現役で動く機械が間近で見られる機会は貴重という点からオススメ。
 おしむらくはアプリケーションとして図録や関連の読み物などがショップにあるとよかったとも思うが。
 常設展示や(以前行われた)企画展示の図録やミュージアム・グッズも充実しているので、その点では期待してよい。

NHK名古屋放送局
『平清盛』全国巡回展
 パネル展示だとは聞いていたのだが、1番に目に入ったのが、デジタルフォトフレームだったのにビックリした。
 まあ、こういう展示は特別展として予算が付くわけではなく、大河ドラマ制作に関わる広報の一環として予算が組まれているのだろうから、目くじらをたてて怒る性質のものではないが、こういうものが唯一の「ブンカ」だと思われると困るのは確か。
 逆に文化力だして、ドラマの調度と出土品を比較展示されても「誰得?」的な雰囲気になるのでは?
 まあ、栄・オアシスの付近にお立ち寄りの場合に、放送事業への関心の表示として立ち寄るという向きにオススメ、、、、、、しとこう。

名古屋パルコ 西館7F・特設会場
映画「へルタースケルター」パネル展&ミニショップ
「特設」という意味があれで正しいのだろうか?
 西館と東館の連絡通路にA4?サイズの写真が展示されていて軽く物販がある感じ。
 なんか経営主体が「PARCO」という看板のあつかいに苦慮している感じなのかな?
 季節的な関係なのかギャラリーの場所に水着が陳列されていたり、映画館がなくなっていたり(ゴメンナサイ、映画館は東館の8階でした。単館系の非常に優れた映画館なので是非訪れてください!)、なんていうの「PARCO」っていう看板にあるアングラなサブカルチャーの巣窟的なイメーヂが払拭されている。
 PARCOはPARCOなんだから、パッセをねらっても、パッセではないんだから失敗するんだと思う。
 個人的には、PARCOやパッセがトリエンナーレの会場として「営業展示」的なショーケースにならないか? と思う。
 その中で、PARCOの映画館でミュージック・クリップの展示や、ファッションアイコンによるキュレーションやトーク・ショーなど考えられないのだろうか? 建築の専門家なので、テキスタイル・ファッションのアート性とか、ポップカルチャーは門外漢なのだろうか?
 そのような事は、前提的にPARCOやパッセが商業的に成功している事が必要なわけで、トリエンナーレの予算云々以前に、そういう文化事業に近い商業活動に対して行政として、もう手の打ちようが存在しないのだろうか?
 普段生活している中で、単館系の映画館が消えたり、サブカルチャーのギャラリーの展示回数が減ったり、博物館・美術館の特別展・企画展の内容が予算的に見劣りするような感じになる中で、
 アイチ・トリエンナーレというのが、いったいいくら使って、何を目指しているのか?
 多分、それは僕の普段の生活とは隔絶した「美の祭典」なのではないだろうか?
 そんなに商業的に成功している芸術(音楽やミュージック・クリップ。歌舞伎や相撲。商業映画)がいやしい媒体なのだろうか?
 長者町で利益とは関係ない(あるいは金にならない)芸術的営為をおこなう事が美しい事、文化的向上に値する事なのだろうか?

 まあ、行政の事業といっても、誰かに対しての利益誘導で、それを引き出すためには、大きな声による陳情が必要になるのは、当然の事と理解しなければならないのだが。。。

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2012年07月14日

3題(3)

高浜市やきものの里 かわら美術館
愛と正義と勇気をうたう
やなせたかしの世界展
 1階がアンパンマンで、2階がアンパンマン意外のやなせたかし氏の仕事展。
 個人的には2階から見て欲しい。やなせ氏というと『アンパンマン』はもちろん『詩とメルヘン』の編集や「手のひらを太陽に」の作詞、震災の時に「アンパンマンのマーチ」への大量のリクエストがあったこと、そのことに感動した、やなせ氏が「奇跡の一本松」という曲を作詞・作曲したことなど、現在でも現役な影響力があり、やなせ氏の絵本作品には、にじみ出るメランコリーがあったり、とてつもなくがらんどうな虚無感が伴っていたり、もちろんユーモアもあるのだが、どうしても悲劇を高く評価してしまうのは、僕の癖(へき)だ。
 2階の『やさしいライオン』の原画、読んでて泣いてしまった。ライオンが「どう猛」であると見られる色眼鏡と〈母性〉と〈母性を求めるウブな子供心〉が、もう、ヒリヒリして何とも言えない。1種、70年代のニヒリズム的な世相の産物ではあるのだろうが、『やさしいライオン』1つとっても、その時、その場所にやなせ氏が存在したと言うことの証であると同時に、その作品に共感した僕たちは、どこかで義兄弟的なのだ。
 1階は日テレ系でアニメーションにもなったあの世界観の展示。館としては木曜の午前中に限定しているようだが、お母さんやおばあちゃんが、子供に読み聞かせをしてあげるのがオススメ。僕が行った時も読み聞かせしてる人がいたよ、ほほえましかった。
 どうしても美術館というと「お静かに!」というイメーヂがつきまとうが、笑ったり、突っ込んだりしながらボソボソ言いながら見るのが好き。美術館にあんまり慣れていない人の方が、かえって、そういう行為に怪訝(けげん)にしたりする、そういうものだったりする。
 図録がないのだが、あの分量を図録にすると、逆に高価な画集的なモノになってしまいかねないので、グッズが充実しているので、お気に入りのグッズや絵はがきなどを思い出にして欲しい。

半田市立博物館
企画展
知多の古窯
 12世紀中頃からになるのか? 知多半島の古窯が操業しだすのが。
 ちょうど藤原道長から平清盛の時代の焼き物が、めじろおし。
 清盛時代の窯業に興味があれば田原市博物館の「渥美古窯展」と2つ併せてみると、よりイメーヂが深まるのではないだろうか?
 時代劇の酒器の器種がイメーヂによってどんだけ、ねじ曲げられているのかが、よく判る。
 おしむらくは図録がないのだが『愛知県史 別編 窯業3 中世・近世・常滑系』
http://www.pref.aichi.jp/0000045461.html
 が刊行されているのか。。。

半田空の科学館
プラネタリウム 一般投影
鉄腕アトムと探ろう!
~土星をまわる神秘の星タイタン~
 今、西の空に土星が出ているらしいって土星は一年中みれるのか?
 土星探査機の成果報告になるのか? 土星とその惑星であるタイタンの基礎知識が、アトムを通してすんなりと入ってくる。逆に、アトムやお茶の水博士が子供にすんなりと理解されるのかが不安なくらい。

 個人的には、こういう館と名古屋市科学館の差別化点ってなんなのか? さっぱり判らない。
 名古屋市科学館はあくまで科学館のメジアンであって、東京大学ではないと言うのが個人的な感想。
 確かに名古屋市科学館の竜巻ラボはでかくて圧倒されるが、類似の展示が空の科学館にもあって、空の科学館のもので規模的にも十分なのでは思う。それ以上に竜巻被害の啓発やメカニズム、竜巻ラボを使って、どうやると竜巻のメカニズムを調べる実験が出来るのか? 大人の側の前勉強の方が重要なはずで、「名古屋市科学館が1等なのだから、1等を見せておけば間違いがない」という大人のステレオタイプこそが、1番、子供を堕落させている!
 また、プラネタリウムにしても、名古屋市科学館とこういう館の最大の違いは、制作会社が作成したコンテンツを見せるかどうか? になってくるのではないだろうか?
 個人的には名古屋市科学館の〈1等性〉だけが一人歩きして「名古屋市科学館のプラネタリウムなら間違いがない!」と無分別に考えているだと思うのだが、
 中には制作会社のコンテンツを低く見る向きもあるのかもしれない。しかし、テレビのような商業性の高いコンテンツを見て、商業音楽を聴いて、普段、生活しているのに、こと教育にだけ「商材として流通するコンテンツ」を嫌うのは、ただのご都合主義なのでは?
 どうしても教育性の高いコンテンツではエンターテイメント性が両立しにくい(エンターテイメント性をワルウケと誤解して、教育や先端技術に存在する、先天的な知的好奇心を刺激できない)作品が、存在しないとは言わないが、館のシステムと利用可能な商材のマッチングは学芸活動の醍醐味の1つで、もしプラネタリウムに興味があれば、学芸活動への賛同の意味でも定期的にホームページをチェックして、足を運んで欲しい。名古屋市科学館以外に。

 逆に名古屋市科学館のプラネタリウムは客足が伸び悩んだ時に、起爆剤として現在の上映スタイルを採用したはずで、オープニングで混むのは必定なのだから、商材を流した方が人数調整になったのではないか? 開館して、すぐの時に文化・スポーツ族の政治家さんが、喜び勇んで「実地見学のために見てきた!」なんて話しててさ、オレまだ見てないんだぜ、ワイルドだろぉ〜! ぢゃあないや、混んでるのに並びたくないのが、自分が苦痛に耐えられないのと、自分が見ない分だけ誰かが見れるだろうという二重の意味なの。

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2012年07月08日

2題(2)

名古屋市博物館
マリー・アントワネット物語展
 音声ガイドを『ベルサイユのばら』の池田理代子先生がつとめるなど、多少、ショウライズされた展示かと思っていったが、手堅く、まとめられた展示。当時の絵画資料などを駆使してマリー・アントワネットの人物像と生涯が、まとめられている。
 展示はおよそ3部構成で、1部が時代背景とマリー・アントワネットの人となり。2部が当時の衣装の復元で、撮影可能、一部試着?も出来ると体験型の新たな試み。3部がフランス革命とアントワネットの最期。
 音声ガイドが多少盛りだくさんすぎるのかな? ワンコーナーでの説明点数が少し多め。あと末尾の空音が少し長い3秒ほどあるのでは? その時点で操作が可能ならいいが操作ができず、空音を聞くのを強いられるのはストレス。
 まあ、しかし、キャプションを、ほとんど読む必要がなく、音声ガイドを借りた方がキャプションを読むより、すんなりと展示が入ってくるのではないだろうか? と言うことで音声ガイドはオススメ。池田先生のナレーションだし特典も充実している。
 おしむらくは、あえて展示されられなかったのだろうがマリー・アントワネットに関する『怖い絵』というのが存在する。まあ、その辺は『怖い絵』で要チェック! なのかな?

松坂屋美術館
風の画家 中島潔が描く
「生命の無情と輝き」展
 松坂屋へよって『相棒展』を見る予定だったが、待ち時間が1時間半ほどあって、キャパがあれなのか、音声ガイドがあれなのかよく判らないが、逆にみんなが待っている中で楽しむ自信も無かったので、1階下がって『中島潔展』へ。
 もし『相棒展』へ行くのなら、『中島潔展』を見ておかないのは片手落ちというくらいよかった。まあ作風が好きかどうかはあるんだけど。
 京都・清水寺にある成就院に奉納した襖絵のお披露目がメインなのかな? ホントにスゴいの!
 中島潔氏といとうあんまりピンと来ないかもしれないが、誰でも1度は見たことがあるのではないだろうか?
 小さな男の子と女の子、少し淋しげで、時に指をくわえていたりする。美しい大自然の中に、その憂いが、とても美しい。
 それをふすま絵という大幅に、どう、はめ込んでいくか? そこを、みなさんの目で確認して欲しい。

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2012年07月03日

【EotY】2012年第2四半ベスト3(1)

【ベスト3】

名古屋市博物館
尾張氏(おわりうじ)
☆志段味(しだみ)古墳群をときあかす
 やはり先行研究の提示する遺跡群の抽出ではなく、志段味の古墳群を軸に、それを補強する資料を集めていくことが、以前の展示『古墳とは何か』と差別化できたところで第一。

奈良県立美術館
光と影のファンタジー
藤城清治 影絵展
 来館者数がニュースになるほど盛況だった展示。
 ただ視覚的に美しいだけでなく、ストーリー・物語としての美しさ、ヒリヒリとした感覚。次点。

三重県立美術館
蕭白ショック!!
曾我蕭白と京の画家たち
石水博物館
曾我蕭白と伊勢の近世美術
 曾我蕭白のネームバリュー以上に、蕭白ゆかりの伊勢で行われたことが重要。入選。


【総評:5件】(順番は鑑賞順)

奈良国立博物館
解脱上人貞慶
−鎌倉仏教の本流−
 貞慶は旧仏教の人ということで、世間的には評価も不十分なところもあるが、押さえておくべき人物。

名古屋市蓬左文庫
江戸の粋−尾崎久弥コレクション−
 江戸軟派研究というとナンパのくせに硬くなるがサブカルチャー的な大衆性、軽快性を持った内容。

皇學館大学 佐川記念 神道博物館
神社名宝展ー参り・祈り・奉るー
 大学の附属博物館での企画展。今後の展開にも注目。

名古屋ボストン美術館(金山)
ボストン美術館 日本美術の至宝(前期)
 言わずもがなにスゴい展示。後期展にも注目!

田原市博物館
渥美古窯と現代陶磁
 渥美窯の製品と時代、その背景の人物関係。

2012年06月24日

2題

田原市博物館
渡辺崋山と平井顕斎
渥美古窯と現代陶磁
生誕140年 岡田虎二郎展
 やはり特筆すべきは「渥美古窯と現代陶磁」だろう。
 館蔵のコレクション作品による現代陶磁と渥美窯の抱き合わせなのだが、館蔵のコレクションが手堅く見応えのあるものがちらほら。個人的には命銘コンテストなんかを行ったらなじみもわいていいのかなとも思うくらい、個性的な作品が目白押し。
 渥美窯は渥美郷土資料館の蔵品になるのか皿焼窯と伊良湖東大寺瓦窯もものももちろん、大アラコ窯など普段みられない資料や、その他の古窯の出土品を概観的にあつめてある。
 瓦経片や大アラコ・竜ヶ原1号の藤原氏銘など、文字資料も目新しい。
 もう1つ紹介しておくと、皿焼13号の宝塔片と格狭間。性海寺の宝塔や西大寺の鉄塔のような造形を想像したくなる。
 渥美古窯が操業される時代は、まさに清盛時代。大河ドラマ『平清盛』に触発されて、その時代の風俗に触れたいのなら、陶器の分野では参考になるのではないだろうか?
 平井顕斎は崋山の弟子。岡田虎二郎は田原生まれの静坐法の考案者。

豊橋市美術博物館
文化人・芸能人の多才な美術展
 すげえ感動した。この種類の感動を二十余年経験してなくて、最初は、それが感動であると感じられないくらいに、心が動かされ、思いをめぐらした。
 内容は、いわば現代の芸術による百人一首!
 どうしても芸能人というと黒い噂というか、暴力団とつながりのある事務所社長と夜な夜な酒宴に興じるようなチ〇ピラ的な若い衆というのも少なくないと聞こえてくるが、世間的に「好青年」と評判の歌手の方の作品がメインというか、観覧者が、そこに留まっていることが多かった。
 例えば、作品を1点あげてみると、北野武氏の龍の絵。映画『アキレスと亀』の中でも作品の制作工程をいくつか示しているが、北野氏の興味として美術史というか製作技法を時代順に追っていくと言うことが、最近の北野氏のライフワークと言っても過言ではないのでは無いだろうか?
 作品を見ると、スーラ的な色の構造分解(カンバスの上に原色を重ねて視覚的に混色を表現する)的な点描という形式を取りながら、草間弥生的なドット表現にまで昇華されている感じ。美術史的な認識と作画的な技術が融合した作品であろう。
 まあ1つひとつの作品がどうすごいかを語るよりも、それらの作品が群として蒐集されているということのスゴみ、威圧感というのを体感して欲しい。
 芸能人・文化人と言うことで作品や、このような企画自体を低く見る向きもあるかもしれないが、極個人的には制作者の何人かに興味があるのなら、このような展示を、逆に見るべきだと思う。ちゃんと見ておかないと眼がくもってくるというと、少し言いすぎか?

 おしむらくは、政治家の作品は正直、引いた。コレクションとして収蔵することは構わないと思うが、あの震災の直後に「政治家が習字をしていた」という幻想は、正直、リアルにきつい。
 遅れに遅れて、今頃になって大連立的な(今となっては)「野合」とも揶揄されかねない。しかし、震災直後なら、どうだったのだろう?
 真剣に震災前の「ねじれ国会」が求められる国会の姿だと思っていたとしか、現段階では判断できない。
 あんな、ねじれるんなら国会開かずに内閣の政令で全部、通しちゃえば、よかったんだよ! 無能な首相を選んだモンだと思う。
 展覧会とは全く関係ないが・・・

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2012年06月23日

名古屋ボストン美術館

名古屋ボストン美術館(金山)
ボストン美術館 日本美術の至宝(前期)
 巡回展。
 名古屋だけ会場の都合か、前期展と後期展に別れている。また、仏像がまったく出陳されない。仏像が見たければ、来年4月に大阪市立美術館に巡回してくるので、この時をねらいたい。
 章立ては(1)神仏、(2)2大絵巻、(3)水墨画、(4)近世絵画(長谷川等伯、狩野派、若冲)、(5)曾我蕭白という感じ。
 音声ガイドが全てではないが充実している。前後期展、通しての割引とかあるとうれしかったのだが。

 あえて、どの作品がどうかと言うことは語らないが、名古屋市とボストン美術館が提携しているのだから、せっかくだから近隣の方は見ておいたほうがいい。(逆に内容を知っている人は必ず行くレベル!)

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2012年06月18日

清盛と古事記

京都文化博物館
平清盛
 大河ドラマ『平清盛』にちなんで、清盛時代の展示。
 龍馬展はホントにスゴい人混みだったが、清盛展は若干の余裕がある。会期末には混むだろうから、お早めの来館をオススメ。
 同時代資料として日記類を駆使しながら時代は下るが絵画資料を使って、立体的に「清盛時代」を立ちあらわしている。平家納経は3本が本物で2本が大倉集古館の複製。まあ肩肘張らずに、その美しさを鑑賞できる。厳島神社の建築模型も。ここまでが4階。
 3階は両部曼荼羅と仏像・仏画、日宋貿易の文物、『平家物語』の成立と平家の没落。
 音声ガイドは平時子こと深田恭子さん。清盛様が、清盛様がと連呼されるのが、少しつらい。まあ、ひとえに、自分1人がための深キョンなんだけどね。会場ごとのボーナス解説もありストレスもなく十分に楽しめる。音声資料の提示が丁度4階から3階への移動にあたり、もう少し長くてもよかったのかもしれない。
 図録・グッズは3階に特設のショップがあるが、1階の便利堂も、今一度チェックしておきたい。節電には、かかせない扇や、暑中見舞用のハガキなども、一歩、差を付けるグッズが盛りだくさん! 個人的にオススメは竹製のハシ「かぐや姫」。銘物だよ、あれは。
 2階の常設展示もリフレッシュしている。以前の常設展示でもビジュアル性を重視した展示だったが、ビジュアル感は、そのままにモノにも焦点をあてている。最大の改良点は展示室を左右に分け、企画展示部分を設けたことだろう。
 現在、さしこで評判の『北野天神縁起絵巻』の複製と現代アートの展示。京都文化博物館の常設部分は、ズバリ「京都のビジターセンター」これから、どのような企画が行われるか? 注目です!
 あっ、そうそう京都文化博物館には、隠れた展示室が、実は、もう一つあります。地下鉄・烏丸御池の北口からでたエントランスのところに展示ケースが。現在は平安京の瓦と木製品。北口から出ると京都文化博物館にたどりつけなくなるおそれも。帰りによるのがオススメ。

奈良国立博物館
古事記の歩んできた道
−古事記撰録1300年−
 西館の1室のみの展示。古事記の古写本、そろいぶみはいいが、古事記裏書きとか享受資料に乏しい。
 まあ、『先代旧事本紀』は『古事記』からの引用も多く、まあ享受資料と言ってもいいが、日本紀講に関わる資料に『古事記』の序文に類似する記述があるとか。
 近年の研究では、日本紀の講書の中で『古事記』序文が創作されたのでは? という考え方も根強いが、個人的には『古事記』成立後、成立の経緯や『日本書紀』の成立によって、早い段階で『古事記』が忘れられて、平安遷都以後、新たに『日本書紀』の講書が企図される中で、また『新撰姓氏録』に代表される人材投与に関する新たな指針作りの中で「序文附きの『古事記』」が再発見されるカタチになるのではないだろうか?
『日本書紀』の講書の第1回を太安万侶が行ったのかはどうかは一旦留保(した可能性の方が高い気がするが)するが『古事記』の再発見によって、太安万侶を顕彰する〈運動〉が起こったのではないだろうか?
 そう考えた時に日本紀講の資料の中に『古事記』の引用があるとするなら、順接に「序文附きの『古事記』」からの引用と考えていいのではないだろうか?(全然、展示と関係ない話してるな。。。)

 展示そのものは太安万侶の墓誌に始まり、萬葉時代の漢字かな表記。『萬葉集』『古語拾遺』『先代旧事本紀』などの神話に関するテキスト。そして現存する古写本の出そろう室町時代の3本の古写本と『古事記上巻抄』と呼ばれる『古事記』の抄出。本居宣長による『古事記』の校訂と『古事記伝』。最後に近世・近代に生産される神話に取材した図像と『古事記』・神話のたどってきた歴史が概観できる。
 まあ展示内容の性質上、観覧者を選ぶ内容なのでは? 萬葉仮名というか古事記の本文が読めないとつまらないかも。
 西館常設は縁起絵画など、あまり見ないものが。
 地下のショップで、
http://www.amazon.co.jp/dp/4623060179/
『知ってる? 正倉院−今なおかがやく宝物たち− カラーでわかるガイドブック』
 が販売されていた。数年前から『正倉院展』の時期に読売新聞社が発行していたモノの合冊になるのか?
 まだ十分に見ていないので増補部分があるかは不明なんだけど、里中満智子先生のエッセイなど執筆陣も充実しており、子供にも読めるようルビが振られ、かといって内容も大人向けと遜色ないような正倉院入門、『正倉院展』必携書。

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2012年06月03日

2題

石水博物館
曾我蕭白と伊勢の近世美術
半泥子の旅
−スケッチと思い出の品−
 新博物館になって初めて訪れた。
 阿漕駅からだと広い通りに歩道がないので、バスでの来訪がオススメか? 鉄道は1時間に1本程度、バスは2本ほど。三重県立美術館とかけもちなら、時間を調べて、こちらに先に訪れたい。
 閑静な住宅街と里山の結節地点になる静ひつな空間。
 旧博物館の津新町の駅から松菱までのガヤっとした街並みも借景として、すばらしいものだったけど、半泥子の作陶の〈現場〉、千歳文庫の残る、ゆかりの場所にしっかりと博物館として建てられたことには意味がある。
 老朽化や耐震の関係もあるのかもしれないが、千歳文庫を間近で見られないのは惜しまれる。
 展示は、1階が蕭白関連、2階が半泥子の作品と旅日記。
 まあ曾我蕭白は、あの独特の作風が、ぶっちゃけ好きかどうかの問題なので、博物館・美術館を訪れる前に、何らかのカタチで作風を確認して欲しい。
 蕭白の作風が好きなら、六曲一双の屏風は一見の価値あり。山水、トラ、タカ、ツル、寒山・拾得と蕭白の代表的な画題が惜しげもなく展開している。
 三重県立美術館にも蕭白の屏風は展示されているが、これだけバラエティーのある画題を取り合わせとしてのバランスもよく配置している屏風は他にはない。
 1階の展示は全21点、蕭白5点のこぢんまりした展示だが、館蔵や三重県立美術館の同時代作家の作品、パラミタミュージアムの萬古焼きと蕭白の通った時代の伊勢の文化的水準を概観できる内容。

 2階は欲袋が展示されている。片面が半泥子作の茶道具を中心に、もう片面を半泥子の旅をテーマに旅日記とパステル画、出版された半泥子の著作など。
 2階展示室、奥に山里茶席の復元。
 川喜田半泥子は百五銀行の元頭取。北大路魯山人や荒川豊蔵と同時代の人。数寄者として有名で、自ら作陶も行っている。石水博物館は半泥子の作った千歳山窯の近傍に立地。

三重県立美術館
開館30周年記念
蕭白ショック!!
曾我蕭白と京の画家たち
 会期中、前期・中期・後期と展示替えアリ。
 1階の企画展示室が蕭白、2階の大部分を使って蕭白前史と京の画家たち。2階1室と県民ギャラリーが常設に当てられている。
 目玉は、なんといっても旧永島家のふすま絵群だろう。とくに竹林七賢図。1種のだまし絵的な手法なのだろうが、七賢人が飛び出して見える。
 朝田寺の唐獅子図はあんなに大幅なのに恐くない。なんかネコが威嚇しているような感じ。
 グロテスクなまでに誇張された人物の表情に、アンニュイな仕草。
 そんな人物を受けたようなユーモラスな禽獣もあれば、
 野生の本能を感じされるタカのどう猛な眼力。
 手練手管を尽くしてもいかんともしがたい、あの西王母も見てみたい。

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2012年05月12日

4年と10年

三岸節子記念美術館
特別展
三岸黄太郎展
 三岸黄太郎は三岸好太郎と節子の長男。好太郎の回顧展という名目だが、北海道の好太郎作品、1階の常設も含めて3人展の色合いが濃い。
 黄太郎の作風は好太郎や節子からインスパイアされたモチーフの抽象画・具象画も当然なのだが、筆致の妙というか、絵の具を盛り上げたり、逆にヘラで削り落としたりして写真では感じることのできないテクスチャーを大事にしている作家だと思う。
 チラシやポスターで紹介されている「通りすぎた風景」というグレーの山に黄色い丘、曇り空の絵もチラシで見るより本物は何十倍もいい。
 個人的には2008年の「街」という第2室の作品が好み。まだ明け切らぬ街の漆黒の中に、ほんのりと浮かび上がる輪郭、その輪郭は無機質なようで、実際は指紋の残る人為的な光景。こう書くと見たくなる?
 節子の作品も1階に「さいたさいたさくらがさいた」と「自画像」2階に「ブルゴーニュの一本の木」、好太郎は2階の1室の一面だけだが初期のピエロをモチーフにした作品、作風の安定した「飛ぶ蝶」と有名な「のんびり貝」という海辺に大きな貝殻の絵が来ているので、それだけで満足できる。

一宮市博物館
火事と喧嘩は江戸の華
~火事装束
 まさにクールジャパン。江戸時代の火事というと町火消しを連想するが、火事装束は大名が、それらを指揮するための、現代の感覚からすると背広に対して作業服にあたるのか?
 現代の作業服は実用性・機能性が重んじられて、こだわるとすれば会社のオリジナルの色であったり、胸元にロゴを刺繍する位だが、江戸時代の火事衣装はホントにキレイ!
 まずロゴに対応する家紋はデザインとしてホントにキレイ。布にもこだわりがあって、フエルト地のような毛織物で、色染めも黄や赤など鮮明。
 一宮というと毛織物の産地と言うことで、博物館で墨コレクションを収蔵したそうな。それの調査・研究成果の報告と言った感じ。

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2012年05月04日

2題

皇學館大学 佐川記念 神道博物館
神社名宝展ー参り・祈り・奉るー
 神社宝物と社頭図の2部構成。
 ほんの数年前なら「参詣曼荼羅」なんて言葉は使用されず「社頭図」でひとくくりにされるのではないだろうか? とくに皇學館のような神宮のお膝元では。。。それがちゃんと参詣曼荼羅という言葉を使用して尾張一宮の「古絵図」とか「桃花祭図」と一般に言われているモノについても「真清田神社参詣曼荼羅」と新たな見解を提示している。
 1部では松尾大社の神像が展示替えを含めて3体、「住吉大社神代記」、石清水八幡宮の『類聚国史 神祇部一』(『日本書紀』神代巻に相当)、熱田神宮の『日本書紀 巻三』、神宮文庫の伊勢神道系の儀式帳など国文・国史系に注目が集まるのでは?
 2部は石清水、祇園社の社領図とか境内図に近いものから、三輪山の神体山に日月が配置される過渡的な図、多賀参詣曼荼羅の黄土を全面にする典型的な参詣曼荼羅、尾張一宮の真清田神社の廃仏毀釈運動の爪あとの痛々しい図、残闕だが注目される熱田神宮古絵図など社頭図の変遷が手堅く押さえられている。
 おしむらくは『張州雑志』から真清田神社図の古体を写真展示でいいので提示して欲しかった。
 図録は無料と有料版が用意されているので、お財布にあわせてどうぞ。常設の図録も絵葉書もオススメ。
【道程】伊勢市駅からバス、11番乗り場51系統(10分に1本程)「徴古館前」下車。左手に「神宮文庫」の額の門があるので入る。坂道を上がって車止めを右、というかベンガラ塗りの神宮文庫の反対側。大学本部まで行くと行きすぎ。

式年遷宮記念 せんぐう館(外宮)
http://www.sengukan.jp/
 今年の4月に伊勢神宮参詣の起爆剤として作られた展示施設。
 伊勢神宮の思想的基盤をイメーヂ豊かに立ちあらわしている。神宝の制作過程も、細かく展示されていて参考になる。最も注目は正殿の原寸大・復元。建築細部の説明から、丸太から材木の切り出し、角材を丸材にしていく行程、大工道具。
 ホントにビジュアル的に感覚的に伊勢神宮のことがすんなりと入ってくる感じ。
 おしむらくは図録や絵はがきなどのグッズの販売があるとなおよいのに。。。

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2012年04月29日

2題

名古屋市蓬左文庫
江戸の粋−尾崎久弥コレクション−
 ようは江戸時代のライトノベル(耽美小説)の展示。江戸時代の西尾維新さんというと解りやすい?
 現代のライトノベルというとメディアミックスという手法が多用されていて、小説の装幀というかカバーデザインにあからさまにカワイイ女の子の絵が使われて、小説が人気になるとアニメ化が決まり、アニメ化と同時進行で系列のマンガ雑誌にマンガの連載が始まる。それら全てがコレクターズ・アイテムになって、読者の側も自分に入って来やすい媒体(メディア)を選択できる特性がある。江戸時代の本の説明するのに、なんでライトノベルの説明してるんだ?
 江戸時代のメディアミックスは、どっちかと言ったら一粒で何度もおいしい。
 装幀は錦絵のような、まるでライトノベル。挿絵は白黒ではあるものの、挿絵というより吹き出しのついたマンガのよう。
 ライトノベル好きはもちろん、江戸時代の庶民の生活に興味のある人、浮世絵・錦絵好きには必見といった感じW

徳川美術館
豪商のたしなみ−岡谷コレクション−
 現在の岡谷鋼機の前身の「笹屋」の当主が集めたコレクション。
 文字鏡(古筆を時代順に貼り合わせた折り本)、茶道具、屏風など堂々とした壮観さがある。
 興味のおもむくままに、あげていくと、織田長益(有楽斎)の次男・八道の茶杓、利休の朝顔に関係する書状、黒織部はチラシのより沓茶碗の方が好き、伝豊臣秀吉の茶杓というのもある。ああ常設展示に青磁香炉の「千鳥」が展示されてた。個人的には砂張(さはり)の鉄鉢形の水指しというのも好き。
 円山応挙の浜松図屏風は少し離れたところからみると、すごくセクシー。古筆や絵画は言わずもがな(見る目がないともいう)なので省略。
 ちと、図録の抜き書きの羅列に過ぎないかもしれないが『へうげもの』好きは見に行って損はない展示だと理解していただければ・・・

松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
北斎展
 京都であった巡回展? とは別系統の展示になるのでは?
 まあ、手堅い展示といっていいのでは?
 全点ではないけど富嶽三十六景が結構な点数あってそれだけでも壮観!
 版画、肉筆、冊子、刷り物という高級な版画。
 蓬左文庫とのかけ持ちがオススメ!

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2012年04月28日

3題

高浜市やきものの里 かわら美術館
アール・ブリュット・ジャポネ
 どちらかというと刈谷系の展示なのでは? と思ったら2005年に「アウトサイダー・アート」というネーミングで展覧会をおこなっていたという。
 まずはアール・ブリュットやアウトサイダー・アートの説明をしないと、、、ようは正規の美術に関する高等教育を受けていない人の作品群。なんていうの知的に障害のある人の作品が中心になるのか?
 僕は歴史に関する高等教育を受けていないんだけど僕の手法をアウトサイダー・ヒストリーというのかな?
 それはどっかで僕のおごりであるのと同時に、アール・ブリュットという言葉で作品をくくってしまうことが、区別や差別の源泉になりかねないという危険性をはらんでいる。
 作品自体は、表現するという欲求と、思いぐせやトラウマに近い強迫観念による造形というか1階の講堂と2階の展示室の展示なのだが、もう、すべてを見てまわるだけで、ふらふら。
 作品はフランスで開催された展示の凱旋展で、以前『新日曜美術館』で紹介された作品群になる。
 すすめる、すすめない以前に、そういう精神状態に学術的な興味があるかとか、お気に入りの作家がいるのか? という基準でないと見ても意味のないモノだから、いや別にどんな美術作品でも、それはそういうことなんだと思うんだけど・・・

名古屋市見晴台考古資料館(笠寺)
春季ロビー展
「尾張氏」をささえた産業
−古墳時代の鉄・塩・須恵器を探る−
 資料館のエントランスというかロビーの展示だが、キャプションがしっかり作られていて、展示品以上に内容が立ち現れてくるつくり。
 展示室は常設展の期間で、しっかり作り込まれた展示。見晴台遺跡の弥生時代はもちろん戦中の戦争遺跡までのクロニクル、名古屋市域のクロニクルと、小さいながらまとまった展示。
 名古屋市博物館の展示で名古屋の考古学や歴史に興味を持ったら、1度は訪れてみたい資料館。

名古屋市博物館
企画展
尾張氏(おわりうじ)
☆志段味(しだみ)古墳群をときあかす
 以前、ブログで紹介したんだけど、志段味のこの一族って「少治田」氏ぢゃない?(『愛知県史 古代1』三一六
 尾張戸神社ってのも「少治田」からの転訛なのでは? そう考えた方が、尾張戸の「戸」の説明がしっくりくるのではないだろうか?
 なんか、ここまで書いたら、疲れちゃったので、あとは後日。。。
 展示は志段味の調査成果を中心に古墳時代を概観。前期の東谷山の3古墳と白鳥塚、中期〜後期の志段味大塚などのホタテ貝式古墳、〜終末期の東谷山古墳群(群集墳)と志段味の調査だけでも十分概観できるところに、いわゆる大ナゴヤ古墳群の八幡山、大須二子山、断夫山や、墳丘が存在したのか疑問が残るが北名古屋の能田旭古墳、最後の前方後円墳になるのか? 小幡茶臼山古墳などで補強している。
 志段味大塚古墳に関連して他地域のホタテ貝古墳。
 大ナゴヤ古墳群の被葬者が造営主体かもしれない名古屋市域の集落遺跡・伊勢山中学校遺跡など熱田台地のヘリの所の遺跡群、春日井の古窯、味美古墳群。
 少し主観的でとっ散らかった感じになってしまったが、博物館へ行って現物を見た方がしっくりくるだろう。
 常設展示のフリールームも古墳時代関連なので常設展もオススメ。
 もし疲れて力が出なければ、常設展示の全てを見る必要はないし、お気に入りの展示があればお気に入りの場所と、注目の資料として池禅尼(和久井映見さん)の経塚といわれる大御堂寺の資料は大河関連なので注目、あとフリールーム、フリールームの隣の甲冑の展示は『へうげもの』関連、加藤清正(具志堅用高さん)にまつわる伝説のある甲冑が展示されていた。

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2012年04月22日

2題

安土城考古博物館
湖(うみ)を見つめた王
−継体大王と琵琶湖−
 個人的には副題が悪い意味で足を引っ張っているでは? という展示。
 湖を見つめた王は在地の首長でもいいはずで、実際、水運や漁労の利権は、そのような在地の首長が握っていたのではないだろうか?
 そう考えた時に、滋賀県内の古墳のレビューとクロニクルは貴重で、そのしばりとして時代を古墳時代中期後半から後期中頃までに限定してという意味で継体大王の名前が登場するに過ぎない。
 展示自体は、滋賀県内の古墳のレビューとクロニクル、若狭の古墳、尾張系埴輪、水運としての船の説明と充実した内容。
 特に注目したいのは、埴輪棺として使用されたとされる越前塚遺跡の円筒埴輪棺。東海地域で考えたら、この法量の埴輪は110m前後以上の盟主墓に使用されるのではないだろうか?
 埴輪棺という特殊な用途であることはあれ、この法量の埴輪を作れるという技術・情報は継体大王という個人名を出すことなく、滋賀県内の首長がなんらかの盟主の支配の中で水運・交易あるいは漁労の利権を安堵されていたことを感じさせる。
 逆に言って、この時代の滋賀県内の水稲の生産力って、どの程度なんだろう? 電車での道すがら、河岸段丘というのか、水田のフラットな面から川の水面まで、高さがあるんだよね。農閑期で水位が低いだけなのかもしれないけど、水田より畑作の方がむいてるようにも思うんだよね。
 まあ、神話的といわれかねないが歴史書が記すように継体大王の擁立には、滋賀や福井の豪族の協調が欠くべからざる存在であったのは特筆を要しない事実であったであろうし、滋賀県内の埴輪を見ても、多彩な地域性が見て取れるという、それが遺跡を中心にして間近に見られるのは貴重な体験。

大津市歴史博物館
ミニ企画展
大津絵大図解
 常設展示内のコーナー展示だが、大津絵の主要な画題を詳細なキャプションによって説明している。
 大津絵はヘタウマ系の江戸時代にブームを起こした大津を中心に売られた絵画。低価格であったことからか庶民の土産物として定着していく。
「鬼念仏」という赤鬼がお腹に鉦(しょう)をたずさえた画題が有名なのではないだろうか?
 大津絵の入門として整った展示。

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2012年04月16日

3題

奈良国立博物館
解脱上人貞慶
−鎌倉仏教の本流−
 新館東館と新館西館の1室を使った展示。観覧券で西館となら仏像館の常設展示も見られるので、ある意味、お得感がある。
 この特別展は、是非、音声ガイドを借りて欲しい。なぜなら、貞慶という人は、多くの法会の式次第である『〇〇講式』と呼ばれるような著述を残していて、その願文は、一種の迫力のある文章。展示の都合で願文を全て展示することもできないし、短い時間に原文で、それを読解するのは特殊な能力が必要になる。
 それが音声ガイドでは歯切れのよいテンポある現代語訳で楽しめるようになっている。音声ガイドと展示のコラボレーションとして、1つの到達点にあると思う。
 貞慶を一言で説明するのは難しい。一番カンタンに説明してしまえば『大河ドラマ 清盛』で阿部サダヲさんが演じる信西の孫というと、一番近しいのではないだろうか?
 業績からいえば、大河の次の時代くらいに興福寺を中心に南都の復興に尽力した人。ある程度、復興が終わると南山城の笠置寺や海住山寺に隠棲してしまう、隠棲後も著述活動をしているんぢゃないのか?
 貞慶没後には、その隠棲の姿からか自戒の僧の集合名詞として活躍する。最もポピュラーなのは『太平記』・謡曲『第六天』の中で〈魔〉と対峙して調伏をはたす姿は一種のファンタジーとして貞慶の超人性を語る説話が創造される。まあ、今回は展示としてはない部分なんだけど。。。
 展示内容は要約するより展示そのものや『図録』で確認して欲しい。
 当然、仏像は慶派、快慶、快慶一派と、この時代の一流の作家の手によるもの海住山寺の四天王像は小像ながら、仏像をつくる方針となる儀軌(ぎき)的にも、重源の復興した復興大仏殿に作られた四天王と共通するとされる。(ここの音声ガイドがいささかややこしい。形式差による順序より南都で共通の儀軌が採用され、それが『興福寺奏状』などの確執があっても保持されたことを強調するべきなのでは?)
 貞慶という人物自体に少し地味さを感じる向きもあるかもしれないが、展示方針、展示内容ともに当代一流のキュレーション。これからも規模は関係なくこういう学芸活動をおこなえる場を提供することは博物館の展示水準を維持するために必要なのではないだろうか?
 そうそう、なら仏像館の図録がマイナーチェンジしてた。行快の降三世明王の図録化は価値があるが、マイナーチェンジのたびに買い換える経済的余裕が僕にはない。個人的には、なら仏像館の図録は館蔵品と小牧・正眼寺の誕生仏など常時、鑑賞できる仏像を中心にして、期間で変わる仏像は割高でも四つ折りのA4(博物館だよりのような体裁)とかのリーフレットや極個人的には絵はがきで構わないと思う。あとは動線の問題だよね。新館見てショップよってなら仏像館へ行って感動して、引き返して図録買うのはマイナーといわざるを得ないのではないだろうか? なんか、いい方法があればね。

奈良県立美術館
光と影のファンタジー
藤城清治 影絵展
 最近でいえば太田光さんの『マボロシの鳥』を絵本にしたことで、さらに注目を集めるようになったのではないだろうか?
『マボロシの鳥』は読んだことがないが、影絵のあの男の表情と、太田さんのトリッキーなテレビでの表情があいまって、すぐれた作品であることは判断できる。
 本当に前知識なしで、影絵が美しいと言うこと以上に、ストリーが立ち現れて、我々を感動させてくれる。
 キャプションも紙芝居の裏のように番号とカンタンな説明が示されていて、見る側に便利になっている。
 ああ、そうそう、この奈良県立美術館と奈良国立博物館、入江泰吉記念奈良市写真美術館の3館は、いずれかの半券を見せることで団体割引がきく。
 写真美術館は新薬師寺のそばで1度は訪れておきたい美術館、奈良国立博物館もなら仏像館など常設展示だけの観覧も可能なので、鑑賞計画を検討の余地アリ。

天理大学附属 天理参考館
大布留遺跡展−物部氏の拠点集落を掘る−
 個人的には物部氏って尾張氏の部曲なんぢゃないかと思う。だから、石上神宮への奉斎がいつから始まるか? とか、5世紀の布留遺跡の造営主体が誰なのか? とか、今の時点では意味不明。
『記紀』に武内宿禰という人が出てくるんだけど、この人の実在は疑われている。丁度、神功皇后から応神天皇の時代の人なのか?
『先代旧事本紀』「天孫本紀」によると、この時代は建稲種とか尾綱根という尾張系の人物が活躍していたとされる。
 欽明天皇が尾張氏の活躍を抹殺したのか、太安万侶が記紀のアウトラインを正当化するために尾張氏の活躍を自重したのかはよく解らないけど、なんらかの作為があって、5世紀の尾張氏の活躍については隠されている可能性がある。
 5世紀の布留遺跡の造営主体は東大寺山古墳の被葬者の後裔と考えるのが適切なのではないだろうか? 和邇氏になるのか?

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2012年04月08日

榊莫山展

三重県立美術館
榊莫山展
 以前、伊賀に出身の人が「榊莫山さんは当たり前にすごい人で、全国的にどの程度、スゴいのか判らない」という話をされていて、そういうものかと思った。
 榊莫山のような生き様の人が、スゴいのかスゴくないのかは、意見の分かれるところで、例えば荻須高徳のように、パリを第2の故郷にして骨を埋めるような生き方、故郷を離れて大成して、その状態をキープしている人を高く評価するのは、どの地域も意外に同じなのではないだろうか?
 ところが榊莫山の場合、中央での大成のあと、故郷の伊賀での閑居の生活が長く続いている人を、どう評価するのかは、地域思想的な地域の歴史と文化的背景が強く影響をしている。
「あの人は中央から負けて帰ってきた」とヒキコモリあつかいする地域も少なくない。

 個人的な印象的背景として、「よかいち」というお酒のCMや近鉄のデラックスシートのCM、土という字を、独特の筆致で書いているドキュメンタリーなど印象深い人物が榊莫山という人。
 作風は王羲之調というのか楷書のスゴいのを12歳とか、本当に若い時に極めていて、あとはダサウマ的な「ひゃ〜〜ん」とした作風。
 書というものを、市民に広めた人を失うことは、大きく悔やまれるが、それを契機に作品の保存・研究に着手され、多くの人々の目に触れられる機会は貴重。
 何も前知識のなくても、しっかり見られるが、寒山拾得、松尾芭蕉など、前知識があると、ホントにエロい展示。

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2012年03月26日

2題

名古屋市博物館
テーマ10
法然上人絵伝
 常設展示内の1コーナーに「伊藤家本 法然上人絵伝」を展示。
 江戸の中頃の作品だが保存状態がよく高僧伝絵の入門には最適。解説もパネルで各場面の説明をしており法然のあらかたの生涯が頭に入っていれば、なお楽しめる。
 当麻寺本系の四十八巻伝の絵の部分を抜き書きしたのでは? と考えられている。
名古屋市博物館
フリールーム
常滑の近代陶芸家 井上楊南
 常設展示内フリールーム。
 常滑焼というと朱泥の急須というイメーヂの礎を作った人なのかな?
 作品は多彩で、茶道で使う茶碗などの茶道具から急須まで。
 個人的には唐草肉彫花瓶がオススメ。

PARAMITA museum パラミタミュージアム
小田朝繁(おだともしげ) 油彩仏像画展
−慈悲とゆすらぎへの誘い−
 無料のギャラリーの展示だが仏像好きにはオススメ。
 奈良を中心に古寺の古仏に取材した作品群。
 あと2日なので時間のある方は、どうぞ。
PARAMITA museum パラミタミュージアム
開館10周年記念 特別企画
真宗高田派本山専修寺
開山聖人750回遠忌報恩大法会記念展
 2階のロビーまで駆使したガッツリした展示。
 展示のストーリーに関係なく2つに大別してしまえば、仏像や絵巻などの仏教宝物編と茶道具になるのではないだろうか?
 期間が3分割されていて、けっこうガッツリしたものが展示替えになってるので注目したい。
 あと、注目は最近発見された知多の大御堂寺の快慶作阿弥陀如来が特別出陳されている。まあ、個人的には修理銘とされている年代頃の作なのでは? と考えているが、ここで快慶・非快慶を論じるより実際を見てもらって、各人の判断に任せたい所。
 茶道具で注目は利休作とされる茶杓が1本、「圓猷上人御筆茶人伝来書」という掛け軸に「古田織部」の名前が見える。利休七哲の享受史と言ったところか。
 個人的に注目したいのは津市の上宮寺の曾我蕭作の小野妹子・迹見赤檮図。上宮寺という聖徳太子伝説の寺に即した人選もさることながら、とにかくセクシーな曾我蕭白の作品。

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2012年03月19日

3題

名古屋市科学館(伏見)
OCEAN(オーシャン)!
海はモンスターでいっぱい
 改修後、初めての名古屋市科学館。当日券は数に限りがあって、その日は10時頃には当日券が完売し入場制限がかけられていた。
 何らかのかたちで前売り券を購入しておくことをオススメしたい。
 っていうか、豊橋市自然史博物館や四日市市立博物館のプラネタリウム、大垣市のスイトピアのプラネタリウムなど、比較的、混まない代替施設が皆無ではないので、特別展、目当てなら仕方がないが、科学館通は、まだ、様子見なんだろうな。
 特別展は「海」をテーマに現生生物を中心に海での生活誌を特集する「海にくらす」と「6億年海のニュース」と題された化石を中心にした展示の2部立て。
 音声ガイドも大人向け子供向けが用意されている。おしむらくはカップルイヤホン的な親子で一緒になって聞けるような工夫があると音声ガイドの相乗効果が増すような気がするが。まあ、展示の内容にそって音声ガイドの内容も工夫されているので時間に余裕があれば、是非借りたい。
 常設展は生命館は1階のマプサウルスは以前、企画展示されてたヤツか? 目立った改修はないのではないか?
 理工館、天文館の新しい展示で、個人的に押したいのは、3階の元素の周期律表。表と言っても、元素の代表する化合物が展示されている。この手の化学に特化した展示内容は管見、近隣の科学館ではないのでは? いや、産業館をあまり見ていないので、ひょっとしたら企業の産業館にはあるのかも。分子模型も好き。

でんきの科学館
 震災以来、なかなかおおっぴらにレコメンドできないんだけど、結構、固定客が多いようで、思った以上に人の入りがあった。
 名古屋市科学館からあぶれてしまったら、名古屋市科学館のミュージアムショップによってから、でんきの科学館をオススメ。
 2階が岩石といろんな発電装置の展示。3階が発電と送電の展示、もちろん原子力発電所の説明、模型もあるので心臓の弱い人には、あまり、おすすめできないのかな? 4階に視覚についての展示、トリックアートとレンズの展示とエコ。レンズの展示は地味だけど、屈折とか全反射が体感できて個人的には好き。
 名古屋市科学館も、そうだけど美術館が「静」の展示だとすると科学館は「躁(そう)」の展示。自分が歳くっただけかもしれないけどW

ヤマザキマザック美術館
 初めて観覧。5階に印象派前夜から印象派、エコールドパリまでの手堅い展示。4階がアールヌーボーの家具、ガラス製品が結構な数、集められている。ガラス製品だけを目当てに行っても楽しめる美術館。
 科学館が子供・家族連れ向きなら、ヤマザキマザック美術館は当たり前だが、大人・カップル向けかな?
 音声ガイドが無料で借りれるのでオススメ。多少、収録点数に偏りがあるので、前半は気に入った作品のみを聞くようにした方が、途中で音声ガイドを投げ出さなくてすむのでは? 長めのうんちくにあふれる音声ガイド。

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2012年02月19日

マリー・ローランサンとその時代

一宮市三岸節子記念美術館(旧・尾西)
マリー・ローランサンとその時代
-巴里に魅せられた画家たち-
 巡回展なので、この時期にしては出色の展示。
 1階にマリー・ローランサン、2階1室にその時代の他の作家、2階2室に常設の三岸節子の桜関連。
 まずはマリー・ローランサンの画風が好きなのか。好きなら絶対にオススメ。作風の変遷も判るようになっているが、作風が固定化した時期の作品が多く集められている。
 その時代は、お気に入りの作家を見つけるいい機会。小磯良平、押し。佐伯祐三の「扉」。荻須は作風の判る数点が展示されている。三岸節子は常設展示の方に「さいたさいた桜がさいた」

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2012年02月18日

碧南をほっつき歩く

碧南市藤井達吉現代美術館
遙かなる衣ヶ浦のみなと
-海運と産業の歴史-
 衣浦港というのか? 碧南・高浜・知多半田の周辺の港を衣浦港と呼ぶらしい。その歴史に関する展示。
 歴史的には衣ヶ浦(ころもがうら)と呼ぶらしい。
 海上交通に関する基礎知識、弁天船や海図などから、流通させる産物。
 近代以降の衣ヶ浦の発展と地形の改変など。
 2階が、この企画展示で、1階が藤井達吉の愛知県美術館所蔵になる『梅百題』を何回かに分けて展示している。この季節に丁度いい展示。
 地下が落雁の木型の展示。慶事・仏事の引き物に以前は木型でかたどられた落雁を出すことが多かった。
 と言っても、20年ほど前に形式的に形になった袋に砂糖が入ったモノを見たのが最後なのかな?
 落雁の木型が使われたのは、その以前の話。
 民藝というか芸術品的な側面からも展示がねられている。

清沢満之記念館
http://www.manshi.com/
 たまたま、現代美術館を出たところで看板を見つけて立ち寄る。
 清沢満之は近代の真宗の中興の祖的な存在であるのは知っていたが、碧南の西方寺との関係は無知識だった。
 清沢満之は名古屋の生まれで、西方寺の清沢家に養子に入った人、終焉の地が碧南になる。
 記念館は清沢満之の蔵書・著作の文庫的な側面が強い。西方寺の書院で清沢満之が生活していたようで、お願いすると案内までしてくれる。

碧南海浜水族館 
 僕の博物館体験の原点であるにもかかわらず、久しく来てなかったのが、この水族館。
 なんか感覚的に車で行ったところには電車では行けないような感覚があるんだよね。
 こぢんまりとした水族館と科学館がセットになった施設。冬場なので、みんなじっとしていた。

碧南市ものづくりセンター
瓦の型 展
 近現代の桟瓦を作るための型の展示。
 巴瓦(軒先瓦の丸の部分)の型が何種類か展示されてるのが見どころかな?
 藤文は上下逆だった。

 あと、碧南で行ってみたい、行っておきたいところは、
へきなんたんトピア
http://www.chuden.co.jp/hekinan-pr/
 かな? 少し駅からは遠いのかな?

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2012年02月12日

うつし、うつくし

愛知県美術館(栄)
うつし、うつくし (所蔵作品展)
 まあ、所蔵作品展なので「うつし、うつくし」というテーマに関係なく「そうそう、これこれ!」的な再会の場としても楽しめる。
〈うつし〉ということが表現とか美術に関連すると言うことは、例えば、ツイッターのRT(リツイート)という行為が、複製(コピー)であるのと同時に、自己表現という側面が存在すめことに気づかされるだろう。
 つまり、〈うつす〉という行為そのものが〈編集〉的な知的営為の産物であることを示す。
 まあ、観念的には、そういうことになるが、そう難しく考える事なのかな?

 個人的には川瀬巴水の作品群、片岡珠子の面構、杉本健吉の『新・平家物語』がオススメ。
 おしむらくは、ネットに「うつし、うつくし」展の展示一覧がない、来て見てびっくりという趣向なのだろうが、作家や作品にはファンがいるから、公開して欲しい派だな。

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2012年02月05日

暮らしの中の民具~竹細工

一宮市博物館
暮らしの中の民具~竹細工
 この時期の民具に関する教育展示の一環と考えたらヤケドします!
 竹細工の編み方、考古学的な出土例から縄文、弥生、古墳早期、中世の遺物をひろく集めている、近世は文字資料も含めて一宮市瀬部の事例を説明。
 もちろん、民俗学的な伝統工芸や民藝としての竹細工を作り方、地域による形式、用途、材質の違いを展示。
 豊田の木製品と双璧をなす竹細工の見本市。
 おしむらくは性海寺の華籠だな。図録に参考資料程度でいいから紹介して欲しかった。
http://www.city.inazawa.aichi.jp/ka_annai/syougai/bunkazai/data/050.html
 図録も充実していて、ありがたい。
 図録は「くらしの道具」編も必見。農家の間取りは民俗学的な調査から、類型ができているのだが、これの概説書で、なかなかいいのが見つからないが、それにぴったりの本。
 まあ、毎年の蓄積から、このような優れた展示が生まれるのだろうが、せっかく見るのであれば、一宮市博物館はオススメ。

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3題

☆奈良県立美術館
やまとの地宝
 中国でおこなわれた「日本考古展」の帰国記念展。
 注目は黒塚の鏡と藤ノ木の復元品、新沢千塚の品々と言ったところか?
 展示は第1部で日本考古学の通史、第2部が中国など海外との文物の流通、第3部が入江泰吉の写真を中心にした展示。図録は第3部、割愛。
 橿原考古学研究所附属博物館の常設展示はストーリー的にも展示品的にも1等の奈良県の考古学の資料だが、そこに収まりきらない、アナザ・ストーリーといった所ではないだろうか?
 より深く学びたい人向け。
 音声ガイドも、鏡の背面の文様の細説など、展示品の1つ1つを、より細かく見るのに役に立つ情報が充実している。もちろんストーリーも追えるのでオススメ。展示位置の関係で多少内容が前後するが、、、

大阪歴史博物館
特集展示
摂河泉の古瓦
 常設展示内、なにわ考古学研究所の隣にある特集展示室での展示。特集展示としながら結構な点数の瓦が並べられている。
 展示の中心は平安時代から中世の瓦。どうしても古瓦というと、創建期の瓦が注目され飛鳥から奈良時代の瓦が注目されるが、平安から中世の瓦も当然存在するわけで、これからさらに注目されていくであろう分野。
 和泉国では熊野詣での流行に応じて平安後期の造寺・改修がさかんになるという法勝寺の瓦を彷彿とさせる宝塔文の鐙瓦の使われる寺院もある。
 あと、展示で注目されるのは場所は大和の生駒になるのだが、忍性を中心とした西大寺派の活躍の中で使用された五輪塔の刻印のある瓦。
 見方を変えれば、非常にエキサイティングな展示。
 おしむらくは、キャプションや目録の年代観が、少しおおざっぱに過ぎるきらいがある。そこは、鑑賞者の知識を多少必要とするかもしれない。まあ、もの見て判断した数値の方が実年代に近いのではって感じ。

大阪歴史博物館
柳宗悦展
-暮らしへの眼差し-
 柳宗悦と、その息子の柳宗理の展示。宗悦と言えば民藝だが、宗理は一言で言えばモダンなデザイン。まあ、中心は宗悦の活動にあるのだが。
 棟方志功や芹沢銈介を下調べしておくと、なお楽しいのかもしれない。

 余談だが、旧・大阪市立博物館の図録がミュージアムショップにあった。
 最近、再開発というか新名物構想でニュースになっていたが、大阪歴史博物館の前身が存在していたのは、恥ずかしながら、ニュースで報道されるまで知らなかった。

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2012年02月01日

ケヤキが語る2000年

豊田市郷土資料館
ケヤキが語る2000年−弥生・古墳時代の木の文化−
 豊田市にはえていたケヤキの精霊「ケヤじい」のモノローグ。
 木製品の加工と加工具、農耕具、建材、機織、ハレ、保存。
 木製品だけでなく、制作過程の解る未製品も多く展示されている。
 おしむらくは弥生中期までと弥生後期からに線を引いて「じいさんの時代」「おやじの時代」を年表に書き込んで欲しかった。
 木製品の時代区分と言う意味で、文化史的な区分として一石を投じれるのでは? 「弥生時代」「古墳時代」というのは弁別の1パターンにすぎない。

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2012年01月22日

2題

愛知県陶磁資料館
龍泉窯青磁展
 青磁というと中世の中国との交易品として、指紋的に注目される品物の一つ。青磁というと「龍泉窯」というのも係り結び的なイメーヂの密着度がある。
『へうげもの名品名席』で紹介されたマスプロ美術館蔵の銘「鎹(かすがい)」が展示されている。この前、紹介された高台があって脚が浮くような「千鳥」の形式の香炉(東博蔵)も展示されていて、そういう意味でも楽しめる。
『平清盛』でも瀬戸内海航路の掌握は、中国からの青磁の輸入として結実するのだから、そういう観点からも楽しめるだろう。
 まあ、それ以上に、青磁特有のぬめっとした青白色〜緑色は、なんの前知識もなしに美しいと感じ、みとれる存在感がある。

名古屋市博物館
特別展
世界遺産 ヴェネツィア展
~魅惑の芸術・千年の都~
 ヴェネツィアというと国際芸術祭や映画の街というイメーヂが強いが、イタリアの東側の付け根に位置していて、ヴェネツィアからギリシャに至るような海をアドリア海と呼んでいて『紅の豚』の舞台になったりする、風光明媚な海上都市といった感じ。
 ヴェネツィア・ガラス、あのレースガラスを見にいくだけでも一見の価値がある。
 展示はおよそ3部立てで、地勢、人々、ルネサンスの3部になるのか?
 音声ガイドは、いささか説明が長いが、展示のストーリーに沿って知識ゼロからヴェネツィアが立ち現れてくる。端末も絵入りのガイダンスシートをタッチするだけの混まない会場では感覚的に使いやすい端末。ただ、音声ガイドの終了のポイントがつかみづらい。次の段落が始まり出す時に、次のガイドをタッチしてしまったり。。。

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2011年11月20日

2題

タルイピアセンター(垂井町)
郷土の武将 竹中半兵衛
 およそ史実編と創作編に分かれる。まあ、史実編と言いつつ、相当に創作的な脚色のある資料もちらほら。
 1番の注目は鐙。全体に巴文を配して、バックルの下に九曜のすかし。確かに腐食は著しいものの、優品と判る姿。
 常設展にも竹中半兵衛関係の展示があり。参考にしたい。

岐阜県図書館
復刻・拡大版 御江戸大絵図(『ブラタモリ』)
http://www.library.pref.gifu.lg.jp/event/kyodaikotizu.htm
『ブラタモリ』の「御江戸大絵図」が展示されていると言うことで、時間が少し経っているので、半信半疑で行く。
 まあ、地図自体は、江戸時代の庶民の観光目的の絵地図なのでは? 江戸の年中行事の記載があったり、武家屋敷の囲いが持ち主の名前だけだったり。
 イラレなのかな? キレイにトレースされていて、拡大されていても遜色のない仕上がり。
 近隣にいるのなら、見ない手はない!

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2011年11月13日

名古屋3題

名古屋市博物館
狂言でござる-狂言共同社と尾張の狂言
 狂言でござる見てきました狂言でござる、いや本当!
 和泉流というとワイドショー的に宗家が取り上げられるが名古屋の狂言共同社は注目したい。芸所としてのナゴヤが歴史と文化財から、きちんと描かれている。
 能狂言というと、どうしても取っつきにくいというイメーヂがあるが、野村萬斎さんの影響で、狂言もだいぶ市民権を得てきている。
 衣装はもちろんだが、狂言ではあまり使わないとされるお面が結構な数、展示されており、能面との比較もあり、狂言面特有の親しみやすさがある。
 音声ガイドはカセットミュージアム。展示位置と解説の時間がねられていて、ストレスなく音声ガイドが入ってくる。多少気になったのは、音声ガイド出だしの「これは」。丁寧に作品名を再びあげるか、トッた方が聞きやすいのでは?

愛知県美術館(栄)
ジャクソン・ポロック展
http://pollock100.com/
 震災の影響も有りなぜこの時期に関係各所に迷惑をかけながら日本での回顧展を行わなければならないかは意味不明。
 きちんと仕切り直して関係各所が納得がいくカタチでの借用の雰囲気ができあがるまで待つべきでは? それができないネームバリューなり日本での信奉があったと見るべきか?
 展覧会に行く前に作風を確認しておきたい。ポロックをみるには教養と盲目が必要。
 それまでのアカデミズムを解体したのが印象派で、その次がピカソ。鏡に映したような肖像画を好んでいたのが、あの色彩の洪水の印象派をどう受け取ったのか? そこには現在のアートの氾濫からはみたら考えられない衝撃があったのが理解できるだろう。
 その印象派を過去のモノにしたのがピカソで、あのゲルニカに代表されるキュビスムにも破壊力があったのが判るだろう。
 そのピカソを過去のモノにしたのがポロックと言えば、ポロックの作風の衝撃を説明できるだろうか?
 ただ美術的作品というより歴史的資料。
 常設にも関連展示というか、愛知県美術館は現代アートのメッカでもあるので、ある程度、ポロック展に対峙できるだけの常設展はできる。
 常設展は制作年代に注目して欲しい。ポロック以後の70年にどういう芸術運動がおこったのか、現代の日本のアートを牽引する奈良美智氏や森村泰昌氏がどう新しいかも感覚的につかめると思う。
 まあ「恋する静物画」や「狂言展」をみて余裕がある方や、作風がとてつもなく好きという人にはオススメ。
 音声ガイドはアートアンドバーン。石井竜也氏は芸術家としても有名で、ぴったりの人選。端末が、海外仕様なので、端末本体にスピーカーが。それにイヤホンをつける必要性はあるのか? デジタルの液晶でいいので何番を再生中かが視覚化できると、よりいいのに。

名古屋市美術館(伏見)
中村正義展
 ふらふらと常設展示めぐりをしていると、時々出会う作家、というと失礼か。
 写生的な風景画と、前衛的な抽象画に近い人物画を年代を見ると、交互に描いているようで、大変、興味深い。
 常設展、第2室の平家物語関連の作品は、本当にスゴい。
 おしむべきは、作品一覧・目録がないこと。作ったら作ったで大量にあまるのかもしれないし、日に何枚出て、だいたい何枚はけるか判りそうなものだが、それ以上に台所がひっ迫しているというところか。

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2011年11月06日

近江3題

安土城考古博物館
武将が縋(すが)った神仏たち
 勝軍地蔵、妙見菩薩、宇賀弁財天など異神とカテゴライズされそうな武運長久を祈る尊像を全国から広く集めている。
 よみうりランドの妙見菩薩、誰の押し仏だったっけ? 尊星王を生で見れるのは貴重。最近の論考なので注目を集めている四天王像も展示されている。
 図録は参考図版がてんこ盛り! カラー図版16ページと豊富でリーズナブルな作り。
 同時に神像の発展史、武将像の神格化を概説。
 おしむらくは「僧形八幡神影向図」を中心にすえるようなカタチで近江の平安時代の神像がメインの展示や山王曼荼羅と豊国大明神像を並べて、その荘厳の相似を提示するような展示を単独でやって欲しい。
 そうか秀吉は日吉丸で豊国大明神像の成立に山王曼荼羅というのが、なんか関係しているのかもしれない。あとは、日蓮系の肖像画だよね。

大津市歴史博物館
神仏います近江 日吉の神と祭
 今年の秋、滋賀県で開催される、信楽・瀬田・大津の3館連係の展示。大津の会場は大津市歴史博物館。ちなみに安土、栗東でも仏教美術に関連した展覧会が開催されるもよう。3館だけでなく周辺も要チェック!
 3館の中では一番オススメ!
 およそ3部構成で、前編で平安時代の神像を広く集め、中編で山王曼荼羅と典籍としての資料、後編で日吉の祭を大まかには展示している。
 軽く山王曼荼羅を展示種別に列記しておくと、まずは宮曼荼羅、日吉山王の地形を鳥瞰的に表して境内のたてものの様子を示したり、本地仏を地形に沿って示している。次に本地曼荼羅、段に几帳の中に神の化身としての仏を整然と配置する。曼荼羅によって配置する尊像の数も異なる。最後に垂迹神曼荼羅、本地曼荼羅の仏が男女、聖俗、猿などの神に変換したと考えればよい。
 種子曼荼羅もあるが比較的、有名な簡単な種子が多いので解読に挑戦しては?

栗東歴史民俗博物館
仏教美術の名品
 1点あげれば「聖徳太子和朝先徳高僧連坐像」。画幅下段に聖徳太子を配置し、上段に真向きの源信(恵心)、右向きの源空(法然)、左向きの親鸞を描き、縁者を連続して描く「釈明□」という明の係字の人が多い。
 連坐像は蓮如以前に親鸞直系の以外の信者の間でおこなわれていたと考えられており、蓮如、実如の関連する図像が多く展示されているが、それ以前の真宗の存在をにおわせる。

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2011年10月30日

3題

奈良国立博物館
第63回 正倉院展
 別にウチが多くを語る必要はないんだけどね。
 初日だったからか例年に比べて、待ち時間が短かった。
 12時のボランティア解説に10分遅れくらいで入って、華鬘以後の解説を聞く。音声ガイドは、ジュニア仕様を借りたが、大人向けと遜色ない内容の解説なのでは? ただ、正倉院展で35分の解説は長すぎる。フルで聴いても返却口で立ち聞きする時間が出る。
 みんなそういう風にならないところを見ると、一部しか聴いてないか、悪く言えば、どっかで諦めてしまっていないか? それでは音声ガイドはもったいない。
 個人的には解説ボランティアを有料にするかして、音声ガイド会社に仕切らせたらいいのでは? 正倉院展に限定してしまえば。
 いかん! 出陳品の話をせねば。
 60回で一巡のハズだが63回でも初出陳がある。
 聖武の袈裟や蘭奢待も重要だが天武期からの伝来ではと思わせる御物も多い金銀鈿荘唐大刀や十二支八卦背円鏡なんか。柄香炉は聖徳太子の遺愛品とかでは?
 大刀の飾り金具なんかが、高松塚の大刀に非常に近似したカタチで、聖武から50年ほど前の7世紀末までは十分に上げられる円鏡の四神も、よく言われることだろうが、キトラ、高松塚、薬師寺の台座と共通の意匠で、このような世界観が天武の意思により形成された可能性は十分、考えられよう。
 ただ、天武期から天皇家に伝世したモノが、なぜ東大寺に献納されたのかは十分議論されなければならないことではないか? 聖武までは、それらの宝物が天皇を天皇たらしめるレガリアであったモノが、その意味が消失したのだろうか?

なら仏像館(奈良国立博物館・本館)
 ピカ一の1点をあげれば、金剛寺の降三世明王。中央展示室から、展示室に入ると睨まれるの。しかも、で、デカい!
 一般の降三世明王と異なり一面二臂像に作られ、中尊の大日如来、右脇侍の不動明王に釣り合うように瑟瑟座に座る。そのイコノグラフの幻惑が、さらに、この尊像の畏怖感を強調している。後背の火炎の造形もすばらしい。

東大寺ミュージアム
開館記念 特別展
奈良時代の東大寺
 第I期〜第VI期に分けて展示替えをおこなうそう。
 法華堂(三月堂)の改修にあわせて、中尊の不空羂索観音、脇侍の塑像の日光・月光菩薩が公開されている。
 不空羂索観音は宝冠や後背など荘厳具は一切つけていない珍しい姿。法華堂では遠目になるがミュージアムでは間近にみられる。この機会に1度は訪れておきたい。
 ただ注意したいのは「東大寺の考古学」のセクションは、十分、それより前を楽しんでから、見なければならない。あんなトラップが仕掛けられているとは・・・
 音声ガイドも内容豊富。個人的にはトラック3を聞き終わるまでに、東大寺の考古学まで来てしまった。15トラックあるので、不空羂索観音の前のベンチに座ってずっと聞いていた。隠しトラックというか補助説明もあって楽しい。端末も新しくカラー液晶を搭載していて、展示替えの案内や、用語を図示して説明しているなど、IT的にも興味を引く。

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2011年10月22日

4題

岡崎市美術博物館(中央総合公園内)
三河浄土宗寺院の名宝
 大きく歴史編と美術編に分かれる。歴史編は禁制のような支配関連の文書が多く集められているので、興味のある方は、その手の準備をしていくとよい。
 美術編で興味深いのは「法然上人臨終絵」と題される絵画。釈迦の涅槃図を模して法然の臨終の姿を書くのだが、摩耶夫人の位置に5仏を配置しているのが興味深い。5仏は上段中央に宝冠をいただいた定印の尊像、上段左が来迎印の阿弥陀、下段左が薬師、右が定印の阿弥陀と密教的な五仏とも一概に相似であるとはいいにくい。真宗(浄土教系)にも七高僧のようにマンダラ的な配置を採る画像が多く残されているので、そのような作例との比較は今後の課題なのでは?

知多市歴史民俗博物館 ふゅうとりぃ・ちた
大野谷の文化財
「法然上人臨終絵」の元図とも目される「圓光大師涅槃像(法然上人臨終絵)」が展示されていたので、それだけでも一見の価値あり。
 こちらの方が、法然の容姿や衣裳などが儀軌的な法然上人に近い感じがする。上部の5仏については、遠目だったこともあり判然としない。
 惜しむべきは「慧可断臂図」を借りてこれなかったのかなぁ?京博改修中だから、案外借りれたのかもと外野は、やかましいことを言う。

熱田神宮宝物館
日本の神話〜近・現代絵画を中心に〜
 近現代絵画を使った神話や歴史の展示は最近活発におこなわれているが、神社関連の独自のネットワークがあると見え、レアな作品も少なくない。
 それ以上に『熱田神宮本・日本書紀』が結構な関数展示されているのは、注目してよい。
 ああ、あんな背紙文書のある典籍なのかと日本紀好きには、これだけで十分満足できる展示。
 キャプションでヤマトタケルのことを「オウス」と表記しているので「ヲウス」とするのが本則ではと指摘したら「それは近代的な〈読み〉の問題で兄を「オオウス」ヤマトタケルを「オウス」としている典籍があって、それを持ってきたから間違っていない」と返されてしまった。別に兄は「オオウス」でもいいからヤマトタケルを「ヲウス」としておけば、まぎらわしくないと思うのだが、昨今の研究史にたいして全否定してからのバカ賢い的な学問のモードには疑問符が、、、と、僕ももう古くさい先達なのだ・・・

松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
茶碗 今を生きる
 長次郎の「ムキ栗」と志野の「住吉」が見れただけで、もう、しあわせ!
『へうげもの』の最大の見どころは自分が現代の芸術領域に、どの程度の見識があるかとの戦いである。
 等伯がドット柄を用いるのが「えっ?クサマ風?」とならないと、なんとなく片手落ちな感じがする。
 そんな意味で「住吉」は今週の『へうげもの』にぴったりなのだ。

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2011年10月17日

飛鳥3題

*奈良県立万葉文化館と橿原考古学研究所附属博物館、飛鳥資料館の3館連携で割引きあり。

橿原考古学研究所附属博物館
仏教伝来
 飛鳥寺から頭塔くらいまでの時代の仏教考古学というか、出土品を中心にした展示。
 やはり瓦と「土専」仏が中心になるのか? 金属製品のピンセットなんかも集めていた。
 現代との連続性から袈裟や香の現代のモノを展示している。

飛鳥資料館(奈良文化財研究所)
飛鳥遺珍−のこされた至宝たち−
 東京国立博物館の法隆寺の金銅仏が2点来ている。
 他の2館と比べると規模の上で見劣りするので、飛鳥資料館を1番に訪れたい。
 どこのどれがレプリカで、どれがどっちの展示だったのもよく解らなくなるくらい、3館に通った展示なので、3館連携という見方で十分満足できる。
 金銅仏もいいのだが、漆関連の1階の展示も興味深い。容器に蓄えられるのが、産地からの輸送なのか、使用の便を考えての小分けなのか? も気になる。

奈良県立万葉文化館
大飛鳥展
 日本画展示室(右の広い方の部屋)を十分に使った飛鳥の仏教美術を中心にした展示。
 飛鳥時代の金銅仏も有名どころが広く集められている、小牧・正眼寺、大阪・野中寺など。あとは飛鳥から都が移動した後の飛鳥に残った寺院の仏像や仏画群。なかなか日の目を見ないテーマだけに興味深い。平安仏や中世〜江戸時代の仏像・仏画。
 企画展示室の日本画の展示も幽玄な感じ「蒲生野」が好き。

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2011年10月10日

一宮3題

一宮市三岸節子記念美術館(旧・尾西)
佐分眞展
-洋画界を疾走した伝説の画家-
三岸節子
風景画家として-滞欧期-
 2階が特別展の佐分眞展、1階が常設のテーマ展示。
 一宮市博物館の絹谷幸二展とかけ持ちする場合は、こちらを先に見るのをオススメ。絵画史というか時系列的に前後関係があるので、この方がすっきりする。
 佐分は荻須高徳と同じような時期の洋画家。エコール・ド・パリになるのか? 昭和1ケタの時期の作品が多く並べられていた。
 描点が大きく、絵画限界が遠くなる輪郭のやわらかい作風。書翰や習作もけっこうな点数、展示されている。
 1階の方は個人的に赤い屋根の家の作品群が好き。20歳の自画像に恋しそうになった。故人の過去に恋するだなんて、、、

一宮市尾西歴史民俗資料館
江戸時代の旅
 バスがこっち経由しかないから、よってみる。
 江戸時代は藩単位の支配体制なので、旅は難しかったのでは? と思っていたが、外国人からすると「旅行好きの民族」とみられるような一面もあるのか。
 神社仏閣に対する「おかげ参り」のような現象も確かにあるわな。
 道中図、神社仏閣の番付、名所図会など旅の事前準備的なモノから、矢立のような旅路での携行品などが展示されている。
 1階の常設展示、別棟の脇本陣とあわせてみれば、江戸時代の旅が立体的に立ち現れてくるのでは?

一宮市博物館
絹谷幸二展
 ああ、あのエントランスの壁画の作者なんだ。
 ポスターに鼻筋の2つある顔の絵があって、ああピカソのキュビスムの系譜なのかと思ったら、仏像の絵なども手がけておられて、三面大黒と解釈した方が正しいのかもしれない。
 色彩の洪水。あふれ出るモチーフの泉。
 絵画に留まらず、立体作品も多い。展示室が狭く感じるような詰め込み方。

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2011年09月25日

5題

高浜市やきものの里 かわら美術館
長崎歴史文化博物館 収蔵品展
【終了しました】
 せっかく紹介するんだから、始まって早い内に見に行かないとな。
 ようは出島時代の長崎にまつわる文物の展示。
 外国から入ってくるもの、外国に輸出するもの、朝鮮出兵から長崎に連れてこられた工人による陶磁器。
 普段は3階は常設展示だが、3階まで企画展に使われていて、けっこう豪華。

春日井市中央公民館 森浩一文庫展示
寺社境内図の版画展
 版画の境内図と地誌の関係はなんか気になる。
 比較的、早い段階の地誌でも、境内図に付随するような略縁起、境内の建物、什物を列記する仕様は似通っている気がする。
 参詣曼荼羅と境内図の関係、地誌と境内図の前後関係など、考え出すと意外に結論が見えない。
 一応の現段階でのアウトラインは、絵解きの付随する参詣曼荼羅が高僧伝絵の系譜からつくられ、より簡便に境内図が作成される。境内図に付随する略縁起を集成する目的ももって地誌が編纂されていく。境内図を集成するような名所図会は最後になるのか?
 善光寺の大勧進、大本願の位置も気になるな。。。

名古屋ボストン美術館(金山)
恋する静物−静物画の世界 りんごの想い。レモンのこころ。
呼びとめられたものの光
 表題から軽い収蔵品展なのかと考えていたが、ガッツリと芯の通った静物画のクロニクルだ。
 始まりはオランダ絵画。静物画が市民権を得るのがこの時代であるのは以前に見た。静物画と言えばセザンヌ。セザンヌへどのようにたどり着くのか?
 立体物との関係も展示されている。セザンヌ以後、近代・現代の思想的な絵画運動の中で静物画という技法がどのように享受され解釈されていくのか?
 音声ガイドが展示順になっていないので、今回ばかりはiPodではなく音声ガイド端末をオススメ。

名古屋都市センター(金山南ビル)
歴史の里(志段味古墳群)
古代歴史ロマンを感じて
パネル展
 最初からけんか腰だが、なんで研究史を無視する?
 自分の頭で考えて手で触れて、自分なりの考えを出すのは、大切なことで、逆に、この部分が欠けている研究者はゴマンといるから、いい傾向ではあるのだが、以前に誰が何を感じ、どう空想したのか? を説明できないのは、なぜ?
 ウチだって、認識の異なることは両論併記してるのに?
 まあ保育社のアレに依存していない研究者というのは、実は貴重で応援したいのは当たり前にあるのだが。
 と、展示とは全く関係ないな。
 ゆとりーとラインの終点が東谷山(とうごくさん)で、周辺に前期〜終末期? までの古墳が点在している。
 その志段味(しだみ)古墳群の整備事業が進んでいて、その中間発表的な意味合いのパネル展示。
 なるほど時期的に東之宮と青塚茶臼山の中間で規模も115mと「普通の盟主」程度と白鳥塚は考えてもいいのか。
 ただ、大須二子山の築造年代は懐疑的。尾張草香の子供といった所か? 草香から大隅まで、尾張氏で突出した人物は少なくとも『日本書紀』には見えない。
『旧事記・天孫本紀』には応神の代から皇室と蜜月の尾張氏というのも描かれている。順番はさておき、鶴舞・八幡山、断夫山、大須二子山の3代は応神から継体の間で収めるのが文献学的に適切なように感じる。
 大須二子山の馬具、甲冑についても門外漢だが、6世紀まで下げる必要性を感じない。国産系のはしり的なもので5世紀の中頃(440年代〜450年代)くらいには考えられないのか?
 まあ沖の島の、あの杏葉を5世紀末と言ってる人の言うことだから・・・

松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
松坂屋創業400周年・松坂屋美術館開館20周年記念
川合玉堂展−描かれた日本の原風景−
 なんていうの、ザ・玉堂という作品は牧歌的な風景の中に、なんかピンと琴線が張られているような感じ。
 まあ、その作風が好きか嫌いかになるのではないか?
 しかし、どうも初期の作品と晩年の作品に、その作風に入らないものが何点かあるらしい。
 若い頃の作品は、松をうわっと勢いよく描いたり、詩人の透徹としたまなざしを描き出したり、青さとは異なる若々しさがみなぎるような作品があった。
 晩年の作品は、今流に言うと、ヘタウマの妙。琴線のカケラもないような感じ。
「ああ玉堂でしょ」と思う向きにも再発見できる作品があるかも、オススメ。

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2011年09月19日

4題

滋賀県立近代美術館
神仏います近江 祈りの国・近江の仏像
-古代から中世へ-
 今年の秋、滋賀県で開催される、信楽・瀬田・大津の3館連係の展示。瀬田の会場は滋賀県立近代美術館。ちなみに安土、栗東でも仏教美術に関連した展覧会が開催されるもよう。3館だけでなく周辺も要チェック! 彦根城は12月に阿弥陀信仰のテーマ展。
 平安〜鎌倉時代の仏像に焦点を当てた展示。石山寺の快慶作・大日如来は洗練された美しさがある。
 平安仏は意識的に地方仏風の作例を集めている感じ。
 平安から戦国時代くらいまでの仏像を、ざっと見られる。仏像好きには必見の展示。

栗東歴史民俗博物館
栗東の歴史風土をさぐる
−金勝寺文化圏の諸像−
 瀬田会場の仏像群に比べると洗練された都会性を持った仏像群。金勝寺という現象を周辺の塔頭寺院? の仏像を展示することで浮かび上がらせている。
 どうしても、愛知から滋賀県を眺めると地の利がない分、仏像群が記号化するというか、地域のクロニクルの中で、ある特殊な儀軌を選択することによって、仏像が形づくられていることを忘れてしまって、そのカタチだけを眺めるようになってしまう。自戒を込めて。
 次回展も仏教美術。

大府市歴史民俗資料館
【終了しました】
命の水を求めて~愛知用水通水50年
 愛知用水の通水50周年と言うことでの展示。
 パネルを中心にした展示だが、自然科学的な水に関する知識も含められている。
 愛知用水概要圖は壮観。精密な水系図も探せば買うこともできそうだが、見慣れていないので興味深く思う。

知多市歴史民俗博物館 ふゅうとりぃ・ちた
知多の農業とかんがい
 愛知用水の通水50周年と言うことで、各地で企画展がおこなわれている。パネル展示が中心で、なんかパンフの抜き刷りのようなのだが現物のパンフに巡り会えてない。
http://www.water.go.jp/chubu/aityosui/d%28contents%29/02%2850syunen%29/d_02b/03takasaki/d_02b_03.html
 が1番近い気も。図録が作成されていないので、上のサイトか、関連本を、深く学ぶためには探す必要がある。
 用水と農業に関わる民具の2本柱。唐鋤は、発掘のあの鋤跡と言われる痕跡をもたらすものなんだよね、多分。

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2011年09月12日

2題

MIHO MUSEUM ミホミュージアム
神仏坐(いま)す近江 天台仏教への道−永遠の釈迦を求めて−
 今年の秋、滋賀県で開催される、信楽・瀬田・大津の3館連係の展示。信楽の会場はミホミュージアム。ちなみに安土、栗東でも仏教美術に関連した展覧会が開催されるもよう。3館だけでなく周辺も要チェック!
 近江ゆかりの最澄にちなんで登場までの仏教の発展史をフィーチャーした展示。釈迦伝、西方浄土、蓮華蔵世界、雑密、純密といった流れ。
 音声ガイドが、読みクセが多少あるが、細やかに絵解きされててオススメ。帰りのバスの時間もあるので、気をつけて利用したい。
 仏教美術について、まっさらな状態から、感覚的に内容がつかめていく。実際の釈迦、神格化された釈迦、インドの周辺の神々も取り込まれて、薬師、阿弥陀のような釈迦以外の如来。その如来を束ねていくような仏教的世界観。煩悩即菩提的な欲望の肯定という教義の変化。秘密化されたイコノグラフの世界。
 まさにエバーグリーンな〈釈迦〉を求める運動の軌跡。
 会場出た所に根来の瓶子が1点。室町時代くらいで、そんなに古いものではないが、根来、好きなので、お気に入り。

豊橋市美術博物館
黄金の世紀
 古墳の内部施設・副葬品、外部施設の概観から馬越長火塚古墳の出土遺物。棘葉形杏葉を広く集めているのは壮観! 棘葉形杏葉は東海から東国を中心にするアイテム。古墳後期の政治史が立ち現れてきそうな遺物。
 まあ、棘葉形の杏葉は尾張草香にまつわる威信財だと考えるから制作年代が50年づつあがる。沖ノ島が一等古くて5世紀後半~6世紀初頭。それにつづいて、馬越長火塚。並べてみると、熱田神宮のは新しい。と言って6世紀中をくだらない。6世紀第2四半期の中では?
 藤ノ木の杏葉と見瀬丸山(言い方よくないんだよね)の築造の前後関係、案外、藤ノ木の方が後なのでは? 7世紀までくだらないけど聖徳太子の親代わりの愛用品という年代観。570年代くらいになるか?
 杏葉の制作年代に、そのくらいの時間幅を設定しないと形式差が工房の優劣の差だけにならない?それはそれで形式学なのか?
 馬越長火塚の被葬者の親が尾張草香の親代わりか右腕のような関係で、被葬者の親に草香から下賜されたものが被葬者に伝世している。案外、被葬者の親は目子媛の乳母なのかも。学者の思考回路ではないな( ̄ー ̄)

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2011年08月14日

4題

松坂屋美術館
愛知県立芸術大学 模写研究40年の歩み
国宝・至宝 模写作品展
 愛知県立芸術大学はリニモを使えば容易にいけるのだが休日開館が限られているために、という理由をつけて敬遠していた展示。それこそ10年来、見たい展示No.1という不思議な地位を保っていた。
 法隆寺壁画、神護寺の画像群、西大寺の十二天、高松塚、奈良・法華寺の阿弥陀三尊、国立博物館の所蔵品と絵画史を考えても、知名度を考えても見ておきたい作品ばかり。
 リニモに乗れば容易にたどり着ける所に展示されているのに、活用しないのは、やはり、もったいない。
 安城の本證寺の聖徳太子伝だったか? の模写も始めた所という事で、完成すれば安城でも展示されるのかもしれない。少し先の話にはなるが。
 原本は掛け軸なのに模写は額装と保存のことも考えられている。

名古屋市博物館 はくぶつかん講座
紺紙に隠れた文書
 紺紙金泥の法華経に赤外線をあてたら、紙背文書というか肉眼では見えない文字が書かれていたという話。内容も栄西の次の東大寺大勧進の関連と興味深い。
 甚目寺展の青不動にも会えた。
 あっ、そうそう、四天王像の年代だが、性海寺の四天王像となんか似てる気がするんだよね。首のホゾの、あのポロっと落ちそうな感じとか。
 愛染明王と関連して、須弥山世界の荘厳としてセットでつくられたとかないのかな?

JR名古屋タカシマヤ
さくらももこ
ちびまる子ちゃん展
 親鸞聖人が展示されていた空間に、ちびまる子ちゃん。
 やはりマンガのカラー原画はきれい。
 知名度的に「ちびまる子ちゃん展」になるのだが、コジコジなども展示されている。

名鉄百貨店(本店)
第2回大トリックアート展
 せっかくの展示なのに人入れすぎ!
 写真撮影OKなので、順路にカメラを持った親が、作品の前に子供が、その前を通ることもできない。
 動線と展示をねったり、入場者の制限に工夫が必要なのでは?
 体感型の展示なので、直接的に博物館と比べるのは問題があるのかもしれないが、トリックアートはエッシャーなども含めて、美術館も管轄する領域。
 観客が多いとか少ないという議論ではなくて、なんか、博物館のインフォメーションに取り入れるべきなんだろうな。

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2011年08月07日

2題

斎宮歴史博物館
海をこえてやってきた!
 三重県立博物館の館蔵品を中心に海上交通路としての海に焦点をあてた展示。
 国図や海路図から海岸線や海路の想定、文物として運ばれる遺跡からの出土品。
 伊勢から海を使って三河へ行った持統天皇。
 海上安全の祈り、産物としての鯨と、案外にてんこ盛り。
 それらの膨大な情報をコンパクトにポイントを押さえて解りやすく展示している。

岐阜市歴史博物館(岐阜公園)
国宝 薬師寺展
 破格な特別展。聖観音、吉祥天女像、僧形八幡神像と、国宝がぞくぞく。
 1階企画展示室に薬師寺の歴史と什宝。2階に美濃と薬師寺の関係というか壬申の乱にちなんで。加藤栄三・東一記念美術館(金華山ロープウエイ乗り場すぐ)に散華の下絵など、薬師寺に収められた近現代の作品を展示。
 聖観音は野中寺の弥勒像が666年で、野中寺像より後出であることは確か。川原寺の瓦との関係も聖観音の方が後でいいのでは? ただ、古くなる要素として、脇から見た時に、衣紋のヒダが単調、あくまで正面からの鑑賞を基準にしている。この制作方法は、飛鳥仏の特徴で、北魏のレリーフ状の作仏の流れをくんでいる。スタイル的には白鳳仏だが、造形において飛鳥の様式を内包している。天武朝段階と考えていいのではないか?と、考えると680〜686年くらいなのかな? ここまで古く見る人も少ないのかな?

岐阜市歴史博物館(岐阜公園)
織部・大数寄(ダイスキ)・コレクション
 この夏は黒織部押し! なんていうの、モダンアートと言っても過言ではないくらい洗練された幾何学模様がたまらない。黒という無彩色も、そのモダンさをより引き立てているような。
 どうも、「織部」というと、「ハイハイ、アレね」的な予定調和があって、まあ、それもないと、織部ぢゃないんだけどね。
 それよりは、信長像、豊国大明神像と展示されているので国盗りに焦点をあてて楽しみたい。

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2011年07月30日

3題×2

祖父江町郷土資料館
昔のくらしと夏のくふう
 まあ企画展というか玄関に風鈴と企画展示室に蚊帳がつってあるくらいか? あんまりピンと来ない。
 せっかく企画展示室があるのに、なんか活用のピントがずれてるんだよな。
 ようは祖父江のビジターセンターで昔の道具を衣食住、年中行事に着目して展示してある。ある意味、展示が常設展で完結していて、
 逆に牧山や文人に着目するにしても、必ずしもビジターに親切ではない。短冊なり老子の講書なりの実践的な翻刻を変体仮名の存在から説明するような展示をB紙程度にまとめてみてはどうだろう? ああ、あと文人の説明のキャプション字が小さい。14~36ptくらい? 展示ケースあるから印字してみていろいろやらないといけないんだけど。

祖父江支所ギャラリー
いなざわの歴史
 一色青海遺跡、尾張国分寺、聖徳太子、涅槃図だったつけ? パネルによるコラム展示。
 尾張国分寺の報告書、出てるのか? また買えないのかな? 聞けばよかった。A案、B案並立はいいが、近年のネット上の研究、いわゆる変形寺域論や西院伽藍の可能性についてリジェクトして本当に最終版なのだろうか? あと、北端については、きちんと航空写真から検出可能。考古学だから歴史地理学的手法はとらないというのは潔いが偏屈。
 いかん展示と関係ない話をしてるな。なんていうの、パネルによるコラム展示には限界があるという前提が見え透いて気分が悪い!
 それこそ「梅鉢文に萌え!」的なコラムってパネル展示に向いてるんだよね。あのまま説明しても小学生でも理解できると思っちゃう人なんで、ハードルが高いか? もっと自分の専門分野でいいからフルスイングして欲しい。

名古屋市博物館
仁王立像修復記念 特別展
甚目寺観音
 音声ガイドでは慶派の流れ的な解説をされているが織豊期の典型みたいな仁王像。
 この仁王像の年代から考えて、十王の年代も、仁王に非常に近接していると思う。
 なんていうの、かわいい系の顔が大きくて頭身数が減るような感じが宿院仏師とか近江の弁天像と共通する。
 地元の大工? が中央なのだろうか? 修行を経て仏師として活躍する。信長の焼き討ちブームから秀吉の寄進ブーム的な流れ。
 案外、仁王と十王の方が現在の研究段階として熱い! まったく色物という意味ではなく。
 愛染明王も語っておくか。造立時期や造立主、納入品、手に施された呪術。全てにおいて恐ろしくなるくらいの凶器というか最終兵器としての愛染明王。
 こう書くとオカルト好きと思われるだろうか? いたって、まじめなんだけど・・・
 こういうものが甚目寺にも施入され稲沢の性海寺。なぜ二ツ寺神明社のみを福島正則時代まで下げる必要があるのか疑問に思う。神明社の成立を伊藤氏は、さらに明確に言及すべき。オレが掘った遺跡は古墳で県埋文の某が掘るとハズレばかりというのは研究者として真摯的なのだろうか?
 質問で補えばよいと考えたのかもしれないが、世の中は、そんなに甘くない! ドイツ式の考古学で、これでもかこれでもかと資料批判を行って、それでも古墳以外は考えられないということは、人にモノを説明するイロハのイなのではないだろうか? そのように重大なことを質問で補えば、あるいは一切考えていないとすれば、扱った資料、報告された内容にもマユにツバをつけなくてはいけなくなる。氏は、多くの知見を無に帰すつもりなのか!
 能田旭の墳丘だけでも、一般に考えたって要説明なのだ、二律背反してるから。
 と、冬の講演会の感想になってしまった。

織部・大数寄(ダイスキ)・コレクション
 名古屋市博物館と徳川美術館に織部作の茶杓が出ていた。
 名古屋市博物館は陶器としてのザ織部的な作品を集めていた。
 しかし、オススメは実成寺の織田敏定の肖像画。織部よりは時代が前になるが、尾張における肖像画の傑作、信長政権樹立の舞台装置としての織田本宗家というは『へうげもの』見るにも『江』見るにも、あっても損はない知識。

徳川美術館
徳川の姫君
 大丸松坂屋から徳川美術館に寄贈があったのは、当たり前にショック。これがクラウンジュエルとしての行動なのか? 不動産の動産化なのか、いまいちつかめていないので、厳しいことは言えないが、収蔵品が散逸していることには変わりがない。
 大丸松坂屋コレクションをプレゼンテーションする展示が何回かおこなわれ、再評価も、そろそろという矢先なので、やはりショック。1具の価値、研究され続ける価値、その価値に裏打ちされた信用というプライスレスな存在なんだけどな。
 まあ、学芸課が解体とかなって、何も知らずにウエスとかに使われたら身も蓋もないからね。
 展示は殿様につづいてお姫様。

名古屋市蓬左文庫
歿後400年 加藤清正の時代
城造りあれこれ
 加藤清正も織部や江と同時代の人。朝鮮出兵で虎を倒した人というと逸話だけ聞いた人もいるのかもしれない。なんと、その虎の頭蓋骨が展示されている。
『戦国鍋tv』でも、アイドル歌手として出演していたり、それこそ明治神宮の清正井、名古屋城天守閣の石垣と、知り始めると興味が出てくるでしょ?
 城造りの方は、多くの曲輪図。清須城の曲輪図は、あんま見たことない図だった。五条川の川州になるのか? 河道の他に沼があって、どちらが本流なのかよく判らない。
 全国の城の曲輪図や兵法の資料も。

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2011年07月10日

3題

三重県立美術館
福田繁雄大回顧展
 美術の分野で福田氏といえば、この福田繁雄の一族ではないだろうか?
 福田天人氏が画家と紹介されて「この一族?」と思ったのは、何日目だっただろう?
 本題とそれた! 現代アートというと難解の代名詞みたいなモノだけど、福田のアートは明快。
『日曜美術館』で紹介されたので、印象深く思っている人も多いだろう。
 個人的には柳原館の方を先に見ることをオススメ。濃密な福田繁雄のエッセンスが凝縮している。
 そして1階の企画展示室へ。2階常設展の第2室がトリックアートと現代アートのセクションになっているので、入り口で展示目録を受け取ることもオススメ。
 誰の、どの作品が、どんな所で共通しているかが、しっくりと頭の中に入ってくるのではないだろうか?
 そして思うの。福田繁雄だけがアートしてたわけではなくて、時代と呼応しながら作品、作ってたんだなって、

鈴鹿市考古博物館
国府の歴史地理学的研究in鈴鹿
 ロビー展なので数は少ないが、伊勢国府の研究史がしっかりとつかめる展示。
 京都大学から所蔵品を譲り受けた、ことによる展示。
 でも国府の地名の残る三宅神社の辺りは、本当に非国衙なのだろうか? 川を挟んで北側に国司の政務室である長者屋敷があって、南側に在庁官人層の執務室的な組織が展開してたとか、時代が下るにつれ、在庁官人の勢力が強くなったり国庁の機能や建物が廃れて里内裏的に三宅神社付近を中心に国衙機能が移転したとかは、考えなくてもいいんだよね、考古学では。
 まあ、余所のことだから越権行為的だが。

愛知県美術館(栄)
東北復興支援 特別企画
「棟方志功 祈りと旅」展(仮称)
 東北の飢饉とか地震とか歴史の積み重ねとしての悲劇が、棟方という語り手を通してスパークしたような展示というと、震災を軽んじているとお叱りを受けるだろうか?
 弁天様もいいし、十大弟子もいいし、乾坤の柵もいいし。
 今、見ておきたい日本の美。

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2011年07月09日

へうげもの3題

愛知県陶磁資料館
アンデス・メソアメリカ文明展
 ついでと言ったら失礼だが、しっかり見てきた。
 いまだにオルメカ文明が、どの辺のだかよく判らない。ちゃんとキャプション読もうよ…
 中米を、メキシコを中心としたメソアメリカ、南米の北部のアンデス、その中間領域と分類して、それぞれの歴史遺産と現在のメソアメリカの文化をコンパクトにまとめてある展示。
 日本に所蔵されているメソアメリカ文明のような側面もあり、所蔵先がユニーク。

愛知県陶磁資料館
へうげもの関連
 愛知県美術館の木村定三コレクションを中心に常設の日本の焼き物の一部として構成されている。
 まあ桃山~江戸の陶磁は織部好みのみではないが、逆に初心者にも、奇をてらった独特の物腰が親しみやすく、これまで堅苦しくて敬遠してきた向きも、入門として楽しめるのではないだろうか?

瀬戸蔵ミュージアム
織部・大数寄(ダイスキ)・コレクション
 あの焼き物曼荼羅の中に織部が展示してあるの。想像しただけで壮観でしょ。
 須恵器から桃山前夜までのロクロに代表されるシンメトリーの造形が、突如、碧、黒、赤、白の原色に近い彩りを伴って、崩れていく。指により、ねじ曲げられた沓茶碗。四角を2枚重ねたような織部の向付。
 瀬戸市の歴史としての信長による瀬戸山離散から美濃での織部・志野の萌芽。瀬戸への逆輸入とダイナミックに地域のクロニクルが展開している。
 加藤春岱の作がすこしまとめて見れるのか?

徳川美術館
徳川美術館の名陶で楽しむ
やきものの色とかたち
 常設展の茶の湯のセクションも、へうげもの関連。展示替えもあるので、チェックしておきたい。
 企画展は前にレビューしたので割愛。
 あと、蓬左文庫に展示の涅槃図。痛みはあるものの、彩色のよく残った大幅。涅槃図というと、下半分の群像のイメーヂが強いが、なんせ大幅なので下はあまり見れない。その分、写真図版が展示されているので、それで確認したい。

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2011年07月04日

レオナルド・ダ・ビンチ

四日市市立博物館
レオナルド・ダ・ビンチ
もう一つの遺産
 そんなにレオナルド・ダ・ビンチというと「絵画の人」というイメーヂがあるのだろうか?「もう一つの遺産」と言う副題があまりピンと来ない。
 技術屋というか夢想家としての側面をファクシミリ版の手稿から照らし出した展示。手稿から復元される再現模型も多く展示されていて入門的内容。

四日市市立博物館
学習支援展示(常設展示室内)
四日市空襲と戦時下の暮らし
 まあ、毎年恒例の展示。
 新鮮だったのは防空壕の模型の展示。名古屋などでは考古学的な調査対象にもなっているが、模型で展示されると解りやすい。

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2011年06月25日

3題

 個人的にはルネサンスから無敵艦隊の敗北までは西洋においても〈近世〉という概念で考えていいのでは? と思う。つまりフェルメールやレンブラントは国芳や写楽と比較しても似たような結果を得られるのではないか?
 1番、大きいのは美術の庶民への浸透。「夜警」は役者絵よりは蒹葭堂の肖像画に近いのかもしれないが。も1つは自然科学の浸透。「地理学者」がいて大航海時代というものが立ち現れるのと同じように伊能忠敬が日本地図をつくる。
 案外、ルネサンスから無敵艦隊までを〈近世〉と考えるのは西洋史家には一般的なのかもしれないが。

豊田市美術館
フェルメール
《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展
 オランダの〈近世〉絵画の総説として、よく体系化されている。「地理学者」がなくても見る価値のある作品群。
 神話画、肖像画、風景画、海、静物画。その画題から施主の顔も立ち現れてくる。
「地理学者」は、もう圧巻。でも壁の所にアルファベットが振ってあって、作者名でもなさそうだし整理番号? あれが意外に1番のナゾ。

名古屋市美術館(伏見)
レンブラント 光の探求/闇の誘惑
版画と絵画 天才が秘めた明暗表現
 レンブラントと言えば「夜警」に代表される光の絵画だが、今回は版画に焦点をあてた内容。
 メインは版画とは言え、数は少ないものの油彩画も展示されており、いわゆるレンブラント・ライトを多能できる贅沢な展示。
 版画のレンブラントは一言で言えば「闇」。長谷川潔が「黒の版画家」と表されるが、その何百年も前に、試行錯誤の中、あの闇の表現にたどり着いたのはスゴい。
 版画の用紙に、こだわったり、同じ版を改版しながら刷っていくような過程も展示されていて、間違い探し的に楽しめる。

名古屋市蓬左文庫
建中寺と尾張徳川家ゆかりの寺院
-法然上人800年大遠忌-
名古屋の天王まつり
 当麻曼陀羅(0626まで)が展示されていると言うことで見に行く。非常に大きな掛け軸で上部のみの展示だが、痛みもあるものの、彩色がよく保たれていて、入門者にも見やすい。
 徳川一門が浄土宗だと言うことを、本当に、ここ数年、最近まで知らなくて、今回も法然の800年忌の関連企画。
 名古屋の天王まつりは山車祭になるのかな?

徳川美術館
徳川美術館の名陶で楽しむ
やきものの色とかたち
『へうげもの』関連企画。アニメ見てるから「荒木」が展示されてるだけで、超テンション上がった!
 章別がこっているので、器種と焼き方が頭に入ってないと難しいが、もう、尾張徳川コレクションというだけで、それはザ茶道具的な意味合いがある。

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2011年06月20日

3題

岐阜市歴史博物館(岐阜公園)
古地図~地域から世界へ~
 前期展は岐阜県図書館の蔵品。後期展は岐阜市歴史博物館の蔵品の展示で今は後期展。
 伊万里焼の日本図がいいの。小人黒とか女護国とか実際にはない島や松前と蝦夷が別々に描かれていたり、当時の地理認識というか思想性がキレイにでている。
 古地図と言えども、荒唐無稽性だけが際立つのではなくて、村絵図や城下図、曲輪図なんかは生産性や軍事的な性質の中で正確を旨として描かれていて、そちらが中心の展示になる。
 イントロとしての日本図、(1)村絵図・町絵図、(2)国絵図・藩領図、(3)合戦図・城絵図、(4)近代の観光を目的とした鳥瞰図という章別け。
 鳥瞰図も見るべきがある。富士山を表現するために渥美半島が消えたり、伊勢湾から北を見るのか、金華山から南を見るのかで、当たり前だが全然別の図面になる。

一宮市博物館
硯ことはじめ
 民俗と考古のハイブリットな展示。
 民俗の方の筆と墨で筆記する文房具の総説はためになる。墨、筆、紙、硯の伝統工芸としての制作方法が詳しく紹介されている。
 考古の方は、うらむべくは立ち位置がはっきりしない。中央の優品の総説にするのか? 地域の硯のレビューにするのか? ハイブリットというか硯の種類に応じてカテゴライズして並べられている。どうも過去の文献や展覧会で注目を浴びているものを中心に集められた感じがする。それだけ研究の進んでいない分野と見るべきか?
 実は稲沢に硯の専門家がいるのだが、所蔵元程度のあつかいで、その辺のリサーチも、いささか甘いという評価は厳しすぎるか?
 煤を集めるための蓋の遺物展示は貴重か。

春日井市中央公民館
 森浩一文庫展示
寺社境内図の版画展
 前期・後期で展示替えの部分もあるとのこと。1フロアのこぢんまりとした展示。
 境内図と本尊のお札というのは、近世の旅のアイテムとして注目すべきもの。
 そのようにものが収集される形で名所図会のような絵入りの地誌が誕生するのではないだろうか?
 そんな中で「大念仏會中出店図面」は異色の境内図。いわゆる壬生寺の大念仏會(壬生狂言?)の時の出店の領域図で、一般向けに配布配布された境内図とは異なるのではないか? 興味深い資料。

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2011年06月12日

2題

名古屋市博物館
フリールーム
3000年前の名古屋
-緑区雷貝塚・守山区牛牧遺跡-
 名古屋市内の縄文遺跡の展示。
 出土地不明の東北のものなのかな? いわゆる亀ヶ岡式と呼ばれそうな、つるつるで太い線を配置した鉢も何点か展示されていた。
 縄文は判らないので、見ただけ。

名古屋市博物館
テーマ10
古筆のたのしみ
 展示にちなんで、はくぶつかん講座があったので、それを含めて。
 圧倒的に数をこなしていないからなんだろうけど、読めない。開き直って読めなくても仕方ないと思う。読みを確定していくことは、もちろん大切なことだが、可能性の幅を追求していくという意味では「○○かもしれない」という可能性は幅として必要! と開き直ってしまえ。
 掛け軸と屏風、手鑑帳の展示。手鑑帳は展示替えアリ。
 日本において、どのように古筆が鑑賞され、どのような権威付けがなされていたかも理解できる展示。
 個人的に一等は「夢記切」内裏に女房がいて犬がいてという内容。『枕草子』に取材できそうな「内裏・女房・犬(翁丸)」という組み合わせ。それと明恵の「犬好き」という属性。『枕草子』の享受が典籍であったのか口伝えだったのか興味がそそられる。(とか書いたら激怒する人もいるんだろうな)
 藤原俊成が定家の父で冷泉家の先祖になるというのはあんまりピンとこなくて、慈円とか宗尊親王とか、その古筆の中や極札に登場する人名にキュンとなる。

松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
誕生110年記念
荻須高徳展 憧れのパリ・煌めきのベネチア
 松坂屋美術館、美術館「えき」KYOTO、稲沢市荻須記念美術館、日本橋三越本店の巡回展。
 なんで展示目録がないんだ?
 これまで、あまり紹介されていない作品も多いのではないか?
 1930年代、1950~60年代、1970~80年代と作風の変化が丁寧に追える。
 パリ、肖像画・静物画、ベネチアという章別。ベネチアの作品群に代表されるのだが、オギスと言えば反射の画家なのではないだろうか? それが写生による探求によるものなのか、絵画描写論的な技法論の体得によるものなのかは今後検討がなされるべきだろう。
 しかし、例えば、51では水面の中央の白の描点は見ようによっては違和感がある。これが1930年代の作品。これが50~60年代には53のように3m程離れて水面を見た時、絵画として描点が消失して反射そのものになる。これが70~80年代になると60のような、技巧的にさえ見えるのだが、手前の建物を黒っぽく描き、最後方の建物のみ黄色くし、水面の反射にコントラストを強調する作品群になってゆく。54もいい。オギス作品の特徴は2回見られるということ。まずはギリギリまで近づいて筆運びに注目してみる。筆の勢いと筆致。次に3m程離れてみる。近くで見た描点がすべて消失して絵画としての作品が立ち現れてくる。無造作にさえ思える絵の具の重なりが見事に壁や水面になっている。
 画集よりも、やはり実物をみたい展示。

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2011年05月28日

4題

豊橋市自然史博物館
表浜の生きもの
 エントランスでのパネルを中心にした展示だが、しっかりとした図録もある展示。
 表浜というのは三河湾に対して太平洋側を指し、伊良湖岬から浜名湖の辺りまでと定義していた。
 島崎藤村の「椰子の実」は伊良湖岬に南の島から椰子の実が流れ着いたことを柳田国男が語ったことに取材されていることに象徴されるように漂着物。
 海外からのゴミもそうだし、漁具や、波の浸食により削られたガラス片。生物の死骸も例外ではない。
 そのような物を丁寧に標本にしている。
 展示見て図録買って夏には表浜にいきたい。

豊橋市自然史博物館
ダイナビジョンシアター(大型映像)
ダイノトピア 失われた恐竜王国
 恐竜が出てくるというだけの非常に娯楽性の高い映像。
 ストーリーがどうのとかプロットがどうのとかは、まあおいておくとして、原理主義的には娯楽映画なら映画館でやるべきでは? と言われかねないのでは?
 引き合いを出すべきではないが、シーモンスターのような娯楽性の高い科学映画と、このような科学性のフィクションの娯楽映画では質的に違うのではないか?
 まあ、コンテンツを、どうこうするにはマーケティングや実際の入館者数を比べて詳細に議論されるべきなのかな?
 個人的な意見を言えば(と言いつつ徹頭徹尾、個人的意見なのだが)科学館・自然史博物館では娯楽性はさておき科学的なコンテンツを見たい。それはダイノトピアを上映してはいけないと言うわけではなく、もっと融通を効かせて、例えば夕刻から2時間くらいのミュージシャンのライブ映像をワンドリンク付きで見せるような活用するくらいの幅は映像展示施設を持っている強みとして考えてもいいのではないか?
 そう考えた時に、子供向け娯楽映像としてダイノトピアが適切なのか? まあ、恐竜売りの博物館だしな・・・ 時間の制約によるプロットの甘さでもない気がするんだよな・・・

豊橋市美術博物館
カンヴァスに描かれた女性たち
 巡回展で4月始まりなんだけど外国館からの借り受けが311以前のようでラッキーな展示。
 ともすれば数年、このような展示は見れなくなるのかもしれない。
 ルネッサンスくらいから印象派の手前くらいまでの女性をあつかった絵画の概観。
 聖母子像、神話としての女性、肖像画、娘、母子と聖母子がふつうの母子になる過程のような展示。
 ルネッサンスというとイコノグラフが柔らかく崩れていくような時代。儀軌なしで女性像として見ても楽しい展示。

豊橋市美術博物館
「新」収蔵品展
 1点を上げれば上田薫氏の苺の作品ではないだろうか?
『トリックアート』展では、はっきり言ってピンと来なかった作品群だが、1975年の作品だと知って改めてすごいと思った。
 このようなスーパーリアリズムの作品群はインクジェットの発達と照らして考えるべき。その意味で1975年という時代はスゴい。

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2011年05月23日

2題

名古屋市博物館
古代メキシコ・オルメカ文明展 マヤへの道
 オルメカ文明ってどの程度の知名度なんだろう?
 メソアメリカ(中央アメリカ)のマヤ文明の直前の文明になるのか?
 ネイティブアメリカンの文明というと金製品を考えるかもしれないが、オルメカ文明展では金製品はなく、玉製品を多用している。
 仮面、石斧、石斧をシンボライズした石碑的な威信財と巨大な石造物、その拓本を興行的に勝れたやり方で展示している。
 音声ガイドが時間的にも充実していてほぼ全品解説なので、1時間程度の時間があれば活用も考えたい。

徳川美術館
名古屋市蓬左文庫
臨時企画 春季特別展
徳川将軍と尾張の殿さま
 すでに終了してしまっている。
 家光の名古屋下向の代替だが尾張徳川家のクロニクルに終始。
 家というモノが機関として働いていて、養子の取り方など調べると秀逸!

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2011年05月17日

古陶の譜

愛知県陶磁資料館
古陶の譜 中世のやきもの
-六古窯とその周辺

 タイトルとポスターから館蔵品展だと勘違いしてた。
 ミホ・ミュージアムで図録を見て、いわゆる「正和の壺」が展示されてるらしいと言うことで見に行く。
 展示もさることながら、図録も含めて、中世の陶磁の概観として中世のブツの研究者なら見ておきたい、図録は所有しておきたい。図録すごいのよハードカバー布装、箱入りとバブル以前の陶磁全集を彷彿とさせる装幀。研究編も充実していて、当代一等の研究者の各古窯に対する概観が読み応えがある。図版はもちろんなんだけど。
 まあ、瀬戸、美濃、渥美、常滑は『窯変の美』と似たような組成になってしまうのか?
 他の地域は、当地の資料館から資料を借りてきている感じ。

 紹介が遅くなってしまったが、時間があって、あまり古窯の品に親しんでいないという人は見ておいて損はない。
 以後、福井と山口に巡回。

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2011年05月06日

3題

大阪府立狭山池博物館
新発見、安松田遺跡の東大寺瓦
 展示ケース1台だけの小さな展示だが、その意義は非常に大きい。
 いぶし工程の非常に希薄な酸化系の白色を呈する表明を持つ瓦。解説などでも他の東大寺瓦窯に先行するのではないかとされる。
 管見を差し挟めば、渥美窯の様式編年は東大寺瓦の年代を再建東大寺の開眼の年代を元に実年代を当てはめていたのが、これまでの研究の成果ではないだろうか?
 しかし、皿焼窯の五輪塔が重源ゆかりのものと考えられ、これまでの年代観と若干の狂いが生じていると思うのは筆者だけだろうか?
 まあ、伊賀別所・新大仏寺の木製五輪塔も含めて、その異形ぶりというのは五輪塔の研究者からも疑義が発せられていることもあり、今後の詳細な検討(あるいは四日市市立博物館・奈良国立博物館の研究)をふまえて十分議論されなければならないが、現在の私見を述べておく。
 まあ、後出しじゃんけんのきらいもあるが、伊良湖東大寺瓦窯の瓦について再建大仏の開眼供養の以後、あるいは大勧進が栄西に替わってからの瓦のような気もする。つまり、再建大仏殿は開眼の段階で非瓦葺き、あるいは今回の成果に頼れば安松田遺跡と、その周辺の瓦を限定的に使ったのではないか?
 1つの論拠としては『南無阿弥陀仏作善集』に伊良湖に対する記述が存在しないことがあるのだが、伊良湖での重源の窯業に対する殖産性を考える内に、ギブ・アンド・テイクのテイクのある場合には〈作善〉と考えなかったのかもしれないとも考えられ、もう少し熟考したい。
 その中で、安松田遺跡と伊良湖東大寺瓦窯の瓦の違いを考えた場合、窯内に炭素原子を充満させ瓦の表面に黒色を吸着させる「いぶし技法」の開発というのは1つ着目していい技法上の違いなのかもしれない。

飛鳥資料館(奈良文化財研究所)
春期特別展
星々と日月の考古学
 今年はキトラのはぎ取りの展示がないので落ち着いた人出。
 しかし、現物を実見するのも大事だが、毎年、地下で行われるモチーフをテーマに調べ上げられた展示は図録も含め、見ておく価値のある展示。
 今年は、天体図をテーマに東洋における天文学の発達と思想を概観できる。

大和文華館(奈良・学園南)
開館50周年記念 特別展I
女性像の系譜
-松浦屏風から歌麿まで-
 改修が終わり門前の駐車場が整備され、展示施設までの道のりも石畳に改められた。
 駐車場は申し分ないが、石畳は改修から日も浅いこともあり落ち着きが少なく感じられるが、数年とか十数年というオーダーでじっくりとしっくりしていくものだろう。
 松浦屏風の展示にあわせ、ひろく美人画を集めた展示。
 展示室に、ぎっしりと美人画が集められているのは壮観。目新しいものも多く、入門者のみならずクロウトの鑑賞にも十分堪えうる展示なのではないだろうか?

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2011年04月30日

3題

奈良国立博物館
誕生! 中国文明
 王朝、技術、美術の3つのテーマの中国文明の誕生に迫っている。
 あの宝冠如来坐像を見れただけでも貴重。日本の仏像は白鳳期にはレリーフのような浮き彫りではなく立体を意識するのだが、この像は大きさもあるのかもしれないが、横から見ると非常にスマート。正面から見ることが1番に意識されている。
 順番に説明すると、紀元前10世紀頃の青銅器。青銅器には所有者の名が刻まれ、権力の象徴として使われる器種・数量が規定されている。
 玉類は権力の象徴であるのと共に、呪術力のあるアイテム。身の回りの品にも玉が使われる。呪術力から屍の腐食の防止を祈る行為も行われた。

 中国文明の入門向きの内容。資料も1等級のモノが来ているのではないだろうか?

MIHO MUSEUM ミホミュージアム
長沢芦雪 奇は新なり
 石山からバスに乗っていったんだけど、キリヤン似の眼光鋭い無精の口ひげを生やした学生なんだろうな20代の男の子が乗ってたの。隣に女の子が乗ってて、よく見るとイヤホンをおもやっこして、iPod聞いてるの、アベックだよね。なんか色白で、むちっとした感じがヒッキーみたいなの。えっと、何が言いたいのかって言うと、僕にとって「芹沢芦雪」っていうと苦手意識が、そのような白昼夢を見せさせるということ。
 ようは江戸時代後半の応挙を筆頭にして始まるような画壇の中の1人と考えられるらしい。
 その応挙の写実に近い内容を、きちんと研鑽を積んで蕪村のような文人画の系統にも、きちんと触手を伸ばしている感じ。(これで説明になっているか?)
 1点を挙げろと言えば、普通は虎と龍のふすま絵だろう。あと方寸の五百羅漢。
 ここで獅子図を1点あげよう。非常に荒々しいタッチで、虎図が動画の静止図と言うのなら、劇画タッチ。背景の金装飾は後補であると指摘されているんだけど、施主の意見もあったのかもしれないが、比較的早い時期に、あるいは芦雪の存命中に、そのような企図が行われ、芦雪に近しい人物の賛同の下に行われたのではないだろうか? と思わせるくらい、その装幀はマッチしている。

安土城考古博物館
大岩山銅鐸から見えてくるもの
 逆に、あれやこれやと並べると興味本位に並べてあるように見えてしまう。
 展示とは関係のない妄想なんだけど、大岩山の銅鐸って近畿的でも東海的でもないのかもしれない。近江式銅鐸を作ろうとして、あのような組成の銅鐸群なのかもしれない。それが現在の科学では近畿式が何例、三遠式がいくつとなるのなら、近江式の創造に失敗しているのかもしれない。
 そのような銅鐸の最終埋納が終わった段階で、薄型甕のモードがやってくる。庄内式が、どのような経路でV様式の厚甕から変化したのかは、よく知らないが、東海の薄甕は近江の様式を受けて成立するのではないか? その意味で大岩山銅鐸は再評価されるべきで、まあ、薄型甕の話は次回にまわすとして、畿内式と三遠式の折衷で大岩山銅鐸が出来ていることをイコノグラフとして示すべきでは無かったのか?
 複製を含めて多くの埋納銅鐸を集めているので入門の向きには、数が見れて楽しい。

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2011年04月03日

2題

常滑市民俗資料館
我が家の歴史展
大野佐治氏と斎年寺・金蓮寺
 大河ドラマの『江』にちなんで、江の嫁ぎ先である大野の佐治氏の展示らしい。
 ポスターには、よく見た事のあるダルマさんの前で弟子が腕を切る絵画が使ってあって、どうも佐治氏縁の寺院に伝来していたものだったらしい。
 現在は、京都国立博物館?に預けてあるとのこと。新館が新しくなったら、また展示されるのかな?
「慧可断臂図」が展示されている分けではなくて、写真パネルと模写?が展示されていました。
 企画展示室1室、しかも、この時期の展示にも関わらず、充実した内容に感じた。
 しかし、いかんせんキャプションが展示品の名称のみ、展示目録もなく、概略のA4片面の資料のみなのが悔やまれる。

高浜市やきものの里 かわら美術館
企画展
中国~朝鮮~日本 東アジアの瓦の流れ
 中国の半瓦当や文字瓦、高句麗の瓦が充実していた。
 日本の瓦も、ふだんあまり見られないような瓦が何点かあった。入門的内容。

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2011年03月27日

2題

京都国立博物館
法然-生涯と美術-
 親鸞の展覧会は多く存在するが、法然展は貴重。この展覧会というか、御年忌に併せて、多くの法然本、番組、企画が連動している。と言いつつ、ちょっとガッツリ法然を学びたいと思ったら『法然の哀しみ』をオススメしたい。
 当たり前と言えば当たり前のチョイスなのだが、法然を伝記、著作、周辺の人々から立体的に立ち顕している。梅原日本学というと膨大な資料を駆使した大胆な作業仮説という印象が強いかもしれないが、『法然の哀しみ』においては、法然の発心としての〈哀しみ〉に着目する以外は非常に慎重に膨大な資料を操作されている。梅原日本学のターニングポイントにもなっている作品だと思う。
 話がだだそれなのだが。
『法然上人絵伝』を手がかりに法然の生涯を映し出し年齢に応じたカタチでトピックスを立てている。
 顕密的に言うと〈生身の仏〉になるのだろうが、阿弥陀如来像の胎内に、さまざまな納入品を収める造仏の方法の多くの作品が取り上げられていた。阿弥陀との結縁という意味合いになるのか? 1点目の注目はココ。
 もう1点は「七箇条制誡」だろう。期間限定なので公式で展示期間を要確認なのだが、法然と親鸞(綽空?)をつなぐ貴重な資料を全文見れるのは貴重。(と、やや真宗よりなのだが)
 明治以降の研究史を考えると浄土宗は浄土宗、浄土真宗は浄土真宗と宗派ごとの研究が多くを占めている。もっと立体的に「一枚起請文」は浄土真宗にとっても重要な心構えだし、逆に『御文・御文章』は浄土宗にも貴重なのでは?
 いわば、三河の真宗教団のように法然も親鸞も大事という姿勢は、今後、注目されるスタンスなのではないだろうか?
 あ! そうそう、図録、買ったら、岡本太郎のポスター附いてた。なんか、ラッキー!


京都市美術館
親鸞展 生涯とゆかりの名宝
 親鸞展は、数多くあれど、どうしても三河や三重でやると三河と専修寺の資料ばかりになり、京都でやるとお西かお東のものばかりになるのを、非常にバランスよく貴重な資料、展開として重要なものを要点よくまとめてある。
http://www.shinranten.jp/
 こっちの親鸞展がビジュアル的・感覚的に親鸞の生涯を展示しているのに対して、京都市美の展示は一級資料を駆使して生涯を提示している。
 とくに注目すべき1点をあげれば『小経』『観経』の親鸞自筆注釈。あの細やかな書き込みの跡は一方で選択とか専修と呼ばれる浄土教系の諸宗にも、ちゃとした教義的研鑽が必要である事を示してくれる。

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2011年03月07日

2人展

岐阜県美術館
伊藤慶二「こころの尺度」・林武史「石の舞・土の宴」
 音声ガイドが無料と言うことで興味を持って出かけてみた。
 観覧料が800円ということで安いのか高いのか? 3~5百円、音声ガイドにバックされているとすれば借りなきゃ損になるのか?
 美術館のかけもちで時間的に借りれないこともあるだろうし、音声ガイド独特の雰囲気が苦手な人もいるだろうし、無料にして見かけ上、観覧料に上乗せしてしまうのは、これからの博物館と音声ガイドの関わりとして実験的だな。
 観覧者と音声ガイドを借りる人の割合のデータの蓄積はあるのだろうから、そのデータを補正しながら積極的に活用していくのも1つの手だわな。
 内容については現代美術なので差し控えよう。

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2011年03月05日

5題

豊田市美術館
柴田是真-伝統から想像へ-
『美の巨人たち』で特集された巡回展とは別の内容。ミュージアムショップで巡回展の図録も販売されているので、少し予算に余裕を持っていきたい。
 江戸末~明治の漆工芸家。「だまし漆工」と呼ばれる漆工芸でありながら、陶器や板の木目などをリアルに表現した作品群。
 ライティングや照明、作品保護の観点から作品は必ずしも見やすいわけではないが、そのような雰囲気もふくめて、作品の質感や技巧の精が際立っているようにも思われる。青海波塗りは、本当に繊細。
 巡回展が見れなかったことが悔やまれる。
豊田市美術館
Art in an Office-印象派・近代日本画から現代絵画まで-
 新収蔵品展になるのか? 豊田市制60周年記念で、館蔵品の優品展もかねている。
 どれがどうでというと不公平になるかもしれないが、上村松園の「つれづれ」は、それだけを目当てにしても十分なくらい。松園好きは必見、是真も一緒に見れるので、結構なお得感だと思う。
 現代作品、とくに最近の作家も展示されている。目に付いたのは蜷川実花氏。中央にだけ焦点をあわせて、まわりをぼかす、その色使い、まさに実花調。
 印刷技術も進歩しているのだろうが、額装の仕方も新たな技術・方法が工夫されていて、その見本市としても興味深く見れる。
知立市歴史民俗資料館
新収蔵品展
 知立駅で思い立って知立市歴史民俗資料館へ。図書館と併設のこぢんまりした展示室だが、東海道の池鯉鮒宿のビジターセンター、知立市の考古・歴史・民俗資料を、ちゃんと大づかみに出来る。
 新収蔵品は、ひな人形、ミシン、時計、戦時資料と、これまた、こぢんまり。
 近世の街道に興味のある向きは、一度は見ておきたい展示。
名古屋ボストン美術館(金山)
響きあう うつわ-出光美術館日本陶磁コレクション
 iPod音声ガイド有り。
 黄瀬戸、織部、志野から、はじまり鍋島まで。中世・織豊期から近世への陶磁器の概観。
 乾山のような有名作家の作品もあるし、古九谷などでも見応えのある陶磁器が、ずらりと並んでいる。まあ4階フロアだけなので制約はあるが、その時期の焼き物を大づかみにして、なおかつ鑑賞にも十分堪えうる欲張りな展示と言ってもいい。
 音声ガイドは、たいてい30分程度なので、鑑賞に要する時間の目安にもなる。人間の集中力の限界が30分~1時間、1時間を超えると数分程度休憩したくなる。音声ガイドの時間と、実際に博物館を鑑賞したい時間を考える。1時間なら聞いていない時間が半分あってもいい。30分で見たければ、音声ガイドはフル回転。
 音声ガイドの説明は、およそ前半と後半からなる。前半は展示のストーリーにあわせた説明、後半はその展示物の個別の説明であることが多い。逆に言えば、前半部分は、その作品の前で聞かなくてもいい。何がある、どうなっているの説明になってから、その作品の前に行けばいいのだ。
 いいか悪いかは別として、僕は音声ガイドはキャプションの代読として聞いている。と言いつつ、ガイドにない気になる展示物はキャプションを見る。しかし、キャプションも全て読む必要はない。目録に大まかな情報、図録には、ほぼキャプションの内容が全て書いてある。
 気になる作品の、気になる項目だけを見ればいい。作品の年代であったり、絹本・紙本のちがい、油彩かどうかは作品をじっくり見た方がいい。
 と、展示内容と関係のない話を、さらっと書いてしまった。
松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
松坂屋創業400周年・松坂屋美術館開館20周年記念
松坂屋コレクション-技を極め、美を装う-
 松坂屋の来歴、時代ごとの着物、年齢儀礼に関する衣装、武家の装いとして(たしなみとしての衣装・婚礼調度、陣衣装、能)と大まかに章分け(章名は私に改めた)されているのか?
 見所は、やはり時代ごとの着物の展示、たしなみとしての衣装・婚礼調度であろう。
 松坂屋における、ファッションとモードの研究の粋が、そこにあると言ってもいいのだろうか?
 徳川美術館が大きくバックアップして行われた展示のようだが、これくらいのことは松坂屋自体の学芸力で出来るようにしておかないと、宝の持ち腐れではないだろうか? それは、これからの売れ筋、商戦と、全くパラレルな出来事ではないのだと思う。

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2011年02月27日

2題

大津市歴史博物館
近江国庁と周辺遺跡
 常設展の1コーナーのみの小さい展示だが、かえって要点がまとまって優れた展示。
http://www.amazon.co.jp/dp/4787710370/
 これがセンセーショナルなタイトルだなと感じたのだが、改めて藤原仲麻呂をキーワードに飛雲文の瓦たちを見ると、ああ田村第も外区を大きく取るようなタイプと共通点が見えてくる気もする。
 周辺遺跡も遺物の展示でプロットだけのうらみもあるが、長年の調査の中で共通点と相違点が提出されていく中で、考古学的な国府とか国衙がおぼろげながら見えてくるのではないだろうか?
 尾張は、それらを借りてきて、並べ直していくだけだもんな。尾張は遺構というカタチでの考古学的蓄積が無い分、地名と類例から、大胆にきちんとした絵が描ける。
安土城考古博物館
近江の観音像と西国三十三所巡礼
 年度末の特別展としては破格な展示。
 まずは六観音に焦点をあてて、その変相としての三十三観音。西国の霊場としての西国三十三所に目を向けていく。
 発端は遺跡から西国三十三所の木札が出土したことに始まるのか。出土木札の展示と伝世の木札も広く集めている。
 と言いつつ、目玉は仏像だな。御衣木の用材ではないか?と推定される胎内の納入品も見られる。

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2011年02月26日

5題

神宮徴古館
新春企画展
国史の歩みI-クニの始まりと国家の成立-
 いろいろと経緯があるんだけど神宮徴古館の蔵品に国史絵画というのがあって、以前に一巡、展示されたように感じてるんだけど、その展示の2回目の初め。
 天の岩戸、天孫降臨、神武東征、ヤマトタケルから醍醐天皇、紫式部までになるのか?
 あまり広くない1室の展示だが、所狭しと絵画が掛けられていて、空間の制約を感じさせない。
 この手の絵画に興味のある方は、一度は見ておきたい展示。
 別バージョンというか神話の絵画の展示は奈良県美術館で以前展示されて図録が残っていればあるハズ。
神宮美術館
特別展
葉-歌会始御題によせて-
 毎年恒例の歌会始の御題に関する展示。と言いつつ、初めて見る。
「葉」というと植物を描けば、たいてい描かれる画題だが、改めて見ると壮観。
 せんとくんの兄弟になるのか? 葉っぱに乗った妖精の姿も。
松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
京都府立堂本印象美術館所蔵 生誕120年記念
堂本印象展 魂の美を求めて
 作風が大きく変わるようで、今回は晩年の抽象画に焦点を当てたような展示。
 と言っても、作風の変化が大づかみに出来るように、作風の変化の順に展示されている。
 堂本印象というと木花開耶媛に代表されるような、きれいな日本画の極みを想像していたので、少し拍子抜け。
 しかし、そのような作風の作品や抽象画も十分見応えのある作品ばかり。
 明日までなので、興味のある向きはゴッホ展などを置いても見ておきたい展示。
愛知県美術館(栄)
レンバッハハウス・ミュンヘン市立美術館所蔵
カンディンスキーと青騎士
 ゴッホ展、見に行こうか迷っているのなら、だまされたと思って、こっちを見て置いた方がいい。
 青騎士と聞いて、どの程度の人が、その言葉を定義できるだろうか?
 ようはポスト印象派の絵画理論が成熟してピカソが誕生する、その狭間の、ようはゴッホと、よく似た時代の作品群なのだ。
 ゴッホ展のように込まないので、作品の1点1点をじっくり見て回れるので、その描点限界まで近づいて、じっくり見て欲しい。少し長めの原色の描点。ゴッホと同じ。あれだ、あの点描の某という、、、と、この辺の作家の名前が出てこない。
 印象派、ホスト印象派、ピカソが頭に入っている人は、見ておくべき。って、もう見てるか。
名古屋市美術館(伏見)
没後120年 ゴッホ展
 すごい人。音声ガイドが微細なタグを読み込む形式で逆に、どこがすごいのか、よく判らないレベル。
 あれだけの人混みの中で、現物を見ると言うことと『日曜美術館』を見るという行為が、どちらが優位なのか? 両方見る人もいるし、鹿児島から九州国立博物館に見に行った人もいるだろう。
 あらかじめ人が多ければ見ないという先例にならなければいいが。

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2011年02月21日

2題

大阪歴史博物館
発掘された日本列島2010
 毎年、好例になって久しい展示。再発見も定着してきた。やはり公共工事が、なかなか行えない昨今、バブル期に行った発掘の再評価や啓発の意味合い。GPSやレーザー計測など科学技術の発達や若手や別の研究グループによる資料の新たな価値の発見なども「発掘された日本列島」の、これからのテーマになるだろう。(って、これ去年も書いたのでは?)
 そうそう、東国のパルメット紋というか、古新羅系というのか? 蓮子を楕円ではなくオタマジャクシのように表現するような系統の瓦を調べないと、尾張と河内だけでパルメット紋は、どうも完結する話ではないんだな。たまたま取り寄せた神奈川の図録でもパルメット紋の特集が組まれていた。泉官衙遺跡の瓦を見て再確認。
 地域展が本展示と同じぐらいのスペースで充実している。
 盾形埴輪に線鋸歯文が描かれるんだな。線違い鋸歯文の系譜も木製品のような遺物として認知しにくいモノも想定しておかないといけないのかな? 銅鐸から連なるトラディショナルな系譜を持つ文様なんだよね。

橿原考古学研究所附属博物館
埴輪のはじまり
 破片からだと、なかなか全体像が見えないというか、研究史が膨大な感じで劣等感の塊になってしまう埴輪の話。
 そうなんだ、箸墓は、まだ、特殊器台なんだね。埴輪の成立とヤマト政権の樹立というのは実は直結していないのか?
 朝顔形埴輪って、ようは器種複合で、高杯形埴輪なんて言うのもあって、それが、ようやく「ああ器種複合なんぢゃん」と認識できるようになって、どっちかって言ったら西の特殊器台、壺形、朝顔形埴輪の系譜と、仁所野のように、高杯にパレス壺を載せてタガをめぐらせるような、どっちかって言ったら東の系譜。仁所野は、どうして単発で、西の系譜が隆盛になるのか? と、展示には関係ない話をしてしまった。

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2011年02月09日

2題

岡崎市美術博物館(中央総合公園内)
スウィンギン・ロンドン50'S-60'S
 50'S-60'Sのポップ・カルチャーの展示。
 誤解を恐れずに言えば「古道具」の展示である。しかし、もう50年が経過しているのか? この辺りが文化財と認識されるのも、遠い先の話ではない。
 逆に「古道具」と認識してしまうことが、50'S-60'Sに何の造詣もないことの象徴なのかもしれないし、地デジ化や液晶の発達、Apple躍進という、ファッションの洗練なのかもしれないし、ポスト近代の視座に立とうとする発展史観の拒絶なのかもしれない。
 と、古道具を見てきただけでは考えないような思考回路が刺激されることから言えば、50'S-60'Sの、それは、すでに古道具の域を超えているのではないだろうか?
『69』に対する憧憬が強すぎるのかな?

豊橋市美術博物館
常設展示 第3期
 展示自体は終わってしまっているので備忘録。
 内田古窯は不思議な遺跡だ。いわゆる黒斑系の埴輪を焼いた遺跡らしい。
 土師器窯業が、この程度の窯構造を必要とするようになったのか? 須恵器生産の影響で窯を選択し火力の調節の知見に乏しく、結果的に黒斑系埴輪を焼くことになったのか? 疑問が疑問を呼ぶ。
 岡崎の外山3号古墳みたいに、真っ赤な無黒斑埴輪というのもあるし三河の特徴というか、三河部での技術伝播、蓄積を考えないといけないのか?

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2011年01月30日

3題

 講演会のレビューって本則、書くんだっけ? まあ、いいや、書いちゃえ。

岡崎市役所福祉会館
考古学フォーラム2010 年度研究会
『三河国造から青見評の時代 —西三河の6・7 世紀—』
 午前の講演のみの参加だったが有意義な内容。石神遺跡の木簡がメインになるのか? 飛鳥・平城から出土した木簡をもとに『旧事紀』に登場する「三河国造」を立体的に復元を行った労作。
 講師の説は『考古学フォーラム20』に詳しいので、私見を、差し挟んでおけば、
 碧海郡や宝飯郡の郷数の多さから、そこを拠点とする三河国造や穂国造は、やはり他の国造級の豪族より多くの覇権を得ていたと考えられないだろうか?
 三河国造の部曲として三河長谷部氏が考えられないだろうか? 優位豪族の使役民は、他の有力氏族との兼ね合いやトラディショナルな権威から国造並みの覇権を7世紀中頃には得るようになったのでは?
 そのような中で石神遺跡の木簡(9)は、当時の三河における番匠の組成を示してはいないか? あるいは時期的に北野廃寺なのか寺領廃寺なのかは疑問が残るが、三河の現地の大工の棟梁に当たるのかもしれない。国造級の子女のような団長を想定する(木簡の断簡や経済的に別組織であった)かは難しいが、渡来系の技術者(複数人の可能性も?)、各五十戸から赴任の人員。人員に漏れたところは米を供給するようなシステムは復元できないだろうか?
 三河の場合、○○の氏寺と言っても棟梁は渡来人と各評の部曲という組成は変化しないのかもしれない。
 そう考えていった時に、三河地域の中で1番に建立された寺院である北野廃寺は、最優位の氏族「三河国造」の氏寺である蓋然性は高い。あるいは7世紀中頃の段階で「三河国造」は「物部」あるいは「三河長谷部」を名乗っていた可能性は捨てきれない。
 まあ、逆に木簡や正倉院文書に、登場しないことが三河国造の豪族を支配し使役しうると言う優位性と考えて、北野廃寺は三河国造の氏寺と考えたい。
 あと、おもしろそうなのは、鷲取の部曲が鳥取なんだよね、たぶん。こういう言葉遊びは好き。

名古屋市博物館
はくぶつかん講座
中国の古鏡と神々の世界
 案外に、午後は名市博という人が多いのにビックリ。
 前漢鏡、後漢鏡がメインになるのかな? それを鏡の発生から霊力を失い化粧道具になるという宋以降の鏡までのクロニクルとして、よくまとまっていた。
 鏡の文様なんて、先達がいて、これは○○の絵でと教えてもらわないと、なかなか頭に入ってこないのでシリーズで何回かやって欲しいくらい。
 みんな興味があるようで、いつもより3割増しくらい? 結構な人の入りだった。

名古屋市博物館
常設展フリールーム
中国の古鏡と神々
 方格規矩鏡は覚えておくと、いい鏡なんだよね。その説明がフリールームの目録に付けられているので、実物を見れるのは、当たり前にありがたいが、この目録も価値がある。展示もねられていて、展示位置が見やすく工夫されている。
 あと、千光寺本の『覚禅鈔』が出てた。萬徳寺本も100巻というウリなんだけど、元禄?の写本が、それ以外にあって、ああ、県史が調査に入ってたな。
『覚禅鈔』は100巻説も、それ以上の巻数140~600だったか? 諸説あって、みんな、はっきりとしたことは知らないという、優れて貴重な古典籍。読めなくてもキュン死しそうな代物。

みのかも文化の森
「美濃の白隠」展
 紹介が遅れまして、大変申し訳ありません。
 みのかもです。白隠が美濃で修行していたのは知らなかった。
 禅画と文字資料。「白澤之図」ってのが、印象深い。

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2011年01月09日

低平地に築かれし古墳

北名古屋市歴史民俗資料館
低平地に築かれし古墳-河川・地勢・積層する営み
 高塚古墳・能田旭古墳の展示。小規模な調査で出土した埴輪類も展示されている。あと、岡崎の経ヶ峰1号の囲形と家形か? 導水施設・祭儀との関連として展示されている。まあ、その可能性の非常に高い資料だし、宝塚のはなかなか借りづらいし、そう考えた時に、うならせる渋い展示である。
 どちらも造出し附き円墳(広義でのホタテ貝式古墳)と考えていいのではないか? まあ、高塚古墳の方がイレギュラーチックで、周溝の深さの問題とか造出しの極端な短さは疑問が残るんだけど、出ちゃったもんは仕方がない。
 志賀公園の例でも判るように、造出し円墳の「造出し部」の特徴は盛り土をほとんど持たないこと。時代的に「前方部の極端に短い前方後円墳(狭義でのホタテ貝式古墳)」では、前方部には後円部の一段築以上の盛り土(一段築程度では不可)が必要なのでは? 時期的に前方部と考えた場合には裾部が広がるはずなのに正方形プランを持っているので、短絡的に造出し附き古墳と考えてしまう。
 どっちにしても埴輪が出ているから古墳と考えてしまうけど、埴輪が出なかったら、伊藤氏なら「古墳ではない」と言いそうな資料だ。埴輪の制作地の可能性も考えて十分に検討すべき資料と伊藤氏の手前は言っておきたい。伊藤氏の提唱する〈首長を必要としない社会構造〉の理論が今度のシンポジウムでは提示されるのではないか?
 まあウチは第3極だから、稲沢市域では比較的、全時期を通じて古墳が連綿と築かれたのに対して、北名古屋では埴輪が普及する時代に突如として古墳が築かれる感じなのかな?
 前方後円墳で80~100mとか円墳で40~50mというと、中程度の豪族層と考えられて、円墳を選択するか前方後円墳を選択するかは、当時の感覚としての「出自の卑しさ」とでも言うべきか? 前方部を獲得するのはトラディショナルな権威が必要になる。そんな中に「造出し附き円墳」というものが好まれる背景があって、プランが前方後円型を呈するのが前方後円墳に対する憧憬そのものなの。
 しかし、造出し部の盛り土に関しては厳格な「鉄の掟」が存在する。まあ、それを「畿内勢力からの許認可」と考えるか「隣の古墳だけ勝手なことしよって! という周囲のやっかみ」と見るのかは個人の自由だ。

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2011年01月04日

徳川園

名古屋市蓬左文庫
和歌の姿-詠歌の場-
尾張の神々
 1室が和歌と源氏。2室で尾張の神々。源氏はテキストと享受と入門的。江戸時代の文庫本のような絵入り本が気に入った。
 尾張の神々はデジタルミュージアムの方が、うまく見せられるのでは? とも思う。
『古事記』『日本書紀』と六国史、『釈日本紀』風土記の逸文、神名帳と古代に属するのかな?資料をあげて、現地の写真パネルと古典籍を使った蓬左文庫らしい展示。

徳川美術館
尾張徳川家の能
 能狂言の入門者は是非、見ておきたい展示。
 能面は翁、鬼、女、男と、それぞれにバリエーションがあり演目や年齢や属性で面が変えられるのがよく判る。

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2010年12月30日

親鸞展

JR名古屋タカシマヤ
親鸞展
 百貨店の催事場の展示にしては、しっかりとした内容。まあ防災上の理由もあり展示品は複製が多いが、親鸞という人物の入門としては十分に楽しめるのではないだろうか?
 山口晃氏が原画のパネルも多く、その方面からも楽しめる。

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2010年12月23日

2題

斎宮歴史博物館
三重県埋蔵文化財展
 久しぶりの速報展だな。速報展という視点に立てば粒ぞろいの優れた展示。嬉野のコップ形が興味深い。東海の所々に韓半島産の陶質土器が出るんだよね。
 ふと、映像展示について考えた。電車の時刻表とか考えてるんだろうか? 観光バスの観光客もあるので、トータルな兼ね合いなのだが、駅から普通に歩いて、間に合わないのは疑問符。と言いつつ、半分見も含めて2本見てしまった。うち1本は僕1人。見れば為になるんだけどな。

いつきの宮体験館
追儺まつり
 12回もやってるのに初めての参戦。陰陽道の追儺というのは珍しい。30分程の講座の後に庭に出で実演というか祭儀。体験型の祭儀というのも楽しい。市が立っていて「笑門」のシメ縄を購入。伊勢に行ったらコレだよね。

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2010年12月21日

エキシビション・オブ・ザ・イヤー2010

 そろそろエキシビションオブザイヤーの季節だな。少し遅いくらいか? 秋の特別展の大きいところをあらかた見た感じなので、そろそろリストアップを始めなければ。
 概況を語れば「白洲正子展」「會津八一展」のように誰かのフィルターを通して歴史を振り返ろうとする試み。白洲正子と近江の文化財。會津八一と奈良の仏像と相乗効果を十分に発揮できる内容にも思える。この流れで「岡本太郎と日本の伝統」的な展覧会はできるハズで、しかし、岡本太郎の作品群と日本の伝統を展示した場合、どちらも一級品が出ない、あるいは、展示数の限界から、どちらもおざなりなないようにもなりかねない。危惧する、内容の軽薄な「客寄せパンダ的な展示」の元凶にもなりかねない。
 と言いつつ「桃山展」「大津 国宝への旅」確かに展示内容を見れば、そのままのタイトルなのだが、タイトルのインパクトに欠ける展示というのも目に付いた。「どのみち観覧料だけではペイしないから観覧者動員数は二の次」というのもいただけない。
 と、たぶんこれだけ書いてしまえば、今年の特別展は総括してしまったのだと思う。そして、とりもなおさず、不景気とか仕分け的な元凶と、それに対する解決のヒントが隠されてるわけなんだわな、と外野はいいご身分で評論家でいられる。

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2010年12月20日

美の精髄

愛知県美術館(栄)
美の精髄 所蔵作品展
 宇多田ヒカル氏が鑑賞したと言うことで、早速、見に行く。
 玄人向け展示。愛知県美術館の所蔵品の構成を把握しておかないと、鑑賞の楽しみは半減してしまいそう。
 シロウトというか入門者には耳なじみのある作家やキーワードの展示をオススメしたい。頭に思い浮かぶイメーヂと展示品に開きがない方が疲れないから。
 そういえば奈良氏や森村氏の作品が出てなかったな。杉本作品もか。と、結局、所蔵品の全体像が頭にないと、善し悪しのわからない展示。
 出品作品は一級品ぞろいだけど、時期が合えば常設で見られる作品。遠くから「愛知県美術館のコレクションだから」と訪れるのにはすすめられるのかもしれないが、近隣の人は名古屋市美術館や松坂屋美術館、名古屋ボストン美術館などを先に見ておきたい。名古屋市美術館の常設はテーマが設定されていてオススメ。
 とか言いながら、宇多田ヒカル氏の見たモノを見れるというのは貴重だと思うよ。妄想デートとかできちゃうんだよ♡

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2010年12月13日

4題

 いかん! なんか長い文章が書けん。スランプか? まあ、スランプを理由に手短に書いてしまおう。

名古屋市美術館(伏見)
ポーラ美術館コレクション展
印象派とエコール・ド・パリ
 手堅い粒ぞろいのコレクション。画集に登場するような有名作品は少ないのかもしれないが、作家の筆致・特徴を端的に示す作品がずらり。
 この展覧会を通してみれば印象派、エコール・ド・パリのクロニクル・変遷を体得できる仕組みになっている。
 展示は1階が印象派。2階がエコール・ド・パリ。

松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
アール・ヌーヴォーのポスター芸術展
 ふと考えると、アール・ヌーヴォーと印象派、エコール・ド・パリは同時代になるのか? そう考えるとあわせてみておきたい展覧会。
 アール・ヌーヴォーのポスターというとロートレックとかミュシャとか作家ごとの展示が多い中で、ポスター芸術の変遷という形でストーリーを組み立てている。ある意味民俗学的でさえある。
 もう、そんな展示のストーリー性以上に1点1点が、すばらしい。お気に入りの1枚を見つけにいくだけでも行く価値がある。

瀬戸市美術館(瀬戸市文化センター 内)
杉山タカ子 革工芸展
関西出土の近代陶器 瀬戸・美濃窯の近代4
柴田一雄 日本画展
 革工芸を、ああ言う形で額装することに、まず新鮮みがある。幾何学的、あるいは曲線を駆使して形而上を表現したかと思えば、具象的なモチーフもある。ノーマークだっただけに新鮮な感動がある。
 どこまでが遺物なのか? という疑問はある。某遺跡でカクランから空き缶が出てきて賞味期限の表示があったの。カクランの年代を決めうる金石だと思ったら「なんで空き缶が入っとるの?」と捨てられてしまった。まあ、近代陶器はかれこれ50年以上前の話だから、れっきとした遺物なのだが「プラスチックの編年はしたくない」と蔑視の意思をあからさまにする考古学者も歴然といるわけだ。興味のある方は是非。

瀬戸蔵ミュージアム
瀬戸市埋蔵文化財センター企画展
古墳をめぐる~塚原第1号墳を中心に~
 瀬戸蔵初めて。常設の2スペースが企画展示のコーナーになっていて、現代物の展示とコレだったのかな?
『白瑠璃の碗』でも最初の方、尾張草香の関連の時代になるのかな? 須恵質の埴輪と5世紀~6世紀の須恵器。ガラス玉はホントに、よく見つけたなという小ささ。下原から運んできたのかな? 瀬戸にも窯があったのか? 青灰色~暗褐色の還元色の強い埴輪群。
 常設も圧巻。尾張瀬戸駅の街並み、輸出される瀬戸物、作陶の民俗学的な展示が2階。3階は窯業史編年曼荼羅。東海の産業としては窯業は欠くべからざる産業で、窯業の歴史・民俗のビジターセンター的な色彩が強い。一度は見ておきたい展示の1つ。

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2010年11月28日

4題

 結局、傀儡政権の容認か、首長と議会の権力の二重構造か、という2つの選択肢しかないのか? それでも「選んだのは市民でしょ!」と言われるのが真実の意味での民主主義なのだろうか? いいかげん、市民が立ち上がるべきなのでは? とツイッターに書くとリストのタイムラインが荒れるんだよね。書くにしても、あと、1言2言か?
 何て言うの、結局、僕は文化族だから文化事業の推進(そのためには産業の安定とか経済的な前提が必要なんだけど)という事に、どのようなマニフェストが提示されるのか? というのが注目なのだが、そんなこと誰も争点にしてくれない。まあモンスターシチズンの戯言なのだが、、、

碧南市藤井達吉現代美術館
千家十職×みんぱく展
-茶の湯のものづくりと世界のわざ-
 みんぱく(国立民族学博物館)の収蔵品の写し物というか、造形にインスパイアされてお茶道具を作ったらという展示。
 新作の茶道具とみんぱくの収蔵品が交互に展示されていて比較対照がすんなりとできる。
 お茶をやられる方が結構多く見に来ているようで、「この、しつらえなら、何月の頃」とか結構専門的な会話が聞けて為になる。そして、1人の方が1つの作品にかける時間が半端ない。じっくり見たければ、余裕を持って鑑賞したい。地下の年表なんかでも、ああこの時代はこうで、と10分近く(僕のいた切り取られた10分なのか)ああでもない、こうでもないと議論を深められていた。結局、藤井達吉が何者なのかよく解らない。

碧南市藤井達吉現代美術館
碧南の文化財4
鋳物師・国松十兵衛
 小さいつり鐘(半鐘・喚鐘)が3口、火入が1口。あと拓本が何点か、鰐口の拓本があった。
 A3の両面の資料なんだけど銘文の翻刻もついたしっかりした解説が付いている。
 碧南・大浜の国松家は滋賀の栗東・辻村からの移転してきた者なんだそうな。
 まあ近世の鋳物師なので都合が合えば見ておきたい展示。

名古屋市見晴台考古資料館(笠寺)
濃尾平野の遺跡
 名古屋市域の低地部の遺跡の総覧。
 若葉通遺跡の高杯の真ん中のヤツは器種複合では? 器台と鉢形の坩(こつぼ)の複合と考えてよいのではないか?
 一言で濃尾平野の遺跡といっても縄文から近世までバラエティーに富んでいる。「鹿と弥生人」というテーマのコラム展示で一色青海の筒形容器と土製錘飾(土製の舌ではないのか?)が展示されている。それだけでも展覧会におもむく目当てになる。

トヨタテクノミュージアム 産業技術記念館
竹中大工道具館開館25周年記念 巡回展
棟梁~堂宮大工の世界~
 産業技術記念館は初めて。紡織機械の数は圧巻。何度かに分けてじっくり1台1台を見てゆきたい。クルマもデザインの歴史ではなくて技術史の立場から、もっとメカニックな内容まで奥が深い。
 目にとまるのは解説の人の多さ。公営の博物館が財政的な問題から展示室内の解説者のボランティア化、削減をおこなっていく中で産業技術記念館の特異性を感じさせる。解説者の1人1人がキュレーターというか機械のメンテナンスもできる技術者なのではないか? 公営の博物館にも参考になる所があるのではないだろうか?
 本題、棟梁展。部材の型紙というのか? アールを指図する薄い木板が目に付いた。真弧が展示されていて「おさ定規」と呼ばれていた。大っきい、1メートルくらいあるものだったんだけど「西岡」と署名してあるの図録には「西岡常一使用」とされている。なんか感動した。

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2010年11月21日

3題

 そろそろエキシビションオブザイヤーの季節だな。少し遅いくらいか? 秋の特別展の大きいところをあらかた見た感じなので、そろそろリストアップを始めなければ。
 概況を語れば「白洲正子展」「會津八一展」のように誰かのフィルターを通して歴史を振り返ろうとする試み。白洲正子と近江の文化財。會津八一と奈良の仏像と相乗効果を十分に発揮できる内容にも思える。この流れで「岡本太郎と日本の伝統」的な展覧会はできるハズで、しかし、岡本太郎の作品群と日本の伝統を展示した場合、どちらも一級品が出ない、あるいは、展示数の限界から、どちらもおざなりなないようにもなりかねない。危惧する、内容の軽薄な「客寄せパンダ的な展示」の元凶にもなりかねない。
 と言いつつ「桃山展」「大津 国宝への旅」確かに展示内容を見れば、そのままのタイトルなのだが、タイトルのインパクトに欠ける展示というのも目に付いた。「どのみち観覧料だけではペイしないから観覧者動員数は二の次」というのもいただけない。
 と、たぶんこれだけ書いてしまえば、今年の特別展は総括してしまったのだと思う。そして、とりもなおさず、不景気とか仕分け的な元凶と、それに対する解決のヒントが隠されてるわけなんだわな、と外野はいいご身分で評論家でいられる。

春日井市中央公民館
特別展示
森浩一先生の足跡をたどる
 パネル展示。中央公民館は、はじめてだが知らないのはもったいない施設。
 森浩一文庫が併設されていて、森先生ファン古書ファンには垂ぜんの施設。
 森先生の頭の中へダイビングするような感覚。遺跡の報告書はもちろん。文献学、民俗学にとらわれることなく広く収集されている。文庫のセレクトの内容が、わざとそうしてあるのだろうが、入門者には入門者なりの読書、あるいは書籍案内になっている。気づいたところでは『ウェブ進化論』や『河原者ノススメ』なんかに注目した。
 古書としては六興版の『瓦と古代寺院』とか旧装の『神体山』なんかが注目。学生社の、あのシリーズは旧装でいくつか収められている。もう1つは2冊ある本。1冊は著作者寄贈。もう1冊は書評依頼の贈呈本と本の来歴も復元できるのが森先生の人柄なのかもしれない。

武豊町歴史民俗資料館
木造和船の歴史館1
-原始~近世前期の和船模型-
 スゴい! もともと常設展示に弁才船と菱垣廻船の模型が展示してあって、その作家さんが原始~近世前期の模型を新造されて、その展示。
 丸木船、埴輪の船、遣唐使船、絵巻物の船と見応え十分。
 こういう小さいけれど優れた展示を見つけると、すごくワクワクする。鋭意、図録作成中の旨。

杉本美術館(知多・美浜緑苑)
【続】杉本健吉が描いた東大寺
 2004年よりも前から「行ってみたい美術館」の1つではあった。なかなかいけなかった。やっと行けるまでに回復したのかもしれないとも思う。(全然、個人の主観だな)
 すごく雰囲気のいい街並みの中に、ひっそりとたたずむ美術館。美術館の裏が池になっていて、展示室から池と海が見える。みさきやマサシなんかも、ときどき疲れた時にやって来るんぢゃないのかな?
 話それた。奈良の空気感が画面からにじみ出てくる。コンテ画や雪の降る東大寺なんかが秀逸。
 一度は訪れておきたい美術館の1つ。

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2010年11月20日

3題

奈良県立美術館
會津八一のうたにのせて
 そうか! 見るなら新潟か東京だったか? ちょっと図録をば、仏像は優品というか、なかなか見れないうなるものが多いな。今回の展示では根津の観音菩薩と上野の見徳寺の薬師如来だけになるのか? 瓦が数点。
 會津の歌碑の拓本、寺宝の拓本から會津と奈良の関わりを、あぶり出している。自筆原稿も展示されていて、會津の歌に対するスタンスが解る。あと仏像写真。

入江泰吉記念 奈良市写真美術館
工藤利三郎・小川晴暘・入江泰吉
-會津八一と奈良の写真家-
 奈良県美とセットにすると楽しい展示。前半部分が入江泰吉賞の作品展。後半だけといっても、その狭さを感じさせない充実した展示。残念ながら図録がないので、万葉文化館の図録などで補足したい。

平城宮跡資料館(奈良文化財研究所)
 展示替えしてはじめて。新大宮からだと、あんなに遠いんだ。庭園遺構をまわって西大寺まで歩けば、結構いいハイキングコースだ。平城宮に結構人出があったのが、いい意味で意外だった。そのうち資料館へ行く人は・・・というと残念な結果なのだが。
 あの平城宮跡の瓦当の病理的な文様の萎縮はなんなんだろう? 大官大寺から、そんなに時間を経ていないはずなのに、その系譜を感じさせない。想像以上に時期差があるのか? 工人のサボタージュなのか? 不思議な感覚。その中で、瓦葺官衙遺構だったか? の細弁十二葉の瓦。なんとか、新しい型式を生み出そうとする息吹を感じる。と思うのは、尾張国分寺の菊花文(MV・MVI)の祖型を探しているからの欲目か。

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2010年11月14日

3題

京都国立近代美術館
上村松園展
 某所で今年イチオシの展覧会なのだが上村松園という人に明るくないので的確なレビューが書けるかどうか?
 ようは美人浮世絵の系譜なのではないか? 清長とか歌麿の系譜? 美人絵・美人大首絵を肉筆というか日本画でおこなった感じ。まあ、到達点は全く別の場所なのだが、、、
 展覧会の章別も、あまりピンとこない。極端なことを言えば女盛りと年増と2分できるのか? 案外、少女という作品はないのか少ないのか?
 まあ、あくまで記号化した〈女〉というものを描いているわけだから、それは逸脱した時の非難と自尊心の崩壊を考えたら、あくまで記号化なんだと思う。
 常設展示にも松園の作品はあるが、某所の押しのような気迫を感じない。常設展を見るのなら先に常設展を見たい。メインディッシュがあることを前提にながら見的に。。。
 いや、酷評してるみたいだけど、絵はキレイだし、展示も松園の生涯にスポットをあてて手堅くまとめてある。松園を知りたい、美術館で、とにかくキレイなものにふれたい、という向きには大いにオススメする。見ないと損と言ってもいい。

飛鳥資料館
木簡黎明-飛鳥に集う いにしえの文字たち
 現在、一番注目されるのは「歌木簡」ではないか? 万葉・古今に記録される和歌が木簡にも見える。そう考えたら、宴会でも下書き木簡も見つかってもいいはずで、その可能性をひろく探った感がある。
 漢詩も同様だし。あとは年代をどれだけ追えるか? なのかな?
 どうしても木簡というと、どこそこの地域からは××が献納されて的な荷札木簡が注目されるわけだが木簡の奥深さを確認できる展示。
 と言いつつ、荷札木簡を五畿七道別に、何回かに分けた展示もして欲しい。煩雑な操作のわりに裏方的なあつかいなんだよね。

橿原考古学研究所附属博物館
奈良時代の匠(たくみ)たち
-大寺建立の考古学-
 コレはスゴい。遷都1300年祭関連で、1番の労作で1番、意味合いの沿った展示なのではないか?
 1章の空撮と伽藍配置の対比だけでも考えさせられる。考古遺物、建築部材にとらわれず、多くの建築部材を集めていて、古代建築のいろはが頭の片隅にあると立体的な立ち現れてくる。
 あと瓦とか堂内荘厳、唐招提寺の天井画の復元とつながる。
 展示室の狭さを感じさせない充実した展示。迷っているなら見るべき。

 飛鳥資料館と橿原で白鳳の「土垂」仏類を精査してきたので、その報告は、また、改めて。。。

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2010年11月13日

2題

四日市市立博物館
サンデー・マガジン のDNA
~週刊少年漫画誌の50年~
 そうか50年というと文化財として登録できるんだよね。そう言う意味でも再評価されるべきなのか? 国立漫画喫茶は、ぽっしゃったが地方自治体独自に漫画喫茶を設置していく動きは出てくるのではないだろうか? 漫画家の出身地は特に。漫画という媒体の性質上、ガラスケースに並べるよりも、現在入手できる廉価版を多く集めて手に取れるように展示するのが望ましいのでは?
 いかん! 展示内容! やはり原画はいい。額装しても様になる。少年漫画の醍醐味は朝の連ドラではないが「点々」である。スクリーントーンを多用する少女漫画とは様相を異にしており、エッチング的な線描、点々は少年誌ならではの力強さを感じる。もちろんスクリーントーンも使っているので見比べて欲しい。
 タイトルのDNAは夏目氏の編集になるのか? アクリルのポールを使って時間軸と、それぞれの作品の関連を展示してある。全ての作品が頭に入っているわけではないので当否を云々できないが、それなりの説得力がある。
 昔はNHK教育で里中氏だったか? が漫画の書き方を『趣味悠々』の時間? にやっていたのを思い出す。漫画の原画見る時にもああ言うのって役に立つんだよね。講師がいないのか? 誰も見ないのか? 現在は確認できない。

あさけプラザ
第3回久留倍まつり
 廣岡先生は、もう閑居なさっているのだろうか? やはり今回の内容だよ。廣岡節を拝聴したくなる思いにかられる。
 大津と大伯、伊勢エビ、持統の東国観念と内容は豊富。もう少し、資料1点でもいいのでクローズアップして深めていくと奥行きが広がる気がしたのだが、限られた時間、目的が遺跡の保存への理解のためということもあり、間口を広げる配慮があったのだろう。
 でも、僕は思うに持統というのは、あまり政治には明るくなかったのではないかと思う。持統朝を通じて、高市、多治比嶋の2枚看板が実務にまでダイレクトに踏み込んでマツリゴトを取り仕切った感覚がある。
 元正とか孝謙、とくに孝謙は、あるいはトランスジェンダーな即位なのではないか? と思ってしまう。簡単に言えば「男装した即位」とでも言おうか? その時に伊勢の斎王の比重とか必要性は1つ指標になるように思う。
 元正や孝謙に比べ持統には「男性を演じる」だけの哲学が備わっていたとは考えにくい。まあ、こうやっちゃうと、すっごく古くさいという所が新しいみたいなパラドクスなんだろうけど、持統の政治能力の評価は、非天武的要素の洗い出しにかからないか? 天武的の継承であれば高市や嶋の方がきちんと行える手応えがある。その時、大津への讒言的な〈母性〉拡大解釈的な事例しか挙げられない持統というのは、やはり政治力にハテナが付く。

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2010年11月06日

3題

大垣市スイトピアセンター
コスモドーム
秋の星座案内と夜空を飾る地図
~中国の星座をめぐる~
 プラネタリウムのスライドショー。ここは学芸員さんの解説はつかなくて「秋の星座案内」「中国の星座」の2本立てになる。星座案内のスライドは善し悪しだね。学芸員がいるのにやらないのはもったいないし、観客が数人だと観客の方が恐縮してしまう。生だったら恐縮だなという状態だったので、よかった。画一化は否めないのだけれど、目印になる星座を示して、その拡張というのはセオリーだから、神話がスライドにできるのも強みだよね。山羊座と魚座の物語だった。ギリシャ神話になるのか?その拡張になるのか?よく知らない。
 ああ、本題はこっちだった! キトラとか高松塚に興味のある人は見ておくべき。星に星座を当てはめるのは広く行われていて、最初を探すとメソポタミアにあって、、、というような語りだし。二十八宿が、なんで28なのかという話から、って語り出すとストーリーみんなしゃべっちゃうな。時間があれば是非見ておきたい。

大垣市スイトピアセンター アートギャラリー
郷土墨俣出身の日本画家
長谷川朝風展 内なる詩情を描く
 墨俣出身の方。手堅い日本画という感じ。
 ツイッター(@ogaki_bunka)に写真があげられてたので雰囲気だけ。
http://twitpic.com/34apr4
http://twitpic.com/34apqq

岐阜市歴史博物館(岐阜公園)
洛中洛外図に描かれた世界
 岐阜市歴史博物館に洛中洛外図屏風があって、その修復が終わったと言うことでの特別展。
 へえ、洛中洛外図屏風って徳川時代を通じて豊国神社と大仏を描いているんだ。なんか、不思議なことに関心してしまった。
 キャプションに、どこが何寺かの、おおまかな説明がついている。何本か洛中洛外図を、そうやってみていくと、なんだか、すんなりと京都の名所が頭の中に入っていく感じ。
 公園内で菊人形が展示されている。なんか菊の花のにおいっていいよね。

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2010年11月03日

2題

斎宮歴史博物館
賀茂斎院と伊勢斎宮
 薬子の変をきっかけに置かれることになる賀茂の斎院。伊勢から見た賀茂というか。初原から、文献史料に見える斎院、随筆・日記の斎院、文学・工芸の斎院と、賀茂斎院の入門的内容。じっくりストーリーをみていけば、それなりの通になれる。と思う。

鈴鹿市考古博物館
土の中に眠っていたほとけさま
「土専」仏・押出仏の展示。
 鳥居古墳とか夏見廃寺や天花寺廃寺とかあるから、三重ならでわだよね。東畑廃寺も出てた。
 鳥居古墳、1つとっても意味づけは難しいよね。
 次回は小型の金銅仏か?

特別展関連講演会
悠久の時を経てめざめた仏たち
 白村江以後の遣唐使の空白を指摘して初唐様式の流入の過程を検討しようとした労作。
 詳細は報文として、まとめられる由なので割愛。

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2010年10月31日

1所2題

豊橋市美術博物館
モーリス・ユトリロ展
 エコールドパリの時代の人。エコールドパリで唯一のフランス人とも、エコールドパリには数えないとも諸説ある。
 一番、興味があったのは、佐伯や荻須との作風の差異。なんていうの照準は同じものにあたっているのに、トリガーの弾き方が全く異なる。
 佐伯や荻須は「描きなぐる」というのが目立つのに対して、ユトリロは静謐。神経質な細やかさが比較的目立つ。しかし、油絵の描点の荒さは、やはり驚かされる。遠目では、ちゃんとした枝振りなのに、筆致は一筆書きなんだよね。
 音声ガイドについては稿を改めよう。

豊橋市美術博物館
葦毛湿原展
 湿原だけに、こだわるのではなくて、その周辺、里山や針葉樹林帯に、まで焦点を当て、縄文の狩猟採集の時代から、窯業など人の関わりにも焦点をあてている。さらに自然、昆虫や草花にいたるまで、1種、常設展の葦毛湿原版なんだよね。

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2010年10月24日

2題+2題

大阪市立美術館
住吉さん
 住吉大社の御神宝はもちろんのこと。歌枕としての住吉、和歌神としての住吉。そして奈良絵本、御伽草子などの文学に取材される住吉。と立体的に住吉大社が展開している。
 ふと気づいたが、住吉大社は東を背にして建っている。海神であれば海を背に西を背にするのが普通に思うが、陸へ上がって振り仰ぐと神様の御前という図式である。そういえば鎌倉の若宮八幡もそうなのだが、北を背にするのと東を背にするのでは感じ方が違う。たいてい、北か西を背にしているように感じる。あるいは、東国に対する遙拝所なのでは? とか考えてしまう。厳密にどの程度の範囲が住の江で難波津とは弁別できるのかはよく解らないが、生駒山麓の草香江と呼ばれるあたりから、難波の堀江、住の江のあたりまで、古墳時代後期に開発・整備された港湾なのではないだろうか? そう考えた時に、中世的な〈日本紀〉や『御伽草子』とは異質な、古墳時代の住吉というものが立ち現れてくるのかもしれないとも思う。
 神功皇后の海外遠征は、海外遠征したかった当時の政権の欲求の表れとかね。

奈良国立博物館
正倉院展
 まあ、いつも思うが、すごい人。なんていうの正倉院なんて、スゴいのが当たり前で、逆に例えばMIHO MUSEUMのユーラシア・中国の収蔵品は、それに匹敵するくらいスゴいんだけど、集客率考えて疑問符がつく。(まあ奈良博の展示関係者が「それでも正倉院はスゴい」というのは当たり前だし、その自負がなければ展示もうまいこといかないのは当たり前なのだが)
 旭山が何人で、それに追随して行動展示を始めた動物園が何人。それって、もうすでにブランドイメーヂしか集客に寄与していないのと同じなんだよね。
 日本の国民性と経営というのは、そういう難しさがある。一番乗りして「スゴい」を植え付けた人が価値的な。そして、隣の芝生は青い以上に、足下のモノを「たいしたことない」と思いすぎる。
 渥美の大アラコ窯行った時に、その前に皿焼窯に立ち寄ったから「ここが遺跡でさ」なんていっても、納得してくれないの。考古学かじれば、何でもない畑の下に遺跡があるのはある意味常識で、原状回復したんだなくらいの話でしかない。
 えっと、なんだったっけ? そうそう、だから、博物館経営には、たぶん伸びシロがあるんだよ、という話。

なら仏像館
 そうか『東大寺展』で優品が結構出払ってるのか? ムダに期待したらしく、思ったようにピンとこない。だから、その「ピンとこなさ」が最大の特徴なんだと思う。年代順に並べたわけでも、ヒエラルキーに沿ったわけでも、群像論的に何かを説明しようとしているわけでもない。逆に、これらの手法は、もう出尽くしたのかもしれない。尊像に対するイコノグラフ、ウンチクは、逆に観覧者側にあふれているのではないか? そうした時に、もうそこには、一体でも多くの見応えのある尊像を配置すればいいだけなのだ。そう考えた時に、確かに、そこには優れた仏像のコレクションが厳然とあるのだ。

興福寺国宝館
 新装してからはじめてになる。十大弟子と八部衆をメインに押し出した展示。仏頭の前で小声で「カトウトキコ」と言うのが、お作法なのだがさすがに恥ずかしくて言えなかった。阿修羅に痛々しいくらいにライトが当たっているのだが、ガラスケースの中ではない阿修羅ははじめて見る。あんなに展示1つで変化するとは思わなかった。もう1点お気に入りをあげるとすれば、千手観音の左隣にいた帝釈天。すっくと立つ姿が高潔な感じがして気に入ってしまった。「ああアレね」と思い当たらない人は、一度足を運ばれてみては? 東金堂の文殊菩薩も、いい仏像だよね、今回は見なかったけど。

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2010年10月23日

2題

滋賀県立近代美術館
白洲正子 神と仏、自然への祈り
 白洲正子が日本の伝統の何をどのように評価したかが、近江を中心とした文化財の実際を見ていく中で立ち現れてくる展示。
 音声ガイドは、イコノグラフはもちろん、白洲の見立てがすんなりと入ってくる。音声ガイド初心者にも入門として、とっかかりに適しているかもしれない。
 図録が実験的。巡回展3ヶ所共通。目録に会場ごとの展示品の出品・不出品がわかる。1種、仏教美術・神道美術の到達点だね。その道の入門者は是非入手しておきたい1冊。

安土城考古博物館
室町最後の将軍-足利義昭と織田信長-
 毎回、秋の展示は釈文には頭が下がる思いがする。
 歴女にオススメの展示。義昭をキーワードに信長を取り巻く人物が、解りやすくまとめられている。
 ドラマなんかでも、信長はあんな感じの人で、将軍という口実を使って上洛をはたす。古い権力の象徴としての義昭。そのキャラクタリゼーションがドラマの醍醐味そのものにはならないだろうか?
 小説や読み物ではなく、史実としての史料と肖像画が立ち現す展示。

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2010年10月10日

3題

大垣市守屋多々志美術館
特別展 平城京遷都1300年
飛鳥から奈良へ 守屋が描く大和まほろば
 数年来、時々チラシで拝見していて、一度行ってみたかった場所。大きい作品も数点在るが、それ以上に守屋が奈良を訪れて行ったスケッチが、けっこうな量になる。スケッチと日本画、屏風、花の素描、扇面画といった所か。
 歴史絵というのか? 取材の仕方が独特で幻想的な世界観がある。

大垣市スイトピアセンター アートギャラリー
百花繚乱 浮世絵美人画展
女の装い 江戸の華
 守屋美術館で存在を知って、ちょっと、より道のつもりが、結構濃い内容。肉筆画が1室、あとはテーマを決めて美人図をまとめてある。
 名古屋ボストンを見て、お変わりの人にはオススメ。来週までなので、こっちを先に見てというのもいいね。
 プラネタリウムで「中国の星座」が、かかっていたらしい。時間の都合で見れなかったのが残念。こういうのを、ちゃんと企画できる所があるんだね。

一宮市博物館
特別展
木曽川をめぐる人と文化~川とともに生きる~
 博物館にたどり着いたら、丁度、講演会の入りの時間で、講演会も聞くことができた。残りの2回は申込制なので公式の案内を確認してください。
 企画展示室1室とエントランスだけの展示だが「ここの企画展示室ってこんなに広かったかな?」と錯覚するぐらい、ぎっしりと展示してある。自然、なりわい、信仰、描かれた木曽川と図録には章別けしてある。図録の約半分が寄稿文。

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2010年10月09日

テトラポット

 名古屋開府400年記念関連の特別展(いわゆるミュージアムトライアングル)プラス1。

名古屋市博物館
変革のとき 桃山
 展示は3部構成。天下人の空間、南蛮文化、工芸。それぞれ独立で1回の展覧会になりそうなくらいで、ボリュームが濃い。「桃山」というネーミングが前面に押し出されているが内容を見ると、まさに桃山。桃山と言われてもピンとこない人は、是非とも展覧会を見て、その入り口にだけでもふれて欲しい。逆に、アレがスゴいコレがスゴいと言ってしまうとネタバレになりそう。
 常設展で木曽川関連とCOP10関連の企画。余力があれば、その展示だけでも見ておきたい。

名古屋ボストン美術館(金山)
錦絵の黄金時代-清長、歌麿、写楽
 これだけ開府400年とは別立て。江戸文化なのでテトラにするといいのに。浮世絵というものが江戸庶民の楽しみであると言うことが展示品からそのまま立ち現れてくる。清長、歌麿、写楽、その周辺と言うような構成。美人図、役者絵が中心になるのか?

名古屋城天守閣
武家と玄関 虎の美術
 入って早速、若冲の模写した虎図の原本(ややこしい言い方)が出迎えてくれる。原本が現存していたことにも驚くが、若冲の写生能力の高さにも、あらためて驚かされる。もう、それと金刀比羅の白虎見れただけで、満腹感がある。

徳川美術館
尾張徳川家の名宝-里帰りの名品を含めて-
『西行物語絵巻』って、ここにあったんだ! とやたらに無知なところに感動してしまった。常設展示のスペースも特別展に対応して展示されているので、音声ガイドを借りて、じっくり全体を眺めてみることをオススメしたい。常設展示がナゼあのような仕掛けになっているのかが、あらためて理解できる。

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2010年10月04日

春日井シンポ

 なんていうの。ストーカー被害になんか遇うと「認められたい、愛されたい」なんて感情がどんだけ1人勝手なものなのかと言うことを考えさせられてしまう。もう、はっきり言って、そんなものに振り回されるのはゴメンだ。
 この前、彼氏、連れてきて「これからは彼とうまいことやるから」って言っていたような気がしたのに、うまいこといかなかったのか、なんか変な言いぐさ。それは彼がオレではなかったからではなくて、お前に関係を修復する能力がないだけではないのか?
 方や、厳然と音楽倫理関係の資料が提示されているにもかかわらず、気付かないのか、粛正されたのか、被害者が自分ではないことに対しての戦意の喪失か、寡黙を通している。オレにだけ任せないで、少しは自分で解決しようとしろよ。

春日井市民会館
春日井シンポジウム
 1ヶ月早いと季候がいい。さわやかで寒くないというのが、まず、第一によかった。
 まあ、国文学者が『萬葉集』を本気でやるときは、万葉仮名の原文をあげて、読みの問題からやる。文庫本やなんかの釈字は、あくまで一般の読者の便利を考えたもので、文庫本でも講談社本は、ちゃんと万葉仮名を引いている。
 あとは底本の取り方。本当に最近まで刊本の広く流通したとされるものを底に採っていて(岩波文庫本)、西本願寺本を底本にしたのは文庫本では角川本である。刊本と西本願寺本でどの程度用字が異なるのかは、国文学の研究がありそうだけど、これからの話なのかな?
 そう言う意味で、郷に入ってはではないが、歴史資料あるいは考古資料として『萬葉集』を手に取る場合、どこかで国文学的な手続きは踏まなくてはならないはずで、20巻の構成内容や制作年代の概説、その万葉仮名から起こしていく過程の説明は解っていても必要だったのかな? とかも思ったり。(って、そう批判している時点で知っているのだから必要ないのだが、、、)

文化フォーラム春日井・ギャラリー
文化財特別展
春日井の古代史事始III~古墳・埴輪編~
20100929~1011
 キャプションをまじめに読んでいないのであれだが、展示品を見る限り、どうも自分の言葉で説明できていない。
 あの先生のアレとアレとアレをこうゆう順番で並べて、、、的な感じがする。その先生が、間違ったことを言ってないから、ただ、そう見えるだけなのかもしれないが、名市博の古墳の展示も、そんな感じだが、そんな神話の再生産で科学的なのかな?
 もっと解釈や視点を変えた、新たな立場からトピックスを立てて展示するのはメンドウなのかもしれないけど、、、
 まあ、でも、僕の説が定説化したら、僕は定説を否定してまわるね。「ここのコレが論拠が曖昧なはずだ!」とか言って、って論拠が曖昧なら今の内にはっきりさせとこうよ。。。

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2010年09月30日

目次

稲沢
一宮
尾張南部
尾張東部
名古屋A
名古屋B
名市博
徳川園
リニモ沿線
知多
西三河1
西三河2
東三河

三重
西濃・岐阜
東濃・中濃
飛騨

奈良
京都
滋賀
大阪
静岡

関東
兵庫
北信越
関西以西

巡回展
リンク集

2010年09月26日

2題

奈良県立万葉文化館
写真展
小川晴暘と奈良 飛鳥園のあゆみ
-小川光三・金井杜道・若松保広-
 奈良にある文化財写真を中心にする飛鳥園の写真展。4人の写真家をクローズアップして、飛鳥園の歴史みたいなものをあぶり出している。あれだけ拡大されても、見応えが落ちることがない。現像の技術もそうなのだろうが、アナログ写真の味わいというか、デジタルの描点上の限界を考えずにはいられない。
 図録も前評判がいいがB4版と普通の図録より1回り大きい。もう、製本をほどいて1枚1枚を額装したいぐらいにキレイ。図録のレゾンデートルが変わるかもしれない。ポストカードの製本のようなスタイルを採れば、もう、そういうことは不可能な話ではないもんね。ヨン様の『スキャンダル』のパンフ思い出した。

天理大学附属 天理参考館
創立80周年記念 特別展
よみがえるヤマトの王墓-東大寺山古墳と謎の鉄刀-
 金関先生の講演会があるのを近鉄の車中で知って少し急いだ。
 東大寺山古墳から「中平銘」の鉄刀が出ていて、遼東半島とか帯方郡の中国でのドメスティックな独自性と、銘文の隷書の微妙な崩れから、漢の王朝は直接関係はなくて、帯方郡あたりで案件が処理されて鉄刀が下賜されているのではないかといった内容だったか?
『後漢書』から『魏志』の間に政治的空白というか、史書の散逸のようなことがあって、現在に伝わっていない日中の交流も考えられるらしい。
 すごいよね。東大寺山古墳。あれだけの武器が一括破棄されるわけだから、現在の感覚らからすると不思議としか言わざるを得ない。埋葬のための副葬品として新たに入手されたモノなら、軍事的な緊張を想定せざるを得ないし、伝世品を埋葬するのであれば、葬儀後の軍事的な弱体化が想定できないか?
 古墳から、大量の埋葬品が見つかるから畿内はスゴいというのは、一見分かりやすいけど、実用品とか、貴重品、軍事的な資材を一括破棄するという視点から見たら、それを担保していた〈社会構造〉って、案外独特なんだよね。へんなドツボにはまってしまった!

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2010年09月19日

2題

安城市歴史博物館
特別展 親鸞聖人像の原点
安城御影(あんじょうのごえい)
 しまった! 浄土真宗ありきで話が始まっていた。まあ、親鸞聖人の御年忌なので大人の事情もあるのだろう。
 画幅なんかを考える上で、仏光寺派の絵系図の系譜に連なるような、光明本尊。親鸞の玄孫、存覚の「真向き親鸞」。蓮如の真宗中興的な流れが、大づかみにできるように展示されている。
 欲を言えば、例えば、法然は向かって右向きで、親鸞は左向きの肖像が有名であることに着目して、法然と親鸞の立ち位置の問題。そして、比較的早い段階で、真向きの恵心というのが存在しているように思われて、法然の肖像は誰を右に持ってきて、本尊は阿弥陀なのか恵心なのか? 光明本尊なんかだと、右に法然、左に恵心というそうとう無理をした配置の画幅も存在するし、、、と類例をあげるだけで紀要ぐらいにはならないか?

刈谷市美術館
宇野亜喜良展
AQUIRAX
 リアルタイム(ご存命だけど)には存じ上げなくて、刈谷展のチラシで存在を知ったくらいなんだけど、スゴい。
 エログロから絵本まで、どうしても絵本のような子供向けの作品を手がけてしまうと「オレ、子供向け書いててエログロでいいのかな?」と躊躇が出てしまうのだが、それを感じさせない勢いがある。
 展示室をみっちりと使った展示で、見出があるのだが、あれで全作品のどのくらいなのだろう?
 60~70年代のパッションにやられた。それを受けて何ができるか? なんだよな。

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2010年09月18日

2題

鈴鹿市考古博物館
企画展
須恵器-自然釉の妙-
 鈴鹿市域の須恵器ではなく、全国から自然釉のかかった須恵器を集めている。もう6世紀のある段階で陶邑系か尾張・猿投系かを云々するのは意味のないことのように思う。陶邑に産業センターのようなのがあって、技術のないところには陶邑から派遣する。猿投は必要がなかったから独特の形式を用いるというような感じなのではないだろうか?
 自然釉に関しても、付着のさせ方が自然に近いだけで、比較的早い段階で技術的に完成しているのではないだろうか?
 例えば、永仁の壺と尾張一宮・法圓寺の瓶子と見比べると、釉薬に微妙な違いが見られる。法圓寺の瓶子というと黄瀬戸のはしりのように考える向きもあるようだが、自然釉に近い、燃料として生木を用いて、ガラス成分を窯内に送り込むような仕組みを採るのではないだろうか? 永仁の壺は釉薬の垂れ方が厚ぼったい。何らかの形で釉薬を壺にかけて、それを垂れるように仕組んでいるのではないだろうか?
 須恵器の場合も薪に生木を用いないといけないという、生産上の制約から、自然釉の付着に着目して、生の葉っぱを焚き込むとか、技術的な改善が、すでに古墳時代のある段階には確立するのではないだろうか? って、こんな事、キャプションに書いてあったのかな? 読んでないんで。

松阪市文化財センター はにわ館
仏教開花~花開く仏教文化~
 あれだけ線違鋸歯文の瓦をみると壮観。あれだけ多くの遺跡から出土しているとは知らなかった。どうも、川原寺系統の亜種化? としてとらえられているのかな? 先日レビューしたように、線違鋸歯文には地域的な広がりと歴史が存在するので、面違鋸歯文が稜線の線鋸歯文になって、なんらかの着想で線違にしたという単純な話ではないような気がする。
 外区に飛雲文や唐草文を配する、いわゆる近江系の鐙瓦が皆無ではないことから、線違鋸歯文の系譜抜きにも近江の影響というか、田村第(藤原仲麻呂邸)が七葉の飛雲文なんだな。あれ? 年代が逆になるな、、、

講演会
天武・持統の寺から聖武・称徳の寺へ
 壬申の乱や聖武の関東彷徨のような国史レベルの問題と三重の白鳳~天平寺院をかみ合わせた労作。
「天武・持統の寺」と言っても、天武・持統時代の寺なのかな? と前置きしときながら、天武・持統は草壁を連れて桑名まで来ているのは大きいよね。

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2010年09月12日

尾張国分寺跡

 ツイッターの画像投稿して、なんで「あちゅら」って流行らなかったのだろう? といぶかしくなる。ここ借りるか、あちゅら借りるか悩んだことがあって、博物館や観光地の画像投稿をメインにするなら、あちゅらだろうと思った時期もあった。
 画像と、画像のタグになるような、つぶやきを入れて、それがゆるくバインドされたら、ツイッターより優れたツールだよね。あちゅらのアルゴリズムが劣っていたとも思えないし、よくいうガラパゴス化なんだろうな。一概にマネーフローの問題だけではないだろ? そんなんだったら不公平すぎる。
 まあ、掲示板借りても、こういう使い方もあるわけだし、ツイッター借りても、ツイッターとして使わない使い方もあるんだと思う。
 世界で1社とか言う、独占・寡占の状態がプラットホームには必要なところがあって、それではマーケットが死んでしまうという側面がある。
 とか、偉そうなこといいつつ、怖くて、あっちではネガティブなこと書けないの。

勤労福祉会館
文化財講演会
尾張国分寺跡~古代尾張と川の関わり~
 武蔵国の東海道への帰属、春日大社の奉斎が尾張国分寺の造営の時期と重なっていて、畿内の東国経営の再編としてとらえられるのではないか? というような話。
 畿内が東国を経営するのと同じように、東国(とくに尾張)の対畿内政策というのが、存在したように思えてしまう。たとえば、聖武の東国行幸の時の多治比真人の立ち位置なんて気になる。よく考えたら、広嗣の乱の九州には、防人が沢山いて、防人は東国の人だ。聖武は防人の故郷のノド元を通ることになる。広嗣の乱が成功すれば、即、聖武は尾張に攻め込んだのかもしれない。しかし、聖武が暴発すれば(あるいは、暴発を押さえるべく)多治比氏が黙っていなかったのだろう。
 なんか、1つのことが1次元的にとらえられないことは確かな気がする。

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2010年09月11日

2題

おかざき世界子ども美術博物館(地域文化広場内)
~古代の人びとの造形~
古墳(こふん)とはにわ展
岡崎市外山3号古墳の出土はにわを大公開!
 思いがけず、良品に出くわす。岡崎市外山3号古墳は内部施設が縦穴系横口式石室らしい。赤くて堅い焼き物の埴輪。なんて説明したらいいんだろう? ギリギリまで高温で焼成して酸化状態を保っているような焼き具合。陶質の埴輪というと、春日井みたいに還元性の青灰色を呈しちゃうのが嫌で、断夫山、熱田・白鳥と苦心して、やっと、熱田・白鳥で赤黒い到達点にいくみたいな雰囲気に思っていたら、もっと違う現場では、容易に酸化・還元の窯内雰囲気をあつかっていたことを思わせる。
 まあ、外山3号の埴輪を、土師窯で、より高温で焼いたのか? 須恵窯で酸化性雰囲気で焼いたのか? 両論があげられそうだが、って、もう、黒斑・無黒斑という議論ではないもんな、、、

松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
帰ってきた江戸絵画
ニューオーリンズ ギッターコレクション展
 若冲、琳派、白隠、花鳥画、山水、風俗画、美人図、文人画と、そのバラエティーがすごい。音声ガイドのリストがなくて、なんで、そんなところケチるんだ? 出品リストも乱丁気味。(確かに、この方が使いやすいのか、、、)
 僕の中で、1番の見出は那智参詣曼荼羅。金銀の日月、黄土の大地、、、

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2010年09月04日

2題(グズグズ)

田原市博物館
秋の企画展
挿絵画家 宮川春汀展
・愛知県美術館所蔵作品による 川瀬巴水展
渡辺崋山と小華
 三河田原駅から歩いたんだけど入り口を忘れて蔵王山の麓まで行ってしまった。入館しても、常設展示室見忘れた。「渡辺崋山と小華」は見ていません。ショッパナからグズグズ。。。
 企画展示室2室の、1室半を使って宮川春汀。巴水は目録によると24点。画集は結構な値段するし、版画独特の味わいは現物にしくはないわけで、見応えがあった。
 宮川春汀は、渥美・福江の人。柳田国男とかと同時代の人らしい。明治時代の『少女の友』的な画風。作品だけでなく、生涯にも焦点を当てていて、「宮川春汀がいなかったら、柳田も伊良湖に来てなくて「椰子の実」の歌もできなかったろう」というキャプション。なんてタラレバ、、、

豊橋市美術博物館
すりもの展[錦絵・引札・包装紙]
-印刷物にみる豊橋の近代-
 こっちもグズグズで、本当は内田古窯? の埴輪を見に行ったんだけど展示終わってた。馬越長火の杏葉とか『白瑠璃の碗』的な文物が穂の国(東三河)にはあるような気がして、古窯の埴輪でしょ。見てみたかった、、、
 受付で「埴輪の展示終わっちゃった?」って聞いたら「出土品の茶碗の展示はやってたけど、埴輪なら、おかざきぢゃない?」って言われてしまった。埴輪と認識されない埴輪って、、、埴輪ぢゃなかったのかな?
 すりものは、地図、軍関係(地図・図会)、たばこの包み紙、引札(ちらし)、映画のちらしだったか? 豊橋という街が、どういう風にできてきたのかが判る展示。

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2010年08月28日

2題

 ツイッター始めようと思って、概説書を読んでたの。ツイッターの使い方は、なんとなく理解できたんだけど、ツイッター社が、どうやってお金儲けしているかは、立ち読みした、どの概説書にも書いてないの。すごく「?」なんだけど、結局、アプリケーションを、またぐことが多いからセキュリティーとか気をつけないといけないよね。
「#hakururi」と「#shiosai03」みたいなことをやってみたくて、もう音楽倫理はツイッターでやりたくないな。。。「#hakururi」は「博物館ぐるりめぐり(「博」と「る」と「り」に傍点)」の造語で、博物館・美術館の3行レビューを書こうと思うの。ここと何が違うんかいな? と思いつつ。「#shiosai03」は『潮騒トライアングル』というツイッター小説。高校生の男女と大学生の男が主人公。ある日、僕(大学生)が「海の見える街」にやってくる。って所から始まるんだけど、どうなるんだろ?

斎宮歴史博物館
海-伊勢と志摩の海-
 文書や木簡などの歴史的資料から立ち現れる伊勢や志摩の海産物。それを現在の伊勢湾沿岸の海産物と比較するような展示。
 自然科学的な内容を文系の人がきちんと咀嚼した感じがする。目録に軽く解説がついているけど、せっかくの写真なんかがパンフや図録になっていない。少し惜しまれるところだ。

刈谷市美術館
自然を愛した日本画家の饗宴
川合玉堂+現代日本画展
 山下清を見に行こうかと思ったけど、川合玉堂にした。そうか現代の日本画とセットだったか。
 川合玉堂のものは所蔵が一宮市博物館になっていて疑問を感じた。どこで保管するかと、どこの所有かは別な気がする。まあ、あり得ないことだろうけど、市が分裂するようなことになると問題になる。まあ、もっと別の事情なのかもしれないけど、、、ちゃんと聞いてくればよかったな。

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2010年08月22日

集落に住めない人々

 いかん。どうも枕にひっかかってしまった。
 内裏の女房に代表されるように、宮という官衙に住まう人間というのは少なからずいるわけで、まあ、その人たちには集落遺跡に「実家」がある。と言われれば、そうなのかもしれないが、、、
 寺院なんかにも、もちん僧坊はあるわけだし、例えば堀内花ノ木遺跡で寺の南端の南にある竪穴建物群。「集落遺跡が、ここまで近接している」という意見もありそうだが、善光寺の参詣曼荼羅(だったか?)なんか見ると、どうも、病人とか貧民とか「公からの救いを求める人」というのが立ち現れてこないか? まあ、こういう人にも「実家」はありそうだが〈公〉との結びつきを考えたら、実家との結びつきは稀薄だったといわざるをえない。
 まあ、こういうイレギュラーをあげつらうと「網野史学に偏りすぎ」という、そしりも、まのがれないのだろうが、寺院や官衙の役割と、そこに定住する職員や利益享受者。官衙にだって修理(しゅり)的な機関も存在しただろうし、そこの職能民は、かよいだったのか? 官衙内に定住していたのか? 国司の居館は官衙と認知されるのか? 首長集落と認知されるのか? その辺の、細やかな細分類があって、弁別されるべき「集落遺跡」が存在するような気がする。
 散布地から「官衙・寺院」とは認められない遺跡を「集落遺跡」として集合論的に必要十分なのだろうか?

2010年08月14日

無茶ブリぢゃないか?

荻須記念美術館
文化財特別公開 萬徳寺の絵画

 愛染明王(密)、釈迦十六善神(顕)、両部曼荼羅(密)、三月経曼荼羅(顕)、『覚禅鈔』(密)と顕密の取り合わせが、いい感じ。
 なんていうの、マンダラって、結局、1+2とか、1+4というヒエラルキーで、16とか10というのは「群像」的な、まとまりとして捉えなくてはいけなくて、まあ、それはそれでマンダラな訳で「仏像QS」的なとっかかりって、やっぱ、ハードル高いのかな?  まあ、言い方悪いが蒙昧のカオスというのも、学術的な興味も感じてしまうのだが、それってフェアーなのか? と感じてしまう。

 ところで、文化財講演会の講師って無茶ブリぢゃねえ? 演題見て「こりゃあ講師、自前だよね」と勝手に思ってしまった。
 尾張国分寺と川って、そうとうハードルが高い。
 東畑廃寺なら、篠岡から河川交通で瓦を運んでて、下津高戸あたりが流通拠点だろうなとか、見当がつくが(と言っても、相当な独善な訳だが、、、)三宅川の川港って遺跡としてつかめていない。
 木曽川が氾濫して国分寺がどうとか、という、史料で、どこまで何が言えるんだろう。
 案外、講師はその道の大家で僕の知らないだけなのかな?

2010年08月07日

3題

リニモで出陣!
戦国武将 スタンプラリー
 藤が丘でスタンプシートを配っていて、陶磁資料館などの入館割引なんかがあって、1日乗車券の利用での割引もあるらしい。
 藤が丘の改札の階の奥にあるスタンプを押してスタート。なんか、スタンプの場所を探すのが難しいな。
 そうか2ヶ所ハシゴしたらコンプリートか。2回に分けても、いいわけだし、、、
 陶磁資料館の絵ハガキ、けっこう「萌え」だぞ。専門家が「この絵ハガキ、欲しかったんだよな」というのもあると思う。(こういう書き方すると誤解する人がいるよね(爆))

愛知県陶磁資料館
ほほえみのかたち−やきもの人形展
 土人形とノベルティと呼ばれる景品的な陶器の人形が主要な展示で、関連して、土偶とか俑とか焼き物の人形群が展示されている。
 土人形も地域別に、あれだけ見せられると壮観とまではいかないかもしれないが「作例の違いは地域差なのか? コレクターの趣味の領域なのか?」とか、いろいろ考えさせられる。

愛知県陶磁資料館
正倉院文書が語る古代の尾張
 正倉院文書の概要と正税帳(しょうぜいちょう)、優婆塞の勤務記録などからの尾張出身の東大寺勤務者の話。
 やっぱ「部」の解釈というか位置づけをしっかりしておかないと、主従が違っちゃうようなことも、ありえなくねぇ?
 まあ「部」は忌まれるから、途中でなくなっちゃったりするんだけど、あるうちは弁別されてる訳だし、、、
 例えば知多の郡司は、古墳時代後期に移民してきた人の末裔で、移民以前のカキベの姓をそのまま使っていたとか、ぢゃないのかな?
 そうか「タフセ」と読むのか。(っていうか、マジメに文書読んでおこうよ)「田作」でタフセと読めるかな?「多(治比)」氏を「夫」に持つ「セ」とも解釈できないか? 水守夫人、土作生母説も採れるんだよね。
 やっぱ「一般的に判らないものとする」というのが学者なのかな? 小説家なのかな?
 っていうか、ウチの閲覧率の低さ、マヂ、ウケる。多治比真人 = 中央の人という一次元的な解釈が危険だと思うのは異端なんだろうか? まあ、対畿内工作員では、あるのかもしれないが、タフセの位置づけによっては水守の一族の親尾張性って、もっと言えるんぢゃないか?

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2010年07月24日

4題

名古屋市見晴台考古資料館(笠寺)
見晴台遺跡 市民発掘の歩み
 NPOというか、市民参加のありかた、それに伴った文化財にまつわるマネーフローの変化というのは、なんか肌身で感じていて足を運ぶ。
 だからブツが見たいんじゃないんだよ。(と、言いつつブツ目当ての方が楽しめる)
 なんていうの『月の輪』があって市民運動としての遺跡保存。市民発掘は、それを、なんらかのカタチで承けていて、行政が遺跡保存に本腰をいれるのは、いわゆる「原因者負担」と呼ばれる記録保存の歴史と、僕はとらえていて(そこまで、解ってりゃ別に展示で見る必要もないのか?)
 その中で興味があるのは、例えば市民の側からカリスマは生まれなかったのだろうか? という不思議な疑問。カリスマはカルトを引きつけ、カルトは動きはじめる。これをエラーだと思うのは行政の傲慢ではないのか? 逆に、このようなことが比較的システマティックに制御できるのであれば、これからの市民参加の貴重な資源になるだろう。と、思ったの。

名古屋市博物館
ポンペイ展
世界遺産 古代ローマ文明の奇跡
 そうか! 大ローマの後にポンペイ展が待っていたのか。あのフレスコ画群が展示できるようになってローマのイメーヂって大きく変わる。なんか、これまでって、大理石と金貨のイメーヂがつよい。
 ローマの奥深さが判る展示。

名古屋市博物館 はくぶつかん講座
自然環境で解く古墳のナゾ
 夏休みの自由研究の導入になる講座だそうな。
 僕だったら「神曲「MOON」の音楽倫理的解釈の研究」をオススメしたい。まあ、カウンタに直接アクセスするのは禁止である(当たり前に〈一般人〉だからね。学術的な探求と言えども、つつしむべき所、大きく発言すべきでない所はある)まあ、浜崎氏の歌詞をこねまわすのは自由だから、、、まあ、芸能界に興味のある(演者などの活躍をしたい人)には、致命傷になるかもしれないし、、、まあ、某氏は「不愉快」に思われるかもしれないが。
 いや、それは自分で結論を出せる訳だから「音楽倫理上の問題はなかった」という結論も出せるわけだし「そんなこと考える事も不謹慎」というしめだしと、どちらが科学的か? だから、音楽倫理は、もう僕の問題ではなく音楽享受者全員の問題なのだ。まあ、某氏がなんていうか、なのかもしれないけど。
 いったい、なんの話を聞きにいったんだ?

松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
没後10年記念 三岸節子展
こころの旅路〜満開の桜のもとに
 やっぱ『美の巨人たち』の影響は大きいよね。
 節子・好太郎の話は以前にみて知っている。
 でも、まだ、隠された逸話があるんだろうな。

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2010年07月19日

4題

京都国立博物館
特別展観
没後200年記念 上田秋成
『まんがで読む古典』の最後のきらめきが『雨月物語』(『源氏』の方が後だったか?)で、僕の中で「現代的感覚で中世を読みすぎではないか?」という批判はあるんだろうけど、あの番組がなければ、記紀も含めて古典を身近に感じられなかった訳で、今でもクレヨン社のCDとか探しちゃうのも、、、つまり、有機的に僕を形づくる、一部分に上田秋成は、存在していて、、、(展観の説明になってない)
 ようは、上田秋成のいた上方を中心にした〈知〉のネットワーク、それを、すかして俯瞰する上田秋成と言った感じ。
 研究の成果報告のカタチで東之宮の鏡がでてた。そうか! 線違鋸歯文の系譜。いにしえ、三河の広い地域が「額田」と呼ばれたこと、もっと朝日の鋳物師にも目を向けるべきかも知れないが、中央と地方という考え方で、必ずしも技術は中央に集中していた訳ではない、いや、東海にも技術の中心を想定できるのではないか? それは三遠式銅鐸に始まり、壬申の乱でオオアマの経済的基盤になるような『白瑠璃の碗』の表というか、この手の話は、専門家が2〜3人いるから、丸投げしておいても話進んでくもんね。

京都文化博物館
2010年NHK大河ドラマ特別展
龍馬伝
 福山氏効果か最終日だからか、すごい人。展示見れない。音声ガイドだけ聞いてきた。
 なんていうの、龍馬の登場を山内一豊のミームとして考察してみたいんだけど『龍馬伝』の容堂って、なんか? まあ、藩主が一豊のミームに無自覚とか反発的でも〈構造〉というか、藩があって、その中から生まれてくる人物の思想・信条って、国づくりを行った人物の思想的ミームに支配されてたら面白いなと、最近思ってて、、、

京都国際マンガミージアム
 京都駅前で、こんな施設があると知って論客としては視察しておかなければ! と行ってみる。
 まず、コスプレの女の子たちに圧倒されてしまった、まあ、個人的な趣味だが、倒錯したものが好きで、はるな愛氏はコスプレではないが、どっかで両性具有的な儚さがあるんだよね。なんか、女の子が男の子に扮してるのを見て「きゅん」となってしまった。
 まあ、コスプレの子もいるけど、コスプレしてない人は、みんなマンガ読んでるの。官民学のマンガ喫茶なんだよね。マンガの殿堂がなんでボツったのか詳しくは調べてないけど、そこには、老若男女のマンガを共通言語にした交流の場というのを想定できるんだよね。やっぱ、「マンガは低俗」と思われているからダメだったのかな? 政党間のメンツの問題とか低俗な理由ではないよね。当たり前か!

美術館「えき」KYOTO(京都駅ビル7階)
片岡鶴太郎展
 改めて『ひょうきん族』以後を考えちゃうよね。絵が上手いとか以前の問題として。
〈お笑い〉というジャンルの中で登りつめていく、という一派は確かにメジャーとしてあるんだけど、それだけぢゃないんだよね。
 自分の〈表現〉というのを突き詰めていくと言うとメジャーの人たちも同じなのか?
 逆に、今のバラエティー番組の中で、そのバリエーションがどの程度あるんだろう? それは今の〈お笑い〉さんが無芸というのではなくて、それだけ〈お笑い〉が専門職化していて、だけど『ひょうきん族』に代表される当時の〈お笑い〉には、デカダンというか退廃というか虚無感が表裏一体にあって、酒場で敵役が酒を飲むような。〈鬱〉的な、精神的に落ちた状態が表現されていて、今でも、AVのストーリー展開や、捨てカット、エロ小説の無意味なボキャブラリーや、小説家として食いあぐねた感じに、そのトレースは残るんだけど、テレビ番組にしてみれば〈躁〉の文化だし、マジメに〈鬱の美〉的な退廃感に目を向ける人も居ないんだろうな。。。

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2010年07月10日

愛知県史講演会

愛知県陶磁資料館
愛知県史講演会「考古資料からみた古代の愛知」

 えっ? 北野廃寺の祖型って、山田寺形式そのものではないの? 屋根に葺かれた状態の山田寺形式を地上から見ると、たぶん、北野廃寺式のように見える。山田寺形式を北野廃寺のように表現するのは「瓦当はデコボコしたものだ」という工人の固定観念なんだと思う。たぶん、山田寺形式を視察した高句麗系工人がつくったといったところぢゃないかな? 紀寺式でも雷文を内外逆にしたり〈誤謬〉的な飛躍が三河の瓦にはあるんだよね。尾張もそうだけど、東国って〈高句麗系〉がダイレクトに入ってきてる感じがあるよね。
 三河国分寺と越中国分寺の関係。大伴家持といえば、尾張少咋(をくひ)ではないのか? 西国系とされる大伴氏が北陸に派遣されるというイレギュラー、そこに介在する尾張氏というのは興味深いので記憶にある。尾張にも軒平のワラビ手文は入ってきてるし、少し調べたら、三河ともつながるのでは? それよりも細かい年代観の中で、そのルートが成立するかの方が、胃がキリキリするね。
 尾張の川原寺系って、黒岩廃寺に代表されるように、ひょっとしたら木曽川本流の河床遺跡に散見されるとかないのかな? まあ、尾張願興寺にも入ってきてるから、そんなマイナーではないんだろうし。。。
 瓦の話ばっかになっちゃったな。
 3題とも、それ1本で1回になる内容なだけに、また、じっくり聞きたいものだ。って、県史、読もうよ。。。

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2010年06月27日

2題

 粛正されちゃったか?
一宮市博物館
特別展 円空展
 秋葉権現、柿本人麻呂、天神様。そうか、何度も反芻されるモチーフなんだな。その、よせあつめだから『白瑠璃の碗』は、なりたっているだけなのかな?
 円空の法相宗の血脈、寺門派?の血脈が展示されてた。愛知県内のものが、おおかたなのかな? 豊田市民芸館のものがあるから、それでも面的な広がりを感じられるよね。あとは写真が記録写真というよりは、芸術的な写真が飾ってあった。

豊田市美術館
企画展
森村泰昌・なにものかへのレクイエム
 ある意味『白瑠璃の碗』って、セルフポートレイトで、登場人物の考え方とか感じ方って、どうしても、自分の分身という側面が出てきてしまう。歴史学研究全般に、そういうことが、いえるのかは疑問符を付けておきたいけど、僕の場合は、どっかで、僕の不備な部分というのが、表現されてしまっているような気がする。
 豊田だけの特徴らしいが『なにものかへのレクイエム』と『女優シリーズ』が両方見られる。両方で『なにものかへのレクイエム(男編)(女偏)』というような趣向だそうな。女優シリーズは、森村氏自身が新たに作品を選ばれたらしい。
 はじめて液晶絵画と出会う。今の液晶って薄いんだ。額装と大差ないの。その絵画が動くという近未来性というか幻想性。プロジェクターで映写するのとは、ひと味違う存在感がなんかあるんだよね。プロジェクター投影の作品も練られていて、いい。
 なんていうのかな? 表現としてのツールを開拓していく時期は、ある程度のウイットとか問題提起で、作品は成り立っていくんだけど、これが飽和した時に、どんな現象が起きるのか? ツールが新しくないというだけで、表現が色あせてゆくのだろうか? そして社会的な活動を永続的におこなっているのだから、何かは変化していて、問題意識も変化していくのだろう。ちと、ど壺ちっくだな。

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2010年06月20日

2題

 7月号の『美術手帖』は買いだと思う。
http://www.amazon.co.jp/dp/B003ODB7DE/
 まあ、なんで買いかは置くとして、なんていうの、美術でも歴史でも1種の〈表現〉で、現地の人というか、普段見慣れた風景が〈表現〉の〈場〉になった時に、違和を訴える人は、少なからずいるのだろうし、それは、もうアセスメント以上に、相互理解しかあり得ないのではないか?
〈表現〉として「常識の破壊」というセオリーが新しいのかどうかは置くとしても、一方で「当たり前にしちゃダメなことでしょ!」という、強い主張は存在するわけで、はたしてK育C語に対する、いたずらを防ぐような法律で取り締まることが、本当に常識的なのだろうか?
 まあ、サオちゃんがカワイかったから買っただけなんだけど、、、
 ツイッター関係で、いい資料が挙がってきてるみたいだけど、某氏が「音楽倫理はウチのシマだ!」という主張もあるので、詳細は某氏にゆずりたい。

三重県立美術館
川喜田半泥子のすべて
 慾袋という作品の絵はがきを見た時に「なんかスゴい!」と思ったの。焼き物の水差しなんだけど、脇下が破れてて、かけつぎというか、補修してあって、青海波があしらってあるの。その全体の雰囲気も味があるんだけど、水差しという器種が破れてるということが、あくことのない欲望の象徴にも思えて、妙に言い当ててるの。実物が見れた。
 数年前に『伊勢人』でも特集してて、魯山人と同じくらいの時代になるのかな? 数寄者なのかな?
 焼き物も書も絵も自分で、できちゃう人で、ウイットに富んでいる。掛け軸で「お前百まで、わしゃ、いつまでも」と言うのが印象に残った。
「いつまでも」って〈記号化〉だよね。茶碗や作品はいつまでも残ると言うような、、、今は、ブログだって乱立してるから〈記号化〉しても何も残らないのかも、、、

愛知県美術館(栄)
田原市博物館の名品による
渡辺崋山展
併催:和魂洋眼(所蔵作品展)
「和魂洋眼」というと、いかにも崋山がらみな感じだけど、ようは「あいちトリエンナーレ以前」というか、現代美術までのアートの歴史のレビューといった感じ。
 僕だったら、「これまで。~日本画・洋画からポップアートまで~あいちトリエンナーレ記念」みたいなタイトルにするかな。
 渡辺崋山展は、それだけで十分充実した内容なんだもんね。「不忠不孝」も見れたし。

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2010年06月13日

継体大王の時代

 展示というよりシンポがメインだったな。
 なんていうの、継体の即位前記って、ある意味、草香の即位盟約というか、まあ、家系はそのままとれるんだけど、雄略の報復が恐くて、継体を養育できないの。
 それで、たぶん、尾張に連れてきてて、そのまま、史実にしたら、みっともないから、近江とコシを味方につけるために作られた神話な気がする。
 だから「勝者の歴史」って言うけど、何が勝者なのか? って気もする。
 そう考えてくと、尾張低地部の稲作の余剰生産、それを〈富〉に変換する須恵器生産のような交易〈資産〉それがあるのは、畿内を置くと尾張だけなのか?
 尾張3代、100年の野望が時の利を得て実現するのかな?
 そう考えた時に、欽明以後の脆弱さは〈古墳を必要としない社会構造〉の萌芽にも思えてくるよね。
 蘇我と尾張か、、、聖徳太子という原理主義者もいるが、乙巳の変以後、多治比嶋以後、天武朝を待たないといけわいのかな?

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2010年06月07日

初心者への博物館のススメ

 残念ながら、月曜は休館の博物館が多い。
 やっと頭の中が整理されてきて、何がしたくて、何をしなきゃいけないかが、見えてきたぞ。
 ふと、今年度の博物館の特別展を調べていたら、

静岡県立美術館
トリノ・エジプト展
-イタリアが愛した美の遺産-
20100612~0822
http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/

 と言うのを、発見した。この前まで、神戸でやっていて、その前は、、、その辺は、読者の方が詳しいのかも「見逃した」とか「地元ぢゃなかった」とかの理由の方はどうだろう? なんてゆうの、視界に入ったモノ、その場の雰囲気を共有したり、追体験できる催しなのではないだろうか?(まあ静岡圏内の方に対してくらいなのかな?)
 例えば、日曜の朝、一週間のまとめのニュースを見たり、政治の討論番組。なんやかんやしていると、お昼になって、午後からは80.0、TOKYO FM、聞いて『安部礼司』が終わる頃に「ああ休みも終わっちゃったな」という、1種の風情だよね。
 昔『サザエさん』のエンディングで「ああ、英語のReaderの宿題が残ってるな」って、感覚。風情ぢゃん。

 博物館・美術館も初心者にとって、1つの風情を楽しむ空間なんだよね。
 白川公園の木立の風の音、木漏れ日(名古屋市美術館・科学館)、地下都市に落ち込む、オアシスの楕円盤の水面のゆらめき(愛知県美術館)、徳川園の庭の借景の高層ビル(徳川園)、桜山の古書のにおい(名古屋市博物館)、、、
 日曜の、たいくつな午後、そんな空間に自分を置いてみるのも、また一興なのではないか? 時にはズルして、月曜とは言えないけど、仕事はキャンセルしてリフレッシュに訪れる博物館・美術館というのも忘れられない思い出になるのかもしれない。(いけない先達だな)
 博物館・美術館には個性がある。それは館ごとの特徴を示している場合もあるが、もっと大きく、都市構造や街並みも博物館・美術館の借景のように感じることがある。iPodにお気にいりを入れて、街の風景の一部になる瞬間も悪くない。

2010年05月30日

脳みそのないカエル

 なんか「奉仕」「奉仕」って、そんなに日本に奉仕なんて言う言葉がなじむんだろうか? なんか昨日、奉仕と言われるたびに、うさんくささを感じずにはいられなかった。
 案外、「我々の目的は□奴国の復興です」的な、一見圧力団体と見まごうような野望を語られた方が健全なのかもしれない。とも思う。それは、大目的というのは微細な活動の構造の中にも宿るから、「奉仕」を旗印に進んでいって大目的がない故に破滅へむかっているのも気づかないなんてことは、ただの夢想ではないだろ?
 ボランティアが無償であることに対してほこりを持っていると言う意味なら、まわりのいい迷惑だ! 金持ちの道楽で、マーケットやビジネスモデルが破壊されているかもしれないという「自分を客観的に見る」ということができないのだろうか? 「誰が金、出してまで稲沢の歴史なんて見に来る?」と思うなら、奉仕か有償とか以前に歴史研究者として不的確だと思う。たいしたことないんだったら、最初から関わらないでくれ。
 まあ、歴史系のサークルが増えることによって、どうも行政の歴史系部署も増員の傾向があるのだから、現時点での一時的なことかもしれないが、良好な傾向が存在すると言っていいのかもしれない。欲を言えば発掘考古学の正規の専門職というか技師の20代の若手の充実をはかって欲しい。発掘の技術も日進月歩、GPSやレーザー計測のような最新技術を使いこなすには、やはり若い力は欠かすことはできない。そして、今ひとつは、やはり代替わり。歴史系とひとくくりにされても、専門分野は各自異なる。稲沢市域の発掘考古学の成果を反芻するだけでも、これからの時間だけでは少ないくらいだと思うのは、筆者だけではあるまい。
 結局、自立思考ができて独自研究で進めていけるような団体よりも、いわば「脳みそのないカエル」のような、行政の手足になる無償のイエスマンの方が有償のセクションを温存できるのかな? と、なれば、次は新陳代謝だな。

2010年05月29日

尾張国府

「府中府宮」と「国府宮」で全然指すモノが違うと言うことになるのに、みんな、その場の勢いで納得させられてしまったのだろうか?
 後期国衙という現象が、少なくとも尾張にはあるわけだから、まあ、学術用語と実際の歴史的な言葉使いに相関関係を求めるのが、どだい無理な話かもしれないんだけどね。
「国府」の定義にしても、逆に無限に拡大解釈ができてしまって「大国府」でも尾張一国でも「国府」と呼べなくはないのでは? あえて、そこに含みを持たせたかったのか?
 まあ、話し言葉だからなのだろうが「初期」「前期」「国府」「国衙」の併用が目立たなかったか? 8世紀段階の国府を「初期」と呼ぶのであれば「前期」との意味の違いを明確にして欲しい。(って、これは小子部サヒチ時代を初期国衙と呼ぶから、僕しか気にならないのかもしれないが、、、)
 以上、気になったところを箇条書き。余談は後日。

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2010年05月28日

中国の瓦当

春日井市道風記念館
中国古代 瓦文字の面白さ
~近年出土秦漢瓦当文拓本を中心に~
 久しぶりに瓦の特別展だな。蓮華文成立以前?の文字を中心にした瓦の展示。瓦と拓本が見比べられるのは壮観。
 展示内でも紹介されてたんだけど、偽物の存在。特に高句麗の瓦なんか、何が本物なのか? 古物商のみならず、学芸員にも、その鑑定眼は求められるんだよね。
 そう言う意味で、瓦当がずらっと並べられるのは壮観な訳だが、それを、いちいち検算していくという鑑賞にも、それは、どっかで求められるわけで、、、
 まあ、最初は読みというか判読なんだろうけど、、、

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2010年05月27日

2題

三重県立美術館
Tsu Family Land 浅田政志写真展
 ウメ氏に始まるのか? ラフでポップなセルフポートレイトというか、その拡大解釈としての家族写真。確かに、何かの役柄を演じているわけだから役者なわけだが、それは、よく考えてみると、僕にとっては見ず知らずの〈家族〉なわけだわ。しかし、見れば見るほど、ステレオタイプ的に、1人1人の「生き様」が、立ち現れてくるわけで、それは、やはり、何かを〈演じて〉いるわけだ。
 それは、社会的な〈家族〉にとっての職能であったり、もっと根っこのジェンダーであったりするのではあるが、、、
 見せ方についても、いろいろ練られている。オブジェであり液晶絵画?であったり、もっと〈場〉と言うものを立ちあらわせたり。地域振興的なコラボ企画も楽しいよね。
 なんていうの? 変な言い方をすれば写真なんて(別に写真を低く見るわけではないが、、、)例えばオナニーするみたいに「撮りてぇ~!」っと思って感覚的に撮るものぢゃん。それを「どお?」って見せる時に「うける~」と言わせたいわけぢゃん。
 ああ、そうかそう言う目で見ればいいのか?

PARAMITA museum パラミタミュージアム
土門拳の見た日本人
 写真つながり。パラミタミュージアムはじめてだったんたけど、本当に『般若心経』のために作られた美術館なんだね。雄大で荘厳な〈祈り〉の空間。しかし、それば「色即是空」、どこかで俗で欲望にまみれた人間が真剣に祈っているのだ。ちと色眼鏡すぎるか?
 土門拳だけみてて、あの、にらみつけるような仏像写真だと思ったら、土門拳と彼の生きた時代というか、当代の著名人のポートレイトと子供たちの写真。
 やっぱダメだね。街並みの写真見て「映画のセットみたい」と思っちゃってさ、なんか、土門拳の写した全てが、なんか記号のように思えてしまってヘコんだ。もっと、畳とか線香とか、便所のにおいがちゃんと立ち現れて感覚として、その時代を感じ取らないといけないな、、、と思うの。でも、現代の密閉空間の中で、その感覚を呼び起こすのは難しいことだ。

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2010年05月21日

3題

 帰り路、八木から左の窓側で、発車して、しばらくで耳成山がキレイに見えて、次は三輪山か、、、と思ったら、夏霞がかかっていて、ぼんやりとしている。黄砂だったかな? 山の新緑が芽吹いて、常葉の樹でも、案外、この時期が一番、色味が変わるのかもしれない。楠? なんか、真っ赤だもんね。。。

飛鳥資料館(奈良文化財研究所)
特別公開 キトラ古墳壁画
「青龍・白虎・朱雀・玄武」
 連日、待ち時間なしなのかな? 相対的な入場者の減少というより、言い方は悪いが客廻しが熟達してきたという所ではないだろうか? やっぱ実物を見る機会というのは貴重で、当初のことを考えたら易々と見られる今年は狙い目かも。
 あの、フリーペーパーのキトラbookが楽しみなんだよね。

奈良県立万葉文化館
平山郁夫展
『視点・論点』に館長が出てて、そうか原爆の絵なのか、、、と思ったら、展示替えらしく見られなかった。薬師寺の夜景がキレイで「ああ、たぶん何度も奈良に来ているけど、いつも探している奈良の風景って、平山(別に入江を含めてもいいのだが)の中にしかないんだよね」って、まあ、それでも行きたくなる魅力が奈良にはあるから、また行くんだろうけど、やっぱ、探しちゃうよね。

橿原考古学研究所附属博物館
大唐皇帝陵
 渋い。渋いが、確かに、この機会にしかできないか? あの遠景のまっすぐな道の先に〈山〉って、東之宮に近いよね。あっ、でも埋葬施設は地下か、、、頂上に古墳というのは独特なのか? 白山平ってモンキーセンターからも、鵜沼側からも見れるんだよね。
 ところで、四神ってどっち向いてるのか正解だと思う? 陵墓に進入するものを睨むのか? 焼き魚を盛りつける時みたいに決まった向きがあるのか? 薬師寺と高松塚・キトラの違いって見る人が中にいるか外にいるのかなのかな? もっと、違う見方があるかな?

 そう言えば、i_氏に同期していただきました。相似に近いスタンスで、局部的に相反にして、当たり障りなくすると、ああいう感じになるんだけど、こういうことを公言すると、ゆくゆく辛くなるかな? ただの僕の中の〈病理〉なのかもしれないしな。同期・非同期云々より〈同期的〉であるという状態が心地いい。坊主が憎ければ、袈裟まで憎いわけで、まあ、袈裟 = 悪という図式に、万民が耐えうるのか? という、まて、それ以上に悪なんだ! という悪即社会不適合というより社会が構造として袈裟についてどういうスタンスを取るのか? という1種不思議な、ものの考え方をしているので〈同期的〉というのが、一番心強い。って、これ、あっちで俺がやろうとしてたことぢゃん。

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2010年05月14日

2題

「音楽なんて、どーせ、どうにでもなればいい」と言わんばかりの別題。でも、クソアーのせいで、あの電気仕掛けの乗り物に乗れなかった。(どうも、そもそも乗れなかったらしい、、、)やっぱ、ダメだね。どうしても、音楽に対する生理的嫌悪感が消えない。(あくまで個人的な感想です)

奈良国立博物館
大遣唐使展
 意外に渋い展示。音声は、藤原仲麻呂。新館西館の改修だったか? 本館の展示替えだと思ってた。
 本館の展示は、常設展でも奈良とか奈良時代のビジターセンターの役割をします的な展示だよね。
 薬師寺の聖観音って台座って複弁だったか。平城京時代ではないよね。複弁の発生って意外に難しいのか? 奈良時代前期って藤原京時代を言うことがあるからね。ソレでしょ。

平城宮跡会場(メイン会場)
平城京遷都1300年祭
 しまった! 午後からでは回りきれない。でも、平城京歴史館(遣唐使船)と大極殿の高御座は見てきた。
 奈良博の時間延長を、ねらって歴史館の整理券から、ねらうといいのかも。
「整理券なんて私は聞いてない」ってゴネてる、おばちゃんがいて、もろ『警察24時』だった。おもろい「遠くから来た!」って、もろ、関西弁やん。奈良市内と見た。
 いや、僕は主催者ぢゃないから、こういう切り口で言えるんだけど、、、
 案内が善意の人ぶるから、やりにくい。「規則ですから」「見たいなら、これにこりずに、また、来てください」と、俺なら言ってしまうが、、、

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2010年05月04日

ジブリのレイアウト

 やっと、本格的に2010年度だな。

松坂屋美術館
高畑・宮崎アニメの秘密がわかる。
スタジオジブリ・レイアウト展

 もう、30年くらい前になるのか? 藤子不二雄氏が、よく特番を組んでアニメの舞台裏をやっていたのを思い出す。ある意味、ああいうモノの変換された展示なんだよね。
 この前の背景画の時も、そうだけど、会場の順路が、ある意味亜空間で不思議な感覚におちいる。
 もう、レイアウト、そのものが、どうのこうのではなくて、僕が考えていたのは『未来少年コナン』というのがあって、あのシナリオのDNAを受けるカタチで『エヴァ』があるんだよね、たぶん。現在の青年系アニメで『エヴァ』の影響を示さないものの方が少ない気がする。
 それって〈健全〉なのか? と思うのは少し意地悪な気もするが、まあ『カレカノ』も監督あの人だし、でも『エヴァ』を知ると影響とゆうか、しっかりと指紋が付いているのがわかる。
 そんな中で『コナン』の次が『ぢゃりン子チエ』なんだよね。「ああ、この巾なんだよ!」と絶叫したくなる。
 やっぱ、感覚がおかしいのカナ?

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2010年03月30日

「〝ジャパンコレクション〟の提案」

 なんか画像がデカい!
 地図サイトが終わっちゃって、地図にアクセスできなくなっちゃってるんだけど、4月が始まってからの方が、メンテナンスはいろいろと便利かな? と不思議な考えから、荒れたままです。

「〝ジャパンコレクション〟の提案」『視点・論点』
 を見たという話なんだけど、ジャパンコレクションとは、全国の博物館・美術館に収蔵されている品々を網羅的に眺めたときの総称。そのような作品群のなかで企画展が組めないか? というような内容。だが、この人、キュレーターがどんな活動してるのか知ってるのか?
 もう、すでに、博物館・美術館の学芸員の頭の中では、自分の得意分野の〈ジャパンコレクション〉ともすれば、全世界的な作品は網羅されてて、ハコと予算さえあれば、すぐに、その程度のことは可能なのではないだろうか?
 ウチだって『白瑠璃の碗』というカタチで〈ジャパンコレクション〉の膨大なデータの中から、必要な情報を引き出しつつある。
 いや、博物館・美術館の学芸活動を無視した状態で〈ジャパンコレクション〉の目録だけ作ったとしても何も活用されないだろう。(逆に、そのようなものにアクセスしないのはもったいないことなのであるが、、、例えば、館蔵品目録や優品図録のようなカタチで各館ごとにまとめられている場合はあるし、近所の常設展・収蔵品展を見に行くことは〈ジャパンコレクション〉を間近にするチャンスである)
 1種の、のり突っ込みなのかな?

2010年03月22日

3題

やっと2010年度に、片足つっこんだか?

国立国際美術館

国立国際美術館(大阪・中之島)
絵画の庭
ゼロ年代日本の地平から
「evolution」から「Prisoner Of Love」までか。2000年安保と言うのがあるとすれば「構造と個人」だ、というような話は以前したな。
 社会に対するテーゼというより個人的な欲求が重んじられて、〈構造〉との対峙は、〈表現〉という行為そのものを瓦解させる。こう書くと、なんかゼロ年代を総括してしまったようで不思議だ。
 10年代は、結局、俺のフィルターを通さないと何も始まらない時代なんぢゃないか? あっくんのフィルターでもいいのか? というのは冗談で、もっと、微細な〈構造〉の〈複雑系〉として、総体が垣間見れる時代になる。個々の〈微細な構造〉は、比較的、単純なプロトコルによって、相関関係を有している、その相関関係の抽出がメインになるのか?
 つまり、〈知の大系〉そのものが〈美〉に、直結する。つまり、ゼロ年代に忙しくしてた事と研鑽をつんだ事が、まぎれもない〈相反〉として、たち現れて、、、
 いい加減、長いな。

隣が市立科学館だったのでたちよる。
 科学館のミュージアムショプのひながたって、何処が元凶なんだ? 置いてあるものは興味深いのに狭い!
 展示は、天文とマテリアルに特化してる。(後で自然史は別立てなのを知って、それなら、それで、いいのだ)

橿原考古学研究所附属博物館
ここまでわかった平城京
『白瑠璃の碗』始めたのに、コレをレコメンドし忘れた!
 県調査が中心なのか? そんなこともないか? 発掘でわかる「平城京」のレビュー。
 まあ、年度末の展示なので、うならせる展示なのだが、遷都関連で、「平城京」に興味のある方は、図録だけでもゲットしておくとよい。

 そうそう、母と小さい娘がいて娘が、
「ねえ、ママ、これは、どんな意味?」
 って、聞くんさ、
「自分で見て、いいか悪いかで、意味なんか無いから、、、」
 それって、子供に対する説明として正しいのか?
 少なくとも〈ママ〉という概念を植え付けたのは、あんたでしょ?
「四角い紙に描いてあるね」とか「○○が描いてあるね」最後に「う~~ん、そんだけだね。どう? 好き?」みたいな、説明の仕方もあるように思うのだが。
 まあ、育児経験がないから言える理想論かもしれないけど、、、

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2010年03月20日

信長を育んだ勝幡城

信長を育んだ勝幡城
 いいなあ、お金有るところは、受付とか司会者とか湯水のごとく使ってるよね。(ああゆう人材も自分のところで持っているのか?)っていうか、稲沢の歴史系のマネーフローが変わるのかな?
 上質のアカデミズムは上質のエンターテイメントであるという考えの人だからなのか、「これは歴史ぢゃないから、、、」と言われても、エンターテイメントでもないだろう。
 もっと歴史地理的な勝幡の立地についてでもいいし、弾正台家のクロニクルでもいいし、神話なら神話で、構造神話学的なアカデミズムも、ないわけではないわけだし、逆に歴史小説的な信長の若年期であれば、かえって考証的な、あれこれって必要なのか? と思ってしまう。
 まあ、観光資源であって歴史ではないからという前提つきで大いにやってもらいたいものだ。(後援のところで、色分けしてもらえると判りやすい)

 小牧で「信長時代の石垣」が出たのは初耳。でも、あそこの担当者、そんな言い方するかな? と、なんか、すべての情報が嘘に聞こえてしまう。

 てか、逆に考えると、信長の生母の実家というのも、信長生誕地として可能性があるわけだな。奥田や北島も、そう言う蓋然性がないか?

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2010年03月18日

あづまぢリンクの新機軸

「使用説明」書いてて思った。
『ネクストあづまぢリンク』は、マイページと開始時期・終了時期のメール案内、そしてレコメンドだろ?
 どうにか借り物のアルゴリズムでなんとかできないかなあ?
 でも、そうやって自分でレコメンドするとなると、その難しさに気づくな。

2010年03月14日

3題

一宮市博物館
尾張平野を語る14 尾張の学問と文化展開

 いや、自分の席が惜しかったというか、固定客で飽和している講演会に、いいも悪いもないような気がする。
 まあ、尾張というか名古屋を中心とした文人のレビューというような内容。3回に登場する人物と業績が有機的につながって、クロニクルに頭の中でなったら、ああ、もう江戸時代も恐いことないな。と思えるくらい充実している。

尾張の絵画史-東西のはざまに咲いた華-
「東西」が、東洋と西洋と勘違いしていて、南画というか西洋画の影響の話かと思ったら、東日本と西日本だった。
 まあ、枝葉のことだけど、織豊期に始まる女性の肖像画だけど、それ以前に涅槃図に女性を書き入れるような流れ、その対として男性の肖像があったと考えれば、フェミニズム史的な観点から、どんなことが言えるのかな? と考えてしまう。

尾張の本草学と洋学
 伊藤圭介とシーボルトの蜜月。伊藤圭介の独自性の部分の内容が時間の関係ではしょられてしまったのが惜しい。でも、名古屋で朝鮮人参が作られていたというのも初耳だし。
「本草学」って博物学なのかな? と、いい加減に考えていたら「薬学」というか漢方薬を調べる方法という、そう言えば当たり前のことを考えていなかった。いや、でも実用だけが「本草学」の領域なのだろうか?

尾張藩における国学の展開
 あふれる知の体系。お正月に再放送してた徳川慶勝の番組、名市博の『開府400年展』もあって、その市井の国学の大系が1人のカリスマを祭り上げて、ダイナミックに活動していく様が興味深かった。
 どうも国学というと「平田学派」的な攘夷や廃仏毀釈のような危険な側面が強調されることもあるが、尾張では、どうだったんだろう? と思ったら、どうもはしょられた所にあったらしい。聞けばよかったか。やっぱ、本買っとくか、、、

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2010年02月20日

3題

鈴鹿考古博物館
国の華~伊勢国分寺の軒瓦~
 ああ、そうだよね。リアル博物館の限界だよね。展示資料人質に取られているようなモノだから、所蔵者に反対するようなキャプションはつけられないよね。「創建国分寺の廃絶」って、以前にも書いたけど、おかしな表現だもの。瓦の年代は、あんまり詳しくないけど、最末期の瓦って、火災の後の復興期の瓦が混ざってないか? 金堂の基壇なり、印象が薄れないうちに「国分寺堂」と呼ばれる仮施設が作られたのは、農道が金堂を避けるところからすると比較的容易に想像できることだし、「剃髪所」とするところから最末期の瓦が出ていることから、剃髪所の再整備も「廃絶」以後に考えたい。空也が尾張国分寺で剃髪するのは、それ以前にも僧として活動していたことから考えて、尾張国分寺において何らかの〈僧〉としての正当性を担保する儀式があったと考えるべきだろう。一説には、尾張願興寺に、その理由があったとする説もある。一旦、その当否は置くとして。まあ、尾張国分寺での儀式が「下野薬師寺の戒壇」と等質のモノであるかはよくわからないが、、、と、尾張のモノが出てると、尾張の話が長くなるので、逆に大鹿廃寺(南浦遺跡)とか、市内の他の瓦当もみたかったな。
 どうも、伊勢国分寺の瓦って伊勢国府の編みなおしというか、後期難波宮系の重圏文を蓮華文に直しているような感じの瓦だよね。大鹿廃寺を細弁化した伊勢国分尼寺と、在地勢力と国司の権限というのが、微妙にそれぞれ違うんだよね。

桑名市博物館
王朝のみやび 伊勢斎宮
 たまたま、朝、ネットしてたらやってるって聞いて行ってみる。そうか、、、「段付きのお姫様」って百人一首だよね。あれ、百人一首の図像というのも、案外、見るべきモノがあって、それが最近、くちゃくちゃになっちゃってるよね。京都の協会推薦って言うのが、ちゃんとしてるんだっけな?

四日市市立博物館
内藤ルネ ロマンティックよ永遠に
 ああ男の人だったんだ。そういえば中性的な名前だよね。『ジュニアそれいゆ』から、陶製のキャラクター、あのガラスに張る、いちごとか、テントウムシも内藤ルネだったんだね。
 でも、女の人ばっかだった。「あれ? こういうのカワイイと思うのってジェンダーだよね。性同一性障害とかぢゃないよね」と、考え込んでしまった。でも、まてよ、ホラー小説とか全然ダメだけど小酒井不木とか見に行ったもんな、、、いや、てか女の子のこと普通にカワイイと思うけど、「性同一性障害でレズビアン」とかあるのかな? いやいや、流されるな! こういう趣味・趣向はジェンダーだから。。。たぶん。

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2010年02月14日

マプサウルス

名古屋市科学館
肉食恐竜マプサウルス 生物の絶滅と多様化

 恐竜の復元の展示。親子が並んで展示されていて、あれ? 大きい肉食獣って子育てするのか? と思ったら、そこがミソらしい。
 群れをなして生活していたらしく、その群れの中の親子といった感じ。
 三葉虫、アンモナイト、サメ、大陸移動の説明、遺伝子と形態の変化についての仮説。。。
 いつも思うんだけど、科学関係の図録に対する不認識はいったい何なんだ? モンキーセンターは図録できないの判ってるから、チラシに書けるだけ情報を書いてた。でも、それだけでもあるだけでマシ。
 だから、遺伝子と形態の話なんて、他では聞けないし、リファレンスも必要な話でしょ。B4両面白黒の目録兼パンフだけでもいいから、あるとうれしい。といいつつ、イベント情報誌になんか詳しく書いてあったな。
「電気をつくろう」の方は、ほんとに子供向け。あれを一式で貸し出すところがあるのかな? まあ、いいや。

 ミュージアムショップで見つけた逸品。
 藤井旭氏編『ポケット宇宙図鑑』星の手帖社
http://store.shopping.yahoo.co.jp/starbook/pocheutyu1.html
 太陽系の惑星から、恒星の一生まで、カラーの図入りで、細やかに解説。児童・生徒から入門者向けかな?

 そうそう、業務連絡。いま、あんまりベタベタされたくないから、ベタベタするとフルよ。

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2010年02月07日

2題

安城市歴史博物館
発掘された日本列島2009
 そうか、弥生時代なら「河内潟」か、、、古墳時代の後期になって、あの辺が「クサカ」になるのか?
 なんていうか、トラディショナルというか絶大な権力に、すでに、ほころびが現れ始めていて、その場へ彼らは降り立つ。すでに知っていたのか? 河内での画策の中でか? オオヤマトに、もっと諸元的な権力の源泉があることに気付く。河内で安閑が生まれ河内の豪族の中で養育され、宣化は彼らがオオヤマトにたどり着いた時に生まれ、畝傍山麓の豪族に養育される。欽明もオオヤマトの生まれなんだろう。
 全然話がそれた。時代順の展示とは別にテーマ展があって、今回は「平城京大極殿」。復元大極殿の小屋組の図面がない。別に後ろめたいことがないんだから出せばいいのに、、、
 年次を重ねて、そのすごさがわかる遺跡の展示がこれからのポイントだね。大型開発に伴う遺跡は減る一方だから、計画的・学術的に年次をまたいで調査される遺跡の情報発信や再発見などは、今後『発掘された日本列島』の柱になるテーマだろう。尾張国分寺も史跡指定の過程で『発掘された日本列島』で取り上げられるのだろう。だから学術論文で注目された遺跡なんかでもいいんだよね。
 よく「当たり年と、そうぢゃない年があるからね、、、」と言われる展示だが、興行的に安定するような展示上の工夫が、、、って、もうなされてるのか?

JR名古屋高島屋
小杉小二郎・森田りえ子 二人展
『日曜美術館』で森田りえ子氏の作品を知って見に行く。何号ぐらいだ? 比較的、小さめの絵が飾られていて、その下に作者のエッセイが一編づつ。時間の都合で読まなかったんだけど、ちょっと長い。でも、ああゆう画廊の作品をつぶさに見てゆくことが、作家をディスカバーしたり、新たな潮流をつかむには必要なのかもしれない。

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2010年02月01日

遺跡命名のカタルシス

 まあ、こういうことを書くと良識を疑われるのかもしれないが、命名にはカタルシスがあるわけで、それは人間の子供でも、遺跡でも同じこと。
 まあ、遺跡の場合、遺跡名は様式を規定し時代を画する可能性を含んでいる。(まあ、人間でもネームリアクションみたいなものはあるわな)
 須ヶ谷の地域名は「すかたに」が適当ではないかという旨は以前指摘した。しかし、遺跡名は「すがたに」遺跡である。こういうのみると、やっぱ命名者のカタルシスを思わざるにはいられない。
 まあ、地域名「はさま」の所に「はざま」遺跡があっても別にかまわないわな。紛らわしいと言うだけで。名前というのは、あくまで記号だから、その記号の下で集積された情報の方に実は重要な意味がある。だから、ネットでハンドルネームで会話していても、情報が積み重なっていけば、ハンドルネームの下に人格が宿る。逆になりすましは犯罪扱いされるというのも、そういう理由からだ。
 結局、遺跡の命名も記号を割り振るだけの話だから、別に命名者のセンスが反映されるものだと思う。まあセンスというか本人にとっての口なじみの良さも大きく関わるんだろうな。それが妥当であるかどうかは、その記号が継承されるかどうか? なのだろう。
 まあ、地域住民とか、学史的な観点から言ったら、みっともないのかもしれないが、、、それは当事者ではないから知らない。

2010年01月30日

「・」にまつわる、おもしろ話

 一色青海遺跡からは溝は出ないはずだったのに出ちゃったね。でも、環濠とは言えないのか? いかん! 調査担当者の権限の領域に入ってしまう。オフレコ、オフレコ。
 一色青海遺跡のとなりに、「野口・北出遺跡」があるんだけど、その野口と北出の間にある「・」について、柳原可奈子ちゃん的に学術的に興味深い話を1つ。
 ふと見た感じ「一色青海」には「・」がなくて、「野口・北出」には「・」があるのに気づくだろう。一色青海の言葉の意味は「一色という比較的、広い地域の中の青海という場所」という意味になる。「野口・北出」の場合は「井堀にある野口という場所と北出という場所」という意味で「一色」と「青海」の関係性と「野口」と「北出」の関係性では微妙に違うことが判るだろう。かくして野口と北出の間には「・」がつくのである。
 また、別の場合を考えよう。学術論文というのは提出する雑誌によって字数が厳格に決められているのはご存じだろうか? そういう学術論文を書く場合、複数の遺跡をできるだけ少しの文字数で表現したくなるのは必定。人によっては「○○遺跡と××遺跡では」のような表現を「○○・××遺跡では」のようにつづめて書くことがある。では「一色青海遺跡」と「野口・北出遺跡」では、どのようにつづめるのか? 「一色青海・野口・北出遺跡」では、「一色青海遺跡」と「野口・北出遺跡」なのか「一色青海遺跡」と「野口遺跡」と「北出遺跡」なのかが曖昧になる。このことを嫌って「野口・北出遺跡」の「・」をとって「野口北出遺跡」とする場合がある。手元に考古学や稲沢の歴史に関する資料をお持ちの方はご確認ください。「野口・北出遺跡」は、どのように表現されていますか? もし混在するような資料があれば、上のような経緯を知らずにつくられた資料かもしれません。そんなのバッタモンだ!
 僕なんか、こういう所に研究者の人間味みたいのを感じます。なんか1つのバロメーターみたいに思うんだよね。遺跡を命名した研究者側につくのか? 学術論文に合理性を求める研究者側につくのか? みたいな。
 野口・北出、須ヶ谷、一色青海、跡ノ口などの遺跡を含めて「井長谷・一色遺跡群」といいます。この「井長谷」と「一色」の間の「・」は、上のような経緯を踏まえて、おもしろいからつけてあるんですよ。命名者が言うんだから間違いない?

2010年01月29日

何題だか判らん

大阪歴史博物館
常設展
 なんか、とんでもないことを知らなくて、難波宮が大坂城の南にあるの知らなかった。まあ、地理感がなければ、どこに何があるって知ってても、それは頭だけの知識だからといい訳にならないいい訳をしておこう。
 そうか法円坂遺跡。継体以前になるのか? 興味深い遺跡だよね。大阪のもう少し北になるのか? 彼の人の名前を冠した港がある。あっ、案外、大草香って案外その人のことかもしれない。なんか『記紀』のなかで代を間違えて記してあるような記事があるでしょなんか、そんな感じ。いやいや、遺跡は総柱建物群。港に付随する倉庫なのだろうか? 卑弥呼から倭の五王までって、どっちかって言ったら対外的に日本を位置づけようとしていて、継体位になって、やっと中央集権とか、ダイナミックな広域流通のようなライフラインを整えていないか? そう見たときに、継体一行が難波の港に降り立ったときに受けたであろう衝撃? そのインパクトを1番、意識的に認識していたのが彼の人なんだよね。たぶん。うわっ地下だけでこんなに書いちまったよ。
 ようは、近つ飛鳥や狹山池のアンチテーゼと考えると判りやすいでしょ。そうか、そう考えると、あの2人の対決は根が深い。
 大坂城からか? 備前の万富東大寺瓦窯の瓦が見つかっている。やっぱ、大阪から入ってくるんだね。いや、対岸に讃岐院がいるなと思ったら、なかなか、あそこを通しにくいなと考えてしまって、、、まだ、東大寺再建の頃って、そこまで怨霊として認知されてなかったのかな?
 あと、秀吉像でも豊国明神ではない、人間の秀吉像もあるんだね。しらなんだ。徳川側があえてつくらせたのか?

大阪歴史博物館
聖地チベット
ポタラ宮と天空の至宝
 もう、常設展だけでおなかいっぱい感があるが、本題はこっちである。
 そうそう、双身の尊像の名前が出てこなくて「チャクラー」だ。10年以上前になるか? 岡崎の美博にチベット展が来て、あまりの尊像の多さ、「ターラ」や「マハーカーラ」のような、独特の尊名に圧倒されたのからすると、セカンドインプレッションだからか、期待しすぎたか、小さくまとまってる感がいなめない。
 ああ『悪党的思考』に出てくる「ダーキニー」にあえた。大日を転法輪印で示すのなんか、やっぱ智拳印は説法印系なのか? と思わせるよね。

橿原考古学研究所附属博物館
速報展
『再発掘 桜井茶臼山古墳の成果』
 破片だとは聞いてたけど、本当に破片だよね。でも、その破片がレーザーの実測図の上にピタッと乗るところを見ると、それはそれで、壮観。
 やっぱ、鏡の名前は『辞典』が欲しくなるよね。大阪の常設展に『図解』がおいてあって、手にとってパラパラめくると、やっぱ欲しくなる。千円しないで買えるのもあるらしいし、たぶん時期が来れば再版もあるんだろうな。

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2010年01月27日

2010年『手帳』

(すべてを入手している訳ではない(部分否定)ので、ご購入の場合は、各自ご確認してください)
歴史系『手帳』
http://www.amazon.co.jp/dp/4642098364/
http://www.amazon.co.jp/dp/4634640449/
http://www.amazon.co.jp/dp/B002OXQFN2/
歴史系『便覧』
http://www.amazon.co.jp/dp/4634601605/
http://www.amazon.co.jp/dp/4634605805/
http://www.amazon.co.jp/dp/4931208134/
http://www.amazon.co.jp/dp/4424224023/
茶道系『手帳』
http://www.amazon.co.jp/dp/4863660626/
http://www.tankosha.co.jp/cgi-bin/bookdetail.cgi?pc=0000003601-000000
茶道系『便覧』
http://www.amazon.co.jp/dp/4863660588/
京都系『手帳』
http://www.amazon.co.jp/dp/4473035298/
http://www.amazon.co.jp/dp/4863660669/
http://www.amazon.co.jp/dp/4838104189/
京都系『便覧』というか「らくたび文庫」
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_ss_i_0_4?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%82%E7%82%AD%82%BD%82%D1%95%B6%8C%C9&sprefix=%82%E7%82%AD%82%BD%82%D1
(つづめ方が分からん)
『奈良旅手帖』
http://www.amazon.co.jp/dp/4878067012/
http://naratabi.main.jp/
『刀剣甲冑手帳』
http://www.miyaobi.com/
『着物手帳』
http://www.amazon.co.jp/dp/4863660642/
『天文手帳』
http://www.amazon.co.jp/dp/4805208155/
『便覧』はハンディなもの、有用と思われるものにとどめた。
 増補や、どんなシチュエーションで有用かの報告もお願いします。
 博物館7つ道具も考えないとな、、、半券と目録をしまうと両手使えるんだよね。。。

 ついでに辞書類もやっておくか!
『日本考古学用語辞典』
http://www.amazon.co.jp/dp/4311750250/
http://www.amazon.co.jp/dp/4311750331/
http://www.amazon.co.jp/dp/4311750323/
『文化財用語辞典』
http://www.amazon.co.jp/dp/447301066X/
『図解考古学辞典』
http://www.amazon.co.jp/dp/448800315X/
『日本考古学事典』
http://www.amazon.co.jp/dp/4385158355/
 最近は、なんか、用語では困らないよね。「螺鈿(らでん)」を使わずに「漆の中に貝殻がはめ込まれ」みたいな専門用語を使わないのが主流? 的な感じ。
 音声ガイドなんかでも漢字語は耳につく、というか意味がとれない場合がある。口頭説明が多くなれば、専門用語はキーワード的に使われるようになって、その都度、説明されるようになる。
 辞書なんか使わなきゃ意味ないし、最初から1万円もする事典をすすめない。小辞典か千円以下の古書なら試しに買って使うかどうか?
 辞書なんだから古書は古書だし上にあげたのなら3~4千円くらいか? 目安は。(って、京都文化博物館にまだおいてないかな?)

2010年01月24日

2題+α

徳川美術館
蓬莱-延命長寿の願いをこめて-
 江戸時代の認識であの図像を「厩戸皇子像」とするとすれば相当開明的と言わざるをえない。しかし、あの図像を何をもって「厩戸皇子像」としたかについて明確な説明がない。秦川勝像も併せてあることから、「〈聖徳太子〉像」とすべきではないだろうか? 江戸時代に〈聖徳太子〉以外の「厩戸皇子」がいたとは考えられない。やっぱ、どっかに「厩戸皇子像」と書いてあったのかな?
 いかん! 蓬左文庫で手間取ってしまった。
 蓬莱は、神仙思想にまつわる文学・芸術の展示。「和鏡の魅惑」をみたら、こっちも見たくなった。浦島太郎、『竹取物語』、熱田神宮、三番叟、神仙由来のモチーフ、、、とつづく。「熱田社参詣曼荼羅図」「熱田宮惣絵図」をみたら、熱田神宮に初詣に行きたくなった。
 ミュージアムショップで『茶湯手帳』なるものをみつける。
http://www.amazon.co.jp/dp/4863660626/
 手帳マニアには垂涎の手帳。『歴史手帳』でも山川と吉川弘文館をそろえ、なんか『天文手帳』というのも買った。(毎年買っている訳ではないが)まあ、月の満ち欠けや日にちの干支・二十四節気、年中行事のような日にちにまつわる情報も楽しいが、子供の頃から便覧的なモノに異常にこだわってしまう。
 でも、便覧なら『必携茶湯便利帳』(未購入)の方が充実してそう。
http://www.amazon.co.jp/dp/4863660588/
 淡交社からも『茶道手帳』が出てるな。
http://www.tankosha.co.jp/cgi-bin/bookdetail.cgi?pc=0000003601-000000
 まあ、茶道やるか、茶道関係の美術に興味のある人にしか必要のない本だよ。当たり前だが、、、

名古屋ボストン美術館
永遠(とわ)に花咲く庭
17-19世紀の西洋植物画
 音声ガイド、iPodtouchキター! いかん、どうしても実際の絵よりiPodの画面に目がいく。カバーフローにして順繰りにして絵を探せば、逆に番号が順番になってなくてもいい訳か、、、
 で、本題の展示はシーボルトが日本の植物にも興味を持っていたって話があるじゃん。あの辺から始まる。(日本にまつわるものがあるわけではない)本草学的に植物を描くのか、もっと装飾性の高い絵画にするのかという所からはじまって、装飾的な方は今度は陶器のデザインととしての需要もあったり、写真が、まだ白黒なのか? すると刷り物に色をつけた方がいいと言うことになって、実用的な植物の絵画として、園芸家に対するカタログの意味合いが付加される。園芸家も、玄人から、次第に素人に普及していくような。最後の1章がボストンの話で、あとはヨーロッパじゃなかったかな?
 つらつらと書いてしまったが、もっと単純に「永遠(とわ)に花咲く庭」というか、植物(花)の絵画の展示として理屈抜きに「わー綺麗!」と楽しめる展示。
 図録が英語版に日本語のサブテキストが付くカタチ。なんか試されてるな。こんな感じて大丈夫でしょうか?

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2010年01月23日

古代の塩づくりと松崎遺跡

東海市立文化センター ホール
古代の塩づくりと松崎遺跡
 松崎(まつさき)遺跡は、いわゆる「日下(ひのもと)のクサカ」の発祥の地で、あの時はなに考えてたかって言うと、相反なものを、とんでもない方法を使って相似なものにしてしまおう! という、ちょっとお茶目な企画であった。(どの位の知名度があるんだろ?)
 それが『白瑠璃の碗』の出だしのキーポイントになるんだから、無意味? なこともしてみるもんだ。

 結局、消費遺跡とされる梅坪や伊場で流通は終わりではなくて、美濃みたいに、そこで何らかの形で再精製されて、信濃や東海道の国々や、奥美濃、飛騨?(ぶり塩って塩も富山だっけ?)へ、流通されてく中継地とみないと、なんか見誤る気がする。逆に、なぜ中継地で再精製が必要なのかは疑問だ。湿気るのか?
 そういう、広域流通考えたら下津高戸は意味合いが少し違うが、やはり国衙近辺(大国府)まで運ばれている事を考えれば、国衙の掌握する中で塩が管理されたのだろう。
 逆に下津高戸に限定して言えば、「再結晶」のような精製方法も考えていいのかもしれない。(証明はお任せだから、言いたい放題だな)
 結局、『白瑠璃の碗』の収穫よりも、国衙論の収穫が大きかった。
 いいんだ。それはそれで優越感だし、自分の中でも「日下のクサカ」が「トンデモではない」って言い切れないし。。。

2010年01月22日

和鏡の魅惑

浜松市博物館
和鏡の魅惑
 いいよね。正月に鑑賞しておきたい絵柄だよね。赤塚氏のいう「和鏡」は「「人方」製鏡」というタームに対して「倭人が選択した紋様」と言うような意味合いのある言葉なのだろう。(たぶん「邦製鏡」の方がいいというか、それぢゃ、ただのミスプリだな)あれとは時代が異なる「和鏡」の展示。
 奈良時代のが1枚あって、平安時代から江戸時代までの鈕のある鏡。室町末からの柄鏡。遺跡からの出土品。方形の鏡。もう、そのラインナップだけでも「魅惑」されてしまう。と思いきや、なんか4~5人で来てた学生が「なにが「魅惑」なんだ?」そうか、そのものズバリ展示されててもダメか、、、と、なんか、その「魅惑」の本質をうまいこと説明できない自分に自己嫌悪。
 シーモンスターをついでに見に行こうとしたら、機械整備のために上映中止だそうな。ああ、ホームページに出てるわ。ちゃんと確認していかないとね。
 自然史博物館の所じゃなくて、入園の門の所にインフォメーションがあると入園料払わなくてもすんだのに、、、いや、お金が惜しいとかぢゃなくて、シーモンスター目当てで、のんほいパークに行く人だって、いたっていいぢゃん! どーせ、オレは変わりモンだよ。シロクマやラッコ見ずに帰って来ちゃうんだから。

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2010年01月20日

このサイトの年中行事

 だんだんカテゴリーが何が何だか、分かんなくなってきた! まあ、いいや、続けてりゃ何となくカテゴライズされてくだろう。
 まあ、このサイトの年中行事というか、博物館の公式サイトで特別展・企画展のインフォメーションをどうしたら、1番効率がいいのか? みたいな話。
 4月から1年を見てゆこう。「新年度のことは4月にならないと分からない」というのが博物館の常識、4月に始まってネットに公表されるまでに半月とか、ともすれば1月。1月たったらゴールデンウイーク始まってるっていうの。この4月からゴールデンウイークまでに年間行事をアップするのがウチの1番の労力だわな。
 ゴールデンウイークはひたすら博物館巡り。ピックアップしておいた展覧会を開始時期、終了時期にあわせて並べてゆく。講演会はその日決まりだから、その日は埋まりとか、、、
 ゴールデンウイークから夏休みの前(7月中頃)までに終了した展覧会を削除していく。
 9月。年度の後半スタート。9月にならないと年度後半の予定が手に入らない博物館もある。そのような情報を追加して、夏休み関連の終了展示を削除して、9月は始まる。そして、注目しなければならないのが文化の日関連の展示。ゴールデンウイーク(春)と文化の日関連(秋)の展示は、見応えのあるモノが多い。逆に夏や冬の展示は入門編であったり、館蔵の優品の展示など渋めのうならせる展示が多い。まあ、社寺関連の博物館では新春に特別展を置くことも少なくない。余談だか。。。
 文化の日から立冬すぎることくらいまでか? 秋の特別展がつづいて、野外展示の博物館・動物園の冬期営業が始まる。雪の多い地域では冬期休館もある。
 12月~1月の間に終了した展示の削除を行えば、年度末まで、安泰かな?
 逆に言ってしまえば、4月~ゴールデンウイークくらいまでの展覧会でいいから、1月くらいに発表されると都合がいい。やっぱ、あのスタートダッシュはきついんだよね。

2010年01月17日

botって何?

http://twitter.com/Fukuiraptor
 福井県立恐竜博物館の「フクイラプトルくん」のツイッター。
 ところで「bot」って何? なんかプログラムで時間毎にしゃべらせる装置らしい。
『岐阜新聞』の記事もリンクしていて、可児の木曽川に木の化石があるんだって。

2010年01月16日

地図サイトの「美」

 ALPSLAB、2010年3月で、サービス終了だって! もっと早く言ってよ、、、 げ! サイト、再構築しないといけない。ケイタイで見える地図サイトで長く続きそうな所って、どこだ?
 地図サイトの美って、やっぱ、URLの短さ、なのかな?
 結局うちのサイトだと、公共交通機関から目的地までの道筋の補助的なものだから、、、でも、それには2種類の意味があって、1つは最寄り駅からの徒歩のルート、もう1つは路線バスに何駅から乗ればいいのか? と、いいつつ、それには例外もあって、例えば、岐阜県博みたいに、名鉄岐阜からルートを示すのは向かない場合もある。そういうときは、小屋名バス停からのルートという具合になる。(まあ、美濃町線のイメーヂが強いのか?)
 だから、縮尺というのはマルチプラットホーム(端末の種類に依存しない表示)より重要な意味がある。
 結局、地図は座標と縮尺で表現できて、それがALPSLABは、キレイに感じた。
 Yahoo! の場合、2つの座標による範囲の指定で、座標が2つというのは、必ずしもスマートではない。まあ、10進法の座標表示はなじみやすいけど重い。16進法や24進法では何が書いてあるのか分からない反面、軽く表記できる。
 まあ、下書きというか、書きかけ。すこし、まとめてみたい。

2010年01月13日

器種の用途の推定

 根津美術館で「あなたが考える おもてなしの献立」という企画があるそうな。
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2003

 汁(しる)・向付(むこうづけ)・焼物(やきもの)・八寸(はっすん)・強肴(しいさかな)

 懐石というか、茶道の作法の中に入るのか? あれと、これと、それが必要で、、、という、決まりモノがあるわけで、その決まりモノが何であるのかは、厳密に想像の領域だけのことだろうか? まあ、時代によって決まりモノは変化していくのだろうけど、、、
『萬葉集』の中にも、食物を読み込んだ歌がある(巻十六・三八二九 100113放送)そんなモノから、復元できないだろうか? って、もうされてるよね。てか、自分でやる気ないのに、こういうの書くのも、なんだかな~~

2010年01月11日

重箱のスミ

 重箱のスミ。備忘録で批判ではない。

100111
『大ローマ展』 能登印刷 ガイドリスト附
*ガイドプレートが人波で見にくい。頭の位置より上にあるとよい。
*音声ガイド終了の前後で画面が明るくなるとよい。
*端末がカラー液晶、Windows系なので、コピペなど有機的な活用の可能性がある。
『名古屋400年のあゆみ』 カセットミュージアム
*11のガイドプレートが見つからなかった。

2010年01月10日

3題

高浜市やきものの里 かわら美術館
魯山人の宇宙展
 巡回展。岐阜市歴博の再来。展示内容が岐阜の時とまるきり順路が反対。(ネタバレかな?)いきなり入って、おお! これはコンテンツ賞か? 的な衝撃。魯山人は『美の巨人たち』でも特集されてて、またイメーヂがふくらむな。ピカソに対する言及は秀逸。やっぱ、辛口だけど、作風はそういうことなんだよね。

愛知県美術館(名古屋栄)
古代ローマ帝国の遺産
栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ
「大ローマ展」をメインタイトルにするのは正しいのか? もっと「悲劇の街ポンペイ」を前面に持っていった方がイメーヂがわきやすいと思うが、、、見る人によれば「大ローマ展」と言えば、そのものズバリ、あの展示内容になるのだろうか? せっかく莫大な移動費がかかっているのだから、見世物的な矮小な客寄せは止めて欲しい。(と言っても、そうしないと客が入らないんだから仕方ないのか)もっと、10年くらい前に、たけしの番組で噴火するって言ってた火山が過去に噴火してて、、、みたいな切り口。これも見世物か、、、そうそう、アウグストゥス! なんか横文字の名前は覚えられん。

名古屋市博物館
開府400年記念特別展
名古屋400年のあゆみ
 ぐふふふふ。って、変なこと書くと、次から貸してもらえないと困るな。
 清洲越しから現在までの通史。40項目のトピックスを立ててて、20が長州征討だから、近現代史も充実している。堀川、七里の渡し、宗春、松坂屋、明倫堂、本草学の伊藤圭介、徳川慶勝、、、項目を拾ってるだけでもきりがないな。それぞれで、1回の企画展になるくらいの内容。

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2010年01月09日

2題

日本モンキーセンター
進化のおもちゃ箱 マダガスカル展
 ビジターセンターって、あんなにちっちゃかったんだ。まあ、いろいろな所から資料を集めているし、自分の所の収蔵品の開陳など、気合いの入った展示なのだろう。シーラカンスの映像が見れなかったのが、ちょっと残念。(って、この前見たな、、、)
 どうも、僕の中でマダガスカルのすごさというのがいまいち、ぴーんと来てなくて感動が薄い。クマノミが水槽の上で手をこすると、よってくるのが、かわいらしかった。白黒のヤツは、なんか逃げてたな。人見知りだな。
 常設展の方も、かえって細かな種類は実物にゆずって、リスザルの類とニホンザルの類とチンパンジーの類ぐらいに大まかに分けて、動物行動学の知見なんかを実際に園内で観察できるようなトリビアにして発信できるといいような、、、って、何年前の展示なんだろ? 少年時代に見たのか? 記憶にない。

四日市市立博物館
古代朝明の風景 久留倍遺跡展
 普通の図録があったら官衙基本文献になるのに、、、ああ、もったいない。まあ馬家の資料がないのは、次にもう一回企画してもらうとして、郡衙に比定されている遺跡のレビューは壮観。(大きいんだかちっさいんだか分かんないけど)

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2009年12月23日

σ値がないのはナゼか?

 以前、どっかで疑問が出されていたが、14C年代測定の補正値の誤差の話である。
 この話、実は「春成氏は特殊器台の専門家だから間違いがないだろう」というのは、1周して正しい。(専門家が正確な判断をするという命題の真偽は疑問だが、、、)
 結局、形式編年と14Cのハイブリッド(クロスチャックにはなってないのか?)の年代決定である。(と書きつつ、5年くらい前の知見で書いているので日進月歩、新しくなっているのかもしれない)逆に言えば、形式変化とともに、あのナミナミが古くなっていたり、新しくなったりすればよい話になる。
 σ値が、なぜないのか? という疑問だが、あのナミナミが富士山に見えるのか? という疑問である。
 14C年代測定の補正値は、あのナミナミそのものに意味がある。14C年代測定の実測値は理論的なモノなので、富士山のようなカタチ(正規分布)をしていると仮定される。その富士山のような分布を補正することによって、あのナミナミは現れてくる。σ値は富士山の裾野の広がり(一般には肩巾)を示す値なので、あのナミナミが富士山に見えなければ、σ値を求めることもできないし、示す必要もないのである。
 では、あのナミナミをどう見るか? 簡単に言ってしまえば「確率の雲のようなもの」といえないだろうか?(理系の人はいやがるかな?)
 あのナミナミの高さを濃さ(高いほど濃い)と考え、その年代の幅で、実際にどこにいるのかは分からないけど、濃いところにいることが多いというようなものだろう。
 もう、めんどうくさければ、文系の人向けに、あのナミナミを富士山と考えて、σ値を出してしまえばいい。平均値だって、時代幅の平均と確率の濃さの平均では平均値が異なる気もする。
 つまり、この手法で注意しなければならないのは、14Cという理系的な方法で年代が決定されたのではなくて、形式編年という文系的な方法で年代が決定されていると言うことだ!(このことは誰も大きな声で言わない。な~~んでか?)14Cは形式編年に対して、具体的な年代を示唆しているにすぎない。
 でも、まあ、この話聞いて、この手の話を信用しないというのも違うし、何も考えずに盲信してしまうのもよくない。

2009年12月22日

非高塚系古墳

高塚系古墳

 古墳時代の中期の古墳って、松阪・宝塚のように1号が前方後円で、2号は前方部が萎縮する。(この萎縮を造出附円墳と呼ぶか、ホタテ貝式古墳と呼ぶか、やっぱ前方後円墳でしょとするのかは、言葉遊びだから今は保留)なんとなく、薄葬令のような上からの圧力を考えてしまう。(その端緒が『日本書紀』に描かれているとすれば注目すべきだよね)
 それとは別で、造墓令ともいえる現象があるんだと思う。一般に「有力農民層」と呼ばれる人々の台頭。(雰囲気、ちと早いのか?)
 具体的に言ってしまえば、尾張低地部では、海部の古道の古墳群(蜂須賀蓮華寺寺叢・南麻積富士社・込野築山)である。現状から復元できる模式図は画像のようだろう。言ってしまえば、ある尾張低地部(名古屋市内)にあるホタテ貝型の墳丘墓もこの類型だろう。
 1段目と呼ばれるところはあるいは基壇と呼ばれる所かもしれない。しかし、現状目視だけで、それを限定するのには躊躇される。ここでは2段築以上の可能性があるとしたい。まあ、2段築目は富士塚としての改変が激しく、その途中に段築の存在するかどうかは特定しがたい。
 周溝がどの程度の深さなのかは置くとして、1段目は地表面とさほど高低差がなかった可能性もある。造出部は1段目と同等の高さなのかもしれない。

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2009年12月21日

紅白

「ねえ、『火と汐』って10回言って」
「えっ?(今時10回10回?)『火と汐』『火と汐』『火と汐』『火と汐』『火と汐』『火と汐』『火と汐』『火と汐』『火と汐』『火と汐』」
「(下唇に人差し指をあてて)そんなに、したいの?」
「うん」
「って、何をしたいの?」
「(ポッ!)うんん、なんでもない」

 なんか、ここ5年くらいの中で1番楽しいクリスマスだ。

『つばさ』と『ウェルかめ』と『蒼穹の昴』の宣伝なのかと思ったら、なんか『ウェルかめ』だけらしい。でも、カナちゃん来そう♡
『蒼穹の昴』の映像が、いち早く見れると思ったのに、、、
http://www.nhk.or.jp/subaru/
 なんか、細川氏と対でジョンガラ対決なのかな?
 大陸史は苦手なんですが、なにか?

2009年12月16日

コンテンツ賞

 なんやかんやと考えていると、あれもこれもとなってしまう、、、
『爆問学問』(NHK総合 火曜・午後11時)
 今年の特展の企画やる前からある番組だし、ある意味、本1冊分を30分に収めているのだから、おもしろくないはずはない。しかし、理系分野は、僕がMCをした方が学術的におもしろくなる。(そういう意味なら、あのポストを狙っている半学者は多いのか、、、)
 だから、その「おもしろさ」が太田氏の言う「おもしろさ」なのかは疑問だけどね。しかし、逆に言えば編集点を失うと言い換えてもいいのかもしれない。
 極論を言ってしまえば、太田氏の理解が、そのまま「一般の教養」のレベルといえるのかもしれない。(その意味では内容ごとにMCが変わるのはおかしいのか?)
 いや、ある意味、理系分野の研究って、存在理由を突き詰めていくと、どっか空虚になる。太田氏は、ときどき、それを突き止めようとしてしまうから、、、
 なんて言うの? 大学レベルでも難しいのに、大学院レベルはもっと難しい。研究者レベルになれば、逆に孤独との戦いと言っても過言ではないだろう。それをひっくり返すと「存在理由が空虚」な理由になるのだ。
(別に学者が智にあぐらをかいているとか、太田氏がつまらないという議論をしているのではない! 補足まで)
『ダイアモンド☆日本史』(podcast)
 この2つを並べてしまうと、何が何だか分からなくなる。
 どうもJTのプロジェクトらしい。あのニワトリのコーナーも楽しい。
 大学のポットキャストというのは、こういうのとも、わたりあわないといけないわけだから大変だな。
 まだ、そこまで聞き込めてないので、今回はココまで。。。

2009年12月12日

万歳

安城市歴史博物館
江戸後期の三河万歳事情

『私のための芸能野史』をカバンに入れて行ってきました。(『日本の放浪芸』『私は河原乞食・考』の3部作を、年末年始に読むのが、この数年のお気に入り)
 ちょっと内容とは違うことを、、、
 尾張万歳の縁起考えてて、長母寺・無住と唱門師に行き着くことになる。しかし、万歳の本文(ほんもん)を考えると「棟上げの言祝ぎ」であったり「真宗の極楽浄土へ導くモノ」、「神道系の七福神(だったか?)」と、唱門師というか、陰陽道へ行き着く題材があまりないことに気づく。この縁起と本文の内容の齟齬は、なんか構造のズレなんだよね。
 ほかの芸能であれば、安倍晴明親子の『葛の葉』みたいなものを演目としてあげるものは少なくない。
 あるいは土御門家との結びつきの神話が、縁起の唱門師と結びつく説話の構造を生み出しているのかもしれない。
 あんま、せっかく唱門師関係の芸能としてフューチャーしているのに、あんまり声高に言ってはいけないことなのかもしれない。

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2009年12月06日

補遺

 まあ、江戸時代から現代(大正期)までの古物商の身体検査をおこなったら、たいてい、グレーというより黒なんだから、現物を見て、形式学だったり、金石文学で整合性があるとかないとか、、、結局、鑑定眼なのか、、、
 いや、話のなりゆきで、聖徳太子云々になったから「聖徳太子はいた説」を少し書いておこうか? 以前、書いたんだっけ? まあ、いいや。
 結局「聖徳太子はいなかった」という説は、藤原不比等の『日本書紀』編纂に対す評価の話だから、発端は梅原猛氏の3部作にいきつく。法隆寺は聖徳太子鎮魂の寺とする『隠された十字架』、記紀神話論『神々の流竄』、柿本人麻呂論『水底の歌』が3部作。
『神々の流竄』の藤原不比等の活躍から「聖徳太子はいなかった」に発展するのなら、『隠された十字架』の存在理由がなくなって、3部作が成り立たなくなる。そのことに気づいた梅原氏は『聖徳太子』という大著を、その後なしている。『聖徳太子』の手法は、その後、梅原氏の法然論『法然の哀しみ』に受け継がれているような気がする。
「聖徳太子はいなかった説」は、すでに多くの研究者に受け入れられているので、まあ、これからの話は、マイノリティーの意見である。

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2009年12月05日

大賞!

 さあ、いよいよ大賞の発表です。
 さあ、大賞は、今後の展示の期待も込めて、

『日本瓦の基礎知識』(高浜やきものの里・かわら美術館)

 です。
 有名所が出たり、お金かけた展示は、別にウチで評価しなくても、他所で評価されるだろう。しかし、機転をこらした展示や、館蔵品を新たな視点から見せる展示の評価は、ウチの得意とするところ(?)なので、、、まあ、やっぱ、『美濃の古瓦』は、見たいところですね。といいつつ、『美濃の古瓦』が見れないのは、ウチの怠惰のせいでは? という話を、、、

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2009年12月04日

智のもつれ

「ねぇ、私はアナタを「男」にしたいの! だから、今は、目をつぶって」
 変なの、上半身がそんなこと言ってきやがった。

 あとは大賞の発表だけだな、、、と思ってたら、コンテンツ賞を思いつく。
『ブラタモリ』(NHK総合、木曜 午後10時)
 映像コンテンツというか、動画コンテンツの強み。
 地図と地形をリンクさせて表現するというインタラクティブ。
 坂道と暗渠(あんきょ)から見えてくる、東京という都市。
 逆に『空から日本を見てみよう』(テレビ東京系列、木曜 午後8時前?)は、ネット地図を動画化したコンテンツで、動画という事がカセになっているのかもしれない。
(まあ、地図繰れない人には、便利な番組)
 と、考えてて、『坂道美学入門』があって『アースダイバー』があって、その間に『TV見仏記』があって、『ぐっさん家』があって『ホトチャンネル』『ゴリ夢中』、、、ああ『旅してゴメン』、『ご縁です』『そこ知り』、、、
 なんか、名古屋に旅番組が多いことを気にするタモリ氏、と、言うのは、ぐるり一周しているようにも見えてきた。
『アースダイバー』『TV見仏記』の辺りで、僕の智の大系がもつれ始めたんだナ。

2009年12月02日

巨星、落つ

 なんだ、虚勢乙って、励起しすぎて卒倒したとかぢゃないよね。
 巨星というか、保守王道、太陽だよね。
 なんか、あのぼんやりとした筆致が、あまり好きではなかったんだけど、NHKの特番みてたら、すごく精緻なデッサンをしていて、ああ、勝ち取った筆致だったんだな。と、改めて認識する。
 なんか、東山魁夷の「次の人」みたいなイメーヂがあって、2人に対して失礼な認識なのかな?
 文化財保護の活動にも造詣の深かった人なだけに、その欠落を補うのは大変なのかな?

『歓喜する岡本太郎』(四日市市立博物館)
『没後40年 レオナール・フジタ展』(松坂屋美術館)
 ピックアップした今年の特展は、上の2つで以上。
 最後に残った、論じるべき事は「巨星と特別展」。
 なんで、すごく今を生きているんだろう? と思ってしまう。
 いや、「ビックネームは、それだけで集客力があるだろうから、「巨星と特別展」というスタンスで、もう考ええることはないでしょ?」
 はたして、そうだろうか?
 藤田嗣治の認知度って一体どのくらいだろう? 1%~5%という所ではないだろうか?
 以前指摘したが、1億の1%は100万である。フジタのポストカードが100万人に届いているだろうか?
 その点、岡本太郎は安心できる。CMに出ていたから。
「グラスの底に顔があったっていいじゃないか!」
 しかし、岡本太郎 = 「グラスの底に顔があったっていいじゃないか!」は、認知していることになるのだろうか?
 だから、今日のニュース見てて、
「もう、言葉になりません」とか、
「惜しい人を亡くしました」なんて、
 たとえ50%の認知度があったとしても、その認知されていない方を棄却して、本当に中立な報道なのだろうか?

 なんか、こう書いていると、言葉遊び、というか数字を並べて幻惑してるように見えるだろうか?

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2009年12月01日

博物館のアプリ

『江戸っ子が見た三河万歳』(安城市歴史博物館)
『トリック・アートの世界』(豊橋市美術博物館)
 なんか、これでもか! ってくらい我田引水で、いいんだろうか?
 もっと、展覧会の構造に根ざして、評価していくべきなのかな、とも思いつつ、今年はこんな感じ。
 今回は「博物館のアプリ」、街中にしたって、デジタル上にしたって、博物館は、そこに厳然とあるわけで、一次元的には博物館は、資料の収集と分析をおこなえばいい、ということになる。
 蓄積された情報を、二次的・三次的に活用するにはみたいな話。
 まあ、いいや書いちゃえ、「御鍬祭り」というのがあって、60年に一度の祭りらしい。もう、何をどうしたらいいかという「古老の話」もなかなか聞けなくて、教育委員会や博物館に問い合わせがあったそうな。民俗というもののアーカイブスは、そんな活用もあるんだなあ、という話。
 巡回展と単館の展示で、予算的にどっちがどうかってのは、まあ、内容によっても違うのか、、、そういう、台所事情みたいな事を、もっと勉強しておけばよかったと今更思う。まあ、こっちは今後のテーマだな。

2009年11月30日

下半身

 昨日のはどうかしてるね。たまには、ちょっとした居酒屋トークもいいでしょ。ボクシングみて興奮してたのかな? 昨日は燃えた?

『豊橋の仏典』(豊橋市美術博物館)
『石田徹也展と静岡県ゆかりの画家』(浜松市美術館)
「男だって、下半身でモノ考えたっていいんだ!」って、どっから、どう廻って、そう考えるに至ったんだろう?
 でも、上半身より饒舌で、しかも、賢いときた。こまったもんだ。
『豊橋の仏典』は関連企画の高畑郁子氏の絵画。アレをみたときに、「他人」を「好き」という事の意味を考えてしまった。「媚び」だろうが「思いやり」だろうが、それは「他人」に対して何かを与えることで、その与えられたモノが差別化されているから、それはその人を「好き」にならずにはいられない、という現象がおきる。
 しかし、好意をもった行為に対して、代替物が現れたときに、厳然として、存在する「好き」という思いは、何に裏打ちされているのだろう?
 逆に言えば、「なぜ、その代替物を「好き」にならないのか?」短絡的に「肉」に魅力があるからといって、それは本当に正しいのだろうか?(普通、下半身なら「肉」の魅力だけで、そのほかの魅力は棄却されていく気もするが、、、)
 もう一つは、「病んでる絵」論でしょ。確かに、病んでるのかもしれない。しかし、その「病んだ部分」を喜劇に変えるチカラがあるからね、、、と、苦し紛れに論じてしまった!

2009年11月29日

考古

 なんか、パルメット紋のこと考えてて、そしたら、ニュースでドバイのパーム状の住宅地が映って「ああ、オレって現在という時代を生きてるんだな」と、意味のない感覚に襲われて、でも、ああ、パルメット紋というのも、遠くペルシアからやってくる『白瑠璃の碗』的な文物なんだな、と、改めて思う。
 あれ? まてよ、継体天皇の出自が由緒正しいのではなくて、フィクサーの方の出自が、(差別的だが、、、)引け目があるのかもしれない。つまり、彼には胡国の血が流れていたのかもしれないと。。。
 そこで注目される神話は、雄略と葛城の一言主との対話であろう。「葛城」という空間は、「尾張」を象徴しているようでならない。政権交代の「構造」が、あの神話の構造そのもののように思える。
 名前の交換は、両者の闘争を意味する。ヲウスがタケル(日本武尊)となり、クナがヤマト(邪馬台)となるように、大和がヒノモトとなる。イナザワは、なぜヘイワにならないのか? 理解できない。「対等」というのは、いにしえより、そういうモノだと思う。
 話がそれた。つまり、大和が日本になるのは、秘匿された「闘争」の痕跡に思えてならない。
 なんか、枕長くない? まあ「かまくらクライシス」の次のテーマだから、、、

『銅鐸』(橿原考古学研究所附属博物館)
『小栗鉄次郎-戦火から国宝を守った男-』(名古屋市博物館)
『おかざきの考古学』(岡崎美術博物館)
 もう「考古学」という、くくりはあまり好きではない。土の中から出てきたモノに対して考古学が正しく帰属できているのか? 疑問だからだ。
 僕の立ち位置から言ったら、文献学(国文学・文献史学)から言ったら「考古学」で、「考古学」から言ったら「文献学」的アプローチなんだろう。まあ、「地域思想史」なんだけど、、、

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2009年11月28日

写経の美

 一部情報で、おばさんの方が片付いたらしい。案外、バチバチっと決まってしまうのかもしれない。別に恋愛なんて「他人」というモノを理解する「学び」なんだから、相手はさほど問題ではない。だって、結局、誰だって自分ではない「他人」なのだから、、、自分もまんざらでもなくて、相手もその気なら、そいつに決めちゃえよ。
 こっちは、「構造」の方につきあってもらうから、、、ふふふ。。。

春日井市道風記念館
写経の美
『華厳経』の断簡(9)に「第六他化自在天」とあって、「かまくらクライシス」の第3部にとっては、生唾ゴックンなエロい内容で、見に行く。
 キャプション読んでも、『華厳経』の何品の断簡なのかが判らない。
 ダンカン! バカヤロー!!(似てない、、、)
「国分尼寺経(27-10)(断簡)」「紫紙金字華厳経断簡(27-9)」「七寺一切経(27-50)(断簡)」なんかが興味深かった。もっと、古筆の好きな人だと、いろいろ気になるんだろうけど、、、

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2009年11月27日

『かわら-瓦からみた大津史-』(大津市歴史博物館)
『日本瓦の基礎知識-古代編--中世・近世編-』(高浜やきものの里・かわら美術館)
 う~~~ん、例えば、「飛騨の匠」を使役する集団がいたとして、その集団が、大阪湾岸の同系列の氏族の氏寺を建てたとして、その後に、自身の氏寺を建てる。
「飛騨の匠」は、ふるさとに帰った後、それらの造寺で得られた知見を利用して、ふるさとに寺を建てる。
 もし、そんなことを傍証するような、遺品があるとすれば、、、それが瓦当の文様である。
 古代の瓦当の魅力って、なんかこんな感じ。「生産・流通・消費が比較的近い」と言い換えてもいいのかもしれない。
「生産・流通・消費が比較的近い」例として、最後になるのだろうか? 中世の皮切り、重源の東大寺大仏殿再建であろう。伊良湖を例にあげれば、重源は民衆に溶け込み、窯業の殖産をおこなったのではないだろうか?
 それ以降は「生産と消費の距離が広く」なったとでも言おうか? なんか、瓦当の流通が商売くさい。
 結局、古代瓦と中世・近世瓦は違う! デザインとファッションぐらい違う! といって、理解できるのか?

2009年11月26日

仏像鑑賞QS

 今年の漢字1文字は、、、もう、未練がましくなるから言わない。そうそう「鮎(なまず)」でないことは確か。1日の1/3くらいは、そのことについて考えてた。
 1年で言ったら、3月が一番つらかった。幸と不幸が乖離してたから。。。9月になって、肩の力が抜けた。1番の1人って、けっこう辛いんだぜ。(なんか歌の歌詞みたい)

 本題!
国宝 鑑真和上展(奈良国立博物館)
道教の美術(大阪市立美術館)
 今年の僕の仕事として『仏像鑑賞QS』は、欠かすことができないだろう。今回は、その裏話みたいな。
 鑑真展の音声ガイド聞いてて、「須弥山世界の荘厳」を思いつく。と、言っても、須弥山世界の説明は仏像概説書にはコラムとして取り上げられる内容で、それをメイン押しするのが「新しい」と考えてて、『仏像鑑賞QS』的な考え方をしたら、例えば地方の寺院で忿怒形の仏像1体が残ってたとしても、本尊を中心とした荘厳世界を想像できるんだと思う。
 道教の美術は『仏像鑑賞QS』の本編でもとりあげてるように、『仏像鑑賞QS』がどこまで拡張できるのか? というような問題な気がする。まあ、道教と言っても、仏教として取り入れられた部分がないわけではない訳だし、、、
 これ展覧会の評価になってる?

2009年11月25日

織豊・近世の肖像画

 今年のノミネートというか、ここしばらくは、拡張性(アプリ性)をキーワードに見てゆきたい。と、いいつつ、特展の我田引水みたいな。

妙心寺展(名古屋市博物館)
日蓮と法華の名宝(京都国立博物館)
 上は京博でも同名の展覧会が行われているが巡回展ではない模様、しまった、図録、見忘れたので、名市博限定で、、、
 肖像画というジャンルに最初に興味を抱いたのは『室町の肖像』(奈良県立美術館)を見てからだろう、その後に、『利家とまつ展』『徳川将軍家展』や(三河武士のやかた家康館)の展示、などをみて、「夢で見たおじいちゃんを描く」というような肖像画もあるが、仏像QSができそうな群像もあり、婦人像でも礼拝に用いられた可能性のある肖像もあるのかもと思いだす。
 そんな、ぼんやりとした概観も『天下人を祀(まつ)る』(安土城考古博物館)を見たことで「豊国大明神像」のような肖像画を到達点とするような「英傑神像」とでも言うのだろうか? 肖像画から逸脱したようなモノになる道筋として、もう一度、とらえ直す必要を感じた。(ここまで、去年以前の話だな)
 そこで、中世の宗教的な肖像画を、軽く考えてみる。

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2009年11月24日

今年の特展2009

 エキシビション オブ ザ イヤー 2009。
 今年の特展2009。

 今年も、この季節が、やって来ました。
 さて、どんな展覧会が、どう評価されるのか?

2009年11月22日

時期差0で2都あり

 古墳時代の後期の初めに尾張は「日下(ひのもと)」って呼ばれてて、欽明天皇の時に「尾張」と言う名前を賜るように考えてて、、、(すげー、無茶苦茶な説だ。資料の操作ミスがあるんだろう)
 いや、ただ、地域名で美称なのは理解できても、わざわざ、自分で醜い名前を付けないでしょ、たぶん。
『日本書紀』なんかに、敗戦側に醜い名前の人物がいたり、「皇子大津」みたいに、名前をひっくり返したりあるでしょ。なんか、そんな感じのことが。
 クサナギ剣なんかも「ヤマタノオロチのしっぽから出てきた」という神話付きで下賜されてたりして?(この論、進めていくと常識がガラガラする)

 邪馬台国問題は、神武東征をどう解釈するかにいきつくのかも?
 時期差0で2都あったとすれば「西から東」は、簡単に考えがいく気がする。
 でも、神武東征を皇室の極私的な縁起と考えれば、考古学的裏付けが得られにくい可能性は、あるわけで、、、
 でも、遠賀川の伝播を「神武東征」と考えるのも、国粋的にならなければ可能な訳だし、、、
(なんて言葉遣いなんだ!)

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2009年11月15日

3題

高浜市やきものの里 かわら美術館
日本瓦の基礎知識-中世・近世編-
 まだ、中世・近世の瓦について、僕の中で反芻できてないのか、なんか、パッコーン! とならない。
 蓮華文の蓮子がのびて巴文になるようなイメーヂでもないし、伊良湖東大寺瓦窯の瓦があるわけでもないし、、、
 道具瓦のバリエーション、桟瓦(さんがわら)の発明とか。中世の瓦当のバリエーションの豊かさ。織豊期の瓦。達磨窯。こんな感じ。
 3階の音声ガイドを使う。う~~~ん。120%。細かい年代なんかよりも、もっと、瓦当に対しての細やかな説明が欲しいような、、、でも「難しい」って声が出ちゃうんだろうな、たぶん。

松坂屋美術館
チンギス・ハーンとモンゴルの至宝展
 ここも音声ガイド、120%。しかし、あれだけ説明されないとモンゴルのことは判らないんだし、なんかいい方法はないものか?(つうか、なんかいいところを探してほめようよ)
 チベット仏教がモンゴルにも入ってきてて、黄色い衣装なんかが高貴な色とされる。『異形の王権』といわれる後醍醐の肖像も黄色い衣装をまとい、バジュラ(金剛杵)を手にする。後醍醐のそば近くに文観がいて、、、って、展示の内容からずれてしまいました。

古川美術館
特別展 祈りのこころ 東西普遍
特別公開「ブシコー派の画家の時祷書(じとうしょ)」4年ぶり公開
同時公開 服部早苗 日本の美 キルトの華
*時祷書の「祷」は旧字
 個人蔵になってて「よもや新発見では?」と思って出かけてみました。実際は、って、、、言っちゃいけないか?(何言ってるのか解らない人と「お前はバカか!」と言ってる人といそう)、、、新発見ではなかった、は、固有名詞言ってないから大丈夫か?

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2009年11月03日

団地のタナトス

断末魔の美

 稲沢団地(長束)の断末魔。
 朽ちはてる寸前まで、美しい建物群。
 文化財的な緊急調査はおこなわれたのだろうか?
 これを見れただけでも、収穫は大きい。

中高記念館
郷土の文化財展

「創建国分寺が廃絶した。」
 もう何が言いたいのか理解できない。
「廃絶」は「すたれ絶える」の意味のハズだから、そこにどんな言葉を修飾しても、ゆるぎないんだと思う。
 言いたいのは、尾張願興寺に尾張国分寺が永続的に移転したとするなら、金山周辺に「「こくぶ」のような地名」などの国分寺の存在を示す痕跡が大きく残ってもいいはずではないだろうか?
 稲沢・矢合に国分禅寺が存在するのではなく、金山周辺の寺院に、その許可が下りるはずなのでは? という疑問。
 史書の記事からの推定は、すこし行き過ぎなところがあったとしてもおこなわれてしかるべきだろう。しかし、地域的な状況証拠のようなモノと相反をきたしていて、その相反に明確な反論がないのは、「その推定」が不完全なモノと言わざるをえないような心持ちになる。

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2009年10月28日

4題

 大極殿のおおい屋がとれてて、車窓からみれた。
 2層目の小屋組ってあんなに複雑だったんだろうか? 棟が高く上がりすぎてる気がする。
 例えて言えば大極殿が中世まで残ってて、改築されたら、今見える大極殿になる。僕が不勉強だから、そう見えるのか?

奈良国立博物館
正倉院展
 あれだけ人がいると音声ガイドは向かない。説明も120%な気がする。
 まあ、一個人の主観だがボランティアの展示解説を聞いて、頭に入れといて、廻った方がスマート。
 まあ、音声ガイド終わるまで現物の前で粘る時間的・精神的余裕がないだけなのだが、、、

奈良県立美術館
神話-日本美術の想像力-
 奈良博や興福寺の喧騒から一転と言っても大げさではないな。
 なんか、その落差を何とかしたいんだが、やっぱ、御物とはレベルが違うのか? そのレベルの違いが分からぬ男。
 神話を題材にした絵画のレビューって初見という、新鮮味がある。(どっかで時代別にした展覧会があったなって、それは歴史画か)
 なんか西洋の絵画技法やモチーフを取り入れていく過程みたいなのが興味深かった。
 天使的な天女だったり、洋風の主人公だったり。

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2009年10月18日

音楽のせいにしないで欲しい

 なんか音楽のせいにされたら、僕が怠惰で努力してないように感じるのは、おかしいんだろうか? なんか、もっと努力してたら音楽の可能性も、もっと提示できてて、人手が足らなくなるような感じがしてる。
 結局、七福神の種子はよくわからん。ある本に種子が載ってるって広告があって調べてみたら、恵比須は大黒と同じ「マ」でいいや、寿老人・福禄寿は「寿」の音訳の「ジュ」でいいやって、答えになってない。
 七福神の真言(マントラ)は、いくつかのサイトで確認できて、真言があれば種子もあっておかしくない。まあ、つまるところ、こじつけ(「習合(しゅうごう)」)だから、なんかひらめいたら教えてください。

祖父江町郷土資料館
伊勢湾台風50年 見て、聞いて、話す
 複数館連動企画みたいで図録は、それなりに見出がある。写真資料が有機的に利用できていて参考になる。
 他館の展示は知らないけど、こういう展示であればダイレクトにデジタル化出来るのかもしれない。

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2009年10月13日

稲沢文化財研究所

「稲文研」って略語がいいよね。音だと「トウブンケン」だし、訓だと「い、なブンケン」だから、「エノケソ」の類だよね。
 あんまいい名前つけても、名前倒れになってもしょうがないからね。5年前の轍は踏まない。
 いや、祖父江・平和の編入で仕事は山積している。
 地誌類の収集も必要だし、近世村絵図の解説図もカラーでしたいな。古城・古邸址もそうだし(勝幡城があるのか?)社寺の縁起の調査も必要なのか?(『祖父江町史』も『平和町誌』もあんまみてないな…)
 什物調査は、さすがにうちの範疇ではない。
 と、列挙してみて励起してみる。

2009年10月12日

digital museum

 なんか、ひらめきひらめきでやってるのに、前のエントリーと、どっか、つながってるね。
 The museum of INAZAWAもいいけどINAZAWA city museumの方が財産として残りそうな気もしてきた。稲澤市民(歴史)博物館とでも訳すのかな? まあ、名前なんてどっちでもよくて、デジタルの博物館なり、資料館が2ヶ所あるという事実の方が大切なんだろう。
 デジタルの博物館で、短所というか、そのまま長所なのだろうと思うのだが、1点、指摘しておくべきだろう。
 つまり、それは「仮想現実的である」という事だ。
 博物館の展示の場合、まず第一に文化財的なモノが存在するという事が大切なのである。それを静止画なり動画なりに記録する。記録することにより次数が上がる、つまり、媒体化することにより現実のものとの乖離がはじまる。(なんか解りにくいな)
 ようは、現物そのものをダイレクトにデジタルに載せることは不可能である。
 逆にこのことは長所ともなる。不可視なモノを可視化できる可能性があるのだ。例えばリンクタグのようなもの。キャプションには現代語訳で史書・古典を引用して、原文をリンクする。「いきなり合成字」のように辞書をくるような作業を可視化できるのである。
 まあ、実際にどのようにコンテンツとして生かしていくかは、これからの作業だな。。。

2009年10月11日

The museum of INAZAWA

「The museum of INAZAWA」の訳語は「稲澤文化博物館」になるのか? 英語はよくわからん。on digitalを附けて「The museum of INAZAWA on digital」
 いや、なんでこんな事考えてるか? っていうと、そのうちこんな企画するというか、ネットサーフィンしてて「私設・稲沢市歴史資料館」というのを発見して、いかん先に名前をとっとかないとと思い立ったのである。

私設・稲沢市歴史資料館
http://sakuraoffice.com/shiryoukan.html
http://sakuraoffice.com/(楽苦我喜情報館 内)

 内容はあくまで、、、と、内容を云々するのは止めよう。やっぱ、先見性というか、必要不可欠なものの熟知しているというか、どっかのトンチンカンなウツワを考えたら、その的確さは指摘しておくべきだろう。
 まあ「トピックス」って、どっかで「稲澤文化博物館」の常設展示として意識してて、「QS(クイック・スタート)」ものを特別展とでも考えたら、羊頭狗肉? 逆だな、、、と自分で言うのはおかしい。
 と、いいつつ「私設・稲沢市歴史資料館」みたいに多くのトピックスは立てられないな。。。

2009年10月04日

2題

 その後、文化の日関連で、あづまぢリンク内をだいぶなぶったので、文字化けもある程度、大丈夫と思います。
 近鉄に乗ってて三輪山のあたりで、ああ「山装う」という季語があるけど、万緑の濃い緑が翳る今のような山並みのことを「山装う」と言うんだよね、多分。
 完全に山の木々が色づくのは、立冬を過ぎてからで「紅葉」とか「銀杏」って実際、どのくらいの時期に句作をすべきか考えてしまう。暖冬の影響でこうなったのか、もともと、季語自体が先取りになっているのか? と、こんな事を考えるのも三輪山の影響なのである。
 去年、立冬すぎてからだったんだろうか? 山々が色づく頃、三輪山を、やはり車窓から見て、その山が常緑の山であることに気付く。なんか、霊性のあらわれを感じるんだよね。常緑の山だからこそ、三輪山は神の山なんだと思う。そこには人間の手が加わってる気がするんだよね。縄文人が植樹して弥生人が霊性を見いだしたのか、古墳時代の巨大なモニュメントなのか、もっと、新しい時代の作為なのかは判らないけど。。。

大阪市立美術館
道教の美術
 なんかカップル見ると蒼き狼にみえて仕方がない。(いや、何かを探しているとか深い意味はないから)
 ついつい「QSでどこまでいけるんだ!」みたいな、見方で見てしまっていたので、その広大な資料に圧倒されてしまった。音声ガイドが借りれなくて、自分で内容も反芻できなかったので、図録の力をおかりして、、、
(1)中国の道教、(2)古代日本と道教、(3)星宿・禅・民間信仰、(4)道教のひろがり
 と、大まかに分けてみたい。
 まあ、日本には道教の廟があるわけではないので、それは仏教で外典として取り入れられるか、神道と習合するか、仏教と習合した状態のものを取り入れるか、、、というような経路を経るものだろう。
 そう言う意味では、今回はダイヤの原石が提示されたところ、というと、不勉強にも程があるのか? いや、とにかく集めてみるというアグレッシブさがいいよね。
 と、北魏時代の尊像で単弁の祖型のようなものを見た。やっぱ、朝鮮半島経由だった寺院建築の技術が、中国からダイレクトに入ってくるような所で山田寺式系統を考えたい(すごくマイナーな考え方だろうな)ので、興味深い知見。
 実際、QSがどの程度、太刀打ちできたのかは、みなさんの方が容易に判断できるでしょ。(どうもよく目があるから、、、)、、、でも、井蛙であると再確認するのは大事だよね。

橿原考古学研究所附属博物館
銅鐸−弥生時代の青銅器鋳造−
「弥生式窯業」なんてやると「そんなバカな!」と、すぐに否定されてしまうけど、青銅器鋳造の技術からいったら、やっぱ鋳物師(いもじ)的な職人集団を想定したくなるよね。と、いいつつ、検証実験はどの程度、専門家の知見を活用したのだろう? 専門家が1人いたとして、その指示をコピーするのようなカタチで、次の人にバトンタッチをしてゆく、指示を受けた人と、受けなかった人には、歴然と技術的な乖離があって、その乖離に対する畏敬から「職人」と区別する、訳でしょ。だから、職人いる、いないとか、ミームある、ないっていうのは、ただの言葉遊びに感じるのは、僕だけなんだろう。
 まあ、一級の資料ぞろい(あれだけの鋳型、鋳型の外枠をみるのは初めてではないだろうか?)なんだから、そこから、何を想像するかは、みなさん次第なんだし、、、
 石の鋳型、土の鋳型にも、はっきりとした利用上の区別があるようには見えなかった。そこに何らかの区別があったのか、なかったのか?

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2009年09月20日

2題

 どっか、いぢくったんだか、いぢくられたんで、「〜」と「−」が、全部、文字化けしとる。
「?」になってるんで、適宜、当てはめてみてください。って、誰も見てないか・・・

豊橋市美術博物館
トリック・アートの世界
 入って早速、最大のトリックにひっかかる。
 遠近法、メビウスの輪、視覚効果、偏光膜、スーパー・リアリズム、、、
 あの水滴、何の気なしに見たら水滴だが、よく見ると画材の盛り上がりだったんだ。そこまで見てなかった。スーパー・リアリズムの写真をスライドで映してそれを模写するって、なんか、存在理由が砂のように消えてゆく感じがして、不思議な感覚だった。結局、ポップアートは笑いのセンスのようなもので勝負しないといけないから、大変だよね。
 例えば、梵字識字率を3%に! って、簡単に言うけど、1億の1%で、100万なんだよね。100万ってCDの売り上げで、一昔前に目安にされた数字で、その半分の50万というと、0.5%。0.5%でも50万なんだよ! もう、50万というと僕の感覚では天文学的数字と、さほど違いがない。ちがう! いいたいのは、たとえ1万人、梵字が読めるようになったとしても、いったい何%なんだよ? という、たいしたことないって事。

松坂屋美術館
東本願寺の至宝展
 フスマ、ついたて、などの日本画。あと、建物の修築の時の図面などが、主なモノかな?
 円山応挙から、明治時代の日本画家、棟方志功まで。
 真宗美術は申し訳程度。

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2009年09月15日

尾張国分寺論

 史跡指定はお作法の話だから、僕にとっては、そこに遺跡があるって事の方が重要で、まぁ、なぜもっと早い段階で史跡指定されなかったのか? っていうと、それは発掘の技術的な話だから、一般の人に話してもよくわかんないと思う。
 でも、史跡指定の範囲が限定的だと「尾張国分寺」 = 「指定の範囲」と誤解されかねないので、ここで少し尾張国分寺の境内地、そして尾張国分寺に付随するモノを考えてみたい。
 まぁ、地域思想史的見解だから考古学ではわからないのかもしれない。
 境内地の推定については、科学的根拠があるのか? ってことが一番、ネックになるのかもしれない。でも、外科的な調査(発掘)をしなくても現在の地形の検討から、あのような結果を導いたのは重要なのかもしれない。
(まぁ、検算は僕の仕事ではないから、、、)
 あとは、寺域南側の遺跡群だろう。堀之内花ノ木遺跡、大縄遺跡は今後、注目される遺跡だろう。
 堀之内花ノ木遺跡は尾張国分寺の大勧進施設が存在する可能性がある。
 大勧進とは、寺院の俗的な部分 = 経済的な部分をつかさどる施設だ。
 その中でも注目されるのは、倉庫である総柱建物群だろう。
 また、大縄遺跡では西大門のような施設、極楽往生を祈る祭儀の空間が存在するのではないだろうか?

2009年09月13日

古代尾張国と国分寺

 いや「好き」ってことと「知ってる」ってことと「説明できる」ってことと「論が立てれる」ってことは、近いのかもしれないけど、別々の事だから。。。
「『霊異記』って面白いんだよ」が「そんなことも知らんのか!」って聞こえるようだったら、それは、もう資質の問題かもしれない。でも、尼寺に男性職員がいないかといえば、それはいるだろうし、なんやかんやしてるうちに、尼寺が僧寺化するのは稲沢・法華寺の例だけでなく沢山ある気がする。
 でも、こ難しい理論にはまり込んで、誰もたどりつけないところであがいているのと、ちょっとだけ道化を演じてみるのでは、どっちが幸せなんだろう?
 聞かぬは一生の恥とは言うけれど、、、(はじめにもどる)

 内容は、尾張の郡・郷などの概観。特産物。国分寺造立の詔。国分寺に対する尾張国人の知識の献納。考古学的検証。余所との比較。だったか?
 なぜ中島郡に国衙があるのか? という答えは、奈良時代には、すでにあるべき場所という認識があったのだと思う。原国府とか「レクイエム・・・」とか、、、
 逆に多治比氏が尾張国分寺建立に、たずさわったとすると中島郡を選ぶ理由は稀薄にも思える。(うわぁ! なんて泥沼なんだ!)

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2009年09月07日

中原淳一展

 登録文化財級の「少女」が、わんさか。(こんなこと言うと、蹴っ飛ばされるナ)
 意外に男性が少なかったのが疑問だ。ある意味、フィギアのようなものと等価性がある気がする、が。
 あれだけ、たくさんの「少女」に、かこまれると、なんか、うっとりとなってしまうよね。
 ハンドメイドとか、ちょっとしたDIY的な内容は、今のごちゃごちゃしたファッション誌にはない発想だよね。中原淳一のマルチさのあらわれなんだよね。
> 『小鳥』が歌わなかったら、人は微笑むことを知らなかったかもしれない。
 動物行動学や人類学(顔学)になるのか? の知見がこの言葉を、真新しくさせる。
> もしこの世の中に『音楽』がなかったら、『詩』がなかったら、、、
 僕は君に会わなかったんだね。

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2009年08月29日

本日公開? だったか?

刀印

「ケンヂくーーん!」
 って、だいぶ違うな。

 まあ、模式図だから、デッサンの甘さは目をつむってくだされ。(また、文体がおかしい、、、)
 Peaceサイン。

2009年08月13日

伊勢湾台風に関する資料などを探しています

「など」って、なんだ? 以下引用、、、

 今年は、伊勢湾台風から50年に当たり、各地でさまざまな関連行事などが行われています。
 これに伴い、秋に開催する特別展の資料収集と、伊勢湾台風に関する資料の散逸・亡失を防ぐため、現在、伊勢湾台風に関する資料などの情報収集をしています。資料を持っているかたや、資料所在の情報は、市役所生涯学習課へ連絡してください。

(広報8月15日号参照)
・伊勢湾台風の雨風の様子。
・当時の台風に対する備えのあり方。
・水屋の石垣のどのあたりまで水位がきたとか、
・水屋への避難のようす。
・その当時の非常用持ち出しの内容。(水屋につった舟や水屋内の調度品)
・当時の堤防の様子(石垣、土手、コンクリ?)
 ざっと今思いつくのはこんな感じか?
 50年は歴史行政にとっては、一つ目印になる年代だ。しかし、50年というのは遅きに失したと思うのは、僕だけだろうか?(まあ、50年たたないと「歴史」として認識されないのだ)
 伊勢湾台風に関しては他地域では、数年前から企画展・聞き取り調査を進め、今では毎年恒例の展示となっている。
 まあ、郷土史にとって、□□の伊勢湾台風と□□(地域名)が、つけば、それはそれで新知見なのだ。
 30年前の豪雨(海津町?が水浸しになった)や東海豪雨(この豪雨の記憶でも、もう、あやふやな部分が多いだろう)の聞き取りも「災害史」と考えれば、有用だと思うが、今回は「伊勢湾台風」。
 ああ、去年も災害史といえば、災害史か、、、(でも、アレって、橘奈良麻呂の乱の以後、飢饉の訴えの数が増えるんだよね。まあ、資料の問題もあるだろうが、、、)

2009年08月10日

2題

※あの梵字が読めないのは、あなたのスキルのせいぢゃない
aum5

 aum6だと思う。ある意味一番有名な梵字だ。
 生まれ年の守り本尊を意味するとか、一蓮托生のシンボルというのは間違いであるということは、読みがわかれば、ウチのサイトの情報から判るだろう。
 梵字の識字率をあげようとしているのに、あんな解りづらい梵字を報道されたら、困っちゃうよね。
 多言語化の将来を考える上で、梵字識字率を3%なり5%なりにあげておくことは、大変、重要。

※現・名古屋城の歴史的意味
 コンクリであることに対して毛嫌いする向きもあるようだが、築50年をむかえ、復元天守という意味合いを超えた歴史的意味があるようなきがする。
 やはり、戦後復興の象徴なのである。大曽根や守山に工場があるように名古屋城の復元天守は名古屋の都市計画の中に組み込まれている。
 現・名古屋城を語ろうとすれば、当然、戦争の話になる。先の大戦を語るよりしろになっている。まあ、なぜ名古屋城天守が焼けることになったかの説明は必要なのだろうが、、、
 やはり、現・名古屋城には、壊すには、モッタイナイ、歴史が歴然と存在する。もし、その場所に木造天守を建てるとすれば、現・名古屋城の移築は必至だろう。
 名古屋港の辺りがいいのではないだろうか?
 ポートタワーやポートメッセの遠景にコンクリの現・名古屋城。けして悪い風景ではない。

2009年08月03日

複合土師器

『小栗鉄次郎』展の図録、No48の高坏。
 ある意味「高坏」という名称は正しくない。
 これは器台の上に坩(こつぼ)ののったのを模した、「複合土師器」とでもよんでもいいものだ。
 類例が増えれば「器台付き坩」のようなよばれ方をするのかもしれないが今のところ、それほど数もないようだ。
 私の知る中では、時代は異なるが、各務原の八龍遺跡?で高坏の上に鉢形の坩をのせた複合土師器がある。ここで注目なのは下が高坏であることで、高坏が器台として使われた証拠のように思う。
 複合土師器で有名なところとして、大口町の仁所野遺跡?の例があげられよう。この場合は高坏の上にパレス壺がのっている。
 考古学では2例というのは必ずしも多い数ではない。しかし、そこでは高坏をツボをのせるものとして使っている。

 昔、ある博物館で、高坏にたいして、
「これは何に使ったのですか?」
 と、問われたことがある。
「ああ、ツボをのせるウツワですよ」
 と、答えると、学芸員が飛んできて、
「いえ、違います。食べ物をもるためのウツワです」
 と、言うではないか!
 この学芸員は、少なくとも2度以上、遺跡で食べ物が高坏にもられた状態のものを、見たのだろうか?
 ケンカするのもバカバカしいからだまってたけど、、、

*複合土師器より「器種複合」現象と呼んだ方がキャッチーかな?
*『萬葉集』巻一六・三八八〇に、しただみという貝を高杯にもるとある。でも、この時代の高杯は木製なのでは?

2009年08月01日

2題

名古屋市博物館
小栗鉄次郎
-戦火から国宝を守った男-

 案外、アカデミズムの人なんだ、少々ガッカリ。
 まあ、あの時代で反アカというスタンスはとりにくいのか? 存在自体がないのか?
 主流派なのか、結果として主流派なのか、疑問が深まる。
 子供づれが多かったけど、よっぽど、うまいこと大人がガイドしないと、一級品ぞろいだからモッタイナイな。
 どんな展示でも「子供でも楽しめますか?」は愚問。大人がどこまで求めて、何を伝えたいか? が決めることのような気がする。
 まあ、子供にとって、同じ場所に連れて行くことが、等質の機会をあたえるとは思わないんだけど、、、

松坂屋美術館
没後40年 レオナール・フジタ展

 巨大壁画「構図」と「争闘」が目玉。
 もう、その乳白色の肢体のトリコです♡
 それまでの、タイクツな日々は何だったのでしょう?
 う~~~ん。
 音声ガイドのテンポがよかった。引用のところは逆にもう少し聞かせてもいいのかも。
 音声ガイドがあると受け身で観れるから、やっぱ、便利だな。

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2009年07月25日

呪詛政党

 この露出狂どもが!(問題発言)

 博物館帰りのバスで人に会って、
「今も、博物館とか、よく行くの?」
 って聞かれた。このサイトの存在理由ってあるのかな? ワカチコ!

岡崎美術博物館
おかざきの考古学

 北野廃寺、経ヶ峰1号墳、、、などの岡崎市内の遺跡の展示。
 縄文時代から、美術博物館の近辺の古墳。古墳は須恵器以降が多いのか? 竪穴系横口式石室が何例かある。
 経ヶ峰は西三河の「松坂・宝塚古墳」のようなイメーヂがある。
 北野廃寺の複弁も、なんか半島のにおいのするモノだよね。畿内とは別系統的な!

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2009年07月19日

ヴィーナス

名古屋ボストン美術館
愛と美の女神
ヴィーナス
-ギリシア神話から現代へ-

 ヴィーナスはウェヌス(ラテン語)の英語読み。ギリシャ神話ではアフロディーテ。
 キューピット(ギ)がエロス(ロ)なのは、どっか頭の片隅にあった気がするけど、習合関係というか、名前がいろいろあるのが、もう、お手上げな感じ。
 展示自体はヴィーナスを中心のモチーフにする美術の概観。音声ガイドを利用すると、儀軌というか、画題がよくわかる。
 えっ? 音声ガイド、自社製なの?

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2009年06月21日

萌え。論

 初音ミクが「私の心は」とか「私の気持ちを」なんて歌うと、キュンときちゃうんだよね。なんか、現実に手の届かない所に、その存在があって、その存在との距離感の「遠さ」っていうか、その感情が「萌え」なんだよね。
 だから、鬼籍にいる人の研究がどうとか、鬼籍の人の研究を読んで「で、さぁ〜、君の研究は?」なんて、聞かれたような感覚になったときも、やっぱ、「萌え」って使っちゃうんだよね。団地や工場に萌えるのも、そのモノとの距離感が自分と断絶しているという意味があるんだよね、多分、きっと。
 いかん、バカなこと言おうとした!

名古屋市博物館
新たな国民のたから
−文化庁購入文化財展−

 ハコモノつくる金があるんだったら、推定運慶とかも買えばいいのに、、、景気対策なんだから人件費にあてるのがスジなのでは? コンクリ代にあてるのはね、、、と、意味不明。
 音声ガイド借りて、1時間弱かな? なんで1から2みたいに連続再生できないんだ?
 そうか『絵因果経』のようなものもあるんだな。絵巻物の前身というか、、、

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2009年06月13日

地方都市論

岐阜市歴史博物館
魯山人の宇宙

 魯山人の焼き物に関する展示。
「ロ」や「魯」の窯印。
 窯ごとの焼き物の簡単な特徴を示して、○○手風的な焼き物の展示。
 簡単ではあるが各窯の窯風を、大づかみにするには便利かも。
「44鉄絵円窓文茶碗」がカワイかった。焼酎のオンザロックしたい。

 そんなことより、自由書房も星野もなくなってた!!! 岐阜って、そんなに来てなかったか?
 なんか優良な地方都市が、名古屋のような拠点都市やAmazonに吸収されていくようで、いたたまれなかった。
 でも、名古屋に行ってなかったらAmazonで頼んぢゃうもんな、、、
 大衆書房もいつの間にかなくなって、百貨店が消えて、美濃町線もなくなって、再開発中みたいだけど、どんな都市構造を得ようとしているのだろう?
 都市の顔というものは、その都市を構成する人々の行動様式を規定して、

 一宮よってこ。

 で、なんだっけ? なんかタラタラと長く書くクセがついてしまった。
 ようは、人材を育てるのも、流出させるのも、留めおくのも、都市構造に関わっているのでは? という話。
 あと、自転車。自転車が、あんな凶暴な乗り物とは、、、おちおち、ウインドーショッピングもできない。道交法で逮捕してやる!(笑)

 そうそう、瑞龍寺山の南麓に規模は判らないけど弥生時代の面的な広がりがあるらしい。知らなんだ。。。

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2009年06月10日

「明けない夜はないと願う事」は罪ですか?

 本丸にメスが入ったからといって安心できるのだろうか? 小罪を罰して大罪を罰しない国家があるだろうか? 別件でひっぱっといて、そのままというのもあるし、拒否れば、即だし、、、ヒヒヒ
 そんなことより、真面目に『太平記』も読んどかないと、、、
 さて、法隆寺・金堂、唐招提寺・金堂、東寺・講堂は、釈迦如来から大釈迦である毘盧舎那如来、法身仏の究極である大日如来への信仰の変遷をうかがえるのだが、本尊は薬師如来というのが、この時代を通じて存在する。

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2009年06月07日

折り返し?

 もう、この先、急いで進めても消化不良おこしたりするから、すこし、時間をおいて腹ごなしをしないとだめだよね。一応、ここまでで、仏像編は終了なのかな? これからは、仏画編。群像論的な数字の組み合わせで幾何学的に配置が決まって、仏画は完成するんだ的な、お話になる予定。
 でも、こういうモノが出版されないのって、出版業界とかアカデミズムが飽和状態であることの象徴なんだよね、たぶん。不公平感の源泉を感じる! (って、何様のつもりだ! ただの仏像オタクのブログぢゃん!)
 需要と供給というのがあって、それ以上に「表現したいという欲求」というものが存在してて、流通は無理という条件つきでも供給ということがなされたり。
 そんな中で、コップについた水滴みたいに、みんなブログやったり、でも、表現の本質が「みんなと同じなんだよ」みたいな、それって自己表現なのか? と、やっぱ、どっかで共感とか共鳴というのは必要でメヂアンがどこにあるのかって感覚は大切なんだけど、表現で大切な事って目新しさなのかなと(といいつつ、なんか大きなモノのまわりをグルグルまわっているだけなのかもしれないし、、、)
 で、何だった? 結局、メヂアンが高くなりすぎて肩巾が異様に狭いのかもね。

 と、言いつつ『阿修羅展』も今日で終了。こっから、火がついて「仏像鑑賞が趣味です」とか仏像オタクが多く排出されると、ウチも浮かばれるのか? 大丈夫か?

2009年05月31日

仏像QS

 漫喫に心奪われていても、実りが少ないな。
『阿修羅展』を、きっかけに仏像ブームがおこっているらしい。
『芸術新潮』『ブルータス』『一個人』『サライ』(ぴあの公式ガイドもあるのか、、、)と、大雑誌が軒並み仏像の特集を組んでいる。
「何を今さら、、、」な、内容なのだが、こういう話だったら、僕も出来るな、、、と便乗、便乗。

博物館の要件

「言わんとすることは判るんだけど、もっとトキワ荘時代の作品群の展示だとか、、、」
 なにが、「言わんとすることは判る」だ! そんなことは、両国や宝塚でやればいい。出来ないことではない。
 博物館にとって要となる重要な部分は、「研究機関」と「閉架(収蔵庫)」だ。
 展示施設を閉鎖していたり、ネット上に展示スペースを持つ博物館が存在することを考えれば、簡単な話だと思う。
 展示施設は、研究成果や収蔵品の公開をよりしやすくための施設にしかすぎない。つまり、展示施設は、博物館の十分条件ではあっても、必要条件とは考えない。

2009年05月30日

2題

豊橋市美術博物館
豊橋の仏典

 常設展示の2室を使っての展示。石巻神社の『大般若経』の奥付の検討が中心。東三河から遠江の仏教ネットワークがかいま見られる。東観音寺は伝説なのか? 奥付が存在するのか? 未詳。
 常設展内の現代美術のコーナーも仏教がらみ。高畑郁子氏の作品群がツボ。

高浜市やきものの里 かわら美術館
日本瓦の基礎知識−古代編−

 やろうと思えば、2回でも3回でも分けられる展示テーマ。道具瓦、複弁蓮華文まで、巴文の登場。
 3階に音声ガイド有。利用せず。(体力的に、、、)
 岐阜・山田寺の瓦って、そんなに新しいのかな? 詳しく見たことがないので判らないケド、、、
 中世・近世編も期待。

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2009年05月27日

えっ!

「国立漫画喫茶」って、国民が××だから、その程度にしか活用できないだろうって意味ぢゃないの???
 公立図書館なんてレンタルルームだよね。
 だって、今、映画だって数あるから誰かが集めとかないと散逸しちゃうよ。劣悪な違法コピーだけが残ったり、とかね。
 ボーカロイドはジャスラックの管轄なのか?
「国立」に収蔵されることが「殿堂入り」を意味するのか? でも「マンガの殿堂」でもないとか何とか、、、

2009年05月10日

以上ですと言ってくれ

 ニンテンドーDS、2006年のエッシャー展でも、展示解説をしているらしい。
 ニンテンドーDSのガイドの企画・制作会社がみあたらない。任天堂が直接やってる?
 いかん、本題。
 展示室は必ずしも明るくない。端末のバックライト常時灯も、あまり現実的ではないように思う。
 やはり、音声の終了は音声で伝えてほしい。
「以上です」でも「次にお進みください」でも「ピーン」でも「ポーン」でもいいんだけど、、、

2009年05月09日

寡占・萎縮

http://artandpart.co.jp/
http://www.adaudioguide.com/
http://www.ca-mus.co.jp/
http://www.miyashita-ltd.com/(090802追加)
http://www.notoinsatu.co.jp/(100110追加)
 これでシェア何割?
 色々、考えなくても寡占化と最大公約数的な内容の萎縮化は十分に考えられる。
 その裏で、ベンチャー企業と実験的な取り組みはおこなわれているんだよな、たぶん。
 いかん、内容がない。

2009年05月08日

3題

 新幹線って、なんかフワフワするな。空飛んでない?

飛鳥資料館
特別公開
青龍・白虎 壁画特別公開

 毎年恒例のキトラ展。
 青龍、あんだけ汚れちゃうとなかなか落とせないのかな? そのまま乾かして大丈夫なのか? と老婆心。
 小銭出すの、めんどくさかったらバスの1日パス買っても得かも?

奈良国立博物館
特別展
国宝 鑑真和上展

 音声ガイド元年。ホント、ガイド借りるの久しぶり。キャプション読むのやめて、一時間弱でみれたんぢゃないかな。
 東儀さんのBGMに感動。心理学的にハードルを下げとかないととか、主催者の言っておきたいことと利用者の知りたいことの齟齬。まぁ、これがとりあえず基準だからごちゃごちゃ書かない。(って、オイ!)
 今まで何を観てきたんだ! と、風景が一変する瞬間でもってあった。

美術館「えき」KYOTO(京都駅ビル7階)
高橋留美子展

 だめだよ、こんな格好で、こんなとこウロウロしてたら、ただのオタクだよ、、、
 やっぱ、キレイだよね。結局、トーン的感覚で色調の重なりなんだよね。

 おっ! 名古屋だ。

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2009年05月07日

AccessOneは失敗だったのか?

 なぜ今こんな繰り言を? と思いつつ、、、
 案外、いい感じで浸透? している企画なのでは? と妙に自負している。
 色々ケイタイサイトみてても、アクセスキー・タグを使ってるページがほとんどだし、左系キーで「戻る」、右系キーで「進む」というコンセンサスもとれてきている。
 あとは、前の記事、次の記事が、ややこしいな、、、新しい記事なのか古い記事なのか? のコンセンサスがない。
 アクセス・ワンの本義は1キーでPCサイトの

というか、タイトル押したときみたいにホームへ戻る的な「記事」から「ホームページ」への移行なんだけど、0キーかタイトル押すか? あんま普及してないんだけどね。(右手遣いだと0より1の方が押しやすい)
 もっとも、アクセスキーを使おうというのと、色々試してみようがコンセプトだから、十分、成功の範囲だと考えている。(提唱の当時、だいぶやられてたのか?)
 iPhoneとか、タッチパネルケイタイとかの進歩で、また、だいぶ変わるんだろうけど、、、

2009年05月05日

京都文化博物館 DS

http://www.bunpaku.or.jp/info_ds.html
 展示解説をニンテンドーDSがおこなうという話。
 朝の情報番組で取り上げてて知った。DS持ってないし、、、
 最初の頃、ケイタイを使おうと思ってて、どっかの博物館をモデルにして、iモード用の3行解説のページを作って、列品順の目次と単語検索? だから、モバイルWiki的なと、アイデアだけあって、モノになってない。こんなのばっか! 2時間待ちとかざらな特別展のある所の常設展部分。
 アビラウンケンQSなんかも、そんなイメーヂなんだけど、今、博物館はケイタイ禁止なんだよね。「電源お切りください」ぐらいの事言われる。ディバイスの選択ミス。(ノンスタイル風)
 DSだと、そういうペースメーカーみたいなモノへの配慮も万全なのかな。

音声ガイド元年

 まだ、そこまで出来る、時間的・精神的、余裕がないんだよな、、、
 初期のころに比べたら、ディバイスは同じでも、コンテンツが進化してて、使いやすくなってるんだろうけど、スピード感が落ちる気がして、、、
 どこだか忘れたけど、展示目録を音声ガイド利用者だけに配ってて、「展示目録の有料化?」と思ってしまった。なんか、目録もらえないところが、目につく。不景気だからか?
 おお、余談余談。でも、なんかガラッと変えられる気がしてるんだ。

2009年05月04日

2題

浜松市街

浜松市美術館
石田徹也展と静岡県ゆかりの画家

 結局、皆殺しだったり、いかにも病んだ「絵」というのは、すごく健全で無垢な精神からしかうまれないような気もする。
『新日曜美術館』で特集をみて石田徹也の作品が気になってた。
 けだるさというか、鬱屈としたというか、やっぱ、その先に健全な精神があるような気がする。
「0」が決まってないと、プラスもマイナスもないんだよね。

 浜松って、都市構造が怖い。異邦人だからなのか、都市化してるからなのか? 地勢を無視した都市計画なのか、なんか怖い。東京と似てる!
 ただ「ハママツ」だからなのかな?

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2009年05月03日

3題

一宮市博物館
お釈迦さまのものがたり

『聖☆おにいさん』ではないが、釈迦伝の享受と再生産の話。
 また、阿闍世と出会う。近世釈迦伝か、、、
 絵画資料とか、聞きかじりとか、経典そのもの咀嚼より、はるかに前者の情報の方が多い。尾ひれがつき、独自の逸話が挿入され、釈迦はさらに偉大なカリスマとなっていく。

松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
迷宮への招待 エッシャー展

 2004年の再来。ハウステンボス所蔵品なのかな?

刈谷市美術館
大江戸の賑わい展
−北斎・広重・国貞・国芳らの世界−

 有名所がきっちりと収まった展示。
 役者絵、遊女、物語の名場面。
 シャレを効かせた判じ絵、視覚的な効果によるだまし絵的なモノ。西洋の影響。
 街並みの中に、あふれる椎の花のにほい。いかん、とろけそう。。。

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2009年04月29日

ユーラシアの風

MIHO MUSEUM
ユーラシアの風 新羅へ

 いわゆる『白瑠璃の碗』の表。といっても、よくわからない。
 ようは「西」の文物が新羅にやって来たというお話。
 なんか、期待してたからか、こぢんまりした展示。
 だが、的を得てかえって解りやすい。
 尾張からは何でガラス出ないんだ?

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2009年04月25日

何題だ? 2

名古屋ボストン美術館
ゴーギャン展
ノリタケデザイン100年の歴史

 開館10周年記念の展示。
 ゴーギャンと言うとゴッホとの仲がどうのこうので、2人展にされがちだが単独の展示。日曜画家として印象派をやっていた時代、タヒチと出会い開花する。傑作《我々はどこから来たのか我々は何者か我々はどこへ行くのか》を実際に観れるのはスゴイことかも。
 なんか仏像にも見えるモチーフもあった。
 ノリタケは、あれだけ数がそろうと壮観。
 水色の釉薬に白い葉っぱを浮き彫りにした、「ローリエイト」というディナーセットがお気に入り。

名古屋新都心

名古屋都市センター
フォトモで甦(よみがえ)る金山の記憶と風景

 帰り際に目に入ったのでよってみました。
 フォトモはフォトとモデルの短縮造語。
 そうか! フォトモという手もあるのだな。
 へぇ、フォトモってこうやって作るんだーと納得。

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何題だ? 1

名古屋市博物館
本願寺展

 いわゆる真宗美術の展示。
 親鸞の生涯にまつわるもの、各種本尊、歴代の跡を継ぐ人々、本願寺に遺された宝物。。。
 売店で「王舎城の悲劇」『仏典物語vol.3』のDVDを発見! うわあ、たぶんあの時、見たやつだ。『アジャセ』って、なんかおもしろそう。

愛知県美術館
アヴァンギャルド・チャイナ
アニマルズ in AAC

 中国の現代アートと木彫りの動物の展示。
 なんかテレビでファン・リジュンさん? が世界不況のあおり受けちゃってサ。てのやってて、なんか気になってた。
 まさに、前衛的という言葉がふさわしい作品群。
 映像表現が、クローズアップされてて、ああ中国でもこういう表現があるんだと発見だった。

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2009年04月11日

だまし絵

名古屋市美術館
だまし絵 視覚の魔術

 ん? 「作品」?
 と、訳の分からないことを考えながら、、、
 絵画自体が視覚の魔術ともいえるし、、、写実派の作品で奇をてらったもの。鏡や錯覚を利用したもの。ダリ、マグリット、エッシャー、、、ポップアート。。。
 所々で、普通の作品を入れられてても、ああなるほど、みないな。だまされたりね。
 全然、意味ないのに、より目して二作品を重ねて見てた、あっ、やられた。。。

 なんか、だまし絵系、2・3あったけど、巡回展ではない模様(これはBunkamuraと兵庫県立美術館に巡回だそうです)
 エッシャーもあるし、、、

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2009年02月11日

アグレッシブ

愛知県美術館(名古屋栄)
アンドリュー・ワイエス -創造への 道程(みち)
 先月、亡くなられたそうで。ご冥福をお祈りします。
 ワイエスと聞くと「静」の作家というイメーヂが強い。きらめく光。その透明感が一瞬にして固まったような絵。
 今回は展示されていなかったが「遠雷」という作品が好き。宮本輝氏の「星々の悲しみ」という小説の「星々の悲しみ」という絵が、こんな絵のように思えて青春時代の思い出だったりする。
 そんな「静」の作家。しかし、習作を観てゆくうちに、そのイメーヂはくつがえされる。鉛筆のタッチや水彩で雲を描く筆致。その躍動が、あの一瞬に閉じこめられているのだな。と思う。

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2009年02月10日

ふらり稲沢で

 こういうのをラジカルって言うんだと思う。
『ふらり稲沢で...』
http://blog.livedoor.jp/fura1738/
 なんて言うんだろ、郷土史家にとって信用って一番大切なもので、その事を的確に思い出させてくれる。
 次世代の郷土史家の進む道まで潰さなくてもいいのに、、、
 せめて「尾張国衙論序説」は凌駕してからやって欲しかった。(逆説的にやるなの意味)

2009年01月18日

2題

 白鳥の蒔絵シール御守りとかあったら買ったのに、、、

安城市歴史博物館
江戸っ子が見た三河万歳
 そうか、三河の唱門師と言えば三河・松平家も、唱門師であったという伝説もあるな。
 神仏分離のなかで万歳が祭文的になるのか、もともと祭文的なのか、出自の伝説のちがいだとか、尾張と三河の万歳の違いについても考えてみたいな。

熱田神宮宝物館
神様のお使い
 神様と動物というと、神使としての動物と、神様そのものをシンボライズする動物とがあるそうだ。
 尾張と葛城・高尾張との関係。興味深かった。
 安閑陵が古市に、宣化陵が新沢千塚のすぐそばにあって、なんかガラスをモチーフに書けそうな気がしてて、
 丁度、正倉院の白瑠璃碗が作られて、正倉院に献納されるまでの尾張を中心にした歴史大河。
 おもしろそう。

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2009年01月10日

2題

四日市市立博物館
歓喜する岡本太郎
 よく知られた作品群だが、実物の迫力はスゴイ。
 黒という色を色彩として使っているような感じ。
 赤や黄のような原色を塗るように黒を塗る。それは輪郭線という概念ではない。
 なんか今でも、あの会場のなかを岡本太郎が、うろうろしていそう。

松坂屋美術館
大三国志展
 玄人向けの展示。
『三国志演義』がどんな形でも、頭に入っていないと理解する事が難しい。
 ド素人が飛び込みで入っても、、、

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2009年01月01日

飛鳥・藤原2題

橿原考古学研究所附属博物館
大藤原京展・宮都飛鳥展

 だらだらやってたら年が明けてしまった。
 地の利もあるが、連綿と続く発掘の成果。
 そのレビューとしての展示。2題として価値のあるような。。。

2008年12月23日

大賞

 もったいぶっても仕方がないので、グランプリの発表です。

鈴鹿考古博物館
弥生人のスローライフ−おコメ生活はじめました−

 縄文的呪術の信用収縮。このエポックから始まる弥生式時代への道。現在の状況とてらすとこの作業仮説ないわけではない。
 あとは、平安から鎌倉の転換。律令体制の信用収縮とすれば、この種の時代転換の一例であると考えられる。
 弥生式の玉作なんてワークシェアリングだよね。あの磨くという労力。
 弥生も鎌倉も戦争の時代だ。これも付け加えておこう。

2008年12月17日

常設展

 伊良湖の3遺跡(東大寺瓦窯・皿焼窯・大アラコ窯)
 3年計画くらいで「かまくらクライシス」に取り組もうと思っていて、その初年が「伊良湖東大寺瓦窯」に代表される重源の愛知での活躍。
 遺跡の保存・整備を考える上で貴重な示唆をあたえる3遺跡の並びなのではないだろうか?
 検出状況の展示、発掘面の展示、原状復帰。3つの方法とも、あると思います。

技能賞

金刀比羅宮 書院の美
 実物大写真というのは昔からある手法なのだろう。
 法隆寺展、三井寺展でも、同様の障壁画の展示はあった。
 しかし、現場を再現するという視点に立ったとき、技能以上に着想としてぬきんでたものがあったように思う。
 障壁画の制作風景の展示、そして定点観測。。。

2008年12月07日

三井寺

通天閣
大阪市立美術館
国宝 三井寺展
 智証大師、黄不動、新羅明神、フェノロサ、、、
 校庭からの歓声が聞こえる中、正午の鐘が鳴る。
 大津で素通りした寺の寺宝を大阪で見るとは。。。

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2008年12月05日

図録出来

シーラカンス−ブラジルの魚類化石と大陸移動の証人たち
 自然科学系では唯一の鑑賞。参考文献を見るかぎり、やはり孤高の展示、そして図録。
 20年来、この図録を探していたのかもしれない。
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%B9%E2%80%95%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%AB%E3%81%AE%E9%AD%9A%E9%A1%9E%E5%8C%96%E7%9F%B3%E3%81%A8%E5%A4%A7%E9%99%B8%E7%A7%BB%E5%8B%95%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA%E3%81%9F%E3%81%A1-%E7%B1%94%E6%9C%AC-%E7%BE%8E%E5%AD%9D/dp/4486018192/ref=sr_1_3?ie=UTF8&s=books&qid=1228480451&sr=8-3

2008年11月28日

タイトル賞

鈴鹿考古博物館
弥生人のスローライフ−おコメ生活はじめました−

 残念ながら時間の関係で展示自体は、まだ、見ていないのだが、初発「なにか勘違いしているのだろう」と思わせてしまうほどの斬新なタイトル、そして史観。
 従来の弥生時代像と言えば「牧歌的」「階層性社会の始まり」「搾取の始まり」のようなイメーヂではないだろうか?(不勉強でおぼつかない。やっぱ、弥生式の庶民の生活というのは興味がある)
 このタイトルから導き出される「縄文よりのスローな弥生時代」というのは、ホントに斬新。目からウロコ。(と、いいつつ、その全てを飲み込めたわけではない)
 産業が高次になればなるほどファーストな生活という考え自体が、もう古いのだろうな。。。

2008年11月25日

コンテンツ賞

帯広百年記念館
http://web.mac.com/obihiromuseum/iWeb/Site/Obihiro%20Centennial%20Museum/Obihiro%20Centennial%20Museum.html
 このレベルでどの程度の予算がかかるのだろう? 十分楽しめる内容。なんとかというゲームは奥が深かった。(サイト調べててこっちが上になった)

万葉集〜ココロ・ニ・マド・ヲ〜
http://www.nipponarchives.jp/
 どこをドロップすればいいんだ?
「万葉塾」はポッドキャストにならないのかな?

*最初から脱線気味だが「コンテンツ賞」博物館やそれにまつわるようなコンテンツ。
 企画展にちなんで映像を作るところも少なくない。あとは保存形式のような。。。
 再生回数制限や課金をすれば肖像権や著作権にも配慮できるのでは?(外野だから言いたい放題(反省))
 でも、ポッドキャストって見たい番組が調べにくいよね。みんなが見ている番組をたどっていくことぐらいしかできない。これはスキルの問題か。

2008年11月23日

2題

ターミナル
 近江美人というのがいるような気がする。雰囲気は新薬師寺の薬師如来。なんかそう思うからそう見えるのかな?

大津市歴史博物館
かわら−瓦からみた大津史−
 まってました! 飛雲文。高句麗的な装飾のある山田寺式、サソリ文。2室の内、1室は近世・近代。

栗東歴史民俗博物館
創造と継承—寺院復興
 それぞれのモノにドラマがあって背景が解らないと判らないような。縁起っていうのもある意味、構造だから、、、

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2008年11月17日

雑記2

 去年の今頃も「もー律令なんてやらねぇ」って思ってたのに、今も思っているのに、ついつい、、、
 後期国衙というと守護所のことを「国衙」と呼ぶその事が後期国衙なんだろうナ。強いて言えば。
 塔の越ばかりが注目されていますが、重本地区も強調しないと片手オチな気がする。いや、住宅地だから調査できないんだろうけど、どっかで律令の遺物が出でいるような話を聞いた。伝承のないところでも国衙の存在が云々できるのであれば、重本地区も候補の1つと考えられるのでは? よく知らないけど、、、

2008年11月16日

雑記

 下津小学校の北側に蛇池というのがあって、蛇池から、現在の頓乗寺の前を通って下津北山遺跡の西側へぬけるように用水というか川があって、その自然堤防上に新下津公民館や下津新町遺跡がある。
 下津新町というか下津高戸の南端のような気がする。といいつつ、中世・近世でホントに鎌倉街道周辺遺跡(下津遺跡群)と下津新町遺跡が弁別できるのかは疑問が残る。
 律令段階では、下津高戸だし、う〜〜〜ん。
 ようは、アレなんだけどサ。

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2008年11月13日

エキシビション オブ ザ イヤー

 展覧会を勝手にランキング。
 年度末にやった方が正確な気もするけど、なんか歳末の雰囲気に紛れて楽しみたい。
 さあ、どんな展覧会がランキングされるのかな?

2008年11月09日

春日井シンポ

クマのコドウ
春日井シンポジウム
「東海を足元から探る〜東海・東山学のおさらい〜」
 一番、有益だったのが津島という地名が天武朝までさかのぼるという話。たぶん、馬津の島から津島なんだろうから、津島という地名そのものを馬津と考えることができるようになるのでは?
 だけど、あれだけ多種多様な内容をみんな一人で理解して帰って行くんだから尾張の底力ははかりしれないね。
 まあ、聞くだけだから大丈夫なのかもしれないけど、、、

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2008年11月02日

テレビ2題

「尾形光琳、風神雷神図」『美の巨人たち』
『美の巨人たち』にしてはストーリーがカタい。
 光琳というと『国宝探訪』のイメーヂが強いな。『国宝探訪』って、再放送してるのかナ。
「第六十回 正倉院展」『新日曜美術館』
 結局、現物を見に行っても『新日曜美術館』で感動してしまう。現地でのボランティアガイドや『新日曜美術館』は、やっぱ、貴重。1kくらいの有料でもいいから、ポットキャストできないかな?

いよいよ、文化の日

2題
名古屋市博物館
西国三十三所 観音霊場の祈りと美
エントランスというか回廊の三十三所の概説が秀逸。顕教的なものが多いのか? 本尊、上人、縁起、縁起絵巻、儀軌。。。

稲沢市総合文化センター ホール
風水害と古代社会
講演とは関係ない話だが、、、
現代でも年に1〜2回の大雨は降る。そんな中で正史に災害が記録される事は構造的な意味合いを考えてもいいのかもしれない。
つまり「巨大台風」 = クサカのような図式を当てはめてみることは、あながち間違いとも思えない。
「台風」「雷」「天群雲」、、、こんなタームを背景にする人物???

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2008年10月26日

クマのコドウ。

クマのコドウ。
 クマなんだよ、クマ。
 ドキドキだよ。。。
 今朝、駅で見つけて、写真取り忘れて、今探してました。
 南紀観光宣伝協議会のページがあればいいのに、、、

http://minamikisyu.i-kumano.net/news/2006_10/20061026_04.htm
 こっちも、、、

3題

I eat you up. Now Now Now...
奈良国立博物館
特別展
第60回 正倉院展
 なんて書けばいいんだ?
 モノ見にいったのか、ヒト見にいったのかわからん。
 でも、あの熱心さには閉口だね。
 あそこまで見れないんだから自主規制しないとな、、、

奈良県立美術館
特別展
国立能楽堂コレクション展
〜能の雅 狂言の妙〜
「二十余」の能面にくぎづけ。いいよね。

橿原考古学研究所附属博物館
秋季特別展
宮都 飛鳥
 正倉院前夜の展示。この入館者の落差。なんか間違ってると思うのは僕だけだろう。
 まあ、柱穴の写真だね。くらいしか分からないんだけどね。

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2008年10月19日

2題

 だんだん、文化の日が近くなって、きた〜〜〜!
稲沢市荻須記念美術館
A.D.775 巨大台風 尾張国府・国分寺を襲う
「尾張国分尼寺は、稲沢市法花寺町に推定されますが確証はありません」って「確たる証拠もないのにゴチャゴチャいう輩がおりますが」って意味だよね。
 必要なモノが、そろってないように思うのは僕がクセっぽい考え方をするからか?

斎宮歴史博物館
特別展
神につかえ 仏にいのる
 斎宮版の『女帝の手記』というと分かりやすい?
 ストーリーと展示物がうまいことかみあってこない、僕の頭の中で、、、

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2008年10月12日

三英傑

安土城考古博物館
天下人を祀(まつ)る
−神になった信長・秀吉・家康−
 豊国大明神、東照大権現、勤皇の臣としての信長。の展示。
『知るを楽しむ』を観たので、内容がすんなりと入ってくる。
 織豊から江戸の初めで、礼拝用の肖像画が出てくるのだけど、、、

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2008年10月05日

シーラカンス

豊橋市自然史博物館
特別企画展
シーラカンス−ブラジルの化石と大陸移動の証人たち−
 20年以上前、名古屋のデパートにシーラカンスが来て、それ以来だから、なんだか、なつかしい。
大陸大移動をしめす品々。いろいろなシーラカンス(シーラカンスには種類があるらしい)。そして、おびただしい量の魚の化石。
 図録がないのが玉に傷。しっかり展示、観ないとね。

http://www.toyohaku.gr.jp/sizensi/i/

http://www.kmnh.jp/coelacanth/Welcome.html
(http://www.kmnh.jp/)
http://www.evolution.bio.titech.ac.jp/f_research/cichlid/coelacanth/
http://www.geocities.jp/ancientfishtree/coelacanth2.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%B9

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2008年09月28日

法華滅罪

国分寺と国分尼寺−「法華滅罪」を中心に−
 国分尼寺の「法華滅罪」は『法華経』の「ダイバダッタ品」の「女人成仏」からきたのではなくて、『法華経』の注釈書に見られる「疫瘡(えきそう)」の「滅罪」に由来する。
 つまり、国分寺・国分尼寺の建立は「疫瘡」に対する「護国」、「滅罪」である。
 とする意欲的な講演。
 注釈書からいろいろな思想がうまれるというのは、いろいろある話。
 国分寺というと僕の中では「悔過」が大きな位置を占めていて中世なんかにも続いていくイメーヂ。
 あとは、国分尼寺での阿弥陀の存在のような、、、2つとも少し時代が下る問題なんだけど。

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2008年09月21日

物語の古筆と奈良絵本

 奈良絵の冊子、「奈良絵本」を時代順に並べた展示。室町末〜江戸時代まで、、、
 図録の奈良絵本に対する概説が解りやすい。(講演会がそれにそったものであった)
 京博の絵巻物のところの展示は、奈良絵系の絵巻物になるのか? なんか、その辺が頭がゴチャゴチャしてきた。
 室町時代のカワイイ系の絵巻の系譜を受けた冊子ってとらえ方でいいんだよな。。。

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2008年09月14日

当麻曼荼羅

 朝、『新日曜美術館』みてて、『源氏物語』の場面の絵画がモチーフとして再生産されてゆくんだみたいな話しで、そうか、『当麻曼荼羅』というのも、くり返されるモチーフの1つなんだなと、思いつつ。
 やっぱ、浄土変相図は「曼陀羅」なのでは? と余計なことを思いつつ。
 節談と解りやすい教化のはざまで、中とるとこんな感じなのかな? と、

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2008年08月17日

尾張名古屋は地下で待つ

 展示はおよそ前半と後半に分かれて、前半は発掘されたモノから当時の生活を復元する内容。後半は遺跡の各論。となる。
 この順番で見せられると、なんとなく解ったような気になる。実際、「水差し」と「土瓶」と「急須」ってどう違うんだ? みんな、ゾウの鼻みたいなのの付いた容器でしょ??? と、結局、よく判ってないのだな、、、

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2008年07月21日

渥美半島の歴史

渥美半島の歴史
考古−発見の歴史
 やっぱ、イイ!
 メインはこの展示ではなくて、崋山と崋山の周辺の絵画の展示。もう一本が、浮世絵。
 やっぱ、イイのは、東大寺瓦窯から大アラコ、皿焼窯と、中世渥美窯の製品。
 かまくらクライシスの一端をになう品々。

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2008年07月20日

韓流−朝鮮古瓦の世界展

韓流−朝鮮古瓦の世界展
 注目は、統一新羅の重弁文。
 伊勢国分尼寺、逢鹿瀬廃寺(?だったか?)の単弁の系譜。
 聖武の難波宮のリメイクなのかと思っていたら、あの平板な感じは統一新羅の重弁文に共通のイメーヂがありそう。
 伊勢国分尼寺のは3階で見られる。でも、複弁というか細弁の影響もあるな、、、

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2008年07月13日

佐伯祐三展

没後80年 佐伯祐三展
 暑さも一段落して、蝉の声も少し涼しげだ。
 ぐったりしてしまう時もあるけど、夏という季節、嫌いではない。
 佐伯祐三というと一番に思い出すのは「荻須とカンバスを並べた人」ということ。
 つまり、佐伯祐三と言えども僕の中では「稲沢の歴史」の範疇を越えない事なのだ。
 と、ここまでは展示を観なくても書ける。
 今、佐伯と荻須の絵画的な差異を考える気にはならない。
 差異よりも共通のモチーフ、筆致の中に「エコール・ド・パリ」のような、日本人(異邦人、使い方正しいか?)とフランスの出会いのカタチを抽出したい。
 佐伯の下落合の絵画群も「気にいらない」と評されるような悪いものではない。当たり前といえば当たり前なのだが。

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2008年07月06日

アンチグローバリズム

 しまった! 昨日、名市博行きそびれた! 川井薬師堂(だったか?)の話だったような、、、誰か内容教えてって『紀要』読もうよ。
「史跡 美濃国府跡を考える」
 類例主義と言うのはある意味グローバリズムな訳で遺跡の「個性」と言うとある意味大変勇気の要ることで(こんな時、考古学者でなくてよかったと思う)東海には個性的な遺跡が多いはずで、、、(あまり内容と関係ないな、、、)
 あとは、「代替わり」みたいな問題が僕の問題として大きかったな。次世代に如何に地域思想史を引き継ぐか? ここ2、3年の課題だったり。。。

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2008年06月22日

奈良3題+α

奈良県庁
法隆寺展
 再建、非再建(古いなぁ…)問題とは別に金堂内の年代観のごちゃごちゃ。
 復古の思想であり、聖徳太子の翳(かげ)の表れでもある。
 その、実見は貴重。
 僕なりに瓦当と台座を精査。
江戸時代の仏教・神道版画
 仏教版画が体系的。
 庶民の思いと、宗教空間の歴史が、なんとなくシンクロ。
高僧と美術+α
 知らずに行ったら講演会とシンクロ。
 絵画史的には南都炎上よりも鎌倉新仏教的(南都仏教の復興的活動も新仏教と呼ぶ)な宗教改革の方がより影響が強かったとする。
 南都炎上 = かまくらクライシスなんて図式は成り立たないのか!!
 展示は笠置曼荼羅。日吉曼荼羅。根来塗。
 最後の1区画が興味深かった。ああ、栄西の文書、公慶の勧進帳も良かった。
 学園前、菖蒲池の新興住宅地。美しいような、なんか・・・

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2008年06月15日

図録鑑賞

図録鑑賞
生誕290年 木喰展
 江戸時代に活躍した、いわゆる木喰の展示図録。
 六字名号は、なんか民芸としてみてもいい。

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2008年06月08日

仏法の初め、

安土城考古博物館
 ヒノヒカリってお米の品種だったんだね。
『仏法の初め、茲(これ)より作(おこ)れり』
 吉備池廃寺から、四天王寺へいって、それが近江へ流入し近江で広がる、諸方への展開。
 山田寺系(吉備池廃寺系? 重圏文単弁八葉蓮華文と言うのか?)と、高句麗系のコラボ的な、、、
 近江というと統一新羅系となんとなく考えていたので不勉強、不勉強。

水田に 観音寺山 映り込む

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2008年06月01日

三重2題

ル・コルビュジエ展
大まかに展示は、建築と絵画・造形にわかれる。
『美の巨人たち』のコルビュジエ兄弟で、なんとなく知っているコルビュジエという人物。
日本のIId類にも大きな影響をあたえたであろう建築。
キュビズムというかピカソというかの影響をつよく受けたであろう絵画。
その建築と絵画が1人の人間の中で融合している。このスゴさ。

金刀比羅宮 書院の美
もう何年か前だが雨の中、金刀比羅宮を訪れた。その時空の感覚もまたすばらしいが、書院の中まで観ることはなかなか難しい。
美術館で再現された書院。なかなかの壮観である。
一郭では田窪氏が障壁画を仕上げている。
まさに金刀比羅の時空が再現されているのである。

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2008年05月31日

「尾張国分跡」を学ぶ

 尾張国分寺を884年に廃絶したとするのは、インチキくさい。
 主要伽藍の一部の焼失であって、「廃絶」という語彙を適当と思わない。
 尾張国分寺には、きちんと中世的展開があって、それは「はだか祭り」のような祭儀も包括する。
 まあ、マイノリティーな意見だから、なに言ってもいいんだモン!
 つまり、884年は律令時代的展開の終焉でしかない。

 といいつつ、市教委見解は「廃絶」の方がこっちはやりやすいか、、、

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2008年05月18日

藤原2題

キトラ3
 完全な晴れではなくて少し霞んでいる。
 今は雨雲みたいな雲がはりだしてきた。
 二上山、畝傍山、雷の丘。この一直線で僕の中で持統朝は決まる。
 その呪力を大きく受けてキトラの被葬者は存在する。
キトラ古墳壁画「十二支 子・丑・寅」
『平城宮の図録』を見てて日本のどっかには十二支像はあるだろうと思ってて(あたりまえ?)それがキトラだとはね。
 2〜3時間待ってみる価値があるかは個人的な価値観の域だろう。
 考古学ガールが見に来てた。大学生なのかな?
 次に、
はにわ人と動物たち
 キトラも古墳だけど、これも古墳。
 美術史的な大転換だよね。
 橿考研界隈、栗の花のにおい。
 采女の 袖ふきかえす 薫風か

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2008年05月11日

「山の辺の道」の万葉歌

名古屋新都心
 奈良県桜井市の山辺の道に点在する歌碑の原文の展示。
 万葉時代、昭和、そして、それを目の当たりにする現在。
 こんな三世のコラボレーションを思う。
 はじめて、ゆとりーとラインに乗る。
http://www.guideway.co.jp/
http://www.guideway.co.jp/i/
 路線バスのようなリニモのような。
「川村」下車、庄内川にかかる松川橋をわたると道風記念館はすぐ。「勝川」から歩くより便利。
新緑の 遠くに名古屋 新都心

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2008年05月03日

古代ペルシア展

古代ペルシア展
 いい意味で去年の出がらし。
 不勉強で、その素晴らしさが説明できないのが口惜しい。
 できれば『美濃の古瓦展』も見てみたいのですが、、、

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三河念仏の源流展

IIc類
三河念仏の源流展
 三重・一身田、専修寺の什宝。慈鎮の夢の資料。(これも専修寺什宝)
 そして、三河の真宗。
 善光寺如来、聖徳太子、法然、親鸞、そして、その系譜につらなる人々。
 写真は岡崎市街。II期c類の看板建築。スゴイ!

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与謝蕪村展

与謝蕪村展(MIHO MUSEUM)
 江戸時代の俳人として有名な与謝蕪村。
 画人でもあるという。
「創」をテーマに、ストーリーが展開してゆく。

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2008年05月02日

男鹿和雄展

 いわゆるジブリ作品の展示。
 背景画(?タームがよくわからん)というのか、背景の絵と、その下絵、設定のようなもの。
 そこから、世界観が広がる。
 順路がなんか異空間に引き込まれるような感じ。

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杉本健𠮷展

 地元東海の風景、古きよき大和路。そして、新・平家物語。最期まで、激しく輝いた。
 そんな、イメーヂ。
 新・平家物語は、網掛けのような印刷技術を熟知していたのではないだろうか?
 やっぱ、晩年の作は、なんかスゴイの一言。

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2008年04月16日

里帰り 誕生仏ほか

里帰り 重要文化財 誕生釈迦仏
080326〜0420
アンコール企画 尾張の仏像
080326〜0525

*誕生仏は小牧市三ツ渕・正眼寺蔵。飛鳥時代の作。
尾張の律令時代の1つの画期をしめす。
 尾張の仏像は稲沢市船橋・安楽寺蔵、十一面観音、兜跋毘沙門天ほか計4躯の展示。
 見れるときに見るとよい、しなじな。

窯変の美

山笑う
 猿投・渥美・常滑・瀬戸と東海地域の窯の概観。
 そして、全国各地の窯へと。。。
 愛知県陶磁資料館の30周年にふさわしい内容だと、、、

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2008年03月30日

あづまぢリンク3

新収蔵記念
杉本健𠮷(土口)展
080404〜0601
愛知県美術館

源氏物語千年紀展
080426〜0608
乾山の芸術と光琳
080308〜0413
京都文化博物館

能の彩 面と装束
080426〜0629
住友コレクション
中国中近世の青銅芸術
080315〜0420
列品解説
中国中近世の青銅芸術 廣川守氏
080412(土) 
泉屋博古館(京都)

あづまぢリンク

特別企画展
三河念仏の源流〜高田専修寺と初期真宗〜
080426〜0525
岡崎美術博物館
*三河の真宗美術は尾張のそれを補強するものだと思っている。

“ロマンティック”よ、永遠に(クローバー)
内藤ルネ展
080426〜0601
刈谷市美術館
*今年は高浜はペルシア展だったかな?

創立100周年記念特別展
岩瀬文庫の一〇〇点
080405〜0601(I 研究者が選ぶ33点)
080607〜0803(II 学芸員・司書が選ぶ33点)
080809〜1026(III 市民が選ぶ34点)
西尾市岩瀬文庫
*信じられない落書きがあったばかりなので備忘録。

ひさびさの、あづまぢリンク

特別展
桃山時代の茶陶生産 唐津・高取・萩・備前・伊賀・美濃
080203〜0506
土岐市美濃陶磁歴史館

宝物館「東寺鎮守八幡宮と足利尊氏氏」/観智院 五大虚空蔵菩薩坐像(重文)/五重塔特別拝観
080320〜0525
京都・東寺【教王護国寺】
*五大虚空蔵菩薩は唐代のもの一見の価値あり。

開館30周年特別企画展
窯変の美−鎌倉・室町の名陶−人と炎が生み出した偶然の美
080405〜0601
李吉秀(イキルス)コレクション−韓国・日本・中国・東南アジアのやきもの−
080412〜0601
愛知県陶磁資料館
*マイブーム渥美の灰釉秋草文壺(慶應義塾蔵)が観られる(はーと)