2題
大阪歴史博物館
発掘された日本列島2010
毎年、好例になって久しい展示。再発見も定着してきた。やはり公共工事が、なかなか行えない昨今、バブル期に行った発掘の再評価や啓発の意味合い。GPSやレーザー計測など科学技術の発達や若手や別の研究グループによる資料の新たな価値の発見なども「発掘された日本列島」の、これからのテーマになるだろう。(って、これ去年も書いたのでは?)
そうそう、東国のパルメット紋というか、古新羅系というのか? 蓮子を楕円ではなくオタマジャクシのように表現するような系統の瓦を調べないと、尾張と河内だけでパルメット紋は、どうも完結する話ではないんだな。たまたま取り寄せた神奈川の図録でもパルメット紋の特集が組まれていた。泉官衙遺跡の瓦を見て再確認。
地域展が本展示と同じぐらいのスペースで充実している。
盾形埴輪に線鋸歯文が描かれるんだな。線違い鋸歯文の系譜も木製品のような遺物として認知しにくいモノも想定しておかないといけないのかな? 銅鐸から連なるトラディショナルな系譜を持つ文様なんだよね。
橿原考古学研究所附属博物館
埴輪のはじまり
破片からだと、なかなか全体像が見えないというか、研究史が膨大な感じで劣等感の塊になってしまう埴輪の話。
そうなんだ、箸墓は、まだ、特殊器台なんだね。埴輪の成立とヤマト政権の樹立というのは実は直結していないのか?
朝顔形埴輪って、ようは器種複合で、高杯形埴輪なんて言うのもあって、それが、ようやく「ああ器種複合なんぢゃん」と認識できるようになって、どっちかって言ったら西の特殊器台、壺形、朝顔形埴輪の系譜と、仁所野のように、高杯にパレス壺を載せてタガをめぐらせるような、どっちかって言ったら東の系譜。仁所野は、どうして単発で、西の系譜が隆盛になるのか? と、展示には関係ない話をしてしまった。
大阪歴史博物館
発掘された日本列島2010
同時開催:
なにわの考古学30年の軌跡-足の下に眠る歴史-
20110112~0228
橿原考古学研究所附属博物館
特別陳列
埴輪のはじまり
20110205~0321