2題
斎宮歴史博物館
海をこえてやってきた!
三重県立博物館の館蔵品を中心に海上交通路としての海に焦点をあてた展示。
国図や海路図から海岸線や海路の想定、文物として運ばれる遺跡からの出土品。
伊勢から海を使って三河へ行った持統天皇。
海上安全の祈り、産物としての鯨と、案外にてんこ盛り。
それらの膨大な情報をコンパクトにポイントを押さえて解りやすく展示している。
岐阜市歴史博物館(岐阜公園)
国宝 薬師寺展
破格な特別展。聖観音、吉祥天女像、僧形八幡神像と、国宝がぞくぞく。
1階企画展示室に薬師寺の歴史と什宝。2階に美濃と薬師寺の関係というか壬申の乱にちなんで。加藤栄三・東一記念美術館(金華山ロープウエイ乗り場すぐ)に散華の下絵など、薬師寺に収められた近現代の作品を展示。
聖観音は野中寺の弥勒像が666年で、野中寺像より後出であることは確か。川原寺の瓦との関係も聖観音の方が後でいいのでは? ただ、古くなる要素として、脇から見た時に、衣紋のヒダが単調、あくまで正面からの鑑賞を基準にしている。この制作方法は、飛鳥仏の特徴で、北魏のレリーフ状の作仏の流れをくんでいる。スタイル的には白鳳仏だが、造形において飛鳥の様式を内包している。天武朝段階と考えていいのではないか?と、考えると680〜686年くらいなのかな? ここまで古く見る人も少ないのかな?
岐阜市歴史博物館(岐阜公園)
織部・大数寄(ダイスキ)・コレクション
この夏は黒織部押し! なんていうの、モダンアートと言っても過言ではないくらい洗練された幾何学模様がたまらない。黒という無彩色も、そのモダンさをより引き立てているような。
どうも、「織部」というと、「ハイハイ、アレね」的な予定調和があって、まあ、それもないと、織部ぢゃないんだけどね。
それよりは、信長像、豊国大明神像と展示されているので国盗りに焦点をあてて楽しみたい。
斎宮歴史博物館
企画展
海をこえてやってきた!
2011.0723~0904
岐阜市歴史博物館(岐阜公園)
特別展
国宝 薬師寺展
2011.0729~1002
織部・大数寄(ダイスキ)・コレクション
2011.0705~0925