3題(4)
名古屋市博物館
開館35周年記念
芭蕉−広がる世界、深まる心−
やはり、古文書が読めるかどうかがカギになるのでは?(まあ、より深く楽しめるという程度か?)必ずしも読みやすい、くずし字とは言いにくい感じ。
音声ガイドが、総時間、約40分と長大で、ある意味、金字塔! 展示のストーリーが、ほぼすべて網羅されている感じ。個人的には、俳句や和歌など作品の朗読を、もう少し増やして、説明を、もう少し簡潔にできないものかとも思うが・・・
展示についても、芭蕉の生涯と〈芭蕉像〉の再生産という壮大なものになっているが、生涯については逆に名古屋や東海地域に於ける発句に重点をしぼって、歌枕の地誌的な解説や遺跡の遺物などで、芭蕉の生きた時代を立体的に展示できなかったのだろうか?
普段の名古屋市博物館の展示と比べて異色というか、お宝的な目玉展示をポンポンポンと配置して概説的なストーリー構成は、必ずしも学芸活動が成功しているとは言いがたいと思われてしまうのは残念。
まあ、西行・宗祇などの芭蕉前史、芭蕉の生涯、〈芭蕉像〉の展開なので、俳句・短歌、好きにはいい展示なのかな? ちょっと鑑賞者を選ぶよね。。。
名古屋市博物館 常設展示
森川コレクション
重要文化財「黒楽茶碗銘 時雨」や「稲之図」など、
如春庵時代(昭和期)の作品が中心な雰囲気。
茶入が3点、桃山〜江戸時代のものが。
愛知県美術館(栄)
コレクション企画
美しき日本の自然
朝日遺跡出土品 重要文化財指定 記念
「弥生時代の造形」
まあ、特別展前のコレクションの企画展なので、そういう位置づけで見にいかないといけない感じか。
今回は愛知県陶磁資料館の作品を一緒に展示する企画。渥美の芦鷺文壺が来ていた。モリカズが4点。
常設展示内にゴーギャンの裏表。まあ、時代的な筆致というのもあるのかもしれないが、いい意味で、ゴッホのバッタモンのような作品。ゴッホが時代と、全く無関係で誕生したのではなく、1種、ゴッホに対するゴーギャンの嫉妬も感じられて、ああいう嫉妬の仕方をするとタヒチに行かざるを得ないという、ポスト印象派の、1番有名なドラマチックな部分が、ドロッとキャンバスからあふれてくるという、垂ぜんの作品。
朝日遺跡の展示は第7室のみの残念な展示。黒色系というか沈線文系?(大地式土器)が1点と、丸窓、パレス。あと巴形と破鏡などの一級品がずらっと。と、まあ貝殻山貝塚資料館の展示のプレ展示なのか、陶磁資料館の展示とともに消化不良な感じ。
どうせコレクション展の期間なのだから、特別展示室を使って「朝日遺跡資料による『様式と編年』」的な一括資料を総鑑できるような展示を、現代アートと対峙するトラディショナルなアート作品としてトリエンナーレ関連で展示して欲しい。こんなものを期待していくのだから、たちが悪いW
徳川美術館・名古屋市蓬左文庫
徳川将軍の御成
去年、震災の関連(だったか?)で、展示が、あちこちした時に延期になっていた展示。
御成とは、将軍などの天下人が臣下の屋敷を訪れること。
〈御成〉という行為・作法を屋敷の間取り図(蓬左文庫)や茶道具や調度品(徳川美術館)を駆使して立ちあらわせる展示。
どうしても『へうげもの』的な高揚感が下火になって茶道具に対して、いまいち、むくっと来ない感じがしてダメだな。(個人的なモチベーションの問題なのだが・・・)
名物・大名物のオンパレードで、泪の茶杓や千鳥の香炉などが、これ見よがしに展示されているので、垂ぜんの展示。
名古屋市博物館
開館35周年記念
特別展
芭蕉−広がる世界、深まる心−
2012.0929〜1111
http://event.chunichi.co.jp/bashou/
名古屋市博物館 常設展示
フリールーム テーマ10
森川コレクション
重要文化財「黒楽茶碗銘 時雨」や「稲之図」など、
2012.1010〜1118
愛知県美術館(栄)
コレクション企画
美しき日本の自然
朝日遺跡出土品 重要文化財指定 記念
「弥生時代の造形」
2012.0928〜1125
徳川美術館・名古屋市蓬左文庫
新館開館25周年・徳川園開園80周年記念 秋季特別展
徳川将軍の御成
2012.1006〜1111