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4題(11)

三重県立美術館
KATAGAMI Style(カタガミ スタイル)
世界が恋した日本のデザイン
 型紙というとつい、安物の千代紙のようなモノを想像してしまうが、染色に使う柿渋紙の型紙はもっと繊細かつオートクチュールな豪華さを秘めている。
 日本の型紙を糸口に、とくに西洋で流行した「ジャポニズム」に対して深く考察している。
 日本の型紙も、展示品の多くが海外で保管されているモノ、19世紀にジャポニズムの色見本として、多くが輸出されたのだろう。
 個人的にオススメの逸品をあげれば、05-006(だったか?)の飾りカンマンの型紙、キャプションには「飾りカンマン」と表記されていないのだけれど、飾りカンマンではないだろうか? という代物。
 ミュシャやアール・ヌーボーは当たり前にスゴいので、そういうことにしておく。
 おしむらくは、1粒で2度おいしい的なコンセプトは評価したいが、どうしても限られた展示室ではどっちつかずな感が否めない。県民ギャラリーや映像資料で型紙の製作技法や行程の補足説明はあるが、、、まあ「西洋で保管されていた型紙の調査成果」なので、このようなスタイルで見せるのが1番適切なのだろうが。せっかくの貴重な調査成果が、うわついた展示効果になってしまっていて惜しい。

PARAMITA museum パラミタミュージアム
南都大安寺と観音さま展
 大安寺の仏像というと、どうしても特殊なモノがあるという前評判(あったよね?)を思い出してしまう。
 途中で展示替えがあり大安寺からは都合3体の観音様がお出ましになる。
『パラミタミュージアム』自体が「般若心経」をテーマにした博物館で、「般若心経」の始まりが観音様なので、観音様の展示なのだろうが、今回が好評なら、他の菩薩や如来、武神、天女とか続けて欲しい。
 展示は古い金銅仏が入って右の展示ケースに並べられているので、そこから見るのがオススメ。どうしても、大きい仏像に興味がいってしまうのだが、、、
 どの仏像がどうとかは、あまり詳しくないので、よく知っている人に聞いてください。

PARAMITA museum パラミタミュージアム
熊谷守一展
 回顧展なので、到達点である「ダサウマ」的な境地は、もちろんのこと、若い頃の自画像や、作風を確立していく過程が提示されていて、「モリカズを、さらに深く知りたい人」向けの展示になるのではないだろうか?
 モリカズは岐阜・中津川の名士の子供というとこで岐阜県美術館に総括的な収蔵品があるのとともに愛知県美術館の木村定三コレクションに代表作が多く収められている。
 あのダサウマもモリカズにとっては芸術運動の一環なのだが、そのことは画風の確立期の作品を見るとよく判る。ダサウマ以前の作風の特徴を一言でいうと、補色の多様にある。補色とは赤には緑、青に黄など1番反対にある色のこと。松林でもアカマツの林なので当たり前に思うかもしれないが、葉の緑に幹の赤を足している、畦の絵でもウネを大胆に緑色と茶色を交互に配置して挑戦的なほどに補色で埋めている。裸婦像でも暖色の女体に寒色の影を書きこんでいる。
 んで、ダサウマがどういう芸術運動なのか? そのことは、代表作が目白押しの展示室で考えて欲しい。

 ああ、2階へ上がるスロープに館蔵の萬古焼きの優品展があります。あがっていくごとに新しくなるのかな? たまにはスロープからあがってみるのも。

PARAMITA museum パラミタミュージアム
雅楽楽器と装束展
 こぢんまりとした展示。23日(日)に演奏会もある。

三重県立美術館
開館30周年記念
KATAGAMI Style(カタガミ スタイル)
世界が恋した日本のデザイン
2012.0828〜1014

PARAMITA museum パラミタミュージアム
特別展
南都大安寺と観音さま展
熊谷守一展
2012.0830〜1010
雅楽楽器と装束展
2012.0915〜0923