« 2題 | メイン | 3題 »

3題

京都国立近代美術館
上村松園展
 某所で今年イチオシの展覧会なのだが上村松園という人に明るくないので的確なレビューが書けるかどうか?
 ようは美人浮世絵の系譜なのではないか? 清長とか歌麿の系譜? 美人絵・美人大首絵を肉筆というか日本画でおこなった感じ。まあ、到達点は全く別の場所なのだが、、、
 展覧会の章別も、あまりピンとこない。極端なことを言えば女盛りと年増と2分できるのか? 案外、少女という作品はないのか少ないのか?
 まあ、あくまで記号化した〈女〉というものを描いているわけだから、それは逸脱した時の非難と自尊心の崩壊を考えたら、あくまで記号化なんだと思う。
 常設展示にも松園の作品はあるが、某所の押しのような気迫を感じない。常設展を見るのなら先に常設展を見たい。メインディッシュがあることを前提にながら見的に。。。
 いや、酷評してるみたいだけど、絵はキレイだし、展示も松園の生涯にスポットをあてて手堅くまとめてある。松園を知りたい、美術館で、とにかくキレイなものにふれたい、という向きには大いにオススメする。見ないと損と言ってもいい。

飛鳥資料館
木簡黎明-飛鳥に集う いにしえの文字たち
 現在、一番注目されるのは「歌木簡」ではないか? 万葉・古今に記録される和歌が木簡にも見える。そう考えたら、宴会でも下書き木簡も見つかってもいいはずで、その可能性をひろく探った感がある。
 漢詩も同様だし。あとは年代をどれだけ追えるか? なのかな?
 どうしても木簡というと、どこそこの地域からは××が献納されて的な荷札木簡が注目されるわけだが木簡の奥深さを確認できる展示。
 と言いつつ、荷札木簡を五畿七道別に、何回かに分けた展示もして欲しい。煩雑な操作のわりに裏方的なあつかいなんだよね。

橿原考古学研究所附属博物館
奈良時代の匠(たくみ)たち
-大寺建立の考古学-
 コレはスゴい。遷都1300年祭関連で、1番の労作で1番、意味合いの沿った展示なのではないか?
 1章の空撮と伽藍配置の対比だけでも考えさせられる。考古遺物、建築部材にとらわれず、多くの建築部材を集めていて、古代建築のいろはが頭の片隅にあると立体的な立ち現れてくる。
 あと瓦とか堂内荘厳、唐招提寺の天井画の復元とつながる。
 展示室の狭さを感じさせない充実した展示。迷っているなら見るべき。

 飛鳥資料館と橿原で白鳳の「土垂」仏類を精査してきたので、その報告は、また、改めて。。。

京都国立近代美術館
上村松園展
20101102~1212

飛鳥資料館(奈良文化財研究所)
秋期特別展
木簡黎明-飛鳥に集う いにしえの文字たち
20101016~1128

橿原考古学研究所附属博物館
平城遷都1300年記念 開館70周年記念
秋季特別展
奈良時代の匠(たくみ)たち
-大寺建立の考古学-
20101002~1121

20101114
『上村松園展』 A&Dオーディオガイド 音声ガイド作品リスト附 所要時間:約30分 ナレーション:原田美枝子氏
*展示に沿ってガイドプレートの番号を追っていけば、展示品全ての音声ガイドが聞けるというのが建前だが、期間外の展示されていない作品についても音声ガイドを聞いておきたい。
*「花がたみ」の前にデットスペースがあったので、そこで展示されていない作品の音声ガイドを聞く。「花がたみ」に魅入られて、すごす刹那は何とも至福の時間であった。
*ある程度の人出があるので作品の前に立って音声ガイドを全て聞くことははばかられる。
*他の展示との掛け持ちの兼ね合いで少し急いだが、ほぼ、ぶっ続けで聞いてももてあます。「松園展」を30分で見ようというのは、数字的には無茶だが音声ガイドを使うと、こんな事ができてしまうのが不思議だ。
*余談だが特設のショップの絵はがきは、ある程度の枚数を欲しいのなら、常設のショップの方の絵はがき冊子も検討した方がよい。よく考えたら「静御前」が付いてあの値段なら冊子、買った方がよかったのではないかと思う。作品自体が大判だからかもしれないが、どちらも印刷・発色に、やや不満が残る。全然、音声ガイドと関係ないのだが。。。