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3題

岐阜市歴史博物館(岐阜公園)
古地図~地域から世界へ~
 前期展は岐阜県図書館の蔵品。後期展は岐阜市歴史博物館の蔵品の展示で今は後期展。
 伊万里焼の日本図がいいの。小人黒とか女護国とか実際にはない島や松前と蝦夷が別々に描かれていたり、当時の地理認識というか思想性がキレイにでている。
 古地図と言えども、荒唐無稽性だけが際立つのではなくて、村絵図や城下図、曲輪図なんかは生産性や軍事的な性質の中で正確を旨として描かれていて、そちらが中心の展示になる。
 イントロとしての日本図、(1)村絵図・町絵図、(2)国絵図・藩領図、(3)合戦図・城絵図、(4)近代の観光を目的とした鳥瞰図という章別け。
 鳥瞰図も見るべきがある。富士山を表現するために渥美半島が消えたり、伊勢湾から北を見るのか、金華山から南を見るのかで、当たり前だが全然別の図面になる。

一宮市博物館
硯ことはじめ
 民俗と考古のハイブリットな展示。
 民俗の方の筆と墨で筆記する文房具の総説はためになる。墨、筆、紙、硯の伝統工芸としての制作方法が詳しく紹介されている。
 考古の方は、うらむべくは立ち位置がはっきりしない。中央の優品の総説にするのか? 地域の硯のレビューにするのか? ハイブリットというか硯の種類に応じてカテゴライズして並べられている。どうも過去の文献や展覧会で注目を浴びているものを中心に集められた感じがする。それだけ研究の進んでいない分野と見るべきか?
 実は稲沢に硯の専門家がいるのだが、所蔵元程度のあつかいで、その辺のリサーチも、いささか甘いという評価は厳しすぎるか?
 煤を集めるための蓋の遺物展示は貴重か。

春日井市中央公民館
 森浩一文庫展示
寺社境内図の版画展
 前期・後期で展示替えの部分もあるとのこと。1フロアのこぢんまりとした展示。
 境内図と本尊のお札というのは、近世の旅のアイテムとして注目すべきもの。
 そのようにものが収集される形で名所図会のような絵入りの地誌が誕生するのではないだろうか?
 そんな中で「大念仏會中出店図面」は異色の境内図。いわゆる壬生寺の大念仏會(壬生狂言?)の時の出店の領域図で、一般向けに配布配布された境内図とは異なるのではないか? 興味深い資料。

岐阜市歴史博物館(岐阜公園)
企画展
古地図~地域から世界へ~
2011.0422~0529(前期)
2011.0603~0710(後期)

一宮市博物館
企画展
硯ことはじめ
2011.0618~0731

春日井市中央公民館
 森浩一文庫展示
寺社境内図の版画展
2011.0618~0717
2011.0917~1030