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2題

名古屋市博物館
フリールーム
3000年前の名古屋
-緑区雷貝塚・守山区牛牧遺跡-
 名古屋市内の縄文遺跡の展示。
 出土地不明の東北のものなのかな? いわゆる亀ヶ岡式と呼ばれそうな、つるつるで太い線を配置した鉢も何点か展示されていた。
 縄文は判らないので、見ただけ。

名古屋市博物館
テーマ10
古筆のたのしみ
 展示にちなんで、はくぶつかん講座があったので、それを含めて。
 圧倒的に数をこなしていないからなんだろうけど、読めない。開き直って読めなくても仕方ないと思う。読みを確定していくことは、もちろん大切なことだが、可能性の幅を追求していくという意味では「○○かもしれない」という可能性は幅として必要! と開き直ってしまえ。
 掛け軸と屏風、手鑑帳の展示。手鑑帳は展示替えアリ。
 日本において、どのように古筆が鑑賞され、どのような権威付けがなされていたかも理解できる展示。
 個人的に一等は「夢記切」内裏に女房がいて犬がいてという内容。『枕草子』に取材できそうな「内裏・女房・犬(翁丸)」という組み合わせ。それと明恵の「犬好き」という属性。『枕草子』の享受が典籍であったのか口伝えだったのか興味がそそられる。(とか書いたら激怒する人もいるんだろうな)
 藤原俊成が定家の父で冷泉家の先祖になるというのはあんまりピンとこなくて、慈円とか宗尊親王とか、その古筆の中や極札に登場する人名にキュンとなる。

松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
誕生110年記念
荻須高徳展 憧れのパリ・煌めきのベネチア
 松坂屋美術館、美術館「えき」KYOTO、稲沢市荻須記念美術館、日本橋三越本店の巡回展。
 なんで展示目録がないんだ?
 これまで、あまり紹介されていない作品も多いのではないか?
 1930年代、1950~60年代、1970~80年代と作風の変化が丁寧に追える。
 パリ、肖像画・静物画、ベネチアという章別。ベネチアの作品群に代表されるのだが、オギスと言えば反射の画家なのではないだろうか? それが写生による探求によるものなのか、絵画描写論的な技法論の体得によるものなのかは今後検討がなされるべきだろう。
 しかし、例えば、51では水面の中央の白の描点は見ようによっては違和感がある。これが1930年代の作品。これが50~60年代には53のように3m程離れて水面を見た時、絵画として描点が消失して反射そのものになる。これが70~80年代になると60のような、技巧的にさえ見えるのだが、手前の建物を黒っぽく描き、最後方の建物のみ黄色くし、水面の反射にコントラストを強調する作品群になってゆく。54もいい。オギス作品の特徴は2回見られるということ。まずはギリギリまで近づいて筆運びに注目してみる。筆の勢いと筆致。次に3m程離れてみる。近くで見た描点がすべて消失して絵画としての作品が立ち現れてくる。無造作にさえ思える絵の具の重なりが見事に壁や水面になっている。
 画集よりも、やはり実物をみたい展示。

名古屋市博物館
フリールーム
3000年前の名古屋
-緑区雷貝塚・守山区牛牧遺跡-
テーマ10
古筆のたのしみ
2011.0531~0710

松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
誕生110年記念
荻須高徳展 憧れのパリ・煌めきのベネチア
2011.0611~0703