3題
☆奈良県立美術館
やまとの地宝
中国でおこなわれた「日本考古展」の帰国記念展。
注目は黒塚の鏡と藤ノ木の復元品、新沢千塚の品々と言ったところか?
展示は第1部で日本考古学の通史、第2部が中国など海外との文物の流通、第3部が入江泰吉の写真を中心にした展示。図録は第3部、割愛。
橿原考古学研究所附属博物館の常設展示はストーリー的にも展示品的にも1等の奈良県の考古学の資料だが、そこに収まりきらない、アナザ・ストーリーといった所ではないだろうか?
より深く学びたい人向け。
音声ガイドも、鏡の背面の文様の細説など、展示品の1つ1つを、より細かく見るのに役に立つ情報が充実している。もちろんストーリーも追えるのでオススメ。展示位置の関係で多少内容が前後するが、、、
大阪歴史博物館
特集展示
摂河泉の古瓦
常設展示内、なにわ考古学研究所の隣にある特集展示室での展示。特集展示としながら結構な点数の瓦が並べられている。
展示の中心は平安時代から中世の瓦。どうしても古瓦というと、創建期の瓦が注目され飛鳥から奈良時代の瓦が注目されるが、平安から中世の瓦も当然存在するわけで、これからさらに注目されていくであろう分野。
和泉国では熊野詣での流行に応じて平安後期の造寺・改修がさかんになるという法勝寺の瓦を彷彿とさせる宝塔文の鐙瓦の使われる寺院もある。
あと、展示で注目されるのは場所は大和の生駒になるのだが、忍性を中心とした西大寺派の活躍の中で使用された五輪塔の刻印のある瓦。
見方を変えれば、非常にエキサイティングな展示。
おしむらくは、キャプションや目録の年代観が、少しおおざっぱに過ぎるきらいがある。そこは、鑑賞者の知識を多少必要とするかもしれない。まあ、もの見て判断した数値の方が実年代に近いのではって感じ。
大阪歴史博物館
柳宗悦展
-暮らしへの眼差し-
柳宗悦と、その息子の柳宗理の展示。宗悦と言えば民藝だが、宗理は一言で言えばモダンなデザイン。まあ、中心は宗悦の活動にあるのだが。
棟方志功や芹沢銈介を下調べしておくと、なお楽しいのかもしれない。
余談だが、旧・大阪市立博物館の図録がミュージアムショップにあった。
最近、再開発というか新名物構想でニュースになっていたが、大阪歴史博物館の前身が存在していたのは、恥ずかしながら、ニュースで報道されるまで知らなかった。
☆奈良県立美術館
奈良県立橿原考古学研究所付属博物館
特別企画展
やまとの地宝
2012.0204~0318
大阪歴史博物館
特集展示
摂河泉の古瓦
2011.1207~2012.0213
大阪歴史博物館
柳宗悦展
-暮らしへの眼差し-
2012.0107~0229