2題
滋賀県立近代美術館
白洲正子 神と仏、自然への祈り
白洲正子が日本の伝統の何をどのように評価したかが、近江を中心とした文化財の実際を見ていく中で立ち現れてくる展示。
音声ガイドは、イコノグラフはもちろん、白洲の見立てがすんなりと入ってくる。音声ガイド初心者にも入門として、とっかかりに適しているかもしれない。
図録が実験的。巡回展3ヶ所共通。目録に会場ごとの展示品の出品・不出品がわかる。1種、仏教美術・神道美術の到達点だね。その道の入門者は是非入手しておきたい1冊。
安土城考古博物館
室町最後の将軍-足利義昭と織田信長-
毎回、秋の展示は釈文には頭が下がる思いがする。
歴女にオススメの展示。義昭をキーワードに信長を取り巻く人物が、解りやすくまとめられている。
ドラマなんかでも、信長はあんな感じの人で、将軍という口実を使って上洛をはたす。古い権力の象徴としての義昭。そのキャラクタリゼーションがドラマの醍醐味そのものにはならないだろうか?
小説や読み物ではなく、史実としての史料と肖像画が立ち現す展示。
滋賀県立近代美術館
白洲正子
神と仏、自然への祈り
20101019~1121
http://www.nhk-p.co.jp/tenran/20100616_162822.html
安土城考古博物館
秋季特別展
室町最後の将軍-足利義昭と織田信長-
20101016~1114
20101023
『白洲正子』 A&Dオーディオガイド 音声ガイド作品リスト附 所要:約30分 ナレーション:真野響子氏
*参詣曼荼羅のような展示物のイコノグラフまで、きちんと説明されている。
*1回の説明の長さ、展示順などが整っていて、音声ガイド初心者にも耳なじみがいいと思われる。
*欲を言えば、白洲の文書に対する読み込みが、もっとダイナミックでもよかったのかもしれない。展示として白洲の文章は引用されているので、音声ガイドでは、その骨子、深みを解説できると、さらによかったかもしれない。