5題
豊田市美術館
柴田是真-伝統から想像へ-
『美の巨人たち』で特集された巡回展とは別の内容。ミュージアムショップで巡回展の図録も販売されているので、少し予算に余裕を持っていきたい。
江戸末~明治の漆工芸家。「だまし漆工」と呼ばれる漆工芸でありながら、陶器や板の木目などをリアルに表現した作品群。
ライティングや照明、作品保護の観点から作品は必ずしも見やすいわけではないが、そのような雰囲気もふくめて、作品の質感や技巧の精が際立っているようにも思われる。青海波塗りは、本当に繊細。
巡回展が見れなかったことが悔やまれる。
豊田市美術館
Art in an Office-印象派・近代日本画から現代絵画まで-
新収蔵品展になるのか? 豊田市制60周年記念で、館蔵品の優品展もかねている。
どれがどうでというと不公平になるかもしれないが、上村松園の「つれづれ」は、それだけを目当てにしても十分なくらい。松園好きは必見、是真も一緒に見れるので、結構なお得感だと思う。
現代作品、とくに最近の作家も展示されている。目に付いたのは蜷川実花氏。中央にだけ焦点をあわせて、まわりをぼかす、その色使い、まさに実花調。
印刷技術も進歩しているのだろうが、額装の仕方も新たな技術・方法が工夫されていて、その見本市としても興味深く見れる。
知立市歴史民俗資料館
新収蔵品展
知立駅で思い立って知立市歴史民俗資料館へ。図書館と併設のこぢんまりした展示室だが、東海道の池鯉鮒宿のビジターセンター、知立市の考古・歴史・民俗資料を、ちゃんと大づかみに出来る。
新収蔵品は、ひな人形、ミシン、時計、戦時資料と、これまた、こぢんまり。
近世の街道に興味のある向きは、一度は見ておきたい展示。
名古屋ボストン美術館(金山)
響きあう うつわ-出光美術館日本陶磁コレクション
iPod音声ガイド有り。
黄瀬戸、織部、志野から、はじまり鍋島まで。中世・織豊期から近世への陶磁器の概観。
乾山のような有名作家の作品もあるし、古九谷などでも見応えのある陶磁器が、ずらりと並んでいる。まあ4階フロアだけなので制約はあるが、その時期の焼き物を大づかみにして、なおかつ鑑賞にも十分堪えうる欲張りな展示と言ってもいい。
音声ガイドは、たいてい30分程度なので、鑑賞に要する時間の目安にもなる。人間の集中力の限界が30分~1時間、1時間を超えると数分程度休憩したくなる。音声ガイドの時間と、実際に博物館を鑑賞したい時間を考える。1時間なら聞いていない時間が半分あってもいい。30分で見たければ、音声ガイドはフル回転。
音声ガイドの説明は、およそ前半と後半からなる。前半は展示のストーリーにあわせた説明、後半はその展示物の個別の説明であることが多い。逆に言えば、前半部分は、その作品の前で聞かなくてもいい。何がある、どうなっているの説明になってから、その作品の前に行けばいいのだ。
いいか悪いかは別として、僕は音声ガイドはキャプションの代読として聞いている。と言いつつ、ガイドにない気になる展示物はキャプションを見る。しかし、キャプションも全て読む必要はない。目録に大まかな情報、図録には、ほぼキャプションの内容が全て書いてある。
気になる作品の、気になる項目だけを見ればいい。作品の年代であったり、絹本・紙本のちがい、油彩かどうかは作品をじっくり見た方がいい。
と、展示内容と関係のない話を、さらっと書いてしまった。
松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
松坂屋創業400周年・松坂屋美術館開館20周年記念
松坂屋コレクション-技を極め、美を装う-
松坂屋の来歴、時代ごとの着物、年齢儀礼に関する衣装、武家の装いとして(たしなみとしての衣装・婚礼調度、陣衣装、能)と大まかに章分け(章名は私に改めた)されているのか?
見所は、やはり時代ごとの着物の展示、たしなみとしての衣装・婚礼調度であろう。
松坂屋における、ファッションとモードの研究の粋が、そこにあると言ってもいいのだろうか?
徳川美術館が大きくバックアップして行われた展示のようだが、これくらいのことは松坂屋自体の学芸力で出来るようにしておかないと、宝の持ち腐れではないだろうか? それは、これからの売れ筋、商戦と、全くパラレルな出来事ではないのだと思う。
豊田市美術館
常設特別展
柴田是真-伝統から想像へ-
20110219~0403
豊田市美術館
企画展
Art in an Office
-印象派・近代日本画から現代絵画まで-
20110108~0327
知立市歴史民俗資料館
企画展
新収蔵品展
2011.0219~0403
名古屋ボストン美術館(金山)
響きあう うつわ-出光美術館日本陶磁コレクション
20110226~0327
松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
松坂屋創業400周年・松坂屋美術館開館20周年記念
松坂屋コレクション-技を極め、美を装う-
2011.0305~0410
『響きあう うつわ』 名古屋ボストン美術館 展示作品リスト(兼展示目録)附 21件解説 iPod端末有り
*作品1点1点の解説というより、カテゴリーとしての黄瀬戸、尾形乾山、古九谷、鍋島などの全体的解説がメイン。
*iPodは左手の親指と中指で挟むようにして、人差し指で操作するとストレスが少ない。
『伊藤慶二 林武史』 カセットミュージアム 作品目録の裏側が音声ガイド&作品マップ 27件解説 音声ガイドは無料
*現代の作家なので作者の言葉が多く収録されているのは現代美術の音声ガイドの強み。
*伝えるべき事、伝えたいことが多いのは解るが鑑賞時間との齟齬が激しい。逆に、それも強みなのか? じっくりと作品に向き合える。