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2題(5)

土岐市美濃陶磁歴史館
織部−ソノ器、ヘウケモノ也−
 織部という焼き物というと、たぶん緑の釉薬に白い地肌の焼き物というイメーヂが強いだろう。
 ホントに「織部展」にふさわしい、現代の感覚で「織部」と呼ばれる焼き物の総ぞろえと(古田織部が創作・意匠に大いに関与したであろう)志野と美濃伊賀の全国の優品と元屋敷窯を中心にしたタイプ別の分類と非常に密度の濃い展示。
 図録は他館よりは割高感があるものの入館料と相殺してしまうくらいのレベル。展示品のカラー写真と小さいものの底部のモノクロ写真がついている。
 展示でも工夫されているが、図録は織部入門者には必携なくらい、織部の釉薬や地肌による色彩と「織部好み」と呼ばれるカタチの妙を、技法の側面から丁寧に書いているのでオススメ。
 個人的には、黒織部の幾何学文が大好きなので、元屋敷窯の物を特集でまとめた所が一番好き。
 時間があれば隣の織部の里公園の窯跡の見学もオススメ。丁度、豊臣秀吉の朝鮮出兵と前後して、それまで使われていた大窯(おおがま)から、連房式の登窯(のぼりがま)に技術革新していくのだが、その両方の窯跡を見ることができる。古田織部は大窯も登窯も見てるんだよな多分。
 織部の里とは反対方向になるが乙塚古墳というのもある。丁度、壬申の乱の功臣の墓になるのではないだろうか? 保存状態もよく整備もある程度なされていて、壬申の乱前後の墓制というのを、確認できるひな形的古墳。

愛知県美術館(栄)
「応挙」展
「応挙って(伊藤)若冲や(長谷川)等伯みたいな華がない感じしない?」と言う話をしたら、一般の人から言ったら「応挙の方がネームバリューは高い」らしい。
 音声ガイドが、少しまどろっこしい説明だけど、少し表面的すぎるのかな? 呉春や蘆雪など円山四条派の門人達の逸話もあるといいんだろうけど、「写生、写生」って、確かに出世作は眼鏡絵と呼ばれる、いまでいう3Dに近い作品なんだけど(やばい! ほめてないぞ……)シグマの狭い中級者向きなんだろうな。。。
 まあ、聞くと聞かないでは、大きくちがうだろうし、途中で放棄しちゃうのはもったいないけど、1度通して聞けば、それなりに応挙について詳しくなれちゃう、音声ガイド。
 個人的には風景画? が好き「雨竹風竹図」「雪松図」山元春挙の「雪松図」もよかった。と当たり前のことしか書けないな。「波上白骨坐禅図」もよかった、ちゃんと指を定印に組めばいいのに、ああいう、こまかいイコノグラフを重視しないところが上田秋成とかに嫌われるところなんだろうな、なんとなく。
 常設はいつもの感じ(応挙展は4室まで)で、5室の1/4で東松照明の記録写真と6室? とエントランスで、佐藤香菜氏(佐藤かよ様以来の衝撃的な名前)の作品。個人的な意見だが、いい意味で頭でっかちな絵、もっと単純に美しいとか描きたいを求めていけばいいのに、レゾンデートルとか既存の価値観の破壊的な表現手法が、1種の空々しさになってしまっていて残念。刺繍という表現技法を手に入れて、ルーティンワーク的に制作を続けていく中で、何かをつかめるのではないだろうか?(と、無責任に偉そうなことを書いておこう)
 7室と8室で新聞報道にもなった木村定三コレクションの修復展示。不動明王の胎内から、京都・清水寺の仏像であったことなどが書いてあるのが発見された。8室の金剛法具類は見がいがある、興味のある向きは是非。

土岐市美濃陶磁歴史館
特別展
織部
−ソノ器、ヘウケモノ也−
2013.0228〜0512

愛知県美術館(栄)
「応挙」展
2013.0301〜0414