山本二三(にぞう)展(4)
大垣市スイトピアセンター アートギャラリー
日本のアニメーション美術の創造者
山本二三展
~天空の城ラピュタ、火垂るの墓、時をかける少女~
『未来少年コナン』(名探偵でない方)、『じゃりン子ちえ』『天空の城ラピュタ』『火垂るの墓』『もののけ姫』『時をかける少女(細田守氏監督)』など、宮崎駿氏、高畑勲氏の作品を中心に美術監督(とくに背景画)をつとめた山本二三氏の作品を集めた展示。
アニメーションの作画は分業作業で、背景画を描いた上にセルやデジタルの合成で人物を乗せていくことになる。その背景画と、イメーヂボードといって映画の構想を練るのに描かれる少しラフ目の絵が展示されている。
人物がいないので、子供には少し物足りないかもしれないが、風景画的に楽しめば、子供でも大人でも楽しめる。
音声ガイドが用意されていて、声優の・・・(名前が出てこない! こういう時に音声ガイドリストがないと不便!!)方で二三氏のインタビューも含まれており、観覧料も破格に安く設定(ネットで割引券を探すとワンコイン)されているので、時間に余裕があり苦痛にならなければ音声ガイドを借りる事をオススメ。描写のちょっとしたコツとか、どこで使われた背景なのかの詳しい説明、二三雲と評される雲の描写の秘話など、一歩踏み込んだ絵画鑑賞になると思う。
もしお財布に余裕があればグッズを買うことをオススメ。暑中見舞用に一筆箋もいいし、ミラーやマグネットも、お気に入りのモノを使えば毎日が楽しくなる。
やはり一番のオススメは画集なり図録! 目録を拾うと160点ほどの展示作品が図録なら1冊に収められている。絵はがきや複製画の値段と比べれば図録がどのくらい値打ちに作品を所蔵できる方法か判るだろう。
ジブリ作品はフイルムブックや絵コンテ集なども充実していることで有名だが、背景画は職人的な芸術作品の一部と見る向きもあるかもしれないが、そのもの単独でも十分、鑑賞・展示に向いた作品なんだと思う。まあ、図録は少しお高めなんだけど観覧料との相殺とも考え合わせれば、けして高くないのかも。
お気に入りの1点を上げるとすれば『時をかける少女』の「夕暮れ2」。
絵はがきにも、なっているんだけど、原画とはコントラストとか色合いが微妙に違う。普通に夕暮れの写真でもフォトショップで、その辺をなぶれば、さまざまな雰囲気の写真になると思うけど、二三氏の原画は、もう最高。まさにマジックアワー。
大垣市スイトピアセンター アートギャラリー
日本のアニメーション美術の創造者
山本二三展
~天空の城ラピュタ、火垂るの墓、時をかける少女~
2013.0209〜0310