2題
田原市博物館
渡辺崋山と平井顕斎
渥美古窯と現代陶磁
生誕140年 岡田虎二郎展
やはり特筆すべきは「渥美古窯と現代陶磁」だろう。
館蔵のコレクション作品による現代陶磁と渥美窯の抱き合わせなのだが、館蔵のコレクションが手堅く見応えのあるものがちらほら。個人的には命銘コンテストなんかを行ったらなじみもわいていいのかなとも思うくらい、個性的な作品が目白押し。
渥美窯は渥美郷土資料館の蔵品になるのか皿焼窯と伊良湖東大寺瓦窯もものももちろん、大アラコ窯など普段みられない資料や、その他の古窯の出土品を概観的にあつめてある。
瓦経片や大アラコ・竜ヶ原1号の藤原氏銘など、文字資料も目新しい。
もう1つ紹介しておくと、皿焼13号の宝塔片と格狭間。性海寺の宝塔や西大寺の鉄塔のような造形を想像したくなる。
渥美古窯が操業される時代は、まさに清盛時代。大河ドラマ『平清盛』に触発されて、その時代の風俗に触れたいのなら、陶器の分野では参考になるのではないだろうか?
平井顕斎は崋山の弟子。岡田虎二郎は田原生まれの静坐法の考案者。
豊橋市美術博物館
文化人・芸能人の多才な美術展
すげえ感動した。この種類の感動を二十余年経験してなくて、最初は、それが感動であると感じられないくらいに、心が動かされ、思いをめぐらした。
内容は、いわば現代の芸術による百人一首!
どうしても芸能人というと黒い噂というか、暴力団とつながりのある事務所社長と夜な夜な酒宴に興じるようなチ〇ピラ的な若い衆というのも少なくないと聞こえてくるが、世間的に「好青年」と評判の歌手の方の作品がメインというか、観覧者が、そこに留まっていることが多かった。
例えば、作品を1点あげてみると、北野武氏の龍の絵。映画『アキレスと亀』の中でも作品の制作工程をいくつか示しているが、北野氏の興味として美術史というか製作技法を時代順に追っていくと言うことが、最近の北野氏のライフワークと言っても過言ではないのでは無いだろうか?
作品を見ると、スーラ的な色の構造分解(カンバスの上に原色を重ねて視覚的に混色を表現する)的な点描という形式を取りながら、草間弥生的なドット表現にまで昇華されている感じ。美術史的な認識と作画的な技術が融合した作品であろう。
まあ1つひとつの作品がどうすごいかを語るよりも、それらの作品が群として蒐集されているということのスゴみ、威圧感というのを体感して欲しい。
芸能人・文化人と言うことで作品や、このような企画自体を低く見る向きもあるかもしれないが、極個人的には制作者の何人かに興味があるのなら、このような展示を、逆に見るべきだと思う。ちゃんと見ておかないと眼がくもってくるというと、少し言いすぎか?
おしむらくは、政治家の作品は正直、引いた。コレクションとして収蔵することは構わないと思うが、あの震災の直後に「政治家が習字をしていた」という幻想は、正直、リアルにきつい。
遅れに遅れて、今頃になって大連立的な(今となっては)「野合」とも揶揄されかねない。しかし、震災直後なら、どうだったのだろう?
真剣に震災前の「ねじれ国会」が求められる国会の姿だと思っていたとしか、現段階では判断できない。
あんな、ねじれるんなら国会開かずに内閣の政令で全部、通しちゃえば、よかったんだよ! 無能な首相を選んだモンだと思う。
展覧会とは全く関係ないが・・・
田原市博物館
渡辺崋山と平井顕斎
渥美古窯と現代陶磁
生誕140年 岡田虎二郎展
2012.0602〜0805
豊橋市美術博物館
文化人・芸能人の多才な美術展
2012.0612〜0624