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2題(1)

清須市はるひ美術館
企画展
変身 歌舞伎展
【終了しました】
 国立劇場の歌舞伎関連の浮世絵群、三越伊勢丹(もともと、どっちの資料なんだ?)の歌舞伎衣裳、御園座の押隈(おしくま:歌舞伎のデーモン小暮閣下のような化粧を落とす時に布に押しつけたもの)、舞台装置などをを軸に、高浜市かわら美術館、岩瀬文庫など近隣の資料で補強した展示。
 けして広いとは言えない展示室だが、浮世絵のボリュームは壮観、衣裳も柵もガラスもなくまぢかで見られた。
 個人的に興味深かった展示品をあげれば、「四条河原遊楽図屏風」は若衆歌舞伎になるのか? 歌舞伎の見世物小屋的なムシロで区切られた場所をメインに、四条河原での人の往来が描かれている。右から2曲目に物乞いが描かれていて、現代の感覚で言ったら、興行に際して、そのような「見苦しい」とされるモノは排除されがちだが、平気で描かれてしまう。絵画は、さらに虚構であるにもかかわらず、それがなされるのは興味深い。
 あと「香箱と鬘付」香箱と呼ばれる箱と鬘付と呼ばれるブロマイドと着せ替えが一緒になったようなモノを切り抜いて作れるようになった浮世絵。こういうモノが、切り抜かれずに残っているのもスゴいが、技術革新はあるものの、ファンの心理は今も昔も変わらないことを思わせる。歌舞伎と言えども、現代の感覚で言ったらAKBやジャニーズのようなものなのだ。

古川美術館 特別展
特別展 藤森兼明
−祈りの美 イコン・彩飾写本とともに
分館 爲三郎記念館 特別展
「唐長の世界〜京唐紙のこころ〜」展
 ブシコー派の時祈書が4年ぶりの公開と言うことで、見にいく。僕が見た時は「キリストの誕生」の場面だった。時祈書に関連してロシアイコン、零葉(時祈書のような彩飾写本が鑑賞のために製本がとかれて1ページだけになったもの)も展示されている。
 藤森兼明展は、まずは作風が好きかどうか? また、モデルさんが好きと言ってしまうと、ややこしいことになるのかも? おしむらくは2階の照明とカンバスのはく落防止剤の相性があんまり良くないのか、視点をしぼられるのが、残念というかおしい。
 爲三郎記念館は古川美術館の創業者・古川爲三郎の私邸だった建物を展示施設と喫茶スペースとして公開しているもの。唐長(からちょう)は京都にある唐紙屋さん。唐紙は和紙に木版で模様を印刷した装飾性の高いもの。ちょっと高級目の単色刷の千代紙というと雰囲気がつかめるだろうか?
 個人的には葵の間の「大渦」の風炉先屏風と玄関の「菊市松」屏風が好き。風炉先屏風というか枕屛風が欲しいなと思うんだけど、いくらぐらいするんだろうね? まあ置き場所考えないと、あっても邪魔なだけなんだけど。

清須市はるひ美術館
企画展
変身 歌舞伎展
2013.1008〜1201

古川美術館 特別展
特別展 藤森兼明
−祈りの美 イコン・彩飾写本とともに
分館 爲三郎記念館 特別展
「唐長の世界〜京唐紙のこころ〜」展
2013.1019〜1215