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近江3題

安土城考古博物館
武将が縋(すが)った神仏たち
 勝軍地蔵、妙見菩薩、宇賀弁財天など異神とカテゴライズされそうな武運長久を祈る尊像を全国から広く集めている。
 よみうりランドの妙見菩薩、誰の押し仏だったっけ? 尊星王を生で見れるのは貴重。最近の論考なので注目を集めている四天王像も展示されている。
 図録は参考図版がてんこ盛り! カラー図版16ページと豊富でリーズナブルな作り。
 同時に神像の発展史、武将像の神格化を概説。
 おしむらくは「僧形八幡神影向図」を中心にすえるようなカタチで近江の平安時代の神像がメインの展示や山王曼荼羅と豊国大明神像を並べて、その荘厳の相似を提示するような展示を単独でやって欲しい。
 そうか秀吉は日吉丸で豊国大明神像の成立に山王曼荼羅というのが、なんか関係しているのかもしれない。あとは、日蓮系の肖像画だよね。

大津市歴史博物館
神仏います近江 日吉の神と祭
 今年の秋、滋賀県で開催される、信楽・瀬田・大津の3館連係の展示。大津の会場は大津市歴史博物館。ちなみに安土、栗東でも仏教美術に関連した展覧会が開催されるもよう。3館だけでなく周辺も要チェック!
 3館の中では一番オススメ!
 およそ3部構成で、前編で平安時代の神像を広く集め、中編で山王曼荼羅と典籍としての資料、後編で日吉の祭を大まかには展示している。
 軽く山王曼荼羅を展示種別に列記しておくと、まずは宮曼荼羅、日吉山王の地形を鳥瞰的に表して境内のたてものの様子を示したり、本地仏を地形に沿って示している。次に本地曼荼羅、段に几帳の中に神の化身としての仏を整然と配置する。曼荼羅によって配置する尊像の数も異なる。最後に垂迹神曼荼羅、本地曼荼羅の仏が男女、聖俗、猿などの神に変換したと考えればよい。
 種子曼荼羅もあるが比較的、有名な簡単な種子が多いので解読に挑戦しては?

栗東歴史民俗博物館
仏教美術の名品
 1点あげれば「聖徳太子和朝先徳高僧連坐像」。画幅下段に聖徳太子を配置し、上段に真向きの源信(恵心)、右向きの源空(法然)、左向きの親鸞を描き、縁者を連続して描く「釈明□」という明の係字の人が多い。
 連坐像は蓮如以前に親鸞直系の以外の信者の間でおこなわれていたと考えられており、蓮如、実如の関連する図像が多く展示されているが、それ以前の真宗の存在をにおわせる。

安土城考古博物館
秋季特別展・311東日本大震災復興祈念
武将が縋(すが)った神仏たち
2011.1015~1120

大津市歴史博物館
近江発!三館合同展覧会 大津会場
神仏います近江 日吉の神と祭
2011.1008~1123

栗東歴史民俗博物館
収蔵品展
仏教美術の名品
2011.1029〜1204