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σ値がないのはナゼか?

 以前、どっかで疑問が出されていたが、14C年代測定の補正値の誤差の話である。
 この話、実は「春成氏は特殊器台の専門家だから間違いがないだろう」というのは、1周して正しい。(専門家が正確な判断をするという命題の真偽は疑問だが、、、)
 結局、形式編年と14Cのハイブリッド(クロスチャックにはなってないのか?)の年代決定である。(と書きつつ、5年くらい前の知見で書いているので日進月歩、新しくなっているのかもしれない)逆に言えば、形式変化とともに、あのナミナミが古くなっていたり、新しくなったりすればよい話になる。
 σ値が、なぜないのか? という疑問だが、あのナミナミが富士山に見えるのか? という疑問である。
 14C年代測定の補正値は、あのナミナミそのものに意味がある。14C年代測定の実測値は理論的なモノなので、富士山のようなカタチ(正規分布)をしていると仮定される。その富士山のような分布を補正することによって、あのナミナミは現れてくる。σ値は富士山の裾野の広がり(一般には肩巾)を示す値なので、あのナミナミが富士山に見えなければ、σ値を求めることもできないし、示す必要もないのである。
 では、あのナミナミをどう見るか? 簡単に言ってしまえば「確率の雲のようなもの」といえないだろうか?(理系の人はいやがるかな?)
 あのナミナミの高さを濃さ(高いほど濃い)と考え、その年代の幅で、実際にどこにいるのかは分からないけど、濃いところにいることが多いというようなものだろう。
 もう、めんどうくさければ、文系の人向けに、あのナミナミを富士山と考えて、σ値を出してしまえばいい。平均値だって、時代幅の平均と確率の濃さの平均では平均値が異なる気もする。
 つまり、この手法で注意しなければならないのは、14Cという理系的な方法で年代が決定されたのではなくて、形式編年という文系的な方法で年代が決定されていると言うことだ!(このことは誰も大きな声で言わない。な~~んでか?)14Cは形式編年に対して、具体的な年代を示唆しているにすぎない。
 でも、まあ、この話聞いて、この手の話を信用しないというのも違うし、何も考えずに盲信してしまうのもよくない。