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4年と10年

三岸節子記念美術館
特別展
三岸黄太郎展
 三岸黄太郎は三岸好太郎と節子の長男。好太郎の回顧展という名目だが、北海道の好太郎作品、1階の常設も含めて3人展の色合いが濃い。
 黄太郎の作風は好太郎や節子からインスパイアされたモチーフの抽象画・具象画も当然なのだが、筆致の妙というか、絵の具を盛り上げたり、逆にヘラで削り落としたりして写真では感じることのできないテクスチャーを大事にしている作家だと思う。
 チラシやポスターで紹介されている「通りすぎた風景」というグレーの山に黄色い丘、曇り空の絵もチラシで見るより本物は何十倍もいい。
 個人的には2008年の「街」という第2室の作品が好み。まだ明け切らぬ街の漆黒の中に、ほんのりと浮かび上がる輪郭、その輪郭は無機質なようで、実際は指紋の残る人為的な光景。こう書くと見たくなる?
 節子の作品も1階に「さいたさいたさくらがさいた」と「自画像」2階に「ブルゴーニュの一本の木」、好太郎は2階の1室の一面だけだが初期のピエロをモチーフにした作品、作風の安定した「飛ぶ蝶」と有名な「のんびり貝」という海辺に大きな貝殻の絵が来ているので、それだけで満足できる。

一宮市博物館
火事と喧嘩は江戸の華
~火事装束
 まさにクールジャパン。江戸時代の火事というと町火消しを連想するが、火事装束は大名が、それらを指揮するための、現代の感覚からすると背広に対して作業服にあたるのか?
 現代の作業服は実用性・機能性が重んじられて、こだわるとすれば会社のオリジナルの色であったり、胸元にロゴを刺繍する位だが、江戸時代の火事衣装はホントにキレイ!
 まずロゴに対応する家紋はデザインとしてホントにキレイ。布にもこだわりがあって、フエルト地のような毛織物で、色染めも黄や赤など鮮明。
 一宮というと毛織物の産地と言うことで、博物館で墨コレクションを収蔵したそうな。それの調査・研究成果の報告と言った感じ。

一宮市三岸節子記念美術館(旧・尾西)
特別展
三岸黄太郎展
2012.0512〜0624
三岸節子
花の贈りもの
2012.0403〜0716

一宮市博物館
企画展
火事と喧嘩は江戸の華~火事装束
2012.0428〜0603