4題
岡崎市美術博物館(中央総合公園内)
三河浄土宗寺院の名宝
大きく歴史編と美術編に分かれる。歴史編は禁制のような支配関連の文書が多く集められているので、興味のある方は、その手の準備をしていくとよい。
美術編で興味深いのは「法然上人臨終絵」と題される絵画。釈迦の涅槃図を模して法然の臨終の姿を書くのだが、摩耶夫人の位置に5仏を配置しているのが興味深い。5仏は上段中央に宝冠をいただいた定印の尊像、上段左が来迎印の阿弥陀、下段左が薬師、右が定印の阿弥陀と密教的な五仏とも一概に相似であるとはいいにくい。真宗(浄土教系)にも七高僧のようにマンダラ的な配置を採る画像が多く残されているので、そのような作例との比較は今後の課題なのでは?
知多市歴史民俗博物館 ふゅうとりぃ・ちた
大野谷の文化財
「法然上人臨終絵」の元図とも目される「圓光大師涅槃像(法然上人臨終絵)」が展示されていたので、それだけでも一見の価値あり。
こちらの方が、法然の容姿や衣裳などが儀軌的な法然上人に近い感じがする。上部の5仏については、遠目だったこともあり判然としない。
惜しむべきは「慧可断臂図」を借りてこれなかったのかなぁ?京博改修中だから、案外借りれたのかもと外野は、やかましいことを言う。
熱田神宮宝物館
日本の神話〜近・現代絵画を中心に〜
近現代絵画を使った神話や歴史の展示は最近活発におこなわれているが、神社関連の独自のネットワークがあると見え、レアな作品も少なくない。
それ以上に『熱田神宮本・日本書紀』が結構な関数展示されているのは、注目してよい。
ああ、あんな背紙文書のある典籍なのかと日本紀好きには、これだけで十分満足できる展示。
キャプションでヤマトタケルのことを「オウス」と表記しているので「ヲウス」とするのが本則ではと指摘したら「それは近代的な〈読み〉の問題で兄を「オオウス」ヤマトタケルを「オウス」としている典籍があって、それを持ってきたから間違っていない」と返されてしまった。別に兄は「オオウス」でもいいからヤマトタケルを「ヲウス」としておけば、まぎらわしくないと思うのだが、昨今の研究史にたいして全否定してからのバカ賢い的な学問のモードには疑問符が、、、と、僕ももう古くさい先達なのだ・・・
松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
茶碗 今を生きる
長次郎の「ムキ栗」と志野の「住吉」が見れただけで、もう、しあわせ!
『へうげもの』の最大の見どころは自分が現代の芸術領域に、どの程度の見識があるかとの戦いである。
等伯がドット柄を用いるのが「えっ?クサマ風?」とならないと、なんとなく片手落ちな感じがする。
そんな意味で「住吉」は今週の『へうげもの』にぴったりなのだ。
岡崎市美術博物館(中央総合公園内)
法然上人800回忌記念
三河浄土宗寺院の名宝
−浄土へのいざない−
2011.1008〜1120
知多市歴史民俗博物館 ふゅうとりぃ・ちた
特別企画展
大野谷の文化財
2011.1022〜1204
熱田神宮宝物館
秋季企画展
日本の神話〜近・現代絵画を中心に〜
2011.0930〜1025
松坂屋美術館(矢場町・南館7階)
松坂屋創業400周年・松坂屋美術館開館20周年記念
茶碗 今を生きる
−樂歴代と時代を語る名碗−
2011.1019〜1127