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ルオー展(6)

荻須記念美術館
ジョルジュ・ルオー展
 まずは前提として作風が好きか? 年に1度の地域の美術館の特別展だから、、、で見に行くのは、少し危険かも。
 作風というか、主要なモチーフをあげれば、キリストとキリスト教的世界観によるアガペー(〈愛〉)と当時の庶民の生活の象徴としてのピエロと、アガペーにより昇華される〈ピエロ〉という存在。
 ルオーの生きた時代的には、ポスト印象派に後続するフォービスム(野獣派)の作家とされる。
 ポスト印象派というとゴッホやゴーギャンなど、耳なじみがあるかもしれないが、フォービスムは、耳なじみないかもしれない。ようは時代の雰囲気みたいなもので、ポスト印象派が〈印象〉を色彩論的な観点から深めたのに対して、フォービスムはポスト印象派を発展させ、暴力的(野獣的)な色彩の洪水で画面を構成している。例えば青い空に補色的に赤い雲を配置するなど。(もう少し、かみ砕いて説明しないと意味不だな)
 有料の図録以外に、A5判のリーフレット(入館者の人数把握の意味もあるのか?)が用意されていて、主要な作品と、作風の主題・変遷が解りやすく解説されている。
 目玉は、『ミセレーレ』と呼ばれる白黒の版画による作品群。全58点の内、42点と作品の構成と主要な画題が見て取れるだけの数、展示されている。
 関連して、ミセレーレの版画の上に油彩で、さかに書き込みを加えた作品など、作品に対するスタンスも垣間見える。

 関連して、今回の展示品の多くを収蔵している、パナソニック汐留ミュージアムでは、

パナソニック汐留ミュージアム
パリ・ルオー財団特別企画展
I ♥ CIRCUS(アイ ラブ サーカス)
2012.1006〜1216
http://panasonic.co.jp/es/museum/

 と題して、世界的なルオー作品の展示がおこなわれているので、荻須美術館を見てルオーに興味を持ったなら、汐留に行くのもいいのかもしれない。

荻須記念美術館
特別展
ジョルジュ・ルオー展
2012.1027〜1202