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恨(はん)

 しかし、被征服者は、屈辱の怒りや苦しみを、征服者の前に、とことん押しつぶし得たであろうか。怒りは消えきったであろうか。涙は乾ききったであろうか。
 もしかしたら、
 払底しきれぬ、怒りや涙が、
 押しひしがれた屈辱が、
 はらわたの底の底にかたくたまって、
 それが、
 芸能の原動力になっていたまではなかろうか。
 俳優の力の源になっていたのではなかろうか。

『私は河原乞食・考』p133
 芸能の根源論。なんか『精霊の王』にも通じるように思うのは、最近、『精霊の王』を読んだからか?
 怨霊史観的でもある。