T村伝説(仮)
(鳥瞰で)山道をはしるバス。ぼくのモノローグ。モノローグにあわせて、地図、バス車内がオーバーラップする。
バス停。走り去るバス。2人が残る。歩き出す2人。2人のアップ。Mが語り出す。
「この村の人たちは自分たちが鬼の子孫だと信じている。だから、節分の祭にも、けっして鬼は外、福を内なんて不用意なことをとなえたりしないんだ。だって、そんなことしたら自分たちの御先祖を追い払うことになるし、だいいち自分たちじしんのレゾン・デートルがなくなっちまうものね。その人たちが今夜、村のなかに鬼をむかえいれる。それは神秘的な瞬間さ。」
『悪党的思考』p277
なんか、こんなショートフィルムにしたら学術論文がブレイク・スルーする気がした。