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十四世紀半ば、比叡山では教理の解釈の違いによって学問の流派が細分化されており、師匠から弟子への伝授は、秘密を旨とした口伝主義に貫かれていた。その相承の系譜が血脈と呼ばれるもので、法派を正しく受け継いだ者の正統性を示しているのである。
『『渓嵐拾葉集』の世界』p10
中世の知的体系のバリエーションの多さは、この血脈のような考え方を重視しなければ理解できない。 血脈は師弟関係の契約であるとともに、大日如来や釈迦如来といった仏とのつながりも神話的に示すものである。
投稿者: かがっち 日時: 2007年10月28日 21:57 | パーマリンク | 顕密文学(仮)