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「いったい俺は誰なんだ!!!」

 例えば、毎晩見ていたニュース番組のキャスターが降板したとしよう。
 彼は、毎晩、彼目線で世相を論評していた。その論評がもう見れない。それはある意味で「死」である。
 媒体としての死と呼ぼう。
 僕が、その番組を見なくなる。これも、この後に番組を見るかもしれないという可能性が付くが、ある意味の断絶である。
 個人的には、媒体の死、こそ「死」なのではないかと思う。
 相互に意見を分かち合える状態の喪失。その状態が決定的であるときに「死」は発生する。

 逆に、媒体としての死が訪れているのに、生身の死がほど遠い状態もあり得るだろう。
 例えば、誰かが自分の名を語らって、死んでしまうような状態。(ほとんどあり得ない状態だが、、、)
 媒体としての自分の死は大衆にとってゆるぎがない。いったい、いったい、いったい、、、
「いったい俺は誰なんだ!!!」
 なんか自然に出る言葉なような気がして、、、

 レヴィ=ストロースの死。ほんの最近まで、彼は日本に対しても発言しており、構造主義者を家に招いたような話も聞く。媒体の死と、実際の死が極限まで近づいていたように感じる。その話が1点。