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寸評

貝塚に牡蠣殻混じる遺跡かな
発掘の牡蠣殻出でし遺跡かな

 いや、逆に遺物の牡蠣殻に季節があるのか? 両句とも、その点に気づかない、あるいは、見ないふりをしている。
 上の句でいけないところは、字数が許せばパーセントまで指摘しかねない、几帳面さが「混じる」の語ににじみ出ている。
 また「貝塚」「遺跡」、「発掘」「遺跡」というのは、説明しすぎではないだろうか?
 結局、遺跡から出た牡蠣殻には季節はない。感じるのは古代人が牡蠣を冬に食べたであろうというという類推のみ。つまり、

遺跡にて いにしえの冬 牡蠣の殻

 のような句の方が自然に感じる。か、もう、遺跡は別にして、

メイチカの 惣菜屋で カキフライ

 このレシートの裏に走り書きで書いたような、さらっとした流れ、なんか好きなんだよね。
 なんか2句目が6音で強調されてるんだよね。
 いや、こういう句が好きなんだよね。なんかドヤかな?