総説:観衆に強要する媒体
もう「Orion」の手前あたりで飽きちゃってて、あとは、やっつけだな。まあ、最後? になるんで、少しヒートアップしてみるか。
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『マインド・コントロールとは何か』の中で洗脳について、「好意を抱くものに対して、その思いを増幅する場合有効である」旨の言及があったように記憶する。このように考えた場合、音楽媒体にとって〈洗脳〉という行為は有効な手段であると考えられる。(逆に〈洗脳〉してまで伝えたいメッセージ、伝えるべき事があるのかというのはカウンターのテーゼであろうが、、、まあ、売れりゃあいいという話もあるわな)
サブリミナルな視覚効果、平均より微妙に音を大きくして印象を刺激的にする手口。どうせやるんだったら、ボーカルの顔を1コマ挿入すればいい。(使ってるミュージック・クリップもありそうだな)
しかし、このような手法は、臨床心理学的には、あまり効果がない、あるいは、全く意味を持たないとする意見もないわけではないだろう。
だが、たとえ1%でも、0.5%でも反応したとすれば? 1億の1%が百万である事を考えたら、音楽ビジネスで、その数字が持つ意味というのは計り知れないものがある。(30万でもスゴイと言われる昨今)
まあ、「平板なpopアート」という企画は「ガルネクは時代と〈寝て〉ない」という理由を考え出したことから始まる。「ハマるかも!」の頃にもう一押ししたら、時代と寝れるだろうと考えていたが、あえて、それを回避した観がある。しかし、理由が思いつかない。そう言えば絢香氏にしろJUJU氏にしろ、最近の女性シンガーは時代と寝ることを好まないものが多い気もする。(年食ったから、時代の潮流が見えなくなってるのかな? でも、時代と寝るということは誰からも解るハズで、、、音楽が有線からiPodに変わって的なビジネスモデルの変化から時代と寝ることができなくなったとも考えにくい。逆に音楽のビジネスモデルが時代と寝るという行為を必要としなくなったのかもしれない。それは時代にとって、得なのか? 損なのか?)
まあいい、ガルネクの場合、外的因子を考えてしまったら、黒木メイサ氏と、忽那汐里氏、あと最近の北乃きい氏を排除してしまえば、その辺では一番になるのではないか? と思ったが、それは誤解である。それはガルネクという媒体に触れれば判る。
つまり、ガルネクは売れているのである。それは、売り上げが1番とか、そういう意味ではなく「売れないハズのものが売れている」という意味での売れているではあるのだが。。。
ここで、これまでのおさらいをする必要が出てこよう。例えば、アカデミズムの押しつけ、凡庸な発想の転回、戦略の勝算のなさ、あからさまな洗脳、、、これの何処に売れる要素があるのだ? それが少なくとも商業ベースとして成り立っているのである。
「売れないものを売るのが商売である」言い換えれば「自分のやりたいことをやって売れているのがスゴイ」のである。
「ゴリネク」ガルネクは時に、そのように揶揄される。それは、ガルネクのプロモーションにゴリ押しがつきまとうことによる。しかし、社長は浜崎あゆみ氏の時の方が、もっと、ゴリ押しをしたと言うことを認めている。
しかし、この「ゴリ押し」はプロモーションのみにつきまとう言葉ではない。「観衆に対するゴリ押し」これが、この企業の特徴だ。
つまり、カリスマには熱狂的なカルトが必要なのだ! その中で〈洗脳〉という手法が使われているのだ。
いや、ここで付け加えておかなければならないだろうが、筆者は〈洗脳〉を一方的に否定することはしない。なぜなら、一部の進学塾でも〈洗脳〉に近い方法で知識を詰め込むことを行っているから、それは十年のオーダーで可否が求められてもおかしくない。
ともかく、ガルネクは興味深い媒体である。そして、プロデューサー陣は「やりたいことをやって」ガルネクを売り出しているのである。
とりあえず、今日はここまで。。。